社長定例会見

篠塚浩社長 社長会見(2月28日)要旨

2023-02-28
※視聴率状況について。
篠塚社長:年度視聴率は残すところあと1カ月ほどだ。個人全体視聴率は全日、プライムがトップ。ゴールデン、プライム2が2位。世帯視聴率は、全日、プライムがトップ、ゴールデンが民放2位、プライム2が2位で推移している。先週の金曜日から日曜日にかけては、テレビ朝日のバラエティ8番組がコラボを繰り広げる3夜連続企画「コラボしまくり!ザワつく金土日!」を放送して、金曜日が個人全体7.7%、世帯12.7%、土曜日が個人全体7.5%、世帯12.4%、日曜が個人全体6.8%、世帯10.9%という高い視聴率を獲得した。いよいよ3月9日から、「2023ワールドベースボールクラシック」が開幕する。テレビ朝日では、3月11日の日本対チェコ戦に始まり、12日の日本対オーストラリア戦、16日の準々決勝、22日の決勝戦の放送を予定している。サッカーのFIFAワールドカップに引き続いて、今度は侍ジャパンが世界を相手に奮闘して活躍してくれることを大変期待している。
西常務:詳細を改めて報告する。個人の年度は、全日は3.6%で日本テレビと並び1位タイ。ゴールデンが5.4%で2位、プライム5.4%で日本テレビと並び1位タイ、そしてプライム2が2.0%で2位となっている。世帯の年度は、全日6.5%で1位、ゴールデンが9.2%で民放2位、プライムが9.3%で1位、そしてプライム2が3.7%で2位という状況だ。1月クールの個人は、全日が3.6%で2位、ゴールデンが5.5%で2位、プライムが5.5%で2位、プライム2は1.9%で2位タイとなっている。1月クールの世帯は、全日6.5%で2位、ゴールデン9.2%で2位タイ、プライム9.2%で1位、プライム2が3.5%で2位だ。
主な放送予定は、いよいよ開幕する「2023ワールドベースボールクラシック」。1次ラウンドは11日がチェコ戦、12日がオーストラリア戦。2試合生中継となる。決勝トーナメントは16日の準々決勝、22日が決勝戦だ。それからサッカーだが、ワールドカップ後初の日本代表戦となる「キリンチャレンジカップ2023日本対ウルグアイ」を3月24日ゴールデンタイムにて中継予定だ。野球・サッカーともにこの日本代表戦をぜひ期待していただきたい。
※営業状況について
橋本取締役:まず確定している1月の売上状況から。タイムは前年比95.7%、スポットは99.9%で、合計97.9%で確定している。第3四半期からの低調な流れが継続した格好になっており、タイムでは去年「カタールワールドカップ最終予選」があり、その影響もあって反動減ということで前年を下回っている。一方のスポットは、東京地区が97.2%だった。これに対し当社は前年と同じ99.9%という状況だったので、5局シェアでは0.6ポイントほど伸ばして22.6%で着地した。これは在京2位の売上高だ。2月はタイムが前年比で89.5%、スポットが105.2%の合計97.6%だ。タイムが前年割れ、スポットが前年超えという形になっている。これは去年2月に北京五輪があったので、その反動の影響が双方に生じている結果だ。スポットは1月に続いて地区の平均を上回っており、シェアを伸ばすことは確実と見ている。2月の業種だが、コロナ禍でなかなか風邪を引きにくくなり薬品系が動かなかったが、これが今動いている。その関係上、薬品医療用品の出稿が出てきているほか、コロナ禍においての働き方の多様化や人材の流動化が助けになり、人材サービス関連の出稿が多いのが目立つ。それから3月だが、タイムが前年比110.5%、スポットが現状75.8%で、合計89.8%だ。タイムは110.5%と今申し上げたが、大谷翔平選手、ダルビッシュ有選手らが出場するWBCや、去年の「スペシャルドラマ 津田梅子~お札になった留学生~」に続いて女性の活躍をテーマにした2夜連続ドラマ「キッチン革命」などの特番が増収につながり、前年を大きく上回る数字になるだろう。一方のスポットは先ほど申し上げた通り、現状はまだ76%に届かず、例年と比べると非常にペースが遅い状況が続いている。明日から3月に入るので、期余り出稿の動きも出てくるかと思っている。この対応で忙しい毎日を送る3月を迎えられればと期待を込めた心情だ。
※放送外収入について。
武田副会長: それでは放送外収入のトピックスを報告する。まずイベント1件目は、「LIVE the SPEEDSTAR」という音楽フェスティバルを開催する。3月18日に幕張メッセ国際展示場の9、10、11ホールにて開催する。スピードスターレコーズの創立30周年の記念イベントとして、くるり、スガシカオ、矢野顕子、星野源ら全16組のアーティストが出演する。2件目は、「Shooting Star Asia Tour in JAPAN」を開催する。タイのGMMTVの所属俳優陣による公演で、第2弾となる。CSテレ朝チャンネルとBS朝日で放送した、人気ドラマ「F4 Thailand BOYS OVER FLOWERS」の主演俳優4人によるファンミーティングだ。インドネシアやシンガポール、韓国等アジア各国を巡回してきたツアーの日本公演である。最後3件目は「満パンスター~さらば&三四郎が3月にライブすることだけ決まっている番組~」という深夜のバラバラ大作戦枠で放送中の番組ライブイベントで、3月23日に有明の東京ガーデンシアターで開催する。次に、ドラマの海外番販がアジアを中心に非常に好調のため、海外番販について報告する。まず火曜21時に放送中の「星降る夜に」は、アジアを中心に非常に人気が高く、香港・台湾・韓国に加え、審査がかなり厳しい中国にも販売が確定した。合計6カ所の放送局や配信プラットフォームに販売が決まっている。木曜ドラマ「警視庁アウトサイダー」も台湾や韓国など6カ所に、金曜ナイトドラマの「リエゾン~こどものこころ診療所」は台湾と韓国に、オシドラサタデーの「ハマる男に蹴りたい女」は韓国と世界各国向けの配信プラットフォームに、土曜ナイトドラマ「6秒間の軌跡~花火師 望月星太郎の憂鬱~」は台湾、香港、韓国に販売している。最後に、50周年を迎えた新日本プロレスについては、1月4日に東京ドームで開催した「WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム」は新日本プロレスワールドを通じて全世界にライブ配信をされ、サービス開始以来最高のユニークユーザー数である、9万2409人を記録した。そのうち3割が国外向けの英語による実況配信を視聴頂いており、海外のプロレスファンにも十分に楽しんでもらえたと思っている。今年は新日本プロレス50周年に続き、番組としての「ワールドプロレスリング」が放送50周年を迎える。4月8日に開催される「テレビ朝日 新日本プロレス放送50周年記念 SAKURA GENESIS 2023」を周年企画とし、CSテレ朝チャンネルで独占生放送する。
※TELASAについて。
篠塚社長:1月クールのドラマは、海外番販でも非常に好調な「星降る夜に」「警視庁アウトサイダー」がTELASAでも回を追う毎に視聴数を伸ばしている。放送400回を突破した「相棒」はTELASAで全シリーズの配信をしており、そのシリーズ累計視聴数が1億回を突破した。地上波での人気コンテンツを配信でも見ていただく良い環境ができているため、会員数は順調に推移している。また、昨年12月に地上波で放送した人気アイドルの冠番組「全力!SEVENTEEN」は本編の配信と同時にTELASAでしか見られないオリジナルコンテンツを充実させたこともあり、会員獲得に大きく寄与した。今後も今申し上げたようなスピンオフコンテンツを積極展開するなどし、TELASAでしか見られないコンテンツを増やし、TELASAの魅力を高めていきたいと思っている。
※ABEMAについて。
西常務:AMEBAのWAUは、目標の1000万に対して現在1500万前後と好調に推移している。直近のトピックスとしては世界最高峰のサッカーリーグであるイングランドのプレミアリーグに加え、この2月からはドイツのブンデスリーガの中継もスタートしている。また開幕を控えたWBCについては、侍ジャパンの強化試合3試合を無料でお届けすることになっており、より一層スポーツチャンネルの強化・充実を進めていきたい所存だ。
※1月クールのドラマの手応えについて。「星降る夜に」の配信が回を追うごとに増えているということだが。
西常務:まず全体のドラマに関してだが、昨年10月から火曜・水曜・木曜の夜9時台に、三夜連続の新たなドラマゾーンを編成している。名コンビが復活した「相棒season21」は、変わらず民放ドラマのトップで推移している。また火曜日の「星降る夜に」だが、放送後1週間での再生回数の平均が約250万回ということで、現時点で全局のトップだ。週末の深夜ドラマも含め、それぞれの枠がしっかり持ち味を十分発揮できているのではないかと思う。多くの視聴者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思う。「星降る夜に」については、そのピュアなラブストーリーにとどまらず、ヒューマンやサスペンスの要素も入っていて、多くの反響をいただいている。若い方々だけではなくて、本当に幅広い世代の方にご覧いただき大変感謝している。そして、視聴率とその配信の関係については、やはりその背景には、生活習慣の変化、それからデバイス視聴形態の多様化があると思う。見逃し配信などは非常に数字が伸びており、リアルタイム視聴だけではなく、タイム視聴や見逃し配信、様々な環境とデバイスで、我々のコンテンツが今後も見られていくのだろうと捉えている。
※2月24日でウクライナ侵攻から1年を迎えた。テレビ朝日では去年「タモリステーション」を、直後に放送し大変な反響があった。1年を迎えての振り返りは。難しかったこと、今後取り組んでいきたいことは。
篠塚社長:今ご紹介いただいた「タモリステーション」もそうだが、1年間、レギュラー番組5ベルト、週末の生番組3つ、あるいは他の番組も含め、池上彰さんの番組などでも様々取り上げてきた。巨視的というか、大きなテーマとしては、国際秩序の問題、歴史、地政学などのテーマから、実際の戦場・戦線の様子や避難されている方々の状況、あるいは経済的な問題でいえば資源高、サプライチェーンの問題など、まさに多角的に報じてきた。テレビメディアとしての役割は基本的には果たしているかと思っているし、引き続き果たしていきたいと思う。ひとつご紹介したいのが、テレビメディアの取材や伝送の方法は、この10年でドラスティックに変わった。ひとつは映像の伝送の方法だ。以前は衛星回線で送っていたが、現在は、IPモバイルと呼ばれる携帯の回線がつながれば、安価にどこからでも映像を送れるという状況だ。このような状況では、初めての本格的な主権国家同士の戦争といえる。もうひとつは、スマートフォンを含め、あらゆるところに映像を撮る手段があるという中で、最前線も含めて一般の方々が撮影した映像が、これもリアルタイムに近い形で我々のもとに届く。こういう状況がこの10年で全て様変わりした。そういうことを経た中での初めての戦争ということで、まさにその2点の様変わりが、今回の取材にも反映されている。非常にエポックメイキングな戦争だと感じている。
※東日本大震災から12年が経つが、風化させないため、社長の思いは。
篠塚社長:3月11日当日に特番をやるというのは当然で、これからも続けていきたい。風化させないということからいえば、それは減災、防災の報道も含めて、継続的に取材しレギュラー番組で放送していくことだと思う。当社としては、インターネット配信も含めて様々な工夫をしており、「REC from311~復興の現在地」という特別サイトを4年前の2019
年に設置して、今でも更新を続けている。震災から12年となり、拠点数は100を超えるが、その場所が被災直後からこの12年間、どう変わっていったのか、クリックするだけで時の流れがわかる、特別なサイトを用意している。見ていただければわかると思うが、風化しない努力は、私どももしっかりと続けていきたいと思っている。
※先日「タモリ倶楽部」が3月末に終了すると発表されたが。その判断にいたった経緯は。また深夜番組に力を入れていると思うが、「タモリ倶楽部」は、どのような存在であったか。
篠塚社長:タモリさんはもちろんすべての出演者・関係者の皆様に、長い間ご支援いただいた。視聴者の皆様に心から感謝申し上げたい。3月いっぱい放送があるので、ぜひ放送を楽しみにしてご期待いただきたい。
西常務:1982年の放送開始以来長きに渡り視聴者の皆様にお楽しみいただいた。40年の節目を迎え、番組としての役割を十分に果たしたと考え、総合的に終了を判断した。「タモリ倶楽部」は深夜の顔であり、若い制作者に与えてきた影響は計り知れない。独創性は我々の大きな財産としてしっかり受け継いでいきたい。