社長定例会見

篠塚浩社長 社長会見(10月31日)要旨

2023-10-31
※冒頭発言。
篠塚社長:上期は開局から初めて個人全体で全日とプライムの2冠を達成した。下期スタートの10月は今のところ全日が1位、ゴールデン・プライムは2位で推移している。個別の番組では、22シーズン目を迎えた「相棒」のこれまで2回の放送の平均視聴率が、個人全体で7.2%と今クールの民放連続ドラマではトップの視聴率となっている。スポーツでは、先週金曜日に「タモリステーション」で大谷翔平選手を特集し、個人6.6%、世帯11.4%と同時間帯トップの高い視聴率を獲得。また、当社で放送している「フィギュアスケートグランプリシリーズ2023」では、先週末のカナダ大会で、女子シングルでは坂本花織選手、男子シングルでは山本草太選手が優勝した。12月のグランプリファイナルまで多くの日本選手に活躍してほしいと願っている。それから、旧ジャニーズ事務所の性加害問題に関して、10月2日の記者会見に対する当社の受け止めは、すでに当日リリースしている。その後、旧ジャニーズ事務所はSMILE-UP.と名称を変更し、被害者の方々との面談も順次始めるなど、徐々に前に進み始めていると感じている。当社としては、SMILE-UP.社に対し被害者の方々への謝罪・救済を誠実に、そして可能な限り速やかに進めるよう引き続き要望していく。一方、マネージメントを担う新しい会社は、設立前で体制の詳細などは今後ということになるかと思うが、やはりガバナンスを強化して、人権侵害などが決して再発しないよう求めていきたい。再発防止特別チームが指摘した、いわゆる「マスメディアの沈黙」、さらに制作現場などでのジャニーズ事務所との関係については、総合的に検証する特別番組を制作・放送することを決定した。現在、社内外のヒアリングなどを進めているところだ。放送日はまだ決まっていない。
※最新の視聴率について。
西常務:個人の年間視聴率は全日3.5%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデン5.4%で2位、プライム5.5%で1位、そしてプライム2は1.9%で2位となっている。世帯の年間視聴率は全日6.4%で1位、ゴールデン9.1%で1位、プライム9.3%で1位、そしてプライム2が3.5%で2位という状況。個人の年度視聴率は全日3.4%と日本テレビと並び1位タイ、ゴールデン5.1%で2位、プライム5.1%でこちらも日本テレビと並んで1位タイ、プライム2が1.8%で2位。世帯の年度視聴率は全日6.2%で1位、ゴールデン8.6%で2位、プライム8.8%で1位、そしてプライム2が3.5%で2位という状況である。今後の放送に関しては、11月11日にテレビ朝日ドラマプレミアムとしてスペシャルドラマ「友情」を放送予定。日本ラグビーの礎を築かれた平尾誠二さんとノーベル賞受賞の医師、山中伸弥さんの知られざる友情物語である。スポーツでは、16日に「北中米ワールドカップ2026 アジア2次予選」の初戦ミャンマー戦、それから翌17日には「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」、侍ジャパンのWBC以来となる韓国戦を中継する。ご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役: 当社は11月10日に第2四半期の決算発表を予定しているため、現在詳細な数字の公開はできない状態となっている。9月の売上については言及を控えさせていただき、足下の10月、11月の売上状況についてご報告する。10月はタイムが前年比94.6%、スポットが102.0%、トータルでは98.6%。11月はタイムが前年比83.8%、スポットが97.5%、トータルは90.5%という状況で推移している。タイムについては、昨年「SMBC日本シリーズ」や「FIFAサッカーワールドカップ」などの特別編成があったことから、今年は10月11月ともに前年比ではマイナス予算を組んでいる。一方、PGAゴルフツアーの「ZOZO Championship」、「フィギュアグランプリシリーズ2023」、「全日本大学駅伝」、スペシャルドラマ「友情」、そしてアメリカ大陸で予定されている「北中米ワールドカップ2026 アジア2次予選」など、恒例のスポーツ物件や単発セールス物件がある。スポットについては、酒税法の改正もあり、大手アルコール社の出稿が堅調な状況。一方で、外資を含めたIT系の大手からの出稿は非常に低調で、東京地区全体では10月11月ともに90%台半ばの見込み。このような市況ではあるが、当社は好調な視聴率を背景とした広告在庫を保有しているので、10月は前年比102%、11月も97%ほどと地区平均を上回って推移している。米中の経済が低調であることに加え、為替相場や株式市場も不安定で、中東でも衝突が生じているので、アドバタイザーの出稿意欲がなかなか刺激されない状況になっていると思う。引き続き市況の動向を注視しながら、その場その場で柔軟に最適な対応をしていこうと考えている。
※放送外収入について。
武田副会長:イベントについて、1件目はEXシアター六本木が今年11月30日に開業10周年を迎える。これを記念し、11月30日から12月17日まで、音楽ライブやトークショー、落語などジャンルに富んだ合計14演目をラインナップし、10周年を盛り上げていく。2件目は、毎年恒例の「徹子の部屋コンサート」だ。今年17回目になる東京公演は11月22日に東京国際フォーラムで、12回目となる大阪公演は11月26日にフェスティバルホールでの開催となる。それから3件目は、ノエル・ギャラガーの来日公演だ。ロックバンド「オアシス」解散後もソロで活動を続け、「フジロック・フェスティバル」や「SUMMER SONIC」への出演など、精力的に活動している。今回4年ぶりの来日となり、12月1日、2日に東京ガーデンシアターで開催する。それからライブ配信関連は、日本時間10月21日アメリカ大会から始まった「フィギュアスケートグランプリシリーズ」について、例年通りテレ朝動画で全選手の演技を中継している。配信チケットを購入された方は、解説者の町田樹さんによる特別トークなどの特典もついている。
※TELASAについて。
篠塚社長:TELASAに関しては、既に10月クールのドラマの配信が始まっている。「家政夫のミタゾノ」、「単身花日」が本編およびスピンオフを配信し、多くの新規会員を獲得している。バラエティーでも「ロンドンハーツ」を始め、様々なTELASA限定コンテンツを制作、配信している。他では見られないTELASA限定ということもあり、大きなスパイクになっている。
※ABEMAと出資映画について。
西常務:ABEMAのWAUは、現在平均で1800万前後と好調に推移をしている。ABEMA NEWSやアニメといった定番のコンテンツに加え、MLB、サッカー、プレミアリーグ、大相撲などのスポーツコンテンツ、それから8冠を達成された藤井聡太さんの対局など、引き続き多彩なコンテンツをお届けしたいと考えている。
※10月クールひと通りドラマ・バラエティともスタートしましたが、ここまでの手応え、所感について。
篠塚社長:前回、前々回に説明したと思うが、ゴールデン帯の入り口の改編が主だった。火曜から木曜日の19時台、それぞれ改編し、火曜日の「出川一茂ホラン☆フシギの会」、水曜日が「朝メシまで。」、木曜日が「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」という形になった。まだ始まって数回だが、内容面でも視聴率の面でも手応えを感じているのでさらに強化していきたい。私どもはゴールデンの数字を上げなくてはいけないというのが課題になっている。「スーパーJチャンネル」の後半も含めて、それにつながる時間を、一層強化を図っていきたいと思っている。
ドラマについても、「相棒season22」は、先ほど申し上げたとおり、初回、2回目とも大変高い視聴率をいただいている。そのほかゴールデンに移った火曜日の「家政夫のミタゾノ」、それから木曜日の「ゆりあ先生の赤い糸」と、大変面白い内容になっていると思う。こちらは視聴率も配信も含めて、枠の特性を考えながらしっかりと放送していきたい。
※旧ジャニーズ事務所の問題に関して。10月2日の会見からひと月ほど経った。会見を受けて徐々に進んでいる印象を受けたということだが、タレントの起用方針は総合的に判断していくというこれまでの話に現在何か変わったことがあるか。
篠塚社長:変わっていない。タレントの皆さんに問題があるとは考えていないので、企画内容を踏まえて総合的に判断するという考えに現時点では変更はない。
※個別の番組名の問題だが、旧ジャニーズ事務所の皆さんが出演している「♯裸の少年」について、先月の段階でリニューアルの可能性があると言われていたが、これに関して今の段階ではどのような状況か。
篠塚社長:「♯裸の少年」に関しては終了し、新しい番組となる。10月の会見以降、番組タイトルを含めたリニューアルの可能性を検討してきた。ジャニーズJr.という呼称もなくなったことで、抜本的に企画内容を見直して新しい番組をリスタートすることにした。
※引き続きジャニーズJr.が出演する番組ということに変わりはなく、放送時間等も変わりはないのか。番組名の発表はいつ頃を予定しているのか。
篠塚社長:その通りだ。番組名については西常務から。
西常務:本日17時にリリースする予定だ。
※「関ジャム完全燃SHOW」だが、こちらはまだグループ名の変更等々、出ていない段階だが、現段階の状況を教えてほしい。
篠塚社長:こちらも社名変更に伴ってグループ名を変えるという方針は伺っている。番組タイトルの変更も視野に入れて、リニューアルの可能性を現在検討している段階だ。
※グループ名の変更が分かってからということか。
篠塚社長:(それから)変更になると思う。
※昨日の段階だが、東山紀之さんが新会社の社長に就任する予定だったところ、これを辞退されたという報道があった。まだSMILE-UP.社から発表はないが、現在でどのように感じているか。
篠塚社長:何社かが報じているのは存じているが、私どもの確認が取れていない。したがってコメントは控える。
※検証番組で行う社外ヒアリングはOBに対してか。
篠塚社長:社外ヒアリングに関してはOBだ。それ以外に広く有識者の方、あるいは関係先からも御意見とか御見解をお伺いして、トータルで検証番組を作りたいと思ってる。
※人権意識の問題は、その後のヒアリングででてきたか。
篠塚社長:現在、ヒアリングも進めている最中で、特別番組を作るという方向で作業を進めている。特別番組の中で検証してお伝えしたいと思う。
※リハーサル室での性加害も検証するのか。
篠塚社長:検証番組の中で取り扱う方向で考えている。
※「♯裸の少年」のリニューアルは批判を受けてという認識で間違いないか。
篠塚社長:ジャニーズJr.という呼称が変わるので、これに合わせてのリニューアルというか、リスタートだ。番組を終了して新しい番組にする。
※「♯裸の少年」の内容も変えるのか。
篠塚社長:変える。
※刷新するということか。
篠塚社長:リスタートということだ。
※「♯裸の少年」の終了時期は。
西常務:現在の放送としては11月4日まで。そして新番組は18日の放送回からになる。本日新番組の名称を含めて発表し、ホームページに関してはもう少し時間がかかる。
※「♯裸の少年」は、ジャニーズJr.の名称変更でリニューアルし、性加害の問題とは直接関係ないということか。
篠塚社長:名称を変えたのはその流れだ。
※検証番組の放送見込みは。
篠塚社長:ヒアリングの進捗状況とか、編成枠の問題もあるが、できれば再来週ぐらいをめどに放送できたらと思っている。ただ、確定ではない。
※「ミュージックステーション」の出演に関しても検証に盛り込まれるのか。
篠塚社長:トータルでこの間のことに関しては検証している。今制作しているので、番組を見てくださいとしか言いようがないと思っている。
※検証番組ではリハーサル室の案件で元忍者の志賀泰伸さんへの取材もするのか。
篠塚社長:今の段階では、検証番組の中でこの問題についても取り上げる方向だということだけ申し上げておく。
※先日、二宮和也さんが独立を発表された。旧ジャニーズ事務所を退社したタレントについての基本方針、そして二宮さんの今後の出演予定を聞きたい。
西常務:(二宮さんの出演予定は)今のところはない。
※退社されたタレントさんたちに対して、基本方針は。
篠塚社長:先ほど申し上げた通りだ。番組に関しては、当然その番組の企画内容に従ってそれぞれ総合的に判断しているので、退所された方も含めて同じ考えだ。
※検証番組については、各社とも報道ベースでやっているところと、経営の問題として調査するというところもあり、対応が分かれている。テレビ朝日は、どちらのイメージに近いか。例えば報道系のところが取材をして番組として検証するというパターンと、第三者委員会みたいなものを立ち上げての調査もあるが。
篠塚社長:基本的には報道機関であるので、自主的に私どもでテレビ朝日として制作をしている。スタッフに関しては、報道それから制作、編成と、我々のグループ会社であるテレビ朝日映像とでプロジェクトチームを作って制作をする。報道番組を使ってという形ではなく、特別番組という形で放送をさせていただくつもりだ。
※日本テレビが「news every」の枠でやり、TBSは「報道特集」の枠で検証したが、テレビ朝日は特別番組の枠で放送するということか。
篠塚社長:そうだ。
※他社の話になるが、日本テレビは、事務所開き当日に編成局長、編成部長と企画担当がお花とお菓子を持って事務所まで訪れたという報道があった。そういったやりとりがテレ朝さんでもあったのか。
篠塚社長:そういったことはない。
※向こうの事務所を訪れたということもないのか。やりとりはどのようにしているのか。
西常務:こちらから出向いたことはない。
※向こうが訪問する形か。
西常務:適宜電話など、いろいろなやりとりがある。
※ちなみに対応された方は向こうの役員か。
西常務:そうだ。