社長定例会見
西新社長 社長会見(11月25日)の要旨
2025-11-25
※視聴率に関する社長所感。
西社長:年間視聴率は残すところ1ヶ月余りとなったが、個人全体は全日とプライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。世帯は全日・ゴールデン・プライムともに1位となっている。この1年、国内外を問わず視聴者の関心が高いニュースが相次いだが、テレビ朝日独自のプライム帯のニュースベルト番組である「報道ステーション」「サタデーステーション」「有働Times」をはじめ、朝の「グッド!モーニング」から夕方の「スーパーJチャンネル」も含めて、全てのベルト番組が堅調に推移していることが現在の高視聴率の屋台骨になっていると感じている。またドラマについては、今クールで放送している「相棒season24」や「緊急取調室」といった絶対的な人気シリーズに加えて、「大追跡~警視庁SSBC強行犯係」や「しあわせな結婚」「ちょっとだけエスパー」など意欲的な新作をバランスよく配置できた1年だったのではないかと考えている。そしてバラエティでは、これまで好調をキープしている「ザワつく!金曜日」「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「池上彰のニュースそうだったのか!!」といった週末の番組に加えて、10月からスタートした新番組「相葉ヒロミのお困りですカー?」「火曜の良純孝太郎」等々が好スタートを切っており、全体的にバラエティも数字を上げてきていると感じている。そして来年3月には自社IPを活用したリアルイベント等を展開できる新たなプラットフォーム、現在建設を進めている「東京ドリームパーク」がいよいよ開業する。我々がこれまで培ってきたエンタテインメントと未来のテクノロジーが融合する発信拠点、テレビ朝日の新しく大きな挑戦となるのでぜひご期待いただければと思う。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:個人全体の年間は全日3.4%、プライム5.2%で1位、ゴールデンが5.1%で2位、プライム2は1.7%で3位となっている。世帯の年間は全日が6.3%、ゴールデンが8.7%、プライムは8.9%で3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位という状況だ。続いて年度の個人全体は全日が3.4%、ゴールデンが5.0%、そしてプライムが5.1%で3区分とも1位。プライム2は1.7%で3位という結果となっている。世帯は全日が6.2%、ゴールデンが8.5%、プライムは8.7%で3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位という状況だ。今後の番組の予定だが、来月21日に恒例の「M-1グランプリ2025」、また大晦日には2019年から7年連続となる「ザワつく!大晦日」を放送する。今年は「ザワつく!大追跡 高嶋ちさ子殺人事件~カラス天狗が舞う夜は~」と題して、初めてドラマにも挑戦している。7月クール水曜21時に放送したドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係」と全面的にコラボして、トリプル主演を務めていただいた大森南朋さん、相葉雅紀さん、松下奈緒さんと、長嶋一茂さん、石原良純さん、高嶋ちさ子さんの「ザワつく!」トリオが豪華共演をすることになっている。また、1月2日だが「新春ドリームバトル 木梨憲武のスポーツKING!」の後、1年間にわたって陸と空から徹底取材した「2026年 新春開運スペシャル 霊峰 富士山のすべて~春夏秋冬 世界を魅了する絶景と謎~」を放送する。岡田准一さん、蒔田彩珠さんをナビゲーターに迎えて、日本の象徴であり続ける富士山の真の姿を新春にたっぷりとお伝えできればと思っているので、ぜひご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役:ちょうど2週間前に上期の決算発表を行っているが、以降の数字について報告する。まず10月の確定数字だが、売上は前年比で103.2%。内訳は、タイムが前年比101.3%、スポットが104.8%だった。タイムは10月の改編セールスが順調に進んで、底上げが図れている。また、単発のサッカー「キリンチャレンジカップ2025 日本×ブラジル」があり、この編成も売上にはプラスに作用した。一方のスポットだが、東京地区は前年比で96.6%だったが、テレビ朝日は104.8%ということで、前年水準を上回ることができた。参考値だが、5局シェアは25.8%という数字だった。続いて11月と12月だが、まだ暫定数値ではあるが、11月はタイムが前年比で92.5%だ。これは昨年「世界野球プレミア12」があり、その反動減を含んだ数字だ。一方のスポットは105.2%で、11月はトータルで99.2%という水準だ。12月は、タイムが前年比101.5%、スポット107.3%で、トータルで104.8%という数字になる。タイムは、11月はセールスの最終段階を迎えており、最後の着地地点の調整段階にある。12月のセールスは昨年を上回るペースで進んでおり、年末の大型特番も含め、売れ行きは順調だ。スポットは、11月はほぼセールスが終了状態、12月も着実に売上を積み上げているところだ。業種別で見ると、この11月・12月の好調業種としては、食品、金融、保険、不動産、住宅関連、交通、レジャー、そして外食といったところと見ている。
※放送外収入について。
板橋専務:まずは、地上波放送でスタートし、現在YouTubeで配信中の「フルタの方程式」初のオフラインイベントだ。チャンネル登録者数が約100万人の人気チャンネルで、番組恒例の企画はもちろん、古田敦也さんご本人が考案された往年のバラエティ企画も用意してある。第1部、第2部それぞれ、豪華ゲストが登場する野球ファン必見のイベントとなっている。続いて、月曜深夜のドリームエンタ枠で放送中「あのちゃんねる」の番組イベントだ。2021年第1回のイベントでは、あのちゃん独自の世界観を体感できる機会として話題を呼んだ。今回は4年ぶり2回目のイベントで、今のあのちゃんをライブでお届けできると思う。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASAの会員数は、引き続き220万を超えている。10月クールも連続ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナルコンテンツを配信している。11月28日、29日は「2025 MAMA AWARDS」と題して、生配信を行う。さらに今回初めてとなるが、12月21日放送の「M-1グランプリ2025」の決勝戦直後の新王者・ファイナリストによる大反省会の独占配信が決定した。地上波と共に楽しんでいただければと思っている。続いてABEMAだが、WAUは平均2,000万前後で推移している。日曜日に安青錦関の優勝で幕を閉じた大相撲九州場所も大いに盛り上がり、視聴者の獲得に大きく貢献した。また、柴咲コウさん、川口春菜さんの共演による新オリジナルドラマ「スキャンダルイブ」が、先週18日にスタートし、こちらも話題を呼んでいる。出資映画は、11月21日に公開した山田洋次監督91作品目となる「TOKYOタクシー」が4日間で動員29万人、興行収入4億円を超えた。倍賞千恵子さん、木村拓哉さん出演で、心温まる感動作だ。幅広い世代の方にお楽しみいただける内容となっており、引き続き多くの方にご覧いただければと思っている。さらに、12月26日には、劇場版「緊急取調室 THE FINAL」の公開が控えている。現在、放送中の連続ドラマでは、劇場版に連動するエピソードも交えており、より映画をお楽しみいただけると思っているので、12年にわたるキントリシリーズの集大成、ぜひご期待いただければと思う。
※NHKと民放各社による中継局の共同利用に関して、NHK側から新たに代替案を提示されたが、こちらの案についてNHK側との話し合いは現在どういった進捗状況か?
西社長:NHKから新しいスキームの提示は受けており、NHK側と民放キー局の間で現在協議を続けているという状況である。我々としては、ローカル局も含めて、放送の二元体制のもと、放送ネットワークの維持・効率化に繋がるものなのか、しっかり見極めた上で判断させていただければと考えている。
※中継局の件について、大筋のスキームは定まって、あとは細かい詰めだと認識しているが、結局この問題の本質は何だったのか。NHKとの信頼関係に亀裂が入ったのではないかとの見方もあるが、社長の所感は。
西社長:詳細は角南から伝えるが、自分はローカル局も含めて、我々の大事な放送ネットワークの今後の維持と効率化にどう繋げていくかを話し合えれば、というのが本質ではないかと思っている。そこに向けてしっかり議論をして、一番良い選択を取りたいというのが率直な感想だ。
角南副社長:なぜNHK側から別案が出てきたのかは、NHKに尋ねていただければと思うが、今示されているハイブリッド案について、我々テレビ朝日としても、細部については色々と協議したいところだが、おおむねその方向という認識だ。今まさにNHKが全国説明会を12時から開いており、この会見が始まる直前まで、まだ質疑応答が続いているという状況だったので、その後の報告は受けていないが、地域協議会が行われ、その後全国協議会に移っていくと思う。そういった協議が進んでいく中で皆さんの納得感を得られるものになればと思っている。
※来年1月にNHKの稲葉会長の任期が満了する。次の3年間、どなたが就任されるかまだ決まっていないが、公共放送のトップとして、どのような方が望ましいか?
西社長:次期会長に関しては、NHK内での人選中ということでもあるので、この場ではコメントを控えさせていただきたいと思う。
※高市早苗総理の台湾有事をめぐる国会答弁に反発する形で、中国国内で映画「クレヨンしんちゃん」シリーズなどの公開が延期になったとの報道が現地メディアからあったが、こちらについて社としての対応や、現状の受け止めは。
西社長:楽しみに待っていただいたファンの皆様には大変申し訳ないが、中国現地のライセンス先から、公開を見合わせたという連絡があったと聞いている。現在、その詳細を確認しているところだが、今後の推移を見守って適切に判断していきたいというのが現状だ。
※「クレヨンしんちゃん」の件で、その他の事業において影響は出ているのか。
西社長:我々はアニメ・IP戦略で積極的に海外展開を進めていて、「ドラえもん」は70カ国、「クレヨンしんちゃん」は50カ国以上で展開して、中国にも「クレヨンしんちゃん」を愛してくれているファンが大勢いると思うので、皆さんに作品を楽しんでもらえる日が来ることを願っている。そういう意味では非常に多くの国々に展開しているため、ものすごく大きな影響があるというよりは、その中の一つという認識だ。
※スーパー戦隊が一区切りという発表がされた。1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」開始以来、50年続いたシリーズで大変ファンも多く、残念な声がSNSでも見られるが、一区切りを迎える判断に至った理由を教えてほしい。
西社長:まずは戦隊シリーズに関して、多くのファンの皆様に長年支えていただいたことに感謝を申し上げたいと思う。ちょうど今回50年ということで、これを一つの区切りにして、従来の枠組みにとらわれない、多種多様なヒーローを新しく生み出したいということで、特撮に関しては今後もどんどん新しいシリーズを登場させて、お楽しみいただければと思っている。新しい特撮のブランドをいろいろ構築できればということで、今回の改編になった次第である。
※特撮のジャンルでいうと、専門家に話を聞くと決して順調ではなく、制作費やスタントの費用の高騰、一方で少子化によって子どもの数が減って、メインのターゲット層である人口減少が起きているわけで、結構厳しいという状況も聞く。こういった環境による変化は、今回のリニューアル・刷新にあたって何か影響した部分はあるのか。
西社長:環境の変化が、特に今回に直接影響したということはない。もちろん、少子化という問題はあると思うが、我々はオールターゲット戦略をずっとテレビ朝日全社として掲げているので、やはりお子様たちに見ていただくようなものに関しても、しっかりと今後も継続していきたいと考えているし、我々の大きな財産でもあるため、国内だけではなく海外も含めて、今後もどんどん発展の余地があるのではないかと思っている。
※スーパー戦隊シリーズを50年を区切りに変えるのは、ずいぶん前から決めていたことか?「ギャバン」「シャリバン」「シャイダー」を見ていた世代で懐かしい作品を引っ張り出してきたな、という印象があるが、「ギャバン」を選んだ理由は?また新しいシリーズにするのは海外番販を進めるなど意味があってのことか?
西社長:「宇宙刑事ギャバン」を見ていただき、感謝申し上げる。1982年に放送された作品だが、現在も根強いファンがいるということと、海外に結構熱狂的な支持があるというのが、一つ変更のベースになっていると思う。その「ギャバン」に最新の映像表現や演出手法を加えることで、我々が考えている新しい様々なヒーローを誕生させるという意味でいうと、海外も含めて非常にポテンシャルが高いのではないかというのが「ギャバン」を選んだ理由だ。いつ頃から変更を検討していたかと言うと、それはどのジャンルも問わず、常に「これでいいのか」「現状でいいのか」というのを考えながら、次に新しいものを生み出したいという思いで作っているので、そういう意味で言うと、これに関しては色々な議論がずっとあった中で、50年という一つの節目を迎えたという解釈だ。
※現在放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」はいつまで放送するのか?「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」はいつから放送されるのか?
藤本取締役:「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」については来年、いつまで放送というのは開示をしていないが、通常だと2月までではある。また機会があったらリリースをさせていただければと思う。ただ、枠に関しては「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」の後に「ギャバン」を放送したいと思っている。
※今年7月の時点では、東映のプロデューサーで上席執行役員の白倉伸一郎さんがメディア各社のインタビューで、「戦隊シリーズを100年続けたい」と、継続に前向きな話をしていた。ファンもそれを信じていたために、かなり戸惑いが広がった。テレビ局の編成には色々な事情があると思うが、戦隊シリーズの今後の継続もしくは復活の可能性について、どのように考えているか。
西社長:今は新しいことにチャレンジするが、「戦隊」という歴史あるシリーズが今後復活するかしないかでいうと、ファンの皆さんに支えられている作品であるので、可能性はあるとは思う。しかし現状我々から申し上げられることはない。
※「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」出演者の今森茉耶さんの飲酒トラブルがあり、事務所を解雇されて番組降板ということがあったが、その受け止めは?また、編集のやり直しや撮り直しなどが発生したと思うが、所属事務所もしくは今森茉耶さんに賠償を求めていく動きがあるのか?
西社長:子ども向けの番組でもあるので、このような事案が発生したことについては、誠に申し訳なく思っている。弊社も東映もともに再発防止に向けて、しっかりと対応するとともに、コンプライアンスの徹底を進めてまいりたいと考えている。視聴者の皆様には、関係各位含め、多大なるご迷惑をおかけしたことを改めてお詫びしたい。損害賠償云々に関しては、現状何も考えていないし動いていない。
※20歳未満の飲酒ということで、具体的にどういった防止策を考えているのか?
西社長:本人に自覚を持っていただくのが一番だと思う。キャスティングの時、それから1年という長い期間、撮影が続きこの放送にずっと携わっていただくので、折に触れて、研修などを今後どんどん進めていくということだ。
※総務省のガバナンス検討会について、当初は免許短縮案などの議論もあったが、結局は民放連の自主自律が重んじられた取りまとめ案が出たかと思う。率直な受け止めを教えてほしい。
西社長:取りまとめ案に関しては、放送の自主自律を支えるための議論を深めて頂いていることに感謝したい。今後、具体的な制度設計をする際にも、我々放送事業者の取り組みを後押ししてもらえるような方向で、ぜひ進めてもらいたい。
※一方で、今回の取りまとめ案では、行政の関与として、経営基盤が脅かされるような重大な事案の場合には、一定の基準において報告を義務付けることが決められたと思う。ある種、行政の恣意的な運用も考えられるのではと感じるが、社長の所感は。
西社長:我々としては、制度設計される際に、放送事業者の自主自律を支えてもらうというのがベースだと考えている。それをベースに議論を進めてもらいたい。
※来年のサッカーワールドカップの放映権に関して、11月頭にNTTドコモとDAZNが取得の見込みで、一部地上波の放送局もサブライセンスの形で放送する見込みであるという報道があった。現時点でテレビ朝日での対応などあれば教えてほしい。
西社長:我々に関しては、現状、特にコメントできることはない。
※今日、大谷翔平選手がWBCの参加を表明したことで、かなりニュースになっているが、こちらの受け止めも教えてほしい。
西社長:日本にとってもスポーツ界にとっても非常に明るいニュースだと思う。ぜひ応援したいし、活躍を祈っている。
※WBCの件でディレイ放送の話もかつてあったが、それ以降の最新の見通しなどがあれば教えてほしい。
西社長:現状では報告できる話は今のところない。
※今年最後の会見なので、1年の振り返りを。今年はどんな1年だったのか。また放送業界の中でフジテレビ問題は大きな出来事だったと思う。改めて、フジテレビ問題をどのような教訓にして経営しているのか。
西社長:今年1年を振り返ると、私も社長に就任して半年経ったが、本当に毎日毎日、様々なことが起こり、一生懸命それに対応しているのが実感。こういう時代に我々として大事なものは、やはり公共的使命をどう果たすかということが、すごく大事だと日々考えている。やはりテレビというのは、社会全体へ一斉に情報を届けられるメディアであって、同時に健全な民主主義の発達や文化の向上に寄与するという、他のメディアにはない役割を担っている。そういう公共性や社会的責任をしっかり果たして、報道機関として国民の知る権利に応えつつ、時代に合わせてどう進化するかが非常に問われている昨今なんだろうというのが、今年、色々なことが起こったうえでの今の自分の教訓だ。
※フジテレビ問題が最初に報じられてからまもなく1年になる。これだけ大きな話題になったことは、放送業界でもここ何年もなかったと思うが、今振り返って、放送業界にとってフジテレビ問題はどういう影響があったのか。 西社長:長期にわたって特定の放送局への広告出稿が止まるというのは、未だかつてなかった事態で、よく言われているが、放送業界全体の信頼回復が本当に大きな課題として我々の前にあったと思う。先日の民放連の民放大会でも、大会宣言があり、信頼回復とガバナンス強化を最優先事項として取り組んでいくことが、我々の使命ではないかと考えている。
西社長:年間視聴率は残すところ1ヶ月余りとなったが、個人全体は全日とプライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。世帯は全日・ゴールデン・プライムともに1位となっている。この1年、国内外を問わず視聴者の関心が高いニュースが相次いだが、テレビ朝日独自のプライム帯のニュースベルト番組である「報道ステーション」「サタデーステーション」「有働Times」をはじめ、朝の「グッド!モーニング」から夕方の「スーパーJチャンネル」も含めて、全てのベルト番組が堅調に推移していることが現在の高視聴率の屋台骨になっていると感じている。またドラマについては、今クールで放送している「相棒season24」や「緊急取調室」といった絶対的な人気シリーズに加えて、「大追跡~警視庁SSBC強行犯係」や「しあわせな結婚」「ちょっとだけエスパー」など意欲的な新作をバランスよく配置できた1年だったのではないかと考えている。そしてバラエティでは、これまで好調をキープしている「ザワつく!金曜日」「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「池上彰のニュースそうだったのか!!」といった週末の番組に加えて、10月からスタートした新番組「相葉ヒロミのお困りですカー?」「火曜の良純孝太郎」等々が好スタートを切っており、全体的にバラエティも数字を上げてきていると感じている。そして来年3月には自社IPを活用したリアルイベント等を展開できる新たなプラットフォーム、現在建設を進めている「東京ドリームパーク」がいよいよ開業する。我々がこれまで培ってきたエンタテインメントと未来のテクノロジーが融合する発信拠点、テレビ朝日の新しく大きな挑戦となるのでぜひご期待いただければと思う。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:個人全体の年間は全日3.4%、プライム5.2%で1位、ゴールデンが5.1%で2位、プライム2は1.7%で3位となっている。世帯の年間は全日が6.3%、ゴールデンが8.7%、プライムは8.9%で3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位という状況だ。続いて年度の個人全体は全日が3.4%、ゴールデンが5.0%、そしてプライムが5.1%で3区分とも1位。プライム2は1.7%で3位という結果となっている。世帯は全日が6.2%、ゴールデンが8.5%、プライムは8.7%で3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位という状況だ。今後の番組の予定だが、来月21日に恒例の「M-1グランプリ2025」、また大晦日には2019年から7年連続となる「ザワつく!大晦日」を放送する。今年は「ザワつく!大追跡 高嶋ちさ子殺人事件~カラス天狗が舞う夜は~」と題して、初めてドラマにも挑戦している。7月クール水曜21時に放送したドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係」と全面的にコラボして、トリプル主演を務めていただいた大森南朋さん、相葉雅紀さん、松下奈緒さんと、長嶋一茂さん、石原良純さん、高嶋ちさ子さんの「ザワつく!」トリオが豪華共演をすることになっている。また、1月2日だが「新春ドリームバトル 木梨憲武のスポーツKING!」の後、1年間にわたって陸と空から徹底取材した「2026年 新春開運スペシャル 霊峰 富士山のすべて~春夏秋冬 世界を魅了する絶景と謎~」を放送する。岡田准一さん、蒔田彩珠さんをナビゲーターに迎えて、日本の象徴であり続ける富士山の真の姿を新春にたっぷりとお伝えできればと思っているので、ぜひご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役:ちょうど2週間前に上期の決算発表を行っているが、以降の数字について報告する。まず10月の確定数字だが、売上は前年比で103.2%。内訳は、タイムが前年比101.3%、スポットが104.8%だった。タイムは10月の改編セールスが順調に進んで、底上げが図れている。また、単発のサッカー「キリンチャレンジカップ2025 日本×ブラジル」があり、この編成も売上にはプラスに作用した。一方のスポットだが、東京地区は前年比で96.6%だったが、テレビ朝日は104.8%ということで、前年水準を上回ることができた。参考値だが、5局シェアは25.8%という数字だった。続いて11月と12月だが、まだ暫定数値ではあるが、11月はタイムが前年比で92.5%だ。これは昨年「世界野球プレミア12」があり、その反動減を含んだ数字だ。一方のスポットは105.2%で、11月はトータルで99.2%という水準だ。12月は、タイムが前年比101.5%、スポット107.3%で、トータルで104.8%という数字になる。タイムは、11月はセールスの最終段階を迎えており、最後の着地地点の調整段階にある。12月のセールスは昨年を上回るペースで進んでおり、年末の大型特番も含め、売れ行きは順調だ。スポットは、11月はほぼセールスが終了状態、12月も着実に売上を積み上げているところだ。業種別で見ると、この11月・12月の好調業種としては、食品、金融、保険、不動産、住宅関連、交通、レジャー、そして外食といったところと見ている。
※放送外収入について。
板橋専務:まずは、地上波放送でスタートし、現在YouTubeで配信中の「フルタの方程式」初のオフラインイベントだ。チャンネル登録者数が約100万人の人気チャンネルで、番組恒例の企画はもちろん、古田敦也さんご本人が考案された往年のバラエティ企画も用意してある。第1部、第2部それぞれ、豪華ゲストが登場する野球ファン必見のイベントとなっている。続いて、月曜深夜のドリームエンタ枠で放送中「あのちゃんねる」の番組イベントだ。2021年第1回のイベントでは、あのちゃん独自の世界観を体感できる機会として話題を呼んだ。今回は4年ぶり2回目のイベントで、今のあのちゃんをライブでお届けできると思う。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASAの会員数は、引き続き220万を超えている。10月クールも連続ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナルコンテンツを配信している。11月28日、29日は「2025 MAMA AWARDS」と題して、生配信を行う。さらに今回初めてとなるが、12月21日放送の「M-1グランプリ2025」の決勝戦直後の新王者・ファイナリストによる大反省会の独占配信が決定した。地上波と共に楽しんでいただければと思っている。続いてABEMAだが、WAUは平均2,000万前後で推移している。日曜日に安青錦関の優勝で幕を閉じた大相撲九州場所も大いに盛り上がり、視聴者の獲得に大きく貢献した。また、柴咲コウさん、川口春菜さんの共演による新オリジナルドラマ「スキャンダルイブ」が、先週18日にスタートし、こちらも話題を呼んでいる。出資映画は、11月21日に公開した山田洋次監督91作品目となる「TOKYOタクシー」が4日間で動員29万人、興行収入4億円を超えた。倍賞千恵子さん、木村拓哉さん出演で、心温まる感動作だ。幅広い世代の方にお楽しみいただける内容となっており、引き続き多くの方にご覧いただければと思っている。さらに、12月26日には、劇場版「緊急取調室 THE FINAL」の公開が控えている。現在、放送中の連続ドラマでは、劇場版に連動するエピソードも交えており、より映画をお楽しみいただけると思っているので、12年にわたるキントリシリーズの集大成、ぜひご期待いただければと思う。
※NHKと民放各社による中継局の共同利用に関して、NHK側から新たに代替案を提示されたが、こちらの案についてNHK側との話し合いは現在どういった進捗状況か?
西社長:NHKから新しいスキームの提示は受けており、NHK側と民放キー局の間で現在協議を続けているという状況である。我々としては、ローカル局も含めて、放送の二元体制のもと、放送ネットワークの維持・効率化に繋がるものなのか、しっかり見極めた上で判断させていただければと考えている。
※中継局の件について、大筋のスキームは定まって、あとは細かい詰めだと認識しているが、結局この問題の本質は何だったのか。NHKとの信頼関係に亀裂が入ったのではないかとの見方もあるが、社長の所感は。
西社長:詳細は角南から伝えるが、自分はローカル局も含めて、我々の大事な放送ネットワークの今後の維持と効率化にどう繋げていくかを話し合えれば、というのが本質ではないかと思っている。そこに向けてしっかり議論をして、一番良い選択を取りたいというのが率直な感想だ。
角南副社長:なぜNHK側から別案が出てきたのかは、NHKに尋ねていただければと思うが、今示されているハイブリッド案について、我々テレビ朝日としても、細部については色々と協議したいところだが、おおむねその方向という認識だ。今まさにNHKが全国説明会を12時から開いており、この会見が始まる直前まで、まだ質疑応答が続いているという状況だったので、その後の報告は受けていないが、地域協議会が行われ、その後全国協議会に移っていくと思う。そういった協議が進んでいく中で皆さんの納得感を得られるものになればと思っている。
※来年1月にNHKの稲葉会長の任期が満了する。次の3年間、どなたが就任されるかまだ決まっていないが、公共放送のトップとして、どのような方が望ましいか?
西社長:次期会長に関しては、NHK内での人選中ということでもあるので、この場ではコメントを控えさせていただきたいと思う。
※高市早苗総理の台湾有事をめぐる国会答弁に反発する形で、中国国内で映画「クレヨンしんちゃん」シリーズなどの公開が延期になったとの報道が現地メディアからあったが、こちらについて社としての対応や、現状の受け止めは。
西社長:楽しみに待っていただいたファンの皆様には大変申し訳ないが、中国現地のライセンス先から、公開を見合わせたという連絡があったと聞いている。現在、その詳細を確認しているところだが、今後の推移を見守って適切に判断していきたいというのが現状だ。
※「クレヨンしんちゃん」の件で、その他の事業において影響は出ているのか。
西社長:我々はアニメ・IP戦略で積極的に海外展開を進めていて、「ドラえもん」は70カ国、「クレヨンしんちゃん」は50カ国以上で展開して、中国にも「クレヨンしんちゃん」を愛してくれているファンが大勢いると思うので、皆さんに作品を楽しんでもらえる日が来ることを願っている。そういう意味では非常に多くの国々に展開しているため、ものすごく大きな影響があるというよりは、その中の一つという認識だ。
※スーパー戦隊が一区切りという発表がされた。1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」開始以来、50年続いたシリーズで大変ファンも多く、残念な声がSNSでも見られるが、一区切りを迎える判断に至った理由を教えてほしい。
西社長:まずは戦隊シリーズに関して、多くのファンの皆様に長年支えていただいたことに感謝を申し上げたいと思う。ちょうど今回50年ということで、これを一つの区切りにして、従来の枠組みにとらわれない、多種多様なヒーローを新しく生み出したいということで、特撮に関しては今後もどんどん新しいシリーズを登場させて、お楽しみいただければと思っている。新しい特撮のブランドをいろいろ構築できればということで、今回の改編になった次第である。
※特撮のジャンルでいうと、専門家に話を聞くと決して順調ではなく、制作費やスタントの費用の高騰、一方で少子化によって子どもの数が減って、メインのターゲット層である人口減少が起きているわけで、結構厳しいという状況も聞く。こういった環境による変化は、今回のリニューアル・刷新にあたって何か影響した部分はあるのか。
西社長:環境の変化が、特に今回に直接影響したということはない。もちろん、少子化という問題はあると思うが、我々はオールターゲット戦略をずっとテレビ朝日全社として掲げているので、やはりお子様たちに見ていただくようなものに関しても、しっかりと今後も継続していきたいと考えているし、我々の大きな財産でもあるため、国内だけではなく海外も含めて、今後もどんどん発展の余地があるのではないかと思っている。
※スーパー戦隊シリーズを50年を区切りに変えるのは、ずいぶん前から決めていたことか?「ギャバン」「シャリバン」「シャイダー」を見ていた世代で懐かしい作品を引っ張り出してきたな、という印象があるが、「ギャバン」を選んだ理由は?また新しいシリーズにするのは海外番販を進めるなど意味があってのことか?
西社長:「宇宙刑事ギャバン」を見ていただき、感謝申し上げる。1982年に放送された作品だが、現在も根強いファンがいるということと、海外に結構熱狂的な支持があるというのが、一つ変更のベースになっていると思う。その「ギャバン」に最新の映像表現や演出手法を加えることで、我々が考えている新しい様々なヒーローを誕生させるという意味でいうと、海外も含めて非常にポテンシャルが高いのではないかというのが「ギャバン」を選んだ理由だ。いつ頃から変更を検討していたかと言うと、それはどのジャンルも問わず、常に「これでいいのか」「現状でいいのか」というのを考えながら、次に新しいものを生み出したいという思いで作っているので、そういう意味で言うと、これに関しては色々な議論がずっとあった中で、50年という一つの節目を迎えたという解釈だ。
※現在放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」はいつまで放送するのか?「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」はいつから放送されるのか?
藤本取締役:「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」については来年、いつまで放送というのは開示をしていないが、通常だと2月までではある。また機会があったらリリースをさせていただければと思う。ただ、枠に関しては「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」の後に「ギャバン」を放送したいと思っている。
※今年7月の時点では、東映のプロデューサーで上席執行役員の白倉伸一郎さんがメディア各社のインタビューで、「戦隊シリーズを100年続けたい」と、継続に前向きな話をしていた。ファンもそれを信じていたために、かなり戸惑いが広がった。テレビ局の編成には色々な事情があると思うが、戦隊シリーズの今後の継続もしくは復活の可能性について、どのように考えているか。
西社長:今は新しいことにチャレンジするが、「戦隊」という歴史あるシリーズが今後復活するかしないかでいうと、ファンの皆さんに支えられている作品であるので、可能性はあるとは思う。しかし現状我々から申し上げられることはない。
※「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」出演者の今森茉耶さんの飲酒トラブルがあり、事務所を解雇されて番組降板ということがあったが、その受け止めは?また、編集のやり直しや撮り直しなどが発生したと思うが、所属事務所もしくは今森茉耶さんに賠償を求めていく動きがあるのか?
西社長:子ども向けの番組でもあるので、このような事案が発生したことについては、誠に申し訳なく思っている。弊社も東映もともに再発防止に向けて、しっかりと対応するとともに、コンプライアンスの徹底を進めてまいりたいと考えている。視聴者の皆様には、関係各位含め、多大なるご迷惑をおかけしたことを改めてお詫びしたい。損害賠償云々に関しては、現状何も考えていないし動いていない。
※20歳未満の飲酒ということで、具体的にどういった防止策を考えているのか?
西社長:本人に自覚を持っていただくのが一番だと思う。キャスティングの時、それから1年という長い期間、撮影が続きこの放送にずっと携わっていただくので、折に触れて、研修などを今後どんどん進めていくということだ。
※総務省のガバナンス検討会について、当初は免許短縮案などの議論もあったが、結局は民放連の自主自律が重んじられた取りまとめ案が出たかと思う。率直な受け止めを教えてほしい。
西社長:取りまとめ案に関しては、放送の自主自律を支えるための議論を深めて頂いていることに感謝したい。今後、具体的な制度設計をする際にも、我々放送事業者の取り組みを後押ししてもらえるような方向で、ぜひ進めてもらいたい。
※一方で、今回の取りまとめ案では、行政の関与として、経営基盤が脅かされるような重大な事案の場合には、一定の基準において報告を義務付けることが決められたと思う。ある種、行政の恣意的な運用も考えられるのではと感じるが、社長の所感は。
西社長:我々としては、制度設計される際に、放送事業者の自主自律を支えてもらうというのがベースだと考えている。それをベースに議論を進めてもらいたい。
※来年のサッカーワールドカップの放映権に関して、11月頭にNTTドコモとDAZNが取得の見込みで、一部地上波の放送局もサブライセンスの形で放送する見込みであるという報道があった。現時点でテレビ朝日での対応などあれば教えてほしい。
西社長:我々に関しては、現状、特にコメントできることはない。
※今日、大谷翔平選手がWBCの参加を表明したことで、かなりニュースになっているが、こちらの受け止めも教えてほしい。
西社長:日本にとってもスポーツ界にとっても非常に明るいニュースだと思う。ぜひ応援したいし、活躍を祈っている。
※WBCの件でディレイ放送の話もかつてあったが、それ以降の最新の見通しなどがあれば教えてほしい。
西社長:現状では報告できる話は今のところない。
※今年最後の会見なので、1年の振り返りを。今年はどんな1年だったのか。また放送業界の中でフジテレビ問題は大きな出来事だったと思う。改めて、フジテレビ問題をどのような教訓にして経営しているのか。
西社長:今年1年を振り返ると、私も社長に就任して半年経ったが、本当に毎日毎日、様々なことが起こり、一生懸命それに対応しているのが実感。こういう時代に我々として大事なものは、やはり公共的使命をどう果たすかということが、すごく大事だと日々考えている。やはりテレビというのは、社会全体へ一斉に情報を届けられるメディアであって、同時に健全な民主主義の発達や文化の向上に寄与するという、他のメディアにはない役割を担っている。そういう公共性や社会的責任をしっかり果たして、報道機関として国民の知る権利に応えつつ、時代に合わせてどう進化するかが非常に問われている昨今なんだろうというのが、今年、色々なことが起こったうえでの今の自分の教訓だ。
※フジテレビ問題が最初に報じられてからまもなく1年になる。これだけ大きな話題になったことは、放送業界でもここ何年もなかったと思うが、今振り返って、放送業界にとってフジテレビ問題はどういう影響があったのか。 西社長:長期にわたって特定の放送局への広告出稿が止まるというのは、未だかつてなかった事態で、よく言われているが、放送業界全体の信頼回復が本当に大きな課題として我々の前にあったと思う。先日の民放連の民放大会でも、大会宣言があり、信頼回復とガバナンス強化を最優先事項として取り組んでいくことが、我々の使命ではないかと考えている。
