社長定例会見
西新社長 社長会見(3月31日)の要旨
2026-03-31
※視聴率に関する社長所感。
西社長:2025年度の年度視聴率について報告する。おかげさまで個人視聴率は、年間に続いて年度でも2年連続となる三冠、そして世帯視聴率は4年連続の三冠を達成することができた。ご視聴いただいた皆様に心から御礼申し上げたいと思う。年々、視聴環境は複雑になり、競争も厳しさが増す中で、この結果に甘んじることなく、さらなる緊張感をもって皆様のご期待に応えられるよう、新年度も精一杯頑張りたいと思う。次に、東京ドリームパークについて。先週27日の開業初日から週末にかけて、天候にも恵まれ、「100%ドラえもん&フレンズ in東京」をはじめとする各コンテンツ会場は連日想像以上の大きな賑わいとなった。また、28、29日に開催されたSGCホール有明でのB’zのコンサートも大盛況となり、まずは順調なスタートが切れたものと感じている。ご来場いただいたお客様の笑顔を目の当たりにして、大きな感謝とともに、この東京ドリームパークという施設が持つ大きなポテンシャルを改めて感じた次第だ。そして、この施設が有明という場所で新しい人の流れを作り、新しいコミュニケーションを育むような街づくりにも貢献できれば、とても嬉しく思う。この後も、4月25日にはEXシアター有明がオープンとなり、初夏にはデジタルアート展「レーヴ・デ・リュミエール」も開催を予定している。多くの皆様にご来場いただけるよう、これからもしっかり準備をしていく。東京ドリームパークは、新年度からスタートする新たな中期経営計画の中核を担う重要な事業と位置づけている。全役職員が一丸となって、この新事業を成功させるべく、強い覚悟を持って取り組みたいと考えている。そして、その新しい中期経営計画では、「東京ドリームパーク」を中心に、「IP開発」「ABEMA」「CVC」「AI」の5つのキーストラテジーを掲げている。4年後の創立70周年をゴールと設定して、しっかり目標を達成したいと考えている。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:視聴率の詳細を報告する。まず、2025年度は個人全体・世帯ともに三冠だった。個人が全日3.4%、ゴールデン、プライム共に5.2%。世帯は全日が6.3%、ゴールデンが8.8%、プライムが8.9%だった。また1月クールにおいても、個人が全日3.6%、ゴールデン、プライム共に5.5%。世帯は全日が6.5%、ゴールデン、プライム共に9.3%ということで、三冠を獲得した。年度として、本当に多くの皆様にご視聴いただいた。続いて新年度だが、4月8日に初回を迎える土屋太鳳さん、佐藤勝利さん、ダブル主演の「ボーダレス~警視庁広域移動捜査隊~」を皮切りに、14日には高橋一生さん主演の「リボーン~最後のヒーロー~」、そして16日には鈴木京香さん主演の人気シリーズ「未解決の女 警視庁文書捜査官Season3」など、ゴールデンタイムの連続ドラマが続々とスタートする。また、バラエティに関しても、今週3日に「ミュージックステーション3時間半スペシャル」を放送させていただく。先週27日に有明地区に開業した東京ドリームパークからの中継も交えて、特別な演出でお届けしたいと思っている。また4月18日には、テレビ朝日ドラマプレミアム「無垢なる証人」を放送する。これは、韓国で観客動員数230万人を超える大ヒット映画を日本で初めてドラマ化した作品だ。主演に唐沢寿明さん、物語のカギを握る少女役に當真あみさんをお迎えして、二人の心の触れ合いを描くヒューマンドラマを放送させていただく。2026年度も一人でも多くの皆様に良いコンテンツをお届けできればと思う。
※営業状況について。
橋本取締役:まず2月3月の売上状況だが、2月はタイムが前年比112.6%、スポットが94.5%で、トータル102.3%で確定した。3月はタイムが前年比で100.3%、スポットが85.4%、トータルでは91.3%だ。2月については、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックがあったので、タイムとスポットの関係にややアンバランスが生じた月となった。オリンピックのセールスが順調に進んだので、結果としては、タイムは前年からプラス12%強、一方のスポットは前年からマイナス5%強の状況ということで、トータルでは前年比で、先ほど申し上げた通りプラス2%強の結果となった。次に3月は、タイムについてはスポーツやドラマの単発で大型セールスが成立しており、これらが売上を前年レベルの水準まで運んでくれたという結果だ。スポットについては、昨年はフジテレビの問題があり、特需状況だった。今年はそれが正常化の流れということで、前年比ではマイナスではあるが、下期全体としては前年並み、ないしは若干それを上回るレベルでの売上着地になるのではないかと見ている。最後に、4月の売上だが、タイムは昨年、フィギュアスケートの国別対抗戦があった。今年はそれがないので、この分、売上を減らす感じだが、一方、4月の改編セールスは概ね順調に推移しているので、あとは売り残しているレギュラー枠をきちんと仕上げるということになろうかと思う。スポットについては、昨年の特需状況が解消されているということに加えて、日増しに国際情勢の先行きが不透明になってきており、広告出稿は動きが鈍いと言えると思う。当面は様々な角度から広告会社やアドバタイザーの動きを注視しながら、まず目標としている数字に近づけられるよう、セールスを進めたいと思っている。
※放送外収入について。
板橋専務:3月26日、記者の皆様に東京ドリームパークの内覧会にお越しいただき、感謝申し上げる。建物の全容をご覧いただいて、いかがだったか。翌日27日、無事に開業することができた。来場されたお客様に建物に入っていただいて、建物に命が宿ったかなと考えている。来場者の人数は、速報値だが、昨日までの4日間で4万人を超えるお客様に施設に来ていただいたという数字が出ている。センタープロムナードにも大きな賑わいが見られ、キッチンカーも出て、まさに有明に新しい人の流れができたのではないかと考えている。「100%ドラえもん&フレンズ in 東京」や6階の屋上テラスなど、各エリアでみなさんに楽しんでもらえるようなイベントを毎日行っている。また、SGCホール有明では、テレビ朝日と非常に縁が深いB'zがスペシャルライブを行い、初めてリアルに音を出してもらった。SGCホール有明には「イマーシブオーディオ」という、常設としては世界で初めてのオーディオシステムをセットアップしていて、非常に高い評価を得ている。4月3日には「ミュージックステーション」のスペシャルをSGCホール有明からもお送りする。ぜひオンエアでもその音を楽しんでいただければと思う。今後もさまざまな番組と連携しながら、有明に新たな賑わいを作っていければと考えている。続いてイベントだが、毎週土曜日放送の「なにわ男子の逆転男子」初のイベント開催だ。番組スタートから3年、CDデビュー5周年イヤーで、初開催のイベントとなる。続いて「マイナビpresents The Performance」だ。K-POPをはじめとする人気アーティストが一堂に会するミュージックフェスということで毎年好評をいただいているが、今年のツーマンライブは初日、RIIZEそれからTHE RAMPAGEに決定している。2日連続でATEEZがヘッドライナーを務めるというスケジュールになっている。最後に、生誕100年を迎える世界的ファッションデザイナー、森英恵さんの大回顧展を開催する。世界を股にかけた森英恵さんの作品約400点を展示する。国立新美術館での開催だ。先日放送されたドラマプレミアム「森英恵 Butterfly beyond」で森英恵さんの夫を演じた中島裕翔さんに音声ガイドを務めていただくことになっている。こちらもお楽しみいただければと思う。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASA関連のトピックスだが、現在、会員数は233万人を超えている。4月クールも連続ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナル作品、「なにわ男子の逆転男子」初の番組イベントの生配信も実施する。また、羽生結弦さんの単独公演の独占生配信も予定している。続いてABEMA関連だ。ABEMAのWAUは平均2,200万前後で推移している。霧島の優勝で沸いた大相撲春場所の生中継およびダイジェスト動画が大きく視聴数を伸ばしている。オリジナルの番組も好調だ。若年層の絶大な支持を得ている恋愛バラエティ「今日、好きになりました。」が、3月27日、東京ドリームパークの開業記念イベントとして多くの方々と交流をしていただいた。引き続き番組連動イベントも実施をしていければと思っている。続いて、出資映画だ。2月27日公開のシリーズ45作品目、「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」は、現在、興行収入31億円、動員247万人を突破して5週連続動員ランキング1位を獲得するなど、非常に好調に推移している。1983年の名作のリメイク作品だが、現在、SNS等では、今の時代に本当に心に響く物語であると高い評価をいただいている。また、シリーズ初となる4D上映も行っているので、引き続きさらに多くの方々に足を運んでいただければと思う。
※2023年から三か年の中期経営計画の振り返りと来年度からの目標、意気込みについて改めて教えてほしい。
西社長:現行の中期経営計画だが、早河会長のもと、全社一丸となってこの経営計画を着実に遂行した結果、先ほどご紹介した視聴率の三冠をはじめ、売上・利益ともに上場以来最高レベルとなり、あらゆる目標が達成できる見込みとなっている。これはテレビ朝日全グループの一人一人の努力を積み重ねてきた結果であり、大変誇りに思うと同時に、心より感謝している。そして、新年度に始まる新しい経営計画は、視聴率三冠を達成してテレビ局として大きな目標を実現したわけだが、それにとどまることなく、これまでの成果を振り切って、新しく大きな事業目的を挙げて更なる成長を達成しなければならないという考えのもと、開局70周年をゴールと想定した新しい計画だ。内容は多岐に渡るが、鍵となる戦略目標は、先ほども出ている「東京ドリームパーク」「IP開発」「ABEMA」「CVC」「AI」
と、この5つのキーストラテジーとなっている。そして、全体のキャッチコピーだが、新興企業のように思い切ったスタートを切るという意味で「START UP テレ朝!!」となっている。全社一丸となって、この精神を貫いて目標をしっかり達成したいと考えている。
※4月期改編の狙い、目標について改めて伺いたい。
西社長:これまで通りあらゆる世代の皆様にご覧いただけるオールターゲット戦略というのは、変わっていない。そして4月改編だが、現在のテレビ朝日のタイムテーブル全体を牽引してくれている報道・情報の5ベルト番組があり、これが三冠の大きな要因なのだが、これらをしっかり強化するということを軸に置いている。ゴールデン帯のバラエティに関しても、おかげさまで全体を通してご好評いただいているため、今回はゴールデン帯に関しては改編ではなくて、いわゆるリニューアルや強化を徹底したいと考えている。一方、23時以降などアザー帯に関しては、思い切ったチャレンジができればと今進めているところだ。具体的には、東京ドリームパークと連動した企画、それからAIをクリエイティブ面で活用する企画、さらには新たなIP開発を目標とした朝帯の「有働由美子の健康案内人!」や、日曜朝の「よ~い!スターと!トビダスクール」という新番組、こういう新しいIP開発をしっかりと目標に置いた企画等々、新しい中期経営計画の5つのキーストラテジーに絡むような番組を多数ラインナップしている。ぜひご期待いただきたい。
※メディアシティ戦略の中核に位置づけられる東京ドリームパークが開業した。完成した施設を見ての感想や、期待することについて教えてほしい。
西社長:いつもはスーツだが、今日は東京ドリームパークのジャンパーを着ている。それぐらい気合が入っているということだ。まず開業まで様々お世話になった関係者の皆さんに心から感謝したい。東京都の未来型湾岸都市の構築という趣旨に賛同する形でこの土地を取得してから6年間の準備期間を要したが、無事に開業できたことは大変嬉しく、また身の引き締まる思いでいる。3月25日に開業式典を執り行ったが、エンタテインメント界の各社様、広告主の皆様、そして広告会社の皆様、多方面から大変多くの皆様に駆けつけてもらい、小池百合子都知事をはじめとする来賓の方々からも温かい祝辞を頂戴した次第だ。そして迎えた27日の開業初日から週末にかけて、現地では各会場ともに溢れんばかりの賑わいがあり、来場のお客様の笑顔を目の当たりにして、感謝の気持ちで本当に胸がいっぱいになった。同時にこの東京ドリームパークが持つ可能性、そしてポテンシャルの大きさを実感したところでもある。東京ドリームパークは、ホールとシアターを有する前例のない複合型エンタテインメント施設となっているが、この主力のホールとシアターは向こう1年、ほぼ予約で埋まっており、この開業記念の有明春祭りも含めて、まずは順調なスタートを切れたのではないかと感じている。今開催している有明春祭りはゴールデンウィークまでの様々な催し物を用意して、皆様の来場を待っているので、ぜひよろしくお願いしたい。
※東京ドリームパークについて、広告収入の将来性が現在不透明な中で、そういった放送外収入の位置づけというのは、今後放送局の中でどのように高まっていくと考えているか。
西社長:いわゆる我々の本業である地上波の広告収入は伸びが当然鈍化してくるわけで、それに向けて先ほど5つのキーストラテジーを出したが、長期にわたって広告収入を補完する事業に、どんどん力を入れていくということだと思う。
※先日、民放連で違法アップロード動画に広告が32億円流出しているとの調査結果が出された。その結果及び民放連の声明に対する受け止めと、テレビ朝日が問題の解決にあたって検討していることがあれば教えてほしい。
西社長:民放連は「違法アップロードへの広告の流出は、日本のコンテンツ産業の持続可能性に影響する」と指摘しているが、当社としても全く同様の認識を持っている。そして、「コンテンツに関わった方々に正当な対価が還元されるよう、広告主の皆様にも引き続き理解をお願いするとともに、プラットフォーム事業者には、権利の侵害行為に対する真摯な対応を求める」という点においても全く同じ考えを持っている。当社としては、まず、著作権者及びアドバタイザーの皆様の権利とブランド価値を守るべく、民放連や各種団体とも連携しながら、プラットフォーム事業者に対策を働きかけるとともに、アドバタイザーの皆様にも改めてその注意を促していくということになる。
※WBCをこれまでテレビ朝日で放送されていて、先日TBSの定例会見では、お怒りに近い苦情のようなクレームが視聴者から寄せられたと発言があったが、テレビ朝日には視聴者からどういった声が寄せられたか。
西社長:視聴者センターには、「今後キー局が協力して放送できないのか」、あるいは「ABEMAなど配信と地上波の連携を検討してほしい」という声が多かったように思う。
※Netflixの配信は視聴したか。
西社長:平日もあるので、もちろん全部ではないが見られる時は見た。
※地上波の作りと違う部分などは感じたか。
西社長:全部細かく見たわけではないが、制作が日本テレビのため、我々が培ってきたテレビ中継がベースになっているのだろうし、そこにネットならではの工夫が入っていたように思う。
※次回大会の開催時期がまだ定まっていない中、次回に向けて放送したい意欲はもちろんあると思うが、それに向けて動けることなど、具体策はあるか。
西社長:過去5大会放送してきたため、もちろん次回大会の放送については、興味はある。ただ、次回の放送権、配信権を主催者側がどのように判断されるのか全く公表していないので、ここではコメントを控えたいと思う。
※コメントは難しいということだが、例えば放映権の問題が広く言われると思う。そこに対してはどのように考えているか。
西社長:これだけたくさんの視聴者の皆様からもお言葉をいただいたため、次回はどういうことをお届けできるのか、我々にとって何がベストな形なのかというのは、いろいろ検討したいと思う。
※先日、BSフジ、BSテレ東がBS4K放送の終了をリリースした。昨日、日本テレビの福田社長からも似た旨の発言があった。4K放送に関するBS朝日の現在の状況を伺いたい。
西社長:これまでも会見で何度か話している通り、2018年12月の開始以来、BS4K放送がビジネスとして厳しい環境にあることは事実だ。来年1月の衛星基幹放送の認定期間に向けて、当社としては様々な検討を続けている段階のため、現時点ではこれ以上の答えがない。方向性が決まり次第、発表したいと思う。
※フジテレビではアナウンサーの退職が続いている。一方で、テレビ朝日のアナウンサーは数年間退職者を出していない。視聴率も非常に好調で、アナウンサーも居心地がいいのかなと思うが、アナウンサーの退職者が少ない要因は。
西社長:他局のアナウンサーに関するコメントは控えさせていただく。当社は「何事にも挑戦すること」、「敬意の文化」の2つがいわゆる会社のDNA、企業風土になっている。したがって、アナウンサー一人一人が、番組をはじめ様々なものにチャレンジできる環境がある。加えて、制作現場、ビジネス部署を含めて、皆が敬意を持ち、互いに助け合い感謝し合う文化がある。そのような風土が、アナウンサーの皆さんが長くキャリアを描けるような要因になっていると個人的に思う。これからもぜひ一緒に頑張りたい。
※きょう配布されたAIを活用したリリースに「AI早河会長」というものがあり、結構完成度も高いのではないかとこの写真を見て思ったが、「“イズム”をより身近に、より革新的な形で伝承していく」と。これを作った背景としてどういったことを伝えていきたかったのか。例えば社員とのコミュニケーションをより深化させていきたかったとか、その狙いみたいなところについて教えてほしい。
西社長:クオリティは高いと信じている。これを作った理由は、経営計画の先ほど紹介した5つのキーストラテジーにAIを明記しているが、今後我々メディア企業は、みなさんもそうだと思うが、AIをどのように有効に導入して活用するかは大きな課題だと思う。そこで、最新の生成AIと3 Dモデリング技術を使って経営トップのAIアバターを作ることで、社員が日常的にそのAIを身近に感じたり、活用のヒントを得る機会になったり、さらにはそのAIを正しく理解することも含めて、様々な社としてのメッセージにもなると考えて、今回制作に至った。
※具体的にもう既に社内で活用されているのか。
西社長:今最終段階に入っているので、もうすぐ活躍してくれると思う。
※社内のどういった場面で、例えば社内ポータルなどに設置して誰もが使えるようにするのか、どういった場面での活用を想定しているか。
西社長:これはまだ社員にも発表していない。今後様々な場で登場することは間違いないので、もう少しお待ちいただければと思う。
※総務省の有識者会議が今日の夕方あると思うが、マスメディア集中排除原則が緩和され、1局2波、方向性としてはほぼほぼ見えつつあると思うが、この件についてテレビ朝日としての受け止めと各系列局の状況や今後の方向性についてうかがいたい。
西社長:一般論として、経営の選択肢を広げるという規制緩和は望ましいと思う。ただ一方で、情報の多様性や今おっしゃった地域性、こういうものが損なわれるのではないかという懸念も当然あると思う。まだ最終的な取りまとめ案を私は見ていないのでこれ以上コメントはできないが、その具体的な影響をしっかりと見極めた上で、経営の選択肢として活用するかどうかというのは、個社の放送事業者としての判断になると思う。
西社長:2025年度の年度視聴率について報告する。おかげさまで個人視聴率は、年間に続いて年度でも2年連続となる三冠、そして世帯視聴率は4年連続の三冠を達成することができた。ご視聴いただいた皆様に心から御礼申し上げたいと思う。年々、視聴環境は複雑になり、競争も厳しさが増す中で、この結果に甘んじることなく、さらなる緊張感をもって皆様のご期待に応えられるよう、新年度も精一杯頑張りたいと思う。次に、東京ドリームパークについて。先週27日の開業初日から週末にかけて、天候にも恵まれ、「100%ドラえもん&フレンズ in東京」をはじめとする各コンテンツ会場は連日想像以上の大きな賑わいとなった。また、28、29日に開催されたSGCホール有明でのB’zのコンサートも大盛況となり、まずは順調なスタートが切れたものと感じている。ご来場いただいたお客様の笑顔を目の当たりにして、大きな感謝とともに、この東京ドリームパークという施設が持つ大きなポテンシャルを改めて感じた次第だ。そして、この施設が有明という場所で新しい人の流れを作り、新しいコミュニケーションを育むような街づくりにも貢献できれば、とても嬉しく思う。この後も、4月25日にはEXシアター有明がオープンとなり、初夏にはデジタルアート展「レーヴ・デ・リュミエール」も開催を予定している。多くの皆様にご来場いただけるよう、これからもしっかり準備をしていく。東京ドリームパークは、新年度からスタートする新たな中期経営計画の中核を担う重要な事業と位置づけている。全役職員が一丸となって、この新事業を成功させるべく、強い覚悟を持って取り組みたいと考えている。そして、その新しい中期経営計画では、「東京ドリームパーク」を中心に、「IP開発」「ABEMA」「CVC」「AI」の5つのキーストラテジーを掲げている。4年後の創立70周年をゴールと設定して、しっかり目標を達成したいと考えている。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:視聴率の詳細を報告する。まず、2025年度は個人全体・世帯ともに三冠だった。個人が全日3.4%、ゴールデン、プライム共に5.2%。世帯は全日が6.3%、ゴールデンが8.8%、プライムが8.9%だった。また1月クールにおいても、個人が全日3.6%、ゴールデン、プライム共に5.5%。世帯は全日が6.5%、ゴールデン、プライム共に9.3%ということで、三冠を獲得した。年度として、本当に多くの皆様にご視聴いただいた。続いて新年度だが、4月8日に初回を迎える土屋太鳳さん、佐藤勝利さん、ダブル主演の「ボーダレス~警視庁広域移動捜査隊~」を皮切りに、14日には高橋一生さん主演の「リボーン~最後のヒーロー~」、そして16日には鈴木京香さん主演の人気シリーズ「未解決の女 警視庁文書捜査官Season3」など、ゴールデンタイムの連続ドラマが続々とスタートする。また、バラエティに関しても、今週3日に「ミュージックステーション3時間半スペシャル」を放送させていただく。先週27日に有明地区に開業した東京ドリームパークからの中継も交えて、特別な演出でお届けしたいと思っている。また4月18日には、テレビ朝日ドラマプレミアム「無垢なる証人」を放送する。これは、韓国で観客動員数230万人を超える大ヒット映画を日本で初めてドラマ化した作品だ。主演に唐沢寿明さん、物語のカギを握る少女役に當真あみさんをお迎えして、二人の心の触れ合いを描くヒューマンドラマを放送させていただく。2026年度も一人でも多くの皆様に良いコンテンツをお届けできればと思う。
※営業状況について。
橋本取締役:まず2月3月の売上状況だが、2月はタイムが前年比112.6%、スポットが94.5%で、トータル102.3%で確定した。3月はタイムが前年比で100.3%、スポットが85.4%、トータルでは91.3%だ。2月については、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックがあったので、タイムとスポットの関係にややアンバランスが生じた月となった。オリンピックのセールスが順調に進んだので、結果としては、タイムは前年からプラス12%強、一方のスポットは前年からマイナス5%強の状況ということで、トータルでは前年比で、先ほど申し上げた通りプラス2%強の結果となった。次に3月は、タイムについてはスポーツやドラマの単発で大型セールスが成立しており、これらが売上を前年レベルの水準まで運んでくれたという結果だ。スポットについては、昨年はフジテレビの問題があり、特需状況だった。今年はそれが正常化の流れということで、前年比ではマイナスではあるが、下期全体としては前年並み、ないしは若干それを上回るレベルでの売上着地になるのではないかと見ている。最後に、4月の売上だが、タイムは昨年、フィギュアスケートの国別対抗戦があった。今年はそれがないので、この分、売上を減らす感じだが、一方、4月の改編セールスは概ね順調に推移しているので、あとは売り残しているレギュラー枠をきちんと仕上げるということになろうかと思う。スポットについては、昨年の特需状況が解消されているということに加えて、日増しに国際情勢の先行きが不透明になってきており、広告出稿は動きが鈍いと言えると思う。当面は様々な角度から広告会社やアドバタイザーの動きを注視しながら、まず目標としている数字に近づけられるよう、セールスを進めたいと思っている。
※放送外収入について。
板橋専務:3月26日、記者の皆様に東京ドリームパークの内覧会にお越しいただき、感謝申し上げる。建物の全容をご覧いただいて、いかがだったか。翌日27日、無事に開業することができた。来場されたお客様に建物に入っていただいて、建物に命が宿ったかなと考えている。来場者の人数は、速報値だが、昨日までの4日間で4万人を超えるお客様に施設に来ていただいたという数字が出ている。センタープロムナードにも大きな賑わいが見られ、キッチンカーも出て、まさに有明に新しい人の流れができたのではないかと考えている。「100%ドラえもん&フレンズ in 東京」や6階の屋上テラスなど、各エリアでみなさんに楽しんでもらえるようなイベントを毎日行っている。また、SGCホール有明では、テレビ朝日と非常に縁が深いB'zがスペシャルライブを行い、初めてリアルに音を出してもらった。SGCホール有明には「イマーシブオーディオ」という、常設としては世界で初めてのオーディオシステムをセットアップしていて、非常に高い評価を得ている。4月3日には「ミュージックステーション」のスペシャルをSGCホール有明からもお送りする。ぜひオンエアでもその音を楽しんでいただければと思う。今後もさまざまな番組と連携しながら、有明に新たな賑わいを作っていければと考えている。続いてイベントだが、毎週土曜日放送の「なにわ男子の逆転男子」初のイベント開催だ。番組スタートから3年、CDデビュー5周年イヤーで、初開催のイベントとなる。続いて「マイナビpresents The Performance」だ。K-POPをはじめとする人気アーティストが一堂に会するミュージックフェスということで毎年好評をいただいているが、今年のツーマンライブは初日、RIIZEそれからTHE RAMPAGEに決定している。2日連続でATEEZがヘッドライナーを務めるというスケジュールになっている。最後に、生誕100年を迎える世界的ファッションデザイナー、森英恵さんの大回顧展を開催する。世界を股にかけた森英恵さんの作品約400点を展示する。国立新美術館での開催だ。先日放送されたドラマプレミアム「森英恵 Butterfly beyond」で森英恵さんの夫を演じた中島裕翔さんに音声ガイドを務めていただくことになっている。こちらもお楽しみいただければと思う。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASA関連のトピックスだが、現在、会員数は233万人を超えている。4月クールも連続ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナル作品、「なにわ男子の逆転男子」初の番組イベントの生配信も実施する。また、羽生結弦さんの単独公演の独占生配信も予定している。続いてABEMA関連だ。ABEMAのWAUは平均2,200万前後で推移している。霧島の優勝で沸いた大相撲春場所の生中継およびダイジェスト動画が大きく視聴数を伸ばしている。オリジナルの番組も好調だ。若年層の絶大な支持を得ている恋愛バラエティ「今日、好きになりました。」が、3月27日、東京ドリームパークの開業記念イベントとして多くの方々と交流をしていただいた。引き続き番組連動イベントも実施をしていければと思っている。続いて、出資映画だ。2月27日公開のシリーズ45作品目、「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」は、現在、興行収入31億円、動員247万人を突破して5週連続動員ランキング1位を獲得するなど、非常に好調に推移している。1983年の名作のリメイク作品だが、現在、SNS等では、今の時代に本当に心に響く物語であると高い評価をいただいている。また、シリーズ初となる4D上映も行っているので、引き続きさらに多くの方々に足を運んでいただければと思う。
※2023年から三か年の中期経営計画の振り返りと来年度からの目標、意気込みについて改めて教えてほしい。
西社長:現行の中期経営計画だが、早河会長のもと、全社一丸となってこの経営計画を着実に遂行した結果、先ほどご紹介した視聴率の三冠をはじめ、売上・利益ともに上場以来最高レベルとなり、あらゆる目標が達成できる見込みとなっている。これはテレビ朝日全グループの一人一人の努力を積み重ねてきた結果であり、大変誇りに思うと同時に、心より感謝している。そして、新年度に始まる新しい経営計画は、視聴率三冠を達成してテレビ局として大きな目標を実現したわけだが、それにとどまることなく、これまでの成果を振り切って、新しく大きな事業目的を挙げて更なる成長を達成しなければならないという考えのもと、開局70周年をゴールと想定した新しい計画だ。内容は多岐に渡るが、鍵となる戦略目標は、先ほども出ている「東京ドリームパーク」「IP開発」「ABEMA」「CVC」「AI」
と、この5つのキーストラテジーとなっている。そして、全体のキャッチコピーだが、新興企業のように思い切ったスタートを切るという意味で「START UP テレ朝!!」となっている。全社一丸となって、この精神を貫いて目標をしっかり達成したいと考えている。
※4月期改編の狙い、目標について改めて伺いたい。
西社長:これまで通りあらゆる世代の皆様にご覧いただけるオールターゲット戦略というのは、変わっていない。そして4月改編だが、現在のテレビ朝日のタイムテーブル全体を牽引してくれている報道・情報の5ベルト番組があり、これが三冠の大きな要因なのだが、これらをしっかり強化するということを軸に置いている。ゴールデン帯のバラエティに関しても、おかげさまで全体を通してご好評いただいているため、今回はゴールデン帯に関しては改編ではなくて、いわゆるリニューアルや強化を徹底したいと考えている。一方、23時以降などアザー帯に関しては、思い切ったチャレンジができればと今進めているところだ。具体的には、東京ドリームパークと連動した企画、それからAIをクリエイティブ面で活用する企画、さらには新たなIP開発を目標とした朝帯の「有働由美子の健康案内人!」や、日曜朝の「よ~い!スターと!トビダスクール」という新番組、こういう新しいIP開発をしっかりと目標に置いた企画等々、新しい中期経営計画の5つのキーストラテジーに絡むような番組を多数ラインナップしている。ぜひご期待いただきたい。
※メディアシティ戦略の中核に位置づけられる東京ドリームパークが開業した。完成した施設を見ての感想や、期待することについて教えてほしい。
西社長:いつもはスーツだが、今日は東京ドリームパークのジャンパーを着ている。それぐらい気合が入っているということだ。まず開業まで様々お世話になった関係者の皆さんに心から感謝したい。東京都の未来型湾岸都市の構築という趣旨に賛同する形でこの土地を取得してから6年間の準備期間を要したが、無事に開業できたことは大変嬉しく、また身の引き締まる思いでいる。3月25日に開業式典を執り行ったが、エンタテインメント界の各社様、広告主の皆様、そして広告会社の皆様、多方面から大変多くの皆様に駆けつけてもらい、小池百合子都知事をはじめとする来賓の方々からも温かい祝辞を頂戴した次第だ。そして迎えた27日の開業初日から週末にかけて、現地では各会場ともに溢れんばかりの賑わいがあり、来場のお客様の笑顔を目の当たりにして、感謝の気持ちで本当に胸がいっぱいになった。同時にこの東京ドリームパークが持つ可能性、そしてポテンシャルの大きさを実感したところでもある。東京ドリームパークは、ホールとシアターを有する前例のない複合型エンタテインメント施設となっているが、この主力のホールとシアターは向こう1年、ほぼ予約で埋まっており、この開業記念の有明春祭りも含めて、まずは順調なスタートを切れたのではないかと感じている。今開催している有明春祭りはゴールデンウィークまでの様々な催し物を用意して、皆様の来場を待っているので、ぜひよろしくお願いしたい。
※東京ドリームパークについて、広告収入の将来性が現在不透明な中で、そういった放送外収入の位置づけというのは、今後放送局の中でどのように高まっていくと考えているか。
西社長:いわゆる我々の本業である地上波の広告収入は伸びが当然鈍化してくるわけで、それに向けて先ほど5つのキーストラテジーを出したが、長期にわたって広告収入を補完する事業に、どんどん力を入れていくということだと思う。
※先日、民放連で違法アップロード動画に広告が32億円流出しているとの調査結果が出された。その結果及び民放連の声明に対する受け止めと、テレビ朝日が問題の解決にあたって検討していることがあれば教えてほしい。
西社長:民放連は「違法アップロードへの広告の流出は、日本のコンテンツ産業の持続可能性に影響する」と指摘しているが、当社としても全く同様の認識を持っている。そして、「コンテンツに関わった方々に正当な対価が還元されるよう、広告主の皆様にも引き続き理解をお願いするとともに、プラットフォーム事業者には、権利の侵害行為に対する真摯な対応を求める」という点においても全く同じ考えを持っている。当社としては、まず、著作権者及びアドバタイザーの皆様の権利とブランド価値を守るべく、民放連や各種団体とも連携しながら、プラットフォーム事業者に対策を働きかけるとともに、アドバタイザーの皆様にも改めてその注意を促していくということになる。
※WBCをこれまでテレビ朝日で放送されていて、先日TBSの定例会見では、お怒りに近い苦情のようなクレームが視聴者から寄せられたと発言があったが、テレビ朝日には視聴者からどういった声が寄せられたか。
西社長:視聴者センターには、「今後キー局が協力して放送できないのか」、あるいは「ABEMAなど配信と地上波の連携を検討してほしい」という声が多かったように思う。
※Netflixの配信は視聴したか。
西社長:平日もあるので、もちろん全部ではないが見られる時は見た。
※地上波の作りと違う部分などは感じたか。
西社長:全部細かく見たわけではないが、制作が日本テレビのため、我々が培ってきたテレビ中継がベースになっているのだろうし、そこにネットならではの工夫が入っていたように思う。
※次回大会の開催時期がまだ定まっていない中、次回に向けて放送したい意欲はもちろんあると思うが、それに向けて動けることなど、具体策はあるか。
西社長:過去5大会放送してきたため、もちろん次回大会の放送については、興味はある。ただ、次回の放送権、配信権を主催者側がどのように判断されるのか全く公表していないので、ここではコメントを控えたいと思う。
※コメントは難しいということだが、例えば放映権の問題が広く言われると思う。そこに対してはどのように考えているか。
西社長:これだけたくさんの視聴者の皆様からもお言葉をいただいたため、次回はどういうことをお届けできるのか、我々にとって何がベストな形なのかというのは、いろいろ検討したいと思う。
※先日、BSフジ、BSテレ東がBS4K放送の終了をリリースした。昨日、日本テレビの福田社長からも似た旨の発言があった。4K放送に関するBS朝日の現在の状況を伺いたい。
西社長:これまでも会見で何度か話している通り、2018年12月の開始以来、BS4K放送がビジネスとして厳しい環境にあることは事実だ。来年1月の衛星基幹放送の認定期間に向けて、当社としては様々な検討を続けている段階のため、現時点ではこれ以上の答えがない。方向性が決まり次第、発表したいと思う。
※フジテレビではアナウンサーの退職が続いている。一方で、テレビ朝日のアナウンサーは数年間退職者を出していない。視聴率も非常に好調で、アナウンサーも居心地がいいのかなと思うが、アナウンサーの退職者が少ない要因は。
西社長:他局のアナウンサーに関するコメントは控えさせていただく。当社は「何事にも挑戦すること」、「敬意の文化」の2つがいわゆる会社のDNA、企業風土になっている。したがって、アナウンサー一人一人が、番組をはじめ様々なものにチャレンジできる環境がある。加えて、制作現場、ビジネス部署を含めて、皆が敬意を持ち、互いに助け合い感謝し合う文化がある。そのような風土が、アナウンサーの皆さんが長くキャリアを描けるような要因になっていると個人的に思う。これからもぜひ一緒に頑張りたい。
※きょう配布されたAIを活用したリリースに「AI早河会長」というものがあり、結構完成度も高いのではないかとこの写真を見て思ったが、「“イズム”をより身近に、より革新的な形で伝承していく」と。これを作った背景としてどういったことを伝えていきたかったのか。例えば社員とのコミュニケーションをより深化させていきたかったとか、その狙いみたいなところについて教えてほしい。
西社長:クオリティは高いと信じている。これを作った理由は、経営計画の先ほど紹介した5つのキーストラテジーにAIを明記しているが、今後我々メディア企業は、みなさんもそうだと思うが、AIをどのように有効に導入して活用するかは大きな課題だと思う。そこで、最新の生成AIと3 Dモデリング技術を使って経営トップのAIアバターを作ることで、社員が日常的にそのAIを身近に感じたり、活用のヒントを得る機会になったり、さらにはそのAIを正しく理解することも含めて、様々な社としてのメッセージにもなると考えて、今回制作に至った。
※具体的にもう既に社内で活用されているのか。
西社長:今最終段階に入っているので、もうすぐ活躍してくれると思う。
※社内のどういった場面で、例えば社内ポータルなどに設置して誰もが使えるようにするのか、どういった場面での活用を想定しているか。
西社長:これはまだ社員にも発表していない。今後様々な場で登場することは間違いないので、もう少しお待ちいただければと思う。
※総務省の有識者会議が今日の夕方あると思うが、マスメディア集中排除原則が緩和され、1局2波、方向性としてはほぼほぼ見えつつあると思うが、この件についてテレビ朝日としての受け止めと各系列局の状況や今後の方向性についてうかがいたい。
西社長:一般論として、経営の選択肢を広げるという規制緩和は望ましいと思う。ただ一方で、情報の多様性や今おっしゃった地域性、こういうものが損なわれるのではないかという懸念も当然あると思う。まだ最終的な取りまとめ案を私は見ていないのでこれ以上コメントはできないが、その具体的な影響をしっかりと見極めた上で、経営の選択肢として活用するかどうかというのは、個社の放送事業者としての判断になると思う。
