Nishio Tetsuya

MEMBER

新米でも古米でもない新古古米ぐらい

Nishio Tetsuya

報道局

報道番組センター

ある年越し、小学生時代。テレビの生放送を見ながら新年を迎え、そろそろ寝るよう急かされた少年。まるで、門限を守るため、夏祭りの途中で帰宅するような気持ち。ブラウン管の中にいる賑やかな人々を羨ましく思った。それから10年、少年は、テレビ局に入社。以来20年間、門限を気にせず、報道の現場を駆け回っている。

あなたの“be with…”は?

?や!

テレビを見て、「え?」「へぇ!」「そうなの?」と思わず呟いてしまうことありませんか?もちろん、私はその“常連”ですが、自分の「?」「!」を、テレビを通じて、誰かにも呟いてもらえたら、いいですよね。

  • あなたの仕事を教えてください。きょう“地球”で●●がありました。

    報道番組は、必ずしも事件事故、政治経済といった項目がトップニュースとは限りません。季節外れの暑さや大谷翔平選手の記録がトップになる日もあれば、米アカデミー賞の日もあります。私が担当している『総合デスク』というのは、そうした様々な出来事の中から何をどれくらい伝えるのか、ニュースや気象、スポーツの各責任者と相談しながら番組全体の編成と演出、進行することが役割です。国内外、分野を問わず飛び込んでくるニュースのうち、いま最も多くの人が関心を持っていることは何か?そのニュースの核心は何か?自問自答の毎日ですが、やはり、「一人でも多くの人に伝えたい」と思うことを仲間と一緒に形にしていくことがやりがいです。

  • テレビ朝日の報道ってどんな仕事ができるの?記者?ディレクター?いいえ、両方です。

    報道ステーションでも大きく取り上げた『トランプ関税』のニュースを例に説明します。例えば、日本側の交渉方針などを探るため、政府関係者や関係省庁を取材する政治部や経済部、社会部の記者。一方、トランプ政権の動向を取材するアメリカの特派員もいます。記者や特派員は、中継やスタジオに出演して情報を伝えることもあります。こうした情報をもとに、番組のディレクターは、関係する業界の反応を取材したり、それらを合わせてVTRを作ったりもします。私自身、社会部の記者や番組のディレクター、海外の特派員を経て、現在に至っていて、特定の職種ではなく、様々なことにチャレンジできることもテレビ朝日の魅力です。

  • 印象に残っている仕事は?数えきれないほどありますが

    特に印象に残っているのは、社会部記者の頃、福島第一原発の事故直後、福島県に入り、長期間取材したこと。特派員時代、泡まつ候補と見られていたトランプ氏が瞬く間に共和党候補にのし上がり、勝利確実とされていたヒラリー氏を破った大統領選取材。そして、報道ステーションでは、大越キャスターとともにウクライナやイスラエル、パレスチナを取材したことです。振り返ると、多くの先輩に取材のイロハを教えてもらいながら、後輩と一緒に試行錯誤し、とにかくチームで場数を踏んできました。報道ステーションは、大越さんを筆頭に大ベテランの先輩も多くいるので、中堅世代となった今も、日々勉強になります。

  • 仕事終わりや休みの日は何をしていますか?新たな発見と経験を求めて…

    家族と公園に行ったり、旅行したりドライブしたり、買い物に出かけたり、テレビを見たり、比較的、気ままに過ごしていると思います。ただ、少々こだわっているとすれば、例えば公園は公園でも個性的な遊具があるとか、「こんな公園があるんだ!」という発見を秘かな楽しみにしているので、公園に限らずですが、行ったことのない場所を調べて家族と出かけるというのが、趣味なのかもしれません。開拓の精神と言えば、聞こえは良いですが。

  • 学生へのメッセージをお願いします!あの頃やってみたことが、今“生きる”

    子供のころや大学生時代も含めた趣味や経験、チャレンジが、意外と役に立つことが多いです。例えば、小学~中学生のころ、羽生善治さんの影響もあり、部活動(運動)とは別に、将棋にも随分のめりこみました。高校以降は、ほぼ縁がなかったのですが、30年近く経ったいま、藤井聡太さんが一世を風靡し、ニュースで大きく取り上げる際には、将棋界の独特のルールや表現を知らないスタッフも多い中、「実は…」みたいな感じで説明したり。「あの時のことが意外と役立った」という場面が、将棋以外でも結構多いですし、就職活動を機会に何気ない経験や記憶を紐解いて、いまの自分を再発見してみるのも良いかもしれません。

SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 12:00ごろ

    きょうの“出来事”。自分は、何を伝えたい?

    午前中に飛び込んできたニュースや各局の昼ニュース、午後以降のニュース予定をチェック。番組で取り上げるニュース、気象、スポーツのメニューを考える。トップニュースは何?放送する順番、長さはどうする?

  • 13:00ごろ

    “仲間”に相談 知恵を結集

    ラインナップを決めたら、デスク、ディレクターと方向性を共有。より見やすく、より深掘りするため、どんな取材を展開するか、誰をゲストを呼ぶか、どんな演出を仕掛けるか。意見を交わして、意思統一。号砲鳴る。

  • 夕方

    出演者も合流、『チーム報ステ』が一つに。

    業界で言う「MC打ち」。キャスター陣にラインナップや取材の“狙い”を説明。経験豊富な大越キャスターの鋭く、温かいアドバイスに、「ふむふむ、なるほど!」。出演者を含めた『チーム報ステ』の一体感が強まる瞬間。

  • 20:30ごろ

    直前まで、正確さとわかりやすさを追求

    放送前の最終打ち合わせ。VTRの原稿やスタジオ解説やコメントの流れを吟味し、改善点はどこか、落とし穴はないか、出演者と一つ一つ入念に確認。チーム全員のイメージが、いよいよ完成した形に近づいていく。

  • 21:54

    油断厳禁 生放送中も変わる番組内容

    生放送開始。準備したVTRなどを放送時間内ピッタリに収めるため、「押し」「巻き」を秒単位で確認しながら指示。放送中に思わぬ速報が飛び込み、『仲間の渾身のVTRを見送る』という苦渋の決断をする日も…。

  • 23:10

    きょうのところは、お疲れ様でした。

    月曜~金曜まで毎日続く生放送番組。あすに生かせること、つなげることは何か。短く反省会と打ち合わせをして、帰宅。気持ちの切り替えが大事。