社長定例会見

篠塚浩社長 社長会見(9月26日)要旨

2023-09-27
※上半期を振り返っての社長所感。
篠塚社長: 2023年上期視聴率は、あと数日を残した中で、個人全体で全日とプライムの2冠。年間視聴率も個人全体で全日・プライムの2冠という状況。現行の経営計画では、2025年までに年間視聴率、年度視聴率の個人全体3冠を目標に掲げている。目標達成に向けて、10月クールはゴールデン帯を中心に一層の強化を図っている。直近のトピックスとしては、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」が、日本代表ホーバスジャパンの大健闘で大変盛り上がり、日本対カーボベルデ戦のテレビ朝日の視聴率は、今年度放送された全局の番組で最高となる個人全体15.3%、世帯22.9%。開催地の沖縄では、個人全体24.5%、世帯34.4%だった。昨年の「FIFAサッカーワールドカップ」、3月のWBCに続いて、日本を元気にするスポーツ中継に携われたことは、我々テレビ朝日にとっても大きな喜びであった。また、バスケットボールを観戦する魅力を多くの方に知っていただいたことも大変重要だったと思っている。パリ五輪でのさらなる活躍も期待したい。続いて、「テレビ朝日・六本木ヒルズSUMMER STATION」を37日間にわたって開催した。猛暑の中だったが、昨年を上回るお客様においでいただいた。4年ぶりにコロナによる制限のない開催だったので、多々反省点もあるが、当社の成長戦略の柱の一つであるメディアシティ戦略の今後の展開にしっかり生かしていきたい。ジャニーズ事務所の性加害問題については、8月29日に再発防止特別チームの記者会見、今月7日にジャニーズ事務所の会見が開かれ、当社の受け止めに関しては、それぞれリリースをした。調査報告書で指摘されている「メディアの沈黙」、特に2003年の性加害を認定した高裁判決、そしてその判決が確定した2004年の最高裁の上告棄却の際に、なぜ報じなかったのかという点については、当時の報道局の関係スタッフに聞き取りを行った。週刊誌の芸能関連報道に対する名誉毀損訴訟、つまり民事裁判は、日頃からほとんどニュースにしていない分野だったことから、裁判担当の記者らも深刻な人権侵害に関する事案であると気付かなかったということだった。当時私も報道局で仕事をしていたが、このような重大な人権侵害、性被害だとは気付かなかった。私も含めた当社の人権侵害や性被害への意識が著しく低かったと深く反省している。また、ジャニーズ事務所は被害者救済委員会を既に設置し、さらに来月2日には社名変更や株式の取り扱いなどの今後の方向性や新たな経営体制に関して発表するということなので、当社としてはこうした一連の動きを注視した上で、新しい体制には被害者への謝罪・補償と人権尊重への具体的な取り組み、そして再発防止策を含むガバナンスの強化を、速やかに徹底的に実行していただきたいと思う。当社としては、政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」等を参考に、ステークホルダーとして対話を通じて、このような課題の対応を強く求めているし、今後も求めていく。またその過程を通じて、当社の人権尊重の取り組みも強化していく。具体的には、社としての人権方針をまとめて検討を始めるとともに、社員スタッフに対して研修会・勉強会を継続的に行っていきたいと思う。尚、ジャニーズ事務所に所属するタレントの皆さんの当社番組への出演に関しては、タレントの皆さんに問題があるとは考えていないため、企画内容などを踏まえ、その都度総合的に判断していくということに現時点では変更は無い。ジャニーズ事務所には、所属タレントの皆さんの人権への配慮も是非お願いしたい。
※最新の視聴率について。
西常務: 個人全体の年間視聴率は、全日3.6%で1位、ゴールデン5.5%で2位、プライム5.5%で1位、そしてプライム2は1.9%で2位。世帯の年間視聴率は、全日6.4%で1位、ゴールデン9.2%で1位、プライム9.4%で1位、プライム2は3.5%で2位という状況。年度視聴率については、個人全体で全日3.4%、日本テレビと並んで1位タイ。ゴールデン5.1%で2位、プライムが5.1%で日本テレビと並んで1位タイ、プライム2が1.8%で2位。世帯では、全日6.1%で1位、ゴールデン8.6%で民放2位、プライム8.8%で1位、プライム2は3.5%で2位という状況。今後の主な放送番組について、この時期はクールの端境期ということで様々なバラエティや特番を予定している。明後日9月28日に「アメトーーク!」のスペシャル、10月3日には「芸能人格付けチェック」と、様々なバラエティの3時間スペシャルを並べている。また今、ドイツやトルコに連勝して日本のサッカーが盛り上がっているが、10月13日にサッカー日本代表のカナダ戦の中継があるので、是非ご期待いただきたい。
※営業状況について。
橋本取締役: 前回の定例会見から2ヶ月以上間が空いているため、まずは7月、8月の確定数字と、9月の見込みについてご報告する。まず7月は、トータルでは前年比102%だった。内訳はタイムが前年比で114.1%、スポットは90.2%だった。8月については、トータルで前年比99.7%、内訳はタイムが前年比で104.5%、スポットは94.7%という結果であった。9月はまだ未確定だが、現在タイムは前年比で98%程度、スポットは90%程度と見込んでおり、トータルでは94%程度かなと見ている。上期全体では、タイム・スポットを合わせ、前年比で98%ほどになる見込みである。上期全体を振り返ると、まずタイムの方は22年ぶりに「世界水泳福岡2023」が行われた。それから、バスケットボールワールドカップについて、日本全国で応援をいただいたが、これらの大型セールスが成功し、上期のタイムの売り上げは前年実績を上回りそうな感じである。一方のスポットは、広告市況が引き続き低調だった上に、今年特有の現象として各局が大型のスポーツ物件を編成するという状況だったため、本来であればスポットに投下される広告宣伝費がタイムの方にシフトしたということもあり、スポットではなかなか前年に届かないという状況となった。そんな中、東京地区の平均値を上回ることができ、スポットではシェアを大きく伸ばせるという見込みが立っている。最後に、足元の10月について共有しておきたいと思う。タイムにつきましては、10月改編のセールスも一段落しており、現在スポーツ物件の「ZOZO CHAMPIONSHIP 2023」や「フィギュアスケートグランプリシリーズ2023」といった恒例のスポーツ物件をセールスしているところである。また、先週リリースした11月11日に放送予定の単発のドラマスペシャル「友情」。日本ラグビー界のレジェンド・平尾誠二さんと、ノーベル賞を受賞された山中伸弥先生との人間関係をテーマにしたものだが、これがアドバタイザーからの引き合いも非常によく、既に完売している状況である。スポットについては、9月から一転して改善の兆しが見えている。出稿ニーズも高く、今後はアドバタイザーや広告会社との丁寧な作業を通じて売り上げにつなげていきたいと思っている。
※放送外収入について。
武田副会長: まずイベントは、今年4回目を迎える黒柳徹子さん主演の朗読劇「ハロルドとモード」だ。9月28日から10月12日まで、EXシアター六本木で開催する。今回はハロルド役に向井康二さん、その他桜井日奈子さん、片桐仁さん、渡辺いっけいさん、戸田恵子さん。こういった配役でお届けする。2件目は、大好評の「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会」だ。今回は4都市7公演に大幅拡大をして実施する。皮切りは10月8日に大阪城ホール、その後10月21日、22日で東京の両国国技館、11月6日に愛知・日本ガイシホール、12月23日はまた東京に戻り、国立代々木競技場第一体育館、そして年が明けた1月20日、21日には福岡の福岡国際センターでの開催となる。次に、今年で12回目となるドリームフェスティバルだが、11月3日から5日までの3日間、幕張メッセで開催する。今年も非常に多くの多彩なアーティストの方が参加する。イベントの最後は、昨年11月から12月にかけて開催した羽生結弦さんのアイスショーシリーズの第二弾だ。11月4日、5日にさいたまスーパーアリーナでの開催になる。次に配信だが、新日本プロレスの公式動画配信サービス「NJPW WORLD」だが、この秋に大幅リニューアルする。各種公式アプリの提供や配信映像のフルHD化、オフライン再生対応や検索機能の強化、サイトデザイン・UIの刷新など、お客様に、より一層プロレスを楽しんでいただけるようグレードアップする。
※TELASAについて。
篠塚社長:7月クールについて、ドラマはTVerもそうだったが、「ハヤブサ消防団」の人気が高かったのが大変印象的であった。さらに言えば、「警部補ダイマジン」や「ノッキンオン・ロックドドア」といった作品でも会員獲得に大きく貢献してもらったというところである。バラエティでは、8月に地上波で放送した、Mrs. GREEN APPLEの地上波初冠番組「Café GREEN APPLE」の配信が大変好評を得た。
※ABEMAと出資映画について。
西常務:AMEBAのWAUは、現在平均で1800万前後と好調に推移をしている。ABEMA NEWS、それからアニメといった定番コンテンツに加えて、MLBの試合中継、それからサッカーのプレミアリーグ等々、このスポーツチャンネルが大きく数字を伸ばしており、8月には2週連続で2000万を超えるという数値も記録をしている。続いて出資映画も合わせてご報告をさせていただく。8月に公開した映画クレヨンしんちゃん「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE超能力大決戦〜とべとべ手巻き寿司〜」だが、動員が190万人、興行収入が23億円を突破しており、映画クレヨンしんちゃんの興行収入記録を現在更新中だ。ご覧いただきました多くの皆様に心から感謝を申し上げたいと思う。
※10月改編について、改めてポイントは。
西常務:まずターゲットに関して、引き続き当社は老若男女、オールターゲットでの編成を継続している。具体的なタイムテーブルでは、平日のゴールデンタイムの強化、テレビ朝日の特徴でもある深夜の「バラバラ大作戦」の強化、この2つを改編の柱とさせていただいた。昨今、生活様式の変化もあり、平日の19時台の番組作りというのが非常に難しくなってきていると感じているが、19時台に今回新たな3番組「出川一茂ホラン☆フシギの会」「朝メシまで。」「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」を投入している。それぞれテーマは好奇心や家族、あるいは世界の動画ニュースという全くコンセプトの違う3番組だが、並べて編成させていただいたので、ぜひ視聴者の皆様に楽しんでいただければと思う。それから深夜は、好評の「バラバラ大作戦」をさらに強化し、今回の改編も20代の若手ディレクターによる新企画、それからリニューアルを含めて14番組を投入している。この時間帯は地上波だけではなくて、見逃し配信やアニメ、IP戦略、そしてイベント等当社が抱えているコンテンツの360°展開をしっかり推し進めることができるよう、様々な工夫をした。ぜひご期待いただければと思う。
※NHKのネット業務に関して。先月末に総務省のワーキンググループでNHKのネット業務を必須化するべきだとの報告が取りまとめられた。これについての受け止めはどうか。
篠塚社長:ご承知のように、今、取りまとめ案に関しては意見募集が行われており、まず民放連としてもだが、個社としても意見を提出する予定があるので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。ただ、せっかくなので、ここで私が重要と思うところを言わせていただくと、いわゆるリアルタイム配信と、見逃し配信以外に、NHKがインターネット上にどんなコンテンツを出したいのか、何がしたいのかをできるだけ早く、より具体的に示していただきたいと思う。質問にあったワーキンググループで1年間議論してきたわけだが、その中で民放連が繰り返しお願いしてきたが、なかなか出していただけない状況のまま、今回こういう形の取りまとめになったということだと思う。中を読むと、いわゆる競争評価では、まずはNHKが原案を出すことになっている。つまりはこの原案、具体的な案が出てこないことには、これより先に進めないということだと思う。何よりもこの議論が視聴者や利用者の方々に具体案がないと大変わかりにくい議論になっているのではないかと思うので、ぜひそこはお願いしたい。もちろん、いわゆる競争評価の第三者機関がしっかりと実効性のあるものにするために、制度的な整備も必要だと思っている。もう一つ言わせていただければ、競争を担保する上でもインターネット配信にNHKがかける費用の上限をやはり引き続き定めていただきたいということだ。こちらの方が重要かもしれないが、恐らく地上波受信料に紐づいた受信料が使われることになるということを考えても、やはり上限というものは必要なのではないかと思っている。冒頭申したように、さらに細かい点に関しては、意見募集にこれから応じるつもりなので、そちらをご覧いただきたい。
※ジャニーズ関係の問題について3点質問する。まず篠塚社長の冒頭の所感でも触れられたが、改めて今月7日の会見で発表された新体制、再発防止、被害者補償の方針についての受け止めはどうか。
篠塚社長:先ほども申し上げたとおり、まず8月29日に特別調査チームの会見があり、そこからジャニーズ事務所の会見まで10日足らずだったので、やはり社名のことも含めて、曖昧な点、あるいは具体性に乏しい面も多かったのではないかということで、やはり十分な内容だとは思っていない。来月2日にさらに具体的な措置について発表されるということなので、それを私どもとしては注視して参りたい。
※2点目、新社長となる東山さんは、テレビ朝日で「サンデーLIVE!!」や「刑事7人」など出演番組が多くある。表に出る仕事を引退し、経営に入ることについては、どういった受け止めか。
篠塚社長:一言で言って大変重い決断をされたと思う。先週には、私どもも伝え、皆さん方も報道したと思うが、被害を受けた方の一人である橋田康さんと面会して謝罪をしたということなので、引き続きこうした形で被害に遭われた方々に誠心誠意向き合っていただきたいと思う。
※3点目、現在、ジャニーズ事務所の所属タレントの方々との広告契約を打ち切る企業が相次いでいるが、その影響でタレントの起用方針を見直すなど、番組制作にはどういった影響があるか。
篠塚社長:今のところ、番組制作に影響は出ていない。先ほど申したように、出演者については企画内容を踏まえて、その都度総合的に判断していくという考えに現時点では変更はないということだ。
※ジャニーズ事務所への申し入れや要請は文書で行っているのか。
篠塚社長: 当社としては紙の形では出していないが、私どもの考えは都度々々お伝えしている。十分理解していただいていると考えている。
※対面でお伝えしているということだが、社名変更についてはどうか。
篠塚社長:社名変更の可能性についても申し入れしている。
※検討してほしいということか。
篠塚社長:細かいことは申し上げられないが、社名変更の可能性についても申し入れをしている。
※報道局の当時の関係者に話を聞いたそうだが、検証について、放送なり視聴者に公表することは考えているのか。
篠塚社長:現在、様々な検討をしている。何か決まった際は改めて皆様に報告する。
※まだ放送する方針かどうかは分からない。
篠塚社長:現在検討中で、様々に検討しているので、決まった際には皆さん方に報告したい。
※タレントの起用について、現時点で変更はないと言っていたが、10月2日の新体制等の発表を受けて、また新たに検討する予定はあるのか。
篠塚社長:とにかく2日の内容を注視しないことには、その後の対応というのはなかなか考えにくいと思う。先ほど申し上げたように、私どもの考えは、繰り返しジャニーズ事務所には伝えているので、それを受けて、2日の会見なのか、発表内容がどういう形になるのか、それを注視した上でということになると思う。ただ、もう1点、やはり付け加えておきたいのが、我々はいろいろな考えをお伝えしているが、逆に言えば、我々の人権意識も問われているということだと思うので、忘れずにしっかりやっていきたいというのが基本だ。
※「♯裸の少年」というタイトルは続けるという認識でいいのか。
西常務:そうだ。現状は変更の予定はないが、10月2日に様々な発表があって、そこで、例えば社名とかグループ名とか、いろいろなことが起こることが想定される。その状況を見ながら今後の企画をリニューアルするとか、そういう事態の状況によって可能性はあるかと思う。
※早河会長が会見に出席しない理由と経緯について。
篠塚社長:私も就任から1年を過ぎて、基本的にこの会見に関しては私が対応する形に今年度からさせていただくということだ。これからは私が全ての回で対応していく。
※会長が、今年度以降会見に出席しないというのは、一連のジャニーズ問題とは関係がないという認識で構わないか。
篠塚社長:そうだ。
※テレビ朝日はジャニーズに関する報道量がやや少ない。本当に忖度というものがないのか。報道現場に今もジャニーズの報道には注意しろというような要求はないのか。
篠塚社長:まずは、その当時、2003年、2004年の聞き取りに関して言えば、当然忖度という声は上がっていない。出版社等の芸能関連記事に関する名誉毀損訴訟という民事裁判なので、きちっとカバーできていなかった。普段、日頃ほとんどニュースにしていない部分だ。司法クラブから社会部デスクには予定も上がっていないというような状況だった。この案件が深刻な人権侵害であるとか、性加害であるという認識を、司法クラブだけではなくて、報道局が持ち得なかったというのが原因だと思う。例えば、参考までに、高裁判決の2週間前にはジャニーズ事務所の関連で税金絡みの不祥事があった。国税が動いた件だが、これに関しては複数の番組でニュースとして伝えている。だからということではないが、参考までにお伝えしておくと、そういう形でジャニーズ事務所の件に関しても伝えているというところも申し上げておく。今現在に関して言えば、あまりジャニーズ事務所の会見とか、その前の特別委員会の会見でも、弊社の報道が短かったというふうには思えない。特番も含めて、その日から翌日にかけていわゆるデイリーの5番組があるが、そこでの取り上げ方を見ても少ないとは思わない。それから適宜、その時その時の判断でそれぞれの番組で伝えているというのは、これまでも申し上げた通り。
※報道以外の制作現場での聞き取り及び忖度の有無は。
篠塚社長: 制作現場のヒアリングに関しては、適宜している最中である。忖度のようなことがあったとは聞いていないが、2003年、2004年のことを仰っているのだと思うけれども、噂で聞いている人はいたようだが問題意識を持つ人はいなかったということで、この部分でも、やはり我々の人権意識というものは率直に反省しなくてはいけないと思っている。ただ、そもそも先程から申し上げているように、判決や最高裁の決定自体は報道局も報道しないので、制作現場の人もこの判決が確定したことに関してほとんど知らなかった。元に戻るが、当社の報道機関としての責任が大変重い、そこは深く反省すべきだと思っている。
※9月7日の会見内容を「サンデーLIVE!!」が一度も報じていない理由は。
篠塚社長: それぞれのニュース番組でどういうニュースを扱うかに関して一つ一つ説明はしていないが、お尋ねなのでひとことお答えすると、先ほど申し上げたように、7日の会見に関して私どもは14時から生放送枠を5時間、特番を含めて放送した。「スーパーJチャンネル」、その後の「報道ステーション」、翌朝の「グッド!モーニング」、「羽鳥慎一モーニングショー」、「大下容子ワイド!スクランブル」という形で、5ベルト全て大きく取り上げた。それだけやったということで、ウィークリーの番組では取り上げなかったと聞いている。
※東山さん司会の番組で視聴者も注目して見たことと思うが、今後の放送予定は。
篠塚社長: それは適宜、適切に判断していく。他の番組も含めて一緒だ。
※後任は局アナか。
篠塚社長: 局のアナウンサーを起用する方向だ。もう10月頭なので、次回放送を見ていただければと思う。局のアナウンサーが担当するという形になる。前回、レギュラー二人が卒業という放送をしている。新しい出演者が10月1日から出演させていただく。
※ジャニーズ事務所に対していろいろ要求をしていくということだが、ジャニーズ事務所の対応によっては、所属タレントの起用を見直すということもあるのか。
篠塚社長:先ほど申し上げているように、私どもの考えはお伝えしている。とにかく10月2日の会見もしくは発表がどういうものなのか、私どももわかっていないので、まずはそれを注視するということしか申し上げられない。
※東京ドリームパークについても、ジャニーズに出演してほしいということで、それこそ会長肝いりの事業として進んでいって、やはりジャニーズに出てもらわないと運営が難しいので、会社全体として気を使っているんじゃないか。
篠塚社長:ないと思う。東京ドリームパークに関して言えば、私どもの経営計画にあるメディアシティ戦略の一環だが、2026年開業を目指して、劇場やホール、デジタル系のエンタメ施設、そういうものを作るというところまで決まっているが、演目について現在何も決まっていることはない。
※ジャニーズ事務所の問題で、申し入れを口頭で行ったということだったが、社名変更の可能性について以外にどういった内容を申し入れされたのか。
篠塚社長:申し入れをしたというのは、我々の考えを伝えているというところだ。繰り返し我々はこう思っているというのを伝えている。当然ご承知のように、対話を通じて人権状況を改善するということがプロセスとして大事だということになっているので、我々の考えは伝えている。逆に言うと、我々は自分たちの人権状況も変えなきゃいけないということで、我々の考えというのは、冒頭申し上げたように、被害者への謝罪、それから補償、それから人権への尊重への取り組みをより具体的にしてほしいと。速やかにしてほしいし、より実効性のある再発防止策を含むガバナンスの構築をお願いしたい。つまり、そのようなことをおやりになるとは会見でおっしゃっているが、それをより具体的に示していただきたいというところだ。
※報道現場の上層部の圧力と言うか、ジャニーズ問題を報じるにあたって、報道現場の上層部の圧力はなかったという認識でいいか?
篠塚社長:そうだ。
※制作はABCテレビだが、日曜日の夜にドラマの枠を新設した。他のテレビ局はゴールデン、プライムや深夜にドラマの枠をもっと増やすケースが多い。NHKも含めて全体的にドラマの枠を増やすという流れがある。視聴率が芳しいと言えるものばかりでもない。この中でよく言われるのは、配信を含めての戦略というのもあるが、御社としてドラマ枠を増設したことへの考えは。
西常務:平日のプライム帯21時にドラマを3つ並べて、金曜と土曜日にナイトドラマを作り、それからABC枠で日曜の22時ですか、やはりそのドラマ枠というのは、今後その配信を見据えた時に非常に配信数もあるものですから、当然各局そのドラマに関しては戦略を強化するということだと思う。当社の場合は、プライム帯に関してはオールターゲットで進めており、深夜に行けば行くほど、やはり配信、若年層をターゲットにしている。オールターゲットとそれからの配信、両方を見据えて、いまドラマ戦略を構築しているという状況だ。例えば7月クールだと、ベスト5に当社のプライム帯のドラマは3つ、全て入っている状況なので、そういう意味ではしっかりそれぞれの枠で役割というか方向性を付けて、今機能し始めているのではないかと思っている。
※さきほどジャニーズのタレントさんが出演するドラマの制作が止まっていることは現状ないというお話だったが、10月では「家政夫のミタゾノ」「単身花日」「今日からヒットマン」と、それぞれジャニーズ事務所のタレントさんの主演が3本あるが、こちらは予定通り放送されるのか。
西常務:予定通りです。
※東山新社長について、テレビ朝日さんだと「刑事7人」「必殺仕事人」と、それぞれ視聴者の方にはとても人気なシリーズになっている。こちらは今後どうなるか。
西常務:まだ現段階ではどう対応するか決まっていない。
※先ほども少し出ていたが、「メディアの沈黙」と言われるようなことがあって、これは新聞、通信社も同じだと思うが、特にテレビの方が目立ったと言われている。その中で、今回、カウアン・オカモトさんたちが会見してからも、なかなかテレビが放送しなかったということで、「やっぱりね」という感じを視聴者に持たれてしまった面は否定できないのではないかと思う。ネット上などでも、やはりテレビが忖度しているというようなことが盛んに書かれている。そういう意味では、この一連の経緯でマスメディア、特にテレビが視聴者の信頼を失ったという面がどうしても強いと思う。どうすれば信頼回復していけるとお考えか。
篠塚社長:やはりさっき申し上げたように、「メディアの沈黙」と言われる調査報告書があって、特にその中では2003年、2004年の高裁判決とそれから最高裁の決定のところが触れられているわけだが、やはりその辺をまずはきちんと検証しなくてはいけないということでヒアリングをした。そこの中でやはり浮かび上がってきたのは、やはり我々テレビ朝日としては、その当時の報道のスタッフ、それは報道の人間だった私も含めてだが、大変な重大な人権侵害であるところに全く気が付かなかったという、やはり人権意識の低さというのが一番問題であると思っている。それはやはり我々の意識の問題かなと思っている。したがって、今現在、我々でやろうと思っているのは、ひとつには、ジャニーズ事務所に対してさまざま我々の考えを伝えるということ。もうひとつは、我々のそういう問題点をしっかりと認識した上で、改めてそこを改善していく。当然だが、いろいろな社内文書、それからマニュアル、規則の中には人権に関する項目というのはもうあちこちにあって、みな目を通しているわけだが、ひとつのまとまりとしての人権方針というのはないので、これはしっかり今後作成する方向で検討を始めたいと思っているし、社員スタッフに対する人権に関する勉強会、研修会みたいなものも継続的にやっていきたいと思っている。こうやって地道な努力をすることによって、皆様方に理解していただけるという、その方向性を示すしかないと思う。
※ジャニーズ事務所の会見でも話題になっていたが、「ミュージックステーション」で、かつては競合になるようなDA PUMPであるとかw-indsなどのグループが全く出演がなく、DA PUMPは本当に初期に何度か出て、その後は後年大ヒットするまでは出なかったというような話があった。これはなぜ出なかったとかというのは今の時点ではいかがお考えか。
西常務:先ほどお伝えしたとおりだが、例えばLDHさんや、DA PUMPさん、K-POPのグループもそうだが、国内だけではなくて海外を含めて、我々としてはさまざまなアーティストの方にご出席いただいている認識がある。その上で、先ほども申し上げたように、その出演に関してはテーマとか企画内容に沿って適正のある方にご出演いただいている、総合的に判断しているということだと思う。