MENU

CLOSE

アナウンサーの仕事

総合編成局アナウンス部清水俊輔 / 吉野真治

同期入社のふたりは、同じ大学を卒業して同じ仕事をしながら、
性格もタイプもまったく異なる。
スポーツやバラエティと幅広いフィールドで活躍するふたりに、
それぞれの視点からアナウンサーという仕事の魅力を語ってもらった。

吉 野
こうやってふたりで話すのってちょっと照れくさいね(笑)。入社以来、お互いスポーツ実況をしているけれど、清水は野球とフィギュア、僕はプロレスとサッカーとジャンルが違うんだよね。最近は僕もバラエティを担当するようになってきたけれど、清水は「Qさま!!」などが長いよね。
清 水
スポーツ実況の経験を活かそうと、バラエティをやりたいと思ったのが入社3年目のとき。実際にやってみると、バラエティにはタレント的要素が必要と思われがちだけれどその逆で、番組を軌道修正したりもっともアナウンサーとしての役割が求められると思う。
吉 野
その場の空気を大事にしつつ番組の進行をしていくのが、僕たちアナウンサーの仕事だよね。番組のだいたいの流れを頭に入れておいて、その場その場をおさめていくには瞬時の判断力がないと。スポーツ実況で解説の間合いをみながら実況するのに近いかな。
清 水
例えば『中居正広のミになる図書館』でカンペが出ていても、司会の中居さんはその場の流れを大事にするためにあえて指示に従わないことがある。それでも強引に僕が指示通りに進めた方がいい時もあるし、一緒に指示を無視した方がいい時もある。中居さんの温度感を見ながら決めているよ。

吉 野
『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』でもとんねるずさんが台本と全然違う方向に進んで、カンペが追いつかないほど暴走するのがほとんど。ついていくのがやっとだけれど、最終的にはものすごく面白い番組になっていていつも感心してしまう。
清 水
VTRにふらなくてはいけないけれどその場が盛り上がっていて、でもカンペが出ていて、毎回そのせめぎ合い(笑)。スポーツ実況は自分が主導権を握って進められるけれどバラエティではそうはいかないから、やっぱりそれぞれの面白さと難しさがあるよね。
吉 野
バラエティは生もの、どう転ぶかわからないから。スポーツであればバッターが打ったら一塁に行くのが当たり前だけれど、バラエティでは三塁に行くこともある。そこでフリーズしないで対処していくのがバラエティ。以前、「スポーツ王」のゴルフ・キャッチング対決でゴルフ場の池に落ちたんだよね(笑)。こういう経験はバラエティでしかあり得ないし、バラエティは自分の可能性を広げてくれる。
清 水
それから、バラエティは反響が大きくて、街を歩いていても「あ、『Qさま!!』だ!」と声をかけられる(笑)。自分のキャラを知ってもらって、それが親しみとなるのはバラエティだけだよね。

吉 野
ディレクターやカメラマンなどたくさんのプロがいて、そのうえにアナウンサーという仕事が成り立っていると思う。特にW杯などの世界大会になるほど、野原のようなところから実況ができる環境ができている。サウジアラビアで実況したときは、50mのコードを運ぶだけで脱水症状になってしまうなんてこともあったからね。
清 水
バラエティ番組の場合、アナウンサーといっても表に出ているという意識はないよね。例えばクイズのルール説明をしても番組ではナレーションになっていたり、放送上では使われていないこともしばしば。でもそれでいいと思う。あくまでスタッフの一員としてやっているから。視聴者のことを考えてないわけではないけれど、まずはスタッフの期待に応えること。その先に視聴者の皆さんに喜ばれるような番組ができると思うんだ。逆にスポーツの場合、顔は映らないんだけど、自分が主導権を握って実況するので出演者の感覚に近いかもしれない。
吉 野
ひとりでは何もできない。周りがあってこそ、今があると思う。当時のディレクターが若手をどんどん使ってくれたおかげで、入社1年目からプロレス中継の本番を経験させてもらえた。現場で声が出せなくて酸欠になるなんてこともあって、今の自分じゃ全然闘えないんだって痛感した。
清 水
早くから実践をさせてもらえるのは本当にありがたいよね。年齢に関係なく実力で判断してくれるしね。年功序列で担当が決まることなんて全然ない。僕たちの年齢でWBCや日本シリーズを経験できるなんて、本当にチャンスに恵まれているよね。
吉 野
『AFCアジアカップ2011』のシリア戦の実況を任されたときは本当に嬉しかった。日本代表戦の前に放送席で「君が代」が流れた瞬間、ついに日本代表の実況ができたという想いから涙が出た。解説の松木安太郎さんに「あれ、吉野くん花粉症?」と言われて我に返ったけどね(笑)。

吉 野
入社前はアナウンサーなんて全然考えたことすらなくて、サッカーに携わる仕事がしたいと思って受けたのがきっかけ。初めての入社試験で力試しに受けたようなものだったから。清水は違うよね。
清 水
僕は幼い頃からスポーツ実況が好きで、モノマネをして遊んでいた。でも学生時代にラジオ局のADをしていたくらいで、特にアナウンサー学校には行っていなかったんだよね。
吉 野
僕なんてリクルートスーツが間に合っていなくて、学ランで受験したからね(笑)。
清 水
吉野のこと覚えているよ。カメラテストの順番を待っているときに「ベラベラしゃべってうるさい奴」と思っていた(笑)。
吉 野
隣にいた清水は手が震えていて、「こいつ、絶対に落ちるな」と思って見ていた(笑)。そしたら、カメラテストでスタジオの外まで声が聞こえてきたのは清水だけだった。
清 水
僕らは本当に対照的。この振り幅がテレビ朝日にはあるってことだよね(笑)。少しでも興味があったらぜひトライしてみてほしい。しゃべることなんて誰でも日常的にやっていることで難しくないから。
吉 野
新人研修で神宮球場へ実況の練習に行ったときに、指導担当の森下桂吉アナから「(清水と)同じ給料をもらっているとは思えないな」って言われたんだよね。最初はそれくらいギャップがあったけれど、コツコツ努力を重ねてここまでくることができた。だから、僕のように何もやってきてなくても大丈夫。
清 水
発声や滑舌に自信がなくても心配ないしね。技術的なことは、入社してからで十分間に合うから。僕も入社前は声が弱くて小さくて、今とはまったく違う声だった。
吉 野
あと、顔は関係ないですから。アナウンス部のホームページで野上慎平アナと大西洋平アナの写真を見て、自信を持って受けてみてください(笑)。

吉 野
清水の実況は正確でわかりやすくて聞きやすく、まさに王道。球場の研修であれだけ歴然とした差を見せつけられて、清水というお手本があったからここまで努力をしてこられたと思う。
清 水
吉野とジャンルはかぶっていないけれど、やっぱり必ずチェックして意識している。吉野がW杯の実況をやったりすると自分も嬉しいし、誇らしくも思う。吉野は努力の度合いが僕とはまったく違って、研修の後にひとりでまた球場に戻って練習をしたりしていましたからね。
吉 野
僕たちに共通するのは、ひとの真似はしないこと。アナウンサーってだんだん誰かに似てくるんですが、僕たちにはそれがなくて。頑固なのかもしれませんけど(笑)。
清 水
そうかもしれないね。東京オリンピックのときにちょうど40歳になるので、実況するのが目標。その後は全然違うこと、例えば報道といった新しいことに挑戦してみたいな。
吉 野
僕もW杯の夢が叶ったので、次はオリンピックで実況をしてみたい。それぞれの道はまだまだ続きそうだね。
総合編成局 アナウンス部吉野 真治
2002年入社。学生時代は体育会系のサッカー部でマネージャーとしてチームを支えた。社会人となった今でもチームワークを大切にしている。これまでにW杯やオリンピックの現地リポーターなど、世界の大舞台で実況も務めた経験がある。
総合編成局 アナウンス部清水 俊輔
2002年入社。子どもの頃からスポーツ実況が好きで、夜中のオリンピックを見るために昼寝をするほどだった。学生時代はラジオ局でADのアルバイトをしながらアナウンサーの仕事を間近に見ていた。現在はスポーツからバラエティまで幅広くこなす。