社長定例会見
西新社長 社長会見(9月30日)の要旨
2025-09-30
※視聴率に関する社長所感。
西社長:まず年間視聴率だが、個人全体は全日・プライムが1位、ゴールデンが2位、世帯は全日・ゴールデン・プライムともに1位で現状推移している。そして直近の7月クールだが、ジャンル別に振り返ると、早朝から夜まで報道・情報の5ベルト番組が引き続き好調に推移しており、タイムテーブル全体を牽引してくれていると思う。エンタメでは「ザワつく!金曜日」「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「池上彰のニュースそうだったのか!!」「ポツンと一軒家」と、週末のバラエティが好調を維持しており、連続ドラマでは、水曜9時の新企画「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」が今クールの民放連続ドラマで視聴率2位を獲得、また木曜ドラマ「しあわせな結婚」が今クールの民放連続ドラマ見逃し配信の再生回数で1位を獲得、視聴率でもネット配信でも大きな収穫があったクールだったと思う。続いて、先週、開業時の一部コンテンツを発表した「TOKYO DREAM PARK(東京ドリームパーク)」だが、いよいよ来年3月27日に開業することが決定した。エンタテインメントとテクノロジーが融合する新しい発信拠点として、テレビ朝日のこれまでの様々な番組やイベントを含めた、その実績とノウハウを結集して、放送も絡めつつ新しいビジネスを切り開きたいと考えている。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:個人全体の年間視聴率は、全日が3.4%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが5.1%で2位、プライムが5.1%で1位、そしてプライム2は1.7%で3位となっている。世帯視聴率の年間は、全日が6.3%で1位、ゴールデンが8.6%で1位、プライムが8.8%で1位、プライム2が3.2%で3位という状況だ。年度視聴率の個人全体は、全日が3.3%で1位、ゴールデンが4.8%で2位、プライムが4.9%で1位、そしてプライム2は1.7%で3位。世帯については、全日が6.1%で1位、ゴールデンが8.3%で民放1位、プライムは8.5%で1位、プライム2が3.2%で3位となっている。続いて今後の放送予定だが、10月改編でゴールデン進出を果たした「相葉ヒロミのお困りですカー?」が、10月23日木曜よる7時に初回放送を迎える。よる9時ドラマゾーンでは、10月15日水曜の水谷豊さん・寺脇康文さん黄金コンビの「相棒season24」を皮切りに、いよいよゴールデン帯の連続ドラマがスタートする。火曜の大泉洋さん主演「ちょっとだけエスパー」、木曜の天海祐希さん主演「緊急取調室」など、いずれのドラマもキャスト・脚本ともにテレビ朝日が自信をもってお届けできる豪華ラインナップとなっているので、ご期待いただきたい。また深夜枠では、イベントを見据えたエンタテインメント番組やアニメ枠では話題の人気作品をラインナップ。コンテンツ360°展開で来年開業の東京ドリームパークにも繋げていければと思っている。続いてスポーツだが、10月14日には「キリンチャレンジカップ2025『日本×ブラジル』」の強化試合を予定している。2017年11月以来、およそ8年ぶりとなる“サッカー王国”ブラジルと、“歴代最強”と称される日本代表の激闘を、余すところなく中継する。そして10月からはオリンピックシーズンとなる「フィギュアスケートグランプリシリーズ2025」も開幕となるのでご期待いただきたい。
橋本取締役:前回の会見から2ヶ月ほど空いているので、7月、8月の確定数字と全体状況について報告する。まず、7月のタイムは前年比101.8%、スポットは134.3%で、トータルでは117.8%となった。8月のタイムは前年比100.1%、スポットは133.5%、トータルでは115.7%だ。9月は未確定で、上期の決算にも影響してくるので、現時点では詳しいことは報告できないが、上期全体としては、タイム、スポット合わせて前年から10%以上の伸びになりそうだ。もう少し詳しく話すと、タイムのセールスは順調に推移した。7月、8月は「MLBオールスターゲーム2025」があり、それから「世界水泳シンガポール2025」、そして「FIBAアジアカップ2025」がサウジアラビアであったが、これらのスポーツ単発での大型セールスが成立したことで、当初の計画値を上回る売上を確保できた。一方のスポットは、ご承知の通り、第1四半期については前年比で117%近い伸びということで、2桁台の大きな売上の伸びがあったが、この7月から9月もその状況は変わらず、上期全体としては、売上・シェアともにテレビ朝日史上最高記録が出るのではないかと今見込んでいる。最後に、足元の10月になるが、タイムは10月改編もセールスが落ち着いており、現在は「キリンチャレンジカップ2025『日本×ブラジル』」がある。それからゴルフのトーナメントが3件ほどあり、それ以外にもフィギュアスケートと体操といったスポーツ物件が多い月になる。これらのセールスに今注力しているところだ。スポットは、ご承知の通り、フジテレビへの出稿が戻ってくるという流れになっており、市場もやや落ち着きを取り戻している状況で、セールスのペースがやや鈍化していると言えるかと思う。ただ、当社は前年水準以上の需要を確認できており、今のところ上期のトレンドをそのまま受け継いだ形でのセールスが続くと見ている。業種別では、「金融・保険」や「情報・通信」といった主要業種が伸ばしていることに加えて、「人材関連」も非常に大きな出稿が続いているという状況だ。
※放送外収入について
板橋専務:先週木曜日に行われた「東京ドリームパーク」コンテンツ発表会にお越しいただき、ありがとうございました。サンドウィッチマン、高嶋ちさ子さん、加藤シゲアキさん、ドラえもんに参加してもらい、来年3月27日の開業とコンテンツの発表をした。取材及び記事の取り上げに重ねて感謝を申し上げる。今後も随時ラインナップを発表していく。それでは、放送外事業のイベントを3つ紹介する。まずは、「伊藤蘭 Special Premium Live ~Don’t Stop The Music!~ vol.2」だ。7月は残念ながら中止となった伊藤蘭さんのコンサートだが、代替公演が決定した。EXシアター六本木、それからZEPP横浜の2公演だ。それに加えて、伊藤蘭さんがゲスト出演する音楽イベント「EBISU JAM 2025」の方にも参画したいと思っている。2つ目は東京ドリームパークのオープニングアンバサダーにも就任いただいた高嶋ちさ子さんの「高嶋ちさ子のザワつく!昭和歌謡祭2025」、それから「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会2025」の2つだ。昨年初開催となった「ザワつく!音楽会」の番外編となる昭和歌謡コンサートだが、今年は3都市で開催する。「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会2025」の方は2021年に初開催して、今年で5回目の番組イベントとなる。今年は東京、大阪、愛知、福岡の4都市5公演の全国ツアーを予定している。続いて14回目の開催となる「テレビ朝日ドリームフェスティバル2025」だ。今年は幕張メッセにて3日間開催で、初日のヘッドライナーにJO1、2日目はロックバンド中心の編成、3日目は今年ブレイクした旬なアーティストに出演してもらい、全18組の出演が決定した。最後に、夏に行われた「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES」の終了報告をする。7月19日から30日間行われ、約150万人のお客様に音楽ライブや番組連動イベント、毛利庭園でのビアガーデンなどを楽しんでいただいた。今年も多くのお客様にご来場いただけたことに感謝申し上げる。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASAはサービスをリニューアルして会員数は220万人を超えており順調に推移している。7月クールは、連続ドラマやオリジナルコンテンツの配信や、番組イベントの生配信などを実施した。10月クールにおいても、ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナル作品、ライブ配信も予定している。さらなる会員増を目指していきたい。ABEMAだが、WAUは現在平均2,400万前後で推移している。引き続き高い水準を維持していきたい。ニュース、アニメ、MLB、先週終わったが大相撲秋場所、新シーズンが開幕した麻雀Mリーグなどが多く視聴されている。さらに「アベバラ大作戦2025」と題して、「かまいガチ」「あざとくて何が悪いの?」など、テレビ朝日の人気バラエティ6番組がABEMAオリジナルコンテンツとして展開中だ。是非お楽しみいただきたい。最後に出資映画だ。8月公開の「映画クレヨンしんちゃん 超豪華!灼熱のカスカベダンサーズ」だが、おかげさまで動員180万人、興行収入22億円を突破した。また、今月26日には映画の舞台になっていたインドでの上映も始まっている。ヒンディー語、テルグ語、タミル語で展開している。「クレヨンしんちゃん」のファンが多いインドの地で良い結果が出せればと思っている。
※10月改編について、改編の狙いと新番組の見どころは。
西社長:10月クールも引き続きオールターゲット戦略をベースに、我々のDNAである挑戦、つまり守るより攻めるタイムテーブルを念頭に改編を行った。早朝から夜まですべての時間帯でトップあるいはトップグループで推移をしている報道・情報のベルト番組のさらなる強化と、グローバル展開も見据えたアニメやドラマの制作、そして若手クリエイターによる新企画等々、さまざまな時間帯に多彩なコンテンツを提供させていただくことを心がけた改編になっている。ぜひよろしくお願いしたい。
※来年3月に開幕する「WBC」について、動画配信サービスNetflixが全試合を独占配信する見通しで、地上波では中継されない恐れが出てきた。契約が必要な動画配信でしか見られないことについて、前回放送した局として受け止めは。
西社長:テレビ朝日はWBCの第1回大会から放送しており、これまで多くの視聴者の皆様にご覧いただき、支えてくださったことに、まず改めて感謝を申し上げたい。特に、前回大会の準々決勝では、WBCの歴代最高で、個人だと31.2%、世帯では48.0%の視聴率だった。さらに、日本戦が7試合あったが、この生中継でいずれかをリアルタイムでご視聴いただいた人数がビデオリサーチで出ており、これが推計で9446.2万人と発表されている。まさに国民的な行事のため、誰もが無料で楽しめる地上波で今大会もお届けするべく取り組んでいたが、その役割を果たすことができず残念である。様々なハードルがあると思うが我々として何かできることがないのか、まだ時間もあるため考えたいと思っている。
※放送権高騰に伴うものであると思うが、五輪のようにコンソーシアムを組んで、各社での放送も難しいか。
西社長:その高騰という言葉だが、今回は高騰した金額を我々に提示されることなく、アメリカのMLBとNetflixがダイレクトに契約をしたということなので、少し質問の前提が違うかもしれない。
※WBCの件について、早河会長が民放連の会長として、ディレイ放送などやり方があるのではないか、という持論を述べた。現状Netflixが独占配信ということだが、他の放送の仕方を考えているのかどうか。もう1点が、ここからテレビ朝日やTBSが今後大会側に掛け合って交渉する余地等はどのように考えているのか、その2点伺いたい。
西社長:大人も子どもも一体となって楽しめる国民的大型スポーツは、無料での視聴環境が大切ではないかと非常に思っている。地上波として、これまでその役割を担ってきたので、今後何か我々としてできることがないか、もちろん検討していきたいと考えているが、詳細に関しては控えたいと思う。
※WBCの件で放送権の金額が提示されることなく、MLBとNetflix側で契約がまとまったという話があったが、今回もテレビ朝日とTBSでは第6回を放映するために準備を進めていたのか。
西社長:いままで第1回から放送しているため、今回も放送に向けて動いていたのは事実。
※動いている段階で急にこのような発表が入ってきたということか。
西社長:そうだ。
※来年開業する東京ドリームパークについて、改めて開業に向けての意気込みは。
西社長:東京ドリームパークは、自社IPを活用したリアルイベントなどを展開する新たな我々のプラットフォームで、来年3月27日開業である。「夢中から、はじまる。」というコンセプトに、エンタテインメントとテクノロジーが融合、世界的にも類を見ない施設で、これまでのテレビ朝日の音楽番組やイベントを含めた様々な歴史、ノウハウを総動員して、何としても成功に導いていきたいと考えている。どうか、ご支援よろしくお願いしたい。
※BS4Kについて。総務省の検討会でも、TBSが大変苦しいと報告していたが、今後についてどう見ているか。
西社長:2027年1月の衛星基幹放送の認定期限に向けて様々な検討をしているところだ。BS4Kというのは、2018年12月のサービス開始以来、ビジネスとしては非常に厳しい環境にあることは間違いないと思う。各社共通の問題だと思うため、早いうちに方向性をしっかり出したいと思う。
※NHKとの中継局の共同利用について。とても紛糾し、今まさに協議が続いていると思うが、NHK会長が会見で、提案していたやり方ではもう無理だと明言した。一緒に進めてきた土俵がひっくり返った形だと思うが、現在どう受け止めているのか。今後どうしていきたいのか。
西社長:これまでおよそ3年にわたってNHKと民放で計画を進めてきたため、少し驚いたというのが正直な感想だ。現在の計画では採算がとれないということで、出てきた代替案の詳細をまずしっかり精査したい。
※NHKが出してきた代替案で、いけそうだと考えられるか。
角南副社長:現在協議中で、代替案について引き続き説明を受けている状況だ。代替案が出る前に、コストの面で採算が合わないと説明があったわけだが、どういう計算で合わないのかが我々に開示されていないため、そのことも含め色々協議中だ。
※地上波中継局の共同利用について重ねての確認だ。NHKから「コスト面で採算が合わない」と話があったということだが、その試算の根拠は提示されていないということか。
角南副社長:NHKがどのような試算をしたのか、我々には開示されていないためエビデンスがない状況だ。この件については説明を求めているところだ。
※テレビ朝日を含め、民放各局としては現状の共同利用モデルをやめると判断している状況ではないのか。
西社長:いただいた代替案を我々の中でしっかり検討させていただき、次の議論に進みたいと思っている。
※代替案についても協議の事項に入っているのか。
角南副社長:先週示されたばかりで、我々はそこで初めて知った。今週もまた協議会が開かれると思うが、そこでいろいろと協議していきたいと思っている。
※総務省のガバナンス検討会で放送免許期間の短縮などの議論が出たが受け止めは?
西社長:これまでの検討会で様々な意見が交わされているということは認識しているが、当社としては今後もその議論の推移をしっかり注視していきたいと考えている。
※2018年のグランプリファイナルの女子シングルで優勝した紀平梨花選手がアイスダンスに転向するというニュースがあったが、来年のミラノ五輪での活躍について期待することを教えてほしい。
藤本取締役:当社は2005年からグランプリファイナル、2006年からはグランプリシリーズも中継しているが、今回もミラノ五輪を翌年に控えて、必ず盛り上がると考えている。紀平選手も女子シングルから転向して、また新たなステージが開けると思う。フィギュアスケート女子シングルはオリンピック出場に向けてかなり大混戦になると思うので、グランプリシリーズでは選手の試合に対する姿勢をしっかりと伝えていきたいし、楽しんでもらいたい。
※芸能人と芸能事務所の適正な契約のあり方について公正取引委員会が指針をまとめた。テレビ朝日でも番組で数多くのタレントが出演しているが、今回出された指針に対する受け止めは。
西社長:まだ公正取引委員会から公式の発表はないのでコメントは控えるが、一般論としてどのような取引においても優越的地位の濫用はあってはならないと考えている。タレントの起用について、我々は企画内容、テーマに沿って総合的に判断している。
※指針が示されたことで、今後タレントの起用にどのような影響があるか。
西社長:我々としては企画内容に沿って総合的に判断しているため特段の影響はないと思うが、出された指針は内容を確認し、注意徹底したい。
※10月1日に放送法の改正が施行され、NHKのインターネット配信が「必須業務」になるが、NHKの準備状況をどう見ているのか。
角南副社長:明日からスタートなので状況を見てみたいと思うが、いずれにしても、当社としては民業圧迫にならないような競争環境が維持できればと考えている。フリーライドの問題も含め、実際のサービスをしっかりと見ていきたいと考えている。
西社長:まず年間視聴率だが、個人全体は全日・プライムが1位、ゴールデンが2位、世帯は全日・ゴールデン・プライムともに1位で現状推移している。そして直近の7月クールだが、ジャンル別に振り返ると、早朝から夜まで報道・情報の5ベルト番組が引き続き好調に推移しており、タイムテーブル全体を牽引してくれていると思う。エンタメでは「ザワつく!金曜日」「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「池上彰のニュースそうだったのか!!」「ポツンと一軒家」と、週末のバラエティが好調を維持しており、連続ドラマでは、水曜9時の新企画「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」が今クールの民放連続ドラマで視聴率2位を獲得、また木曜ドラマ「しあわせな結婚」が今クールの民放連続ドラマ見逃し配信の再生回数で1位を獲得、視聴率でもネット配信でも大きな収穫があったクールだったと思う。続いて、先週、開業時の一部コンテンツを発表した「TOKYO DREAM PARK(東京ドリームパーク)」だが、いよいよ来年3月27日に開業することが決定した。エンタテインメントとテクノロジーが融合する新しい発信拠点として、テレビ朝日のこれまでの様々な番組やイベントを含めた、その実績とノウハウを結集して、放送も絡めつつ新しいビジネスを切り開きたいと考えている。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:個人全体の年間視聴率は、全日が3.4%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが5.1%で2位、プライムが5.1%で1位、そしてプライム2は1.7%で3位となっている。世帯視聴率の年間は、全日が6.3%で1位、ゴールデンが8.6%で1位、プライムが8.8%で1位、プライム2が3.2%で3位という状況だ。年度視聴率の個人全体は、全日が3.3%で1位、ゴールデンが4.8%で2位、プライムが4.9%で1位、そしてプライム2は1.7%で3位。世帯については、全日が6.1%で1位、ゴールデンが8.3%で民放1位、プライムは8.5%で1位、プライム2が3.2%で3位となっている。続いて今後の放送予定だが、10月改編でゴールデン進出を果たした「相葉ヒロミのお困りですカー?」が、10月23日木曜よる7時に初回放送を迎える。よる9時ドラマゾーンでは、10月15日水曜の水谷豊さん・寺脇康文さん黄金コンビの「相棒season24」を皮切りに、いよいよゴールデン帯の連続ドラマがスタートする。火曜の大泉洋さん主演「ちょっとだけエスパー」、木曜の天海祐希さん主演「緊急取調室」など、いずれのドラマもキャスト・脚本ともにテレビ朝日が自信をもってお届けできる豪華ラインナップとなっているので、ご期待いただきたい。また深夜枠では、イベントを見据えたエンタテインメント番組やアニメ枠では話題の人気作品をラインナップ。コンテンツ360°展開で来年開業の東京ドリームパークにも繋げていければと思っている。続いてスポーツだが、10月14日には「キリンチャレンジカップ2025『日本×ブラジル』」の強化試合を予定している。2017年11月以来、およそ8年ぶりとなる“サッカー王国”ブラジルと、“歴代最強”と称される日本代表の激闘を、余すところなく中継する。そして10月からはオリンピックシーズンとなる「フィギュアスケートグランプリシリーズ2025」も開幕となるのでご期待いただきたい。
橋本取締役:前回の会見から2ヶ月ほど空いているので、7月、8月の確定数字と全体状況について報告する。まず、7月のタイムは前年比101.8%、スポットは134.3%で、トータルでは117.8%となった。8月のタイムは前年比100.1%、スポットは133.5%、トータルでは115.7%だ。9月は未確定で、上期の決算にも影響してくるので、現時点では詳しいことは報告できないが、上期全体としては、タイム、スポット合わせて前年から10%以上の伸びになりそうだ。もう少し詳しく話すと、タイムのセールスは順調に推移した。7月、8月は「MLBオールスターゲーム2025」があり、それから「世界水泳シンガポール2025」、そして「FIBAアジアカップ2025」がサウジアラビアであったが、これらのスポーツ単発での大型セールスが成立したことで、当初の計画値を上回る売上を確保できた。一方のスポットは、ご承知の通り、第1四半期については前年比で117%近い伸びということで、2桁台の大きな売上の伸びがあったが、この7月から9月もその状況は変わらず、上期全体としては、売上・シェアともにテレビ朝日史上最高記録が出るのではないかと今見込んでいる。最後に、足元の10月になるが、タイムは10月改編もセールスが落ち着いており、現在は「キリンチャレンジカップ2025『日本×ブラジル』」がある。それからゴルフのトーナメントが3件ほどあり、それ以外にもフィギュアスケートと体操といったスポーツ物件が多い月になる。これらのセールスに今注力しているところだ。スポットは、ご承知の通り、フジテレビへの出稿が戻ってくるという流れになっており、市場もやや落ち着きを取り戻している状況で、セールスのペースがやや鈍化していると言えるかと思う。ただ、当社は前年水準以上の需要を確認できており、今のところ上期のトレンドをそのまま受け継いだ形でのセールスが続くと見ている。業種別では、「金融・保険」や「情報・通信」といった主要業種が伸ばしていることに加えて、「人材関連」も非常に大きな出稿が続いているという状況だ。
※放送外収入について
板橋専務:先週木曜日に行われた「東京ドリームパーク」コンテンツ発表会にお越しいただき、ありがとうございました。サンドウィッチマン、高嶋ちさ子さん、加藤シゲアキさん、ドラえもんに参加してもらい、来年3月27日の開業とコンテンツの発表をした。取材及び記事の取り上げに重ねて感謝を申し上げる。今後も随時ラインナップを発表していく。それでは、放送外事業のイベントを3つ紹介する。まずは、「伊藤蘭 Special Premium Live ~Don’t Stop The Music!~ vol.2」だ。7月は残念ながら中止となった伊藤蘭さんのコンサートだが、代替公演が決定した。EXシアター六本木、それからZEPP横浜の2公演だ。それに加えて、伊藤蘭さんがゲスト出演する音楽イベント「EBISU JAM 2025」の方にも参画したいと思っている。2つ目は東京ドリームパークのオープニングアンバサダーにも就任いただいた高嶋ちさ子さんの「高嶋ちさ子のザワつく!昭和歌謡祭2025」、それから「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会2025」の2つだ。昨年初開催となった「ザワつく!音楽会」の番外編となる昭和歌謡コンサートだが、今年は3都市で開催する。「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会2025」の方は2021年に初開催して、今年で5回目の番組イベントとなる。今年は東京、大阪、愛知、福岡の4都市5公演の全国ツアーを予定している。続いて14回目の開催となる「テレビ朝日ドリームフェスティバル2025」だ。今年は幕張メッセにて3日間開催で、初日のヘッドライナーにJO1、2日目はロックバンド中心の編成、3日目は今年ブレイクした旬なアーティストに出演してもらい、全18組の出演が決定した。最後に、夏に行われた「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES」の終了報告をする。7月19日から30日間行われ、約150万人のお客様に音楽ライブや番組連動イベント、毛利庭園でのビアガーデンなどを楽しんでいただいた。今年も多くのお客様にご来場いただけたことに感謝申し上げる。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:TELASAはサービスをリニューアルして会員数は220万人を超えており順調に推移している。7月クールは、連続ドラマやオリジナルコンテンツの配信や、番組イベントの生配信などを実施した。10月クールにおいても、ドラマやレギュラーバラエティと連動したオリジナル作品、ライブ配信も予定している。さらなる会員増を目指していきたい。ABEMAだが、WAUは現在平均2,400万前後で推移している。引き続き高い水準を維持していきたい。ニュース、アニメ、MLB、先週終わったが大相撲秋場所、新シーズンが開幕した麻雀Mリーグなどが多く視聴されている。さらに「アベバラ大作戦2025」と題して、「かまいガチ」「あざとくて何が悪いの?」など、テレビ朝日の人気バラエティ6番組がABEMAオリジナルコンテンツとして展開中だ。是非お楽しみいただきたい。最後に出資映画だ。8月公開の「映画クレヨンしんちゃん 超豪華!灼熱のカスカベダンサーズ」だが、おかげさまで動員180万人、興行収入22億円を突破した。また、今月26日には映画の舞台になっていたインドでの上映も始まっている。ヒンディー語、テルグ語、タミル語で展開している。「クレヨンしんちゃん」のファンが多いインドの地で良い結果が出せればと思っている。
※10月改編について、改編の狙いと新番組の見どころは。
西社長:10月クールも引き続きオールターゲット戦略をベースに、我々のDNAである挑戦、つまり守るより攻めるタイムテーブルを念頭に改編を行った。早朝から夜まですべての時間帯でトップあるいはトップグループで推移をしている報道・情報のベルト番組のさらなる強化と、グローバル展開も見据えたアニメやドラマの制作、そして若手クリエイターによる新企画等々、さまざまな時間帯に多彩なコンテンツを提供させていただくことを心がけた改編になっている。ぜひよろしくお願いしたい。
※来年3月に開幕する「WBC」について、動画配信サービスNetflixが全試合を独占配信する見通しで、地上波では中継されない恐れが出てきた。契約が必要な動画配信でしか見られないことについて、前回放送した局として受け止めは。
西社長:テレビ朝日はWBCの第1回大会から放送しており、これまで多くの視聴者の皆様にご覧いただき、支えてくださったことに、まず改めて感謝を申し上げたい。特に、前回大会の準々決勝では、WBCの歴代最高で、個人だと31.2%、世帯では48.0%の視聴率だった。さらに、日本戦が7試合あったが、この生中継でいずれかをリアルタイムでご視聴いただいた人数がビデオリサーチで出ており、これが推計で9446.2万人と発表されている。まさに国民的な行事のため、誰もが無料で楽しめる地上波で今大会もお届けするべく取り組んでいたが、その役割を果たすことができず残念である。様々なハードルがあると思うが我々として何かできることがないのか、まだ時間もあるため考えたいと思っている。
※放送権高騰に伴うものであると思うが、五輪のようにコンソーシアムを組んで、各社での放送も難しいか。
西社長:その高騰という言葉だが、今回は高騰した金額を我々に提示されることなく、アメリカのMLBとNetflixがダイレクトに契約をしたということなので、少し質問の前提が違うかもしれない。
※WBCの件について、早河会長が民放連の会長として、ディレイ放送などやり方があるのではないか、という持論を述べた。現状Netflixが独占配信ということだが、他の放送の仕方を考えているのかどうか。もう1点が、ここからテレビ朝日やTBSが今後大会側に掛け合って交渉する余地等はどのように考えているのか、その2点伺いたい。
西社長:大人も子どもも一体となって楽しめる国民的大型スポーツは、無料での視聴環境が大切ではないかと非常に思っている。地上波として、これまでその役割を担ってきたので、今後何か我々としてできることがないか、もちろん検討していきたいと考えているが、詳細に関しては控えたいと思う。
※WBCの件で放送権の金額が提示されることなく、MLBとNetflix側で契約がまとまったという話があったが、今回もテレビ朝日とTBSでは第6回を放映するために準備を進めていたのか。
西社長:いままで第1回から放送しているため、今回も放送に向けて動いていたのは事実。
※動いている段階で急にこのような発表が入ってきたということか。
西社長:そうだ。
※来年開業する東京ドリームパークについて、改めて開業に向けての意気込みは。
西社長:東京ドリームパークは、自社IPを活用したリアルイベントなどを展開する新たな我々のプラットフォームで、来年3月27日開業である。「夢中から、はじまる。」というコンセプトに、エンタテインメントとテクノロジーが融合、世界的にも類を見ない施設で、これまでのテレビ朝日の音楽番組やイベントを含めた様々な歴史、ノウハウを総動員して、何としても成功に導いていきたいと考えている。どうか、ご支援よろしくお願いしたい。
※BS4Kについて。総務省の検討会でも、TBSが大変苦しいと報告していたが、今後についてどう見ているか。
西社長:2027年1月の衛星基幹放送の認定期限に向けて様々な検討をしているところだ。BS4Kというのは、2018年12月のサービス開始以来、ビジネスとしては非常に厳しい環境にあることは間違いないと思う。各社共通の問題だと思うため、早いうちに方向性をしっかり出したいと思う。
※NHKとの中継局の共同利用について。とても紛糾し、今まさに協議が続いていると思うが、NHK会長が会見で、提案していたやり方ではもう無理だと明言した。一緒に進めてきた土俵がひっくり返った形だと思うが、現在どう受け止めているのか。今後どうしていきたいのか。
西社長:これまでおよそ3年にわたってNHKと民放で計画を進めてきたため、少し驚いたというのが正直な感想だ。現在の計画では採算がとれないということで、出てきた代替案の詳細をまずしっかり精査したい。
※NHKが出してきた代替案で、いけそうだと考えられるか。
角南副社長:現在協議中で、代替案について引き続き説明を受けている状況だ。代替案が出る前に、コストの面で採算が合わないと説明があったわけだが、どういう計算で合わないのかが我々に開示されていないため、そのことも含め色々協議中だ。
※地上波中継局の共同利用について重ねての確認だ。NHKから「コスト面で採算が合わない」と話があったということだが、その試算の根拠は提示されていないということか。
角南副社長:NHKがどのような試算をしたのか、我々には開示されていないためエビデンスがない状況だ。この件については説明を求めているところだ。
※テレビ朝日を含め、民放各局としては現状の共同利用モデルをやめると判断している状況ではないのか。
西社長:いただいた代替案を我々の中でしっかり検討させていただき、次の議論に進みたいと思っている。
※代替案についても協議の事項に入っているのか。
角南副社長:先週示されたばかりで、我々はそこで初めて知った。今週もまた協議会が開かれると思うが、そこでいろいろと協議していきたいと思っている。
※総務省のガバナンス検討会で放送免許期間の短縮などの議論が出たが受け止めは?
西社長:これまでの検討会で様々な意見が交わされているということは認識しているが、当社としては今後もその議論の推移をしっかり注視していきたいと考えている。
※2018年のグランプリファイナルの女子シングルで優勝した紀平梨花選手がアイスダンスに転向するというニュースがあったが、来年のミラノ五輪での活躍について期待することを教えてほしい。
藤本取締役:当社は2005年からグランプリファイナル、2006年からはグランプリシリーズも中継しているが、今回もミラノ五輪を翌年に控えて、必ず盛り上がると考えている。紀平選手も女子シングルから転向して、また新たなステージが開けると思う。フィギュアスケート女子シングルはオリンピック出場に向けてかなり大混戦になると思うので、グランプリシリーズでは選手の試合に対する姿勢をしっかりと伝えていきたいし、楽しんでもらいたい。
※芸能人と芸能事務所の適正な契約のあり方について公正取引委員会が指針をまとめた。テレビ朝日でも番組で数多くのタレントが出演しているが、今回出された指針に対する受け止めは。
西社長:まだ公正取引委員会から公式の発表はないのでコメントは控えるが、一般論としてどのような取引においても優越的地位の濫用はあってはならないと考えている。タレントの起用について、我々は企画内容、テーマに沿って総合的に判断している。
※指針が示されたことで、今後タレントの起用にどのような影響があるか。
西社長:我々としては企画内容に沿って総合的に判断しているため特段の影響はないと思うが、出された指針は内容を確認し、注意徹底したい。
※10月1日に放送法の改正が施行され、NHKのインターネット配信が「必須業務」になるが、NHKの準備状況をどう見ているのか。
角南副社長:明日からスタートなので状況を見てみたいと思うが、いずれにしても、当社としては民業圧迫にならないような競争環境が維持できればと考えている。フリーライドの問題も含め、実際のサービスをしっかりと見ていきたいと考えている。