“みんなで戦う”のが
ドラマ作りの
面白さだと実感
貴島 彩理
ビジネスソリューション本部 コンテンツ編成局ストーリー制作部
ドラマ・映画プロデューサー
仕事内容を教えてください。
入社してから3年半、バラエティ班でADとディレクターとして現場を経験した後、ドラマ部に異動しました。『おっさんずラブ』『オトナ高校』『女子高生の無駄づかい』のほかに、2021年は『にじいろカルテ』『あのときキスしておけば』などのドラマをプロデュースしています。
主な仕事は企画、キャスティング、脚本作り、スタッフ集め、撮影、編集、宣伝、SNS、予算管理、二次展開など様々ですが、中でも0から仲間を集めてチームを作るのは楽しい作業です。この俳優さんの組み合わせが見てみたい、憧れの脚本家さんと仕事をしたいと思えば、いきなり会いに行くのも日常茶飯事。さながら『ONE PIECE』の仲間集めのような気持ちで日々臨んでいます。そうやって一生懸命集めたメンバーと3か月、毎日を共に過ごし、チームが家族のように育っていくのはプロデューサーの醍醐味だと思います。
どんな学生でしたか?
学生時代は演劇サークルで、朝から晩まで稽古をしていました。腹筋をしたり、木材を切ってセットを建てたり、チラシ配りやチケットもぎりをしたり、恋愛したり…楽しかったです(笑)演劇をやるためにお金が足りず、様々なバイトもしました。ユニクロでヒートテックセールを捌いたり、スーパーでキュウリの浅漬けの試食販売をしたり、リヤカーを引いてラッパを吹いて豆腐を売ったり…。
よく就職活動中の学生さんに「学生時代どんなことをしておくべきか」と聞かれることがありますが、是非学生時代を謳歌してほしいです。内容が高尚である必要は全くありません。自分が“やりたい”と思った何かに全力で挑んだその時間が、その人の魅力になると思います。
「今までの仕事で最も印象に残っている出来事は何ですか?
「おっさんずラブ」の初回視聴率が衝撃の2.9%を叩き出してしまったことです。
頑張って一緒に作品を作り上げてくれたキャストやスタッフに、どんな顔をすればいいのか分からなくなって涙目になっていたときに、先輩から「面白いんだから大丈夫。船頭がブレるな」と目を見てハッキリ言っていただいたこと。
そしていざ現場に向かったら、座長の田中圭さんから「絶対に大丈夫。2話の視聴率が上がらなかったら俺俳優やめるから」と堂々と宣言していただいたこと。当時は「本当に俳優をやめてしまったらどうしよう…」と戦慄しましたが(笑)
思い返せば、チームのみんなを引っ張らなければならない立場のプロデューサーが、周りに励まされてばかりで情けなかったなと思いますが、苦難の時だからこそ感じられた温かさ。“みんなで戦う”のがドラマ作りの面白さだ、と実感した瞬間でした。
テレビ朝日に入ってよかったなと思うことは何ですか?
若手にチャンスを与えてくれる会社だからこそ、失敗を恐れずに挑戦できたと思います。『おっさんずラブ』は2016年に若手の企画をドラマ化するトライアル枠から産まれたもの。プロデューサーとしての実績が全くない私の様々な意見を、先輩方は嗜めるどころか「とりあえずやってみなよ!」と背中を押して、任せてくださいました。
作品が奇跡的にヒットした時も「20代で一つ、30代で一つ、40 代で一つ、ヒットを作ればいい。私もその途中。一緒にがんばろう」という言葉を先輩からいただき、私がプレッシャーを感じないようにという優しさと、憧れの大先輩もまた今なお戦いの途中だという気概に、胸打たれた思い出があります。
いつも熱い言葉をかけてくださる先輩がたくさんいる環境であることがテレビ朝日の魅力だと思いますし、私も誰かにとってのそういう人になれるよう、精進したいと思います。
仕事終わりや休みの日は何をしていますか?
テレビを見たり、漫画を読んだり、友達と飲みに行ったり、昼寝したり…普通です(笑)
ただ、この仕事は人生に起こる楽しいことも辛いことも「全てネタになる」のがいいところ。なので、興味を持ったことがあれば、友人を巻き込んで挑戦します。
イスラエル護身術、レンタル彼氏、ろくろまわし、ケーキ投げ、コスプレイベント、乗馬、サバゲ―…自分の引き出しにないものも、やってみたら意外な発見があったり。久々に会う友人たちに恋バナの進捗を聞くと「ドラマのネタにしようとしてるんでしょ~」とよく怒られます。
学生へのメッセージをお願いします!
いま、テレビは必ずしもリアルタイムで見ることがベースではなくなっている時代。
世界中の作品がライバルと言えますが、自分たちの作った作品を世界中で見てもらえるチャンスに溢れた、夢のある時代だとも思います。
同時に、どんなに技術が進歩しても、撮影現場は朝早く、休みも少なく、人と人が関わらなければ成り立たない…テレビはどこまでも泥臭い仕事で、だけど最高に楽しい仕事だと私は思います。
才能は関係ない。ドラマは1人では作れないからこそ、面白い。
熱い想いを両手いっぱいに持って、是非六本木にお越しください!