スポーツの
歴史的場面に立ち会い
興奮や感動を伝える

井奥 一樹

 スポーツ局スポーツ1部

スポーツディレクター

仕事内容を教えてください。

「世界水泳」など、スポーツ中継のチーフディレクターを務めています。
スポーツ中継は筋書きがなく、撮り直しもできません。
世界一を決める歴史的レースの直前、選手たちはどんな表情か―
世界一はどんなレース展開で決まるのか―
世界一になった選手はどのように感情を爆発させるのか―
そんなことを考えながら「瞬間」を逃さないよう準備し、20台を越えるカメラ体制で映像を作ります。
そして、伝えたいことをより色濃く表現することも大切にしています。レースの見どころや選手たちのエピソードを、VTRやスタジオでどう伝えれば視聴者が感情移入し、引き込まれ、心に残る映像として記憶するのかを考えます。番組全体の構成を組み立てる仕事です。

どんな学生でしたか?

就職活動をするまでは全くテレビの仕事を考えていませんでした(笑)
とにかく部活動(陸上競技)に没頭し、四六時中そのことばかり考えていました。記録を伸ばすことや少しでも上の順位にいくことを、いろんな視点で試行錯誤していました。よく言えば好奇心旺盛で研究熱心なところはあったと思いますが、今当時の自分に声を掛けられるなら、もっと広い視野を持ちなさいと言いたいです(笑)

今までの仕事で最も印象に残っている出来事は何ですか?

最初の配属から丸14年スポーツ局に勤めていますので、やはりスポーツの歴史的場面に立ち会えたことはどれも印象深い出来事でした。特に五輪はロンドン、ソチ、リオと現場で仕事をさせてもらいましたが、五輪王者が決する瞬間や数々の名場面が鮮明に記憶に残っています。そんな興奮や感動を放送で伝える仕事ができたのはとても光栄な想いでした。それから、世界各国で少しだけ食べることができた美味しいもの、たくさん食べた不味い弁当…どれもいい思い出です。

テレビ朝日に入ってよかったなと思うことは何ですか?

あまり言うと手前味噌ではありますが、人間関係でストレスを感じたことはあまりありません。もちろん大変な仕事ばかりですが、そこはとてもいいところだと思っています。
スポーツの職場では、出演者はもちろんのこと、アナウンサー、技術スタッフ、スポーツ局スタッフがみんな誰よりもスポーツ、選手をリスペクトしているところです。あのインタビューの言葉はこういう意味じゃないだろうか、あのプレーのすごさを映像で表すにはこんな風に撮るべきじゃないか、そんなことを真剣に議論している環境には居心地の良さを感じています。

仕事終わりや休みの日は何をしていますか?

家族との時間がほとんどですね。仕事より疲れることばかりです…(笑)
自分の時間にはスポーツを観たりもしますし、録画したバラエティ番組やYouTubeを観たり、漫画を読んだりもしています。あと、ハマっているのはウイスキーです。週に1本はボトルを購入し、毎日のように飲んでいます。専門書を読んで知識も深めています。仕事仲間からは「一体何を目指しているの?」と言われています(笑)

学生へのメッセージをお願いします!

この仕事は「正解」がない仕事だとよく言われます。痛感しています。
例えば、インタビューでの発言内容をテロップでフォローすることがよくあるのですが、そのときの文字の色一つとっても、赤か青か、どちらが「正解」とも「不正解」とも言えないんですよね。でも伝わり方は全く違います。
大事なのは「正解」を探すことではなく、どう伝えるべきと考えて判断したのかという「意図」だと思っています。そして、この「意図」は経験や感性に大きく影響されていると思うんですよね。ですので、学生の皆さんにはとにかく今しかできないいろんな経験を積んで、感性を磨いてこの世界へ飛び込んできてほしいなと思っています!

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