社長定例会見

早河洋会長・篠塚浩社長 記者会見(10月4日)の要旨

2022-10-04
2022年10月4日 定例会見要旨

※上期総括と10月改編意気込みについて。
早河会長:2022年度の上期は経営面でも編成的にも、また報道分野でも特別で特異な事件・事象が多かったというのが実感だ。昨年度、不祥事と社長辞任問題があり、対応策として経営サイドと社員のコミュニケーションを活性化するため、全社対話集会を4回開催した。社員の約6割が参加。新規事業の募集には355件の応募があり、社員のモチベーションが高まってきていると受け止めている。業績については、6月から4カ月、広告出稿が失速気味で、上期は予算達成が厳しい状況になっている。そのため、緊急の増収策、経費削減策を講じており、挽回はしているが、下期は市況の回復を待ちたいと思っている。7月には安倍晋三元総理が選挙遊説中、銃撃され死亡するという事件が発生し、その後、旧統一教会の問題が浮上。以後、政治とのかかわりが問われ続けている。また、元総理の国葬も世論が割れる中、先週27日に開催された。テレビ朝日では「大下容子ワイド!スクランブル」を拡大し、賛否両論を紹介しながら国葬の模様を中継するとともに、今後これらに関連する政権の課題などについて解説した。また、先月決まった受賞だが、1月28日に放送した「タモリステーション~二刀流大谷翔平の軌跡」が「2022年日本民間放送連盟賞」でエンターテインメント部門の優秀賞に決定している。この番組は、これまでウクライナ情勢、カーリング特集と計3回制作放送してきたが、今後も旬なテーマを社を挙げて制作し、看板スペシャルとして展開していきたいと考えている。10月編成では何と言っても、「相棒season21」だ。初代相棒・亀山薫役の寺脇康文さんが14年ぶりに復帰するが、相棒ファンの期待に応えるべく、来週11日に杉下右京と亀山薫の別れのバージョンを放送し、翌12日に始まる21シーズンのスタートにつなげていく。次にメタバースについてだが、4月から30分番組を放送しているが、10月からは日曜日午前10時から1時間の「新世界メタバースTV!!」を編成する。メタバース時代の本格的な到来と言われる中で、この番組を起点にして、とにかくトライ&エラーを重ね、ビジネスの可能性、3次元の映像表現に挑戦したいと考えている。また、下期には11月にサッカーワールドカップカタール大会が開幕する。11月27日には日本対コスタリカをテレビ朝日が中継する。来年3月にはWBCの世界一決定戦があるが、注目の大谷翔平選手やダルビッシュ有選手の日本代表入りの可能性があり、アメリカチームも最強のメンバーが決まりつつあるので、かつてない盛り上がりを期待しているところだ。以上が上期についての概略だが、関連して、9月28日の「羽鳥慎一モーニングショー」における玉川徹コメンテーターの発言について、局としての対応が決まったので、篠塚社長から報告する。
篠塚社長: 報道局の社員3名の懲戒処分を本日付で行ったので、ご報告させていただく。まず、報道局情報番組センター所属で「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーター、玉川徹は謹慎、出勤停止10日間だ。それから報道局情報番組センター長と「羽鳥慎一モーニングショー」担当のチーフプロデューサーの2名については譴責とする。玉川については、先月28日、「羽鳥慎一モーニングショー」で事実に基づかない発言を行い、その結果、番組および会社の信用を傷つけ、損害を与えたことによる処分だ。また、センター長とチーフプロデューサーについては、その管理監督責任を問う処分となる。今回、当社の番組で事実に基づかない発言があったことは、誠に遺憾に思っている。今後、再発防止に向け、さらに指導を徹底する。ご迷惑をおかけした関係者・視聴者の皆様に改めて心よりおわび申し上げる。
※出勤停止10日間の後は番組に復帰するのか。また、どのような再発防止策を講じていくのか。
篠塚社長:関係者のヒアリングなども含めて、会社の規定に従って処分を決定した。出勤停止10日間が明けた段階では番組に復帰するという予定だ。番組も本人も含めて深く反省しているので、改めて指導を徹底して、二度と起こらないようにしていくつもりだ。
※玉川氏は、今回の件についてどういう言葉で反省の弁を述べているのか。
篠塚社長:「関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしました」と深く反省している。
※最新の視聴率について。
西常務: 視聴率の最新状況、まずは個人の年間だが、全日3.6%で2位、ゴールデン 5.3%で民放2位、プライム 5.4%で2位、プライム2 2.0%で2位だ。続いて世帯の年間だが、
全日6.7%で日本テレビと並んで1位タイ、ゴールデン 9.2%で民放2位、プライム 9.4%で1位、プライム2 3.9%で2位だ。個人の年度(上期)は全日3.5%で2位、ゴールデン 5.1%で民放2位、プライム 5.2%で2位、プライム2 2.0で2位だ。世帯の年度(上期)は全日6.4%で2位、ゴールデン 8.8%で民放2位、プライム 9.0%で1位、プライム2 3.8%で2位となっている。今後の主な放送予定は、10月改編を受けて、火曜水曜木曜の3夜連続ドラマゾーンがスタートする。来週12日の水曜日に「相棒season21」、翌週18日の火曜日には「科捜研の女2022」、20日木曜日には「ザ・トラベルナース」がそれぞれ拡大スペシャルで初回を迎える。スポーツだが、「フィギュアスケートグランプリシリーズ 世界一決定戦2022」が22日土曜日に開幕する。12月にイタリアで開催されるグランプリファイナルまで熱い戦いをしっかりお伝えしたい。11月、「ワールドカップカタール大会」が始まる。当社では11月27日、コスタリカ戦をはじめ様々な試合を中継予定で、ご期待頂きたい。
※営業状況について。
橋本取締役:まず、7月のセールスについて、タイムは、前年比82.4%、スポットは109.9%、トータルでは94.4%だ。8月は、タイムは77.3%、スポットが112.1%、トータルでは91.0%で確定している。9月については、タイムは93%前後、スポットは92%前後と、トータルでは93%前後で着地する見込みだ。これらの売り上げを踏まえると、上期全体ではタイムが89%前後、スポットが99%前後、トータルでは94%前後で着地する見込みだ。6月以降、低調な市況状況に見舞われた。その中で4月末の段階では、結構な出稿需要が確認はされたが、その後、7月8月にかけて新型コロナウイルスの第7波が来た。8月に入り、急激な円安が進行し、8月の頭には133円だったドルが、9月の半ばには143円にまで突き進むという、非常に不安定な状況があった。そして、世界的な利上げが株安につながり、先行き不安をあおったと思う。この間、アドバタイザーの間に、9月に予定したキャンペーンを、もう少し安全な時期、10月以降に移行させる動きが広がった。この結果、上期の最終月9月の数字を思うように伸ばせなかったというのが実情だ。このように、厳しい状況だったが、タイムでは8月に「世界バドミントン東京2022」の大型セールスを成功させ、スポットでは東京地区で平均値を上回ってシェアも伸ばすことができた。この先10月11月、出稿ニーズは確認ができている。消費環境がまだまだ不安要素をはらんでいると思うので、慎重に広告出稿の動きを見ているところだ。
※放送外収入について。
武田副会長:最初に3年ぶりに六本木ヒルズで開催した「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION」について報告する。会期は7月23日から8月28日までの37日間開催をした。コロナ以前と比較して、感染防止の観点からエリアを縮小し、入場者数を制限するなどして、慎重に実施した。出演者のコロナ感染や、また台風の影響などでヒルズアリーナでのライブが6公演、EXシアターでのライブが7公演中止とならざるを得なかった。それでも期間中に200万人を超える方々にご来場をいただくことができた。しかも嬉しいことに来場者のアンケートでは「大変満足」と答えられた方が60.8%、「やや満足」という答えを出していただいた方々と合わせると、93.1%の方々にご満足をいただいたということで、極めて高い評価を得ることができたと思っている。これらを励みに、今回の総括を経て、来年の実施に向けて検討準備を進めていきたいと考えている。10月6日から「大つけ麵博2022」がお馴染みの新宿・大久保公園でスタートをする。「ザワつく!金曜日」のコンサートについて、大阪公演は10月7日に大阪城ホールで開催、東京公演は11月18日国立代々木競技場第一体育館で開催する。今回は高橋克典さん、中山秀征さんをゲストに迎えての実施である。10月8日・9日には、富士宮市の朝霧アリーナで野外キャンプフェスティバル「朝霧ジャム」を4年ぶりに開催。先日、東京国際フォーラムでラストショーが行われた加山雄三さんの出演が目玉の一つだ。また、10月31日から11月6日まで渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて、クラシックミュージックフェスティバル「BBC Proms」を開催。オーケストラの最高峰である、BBC交響楽団が来日予定だ。最後に、羽生結弦さんがプロ転向後初めての単独アイスショー「プロローグ」を11月4日・5日に横浜・ぴあアリーナMMで開催予定である。配信について、10月22日から始まるフィギュアスケートのグランプリシリーズを今年もテレ朝動画でライブ配信する。10月9日からチケットの販売を開始予定だ。
※TELASAについて
篠塚社長:7月クールに関しては「NICE FLIGHT!」「六本木クラス」の2本のドラマが多くの新規会員獲得に貢献をした。本編の配信だけではなく、TELASAオリジナルとなるスピンオフ作品を両番組とも配信し、会員数を大きく伸ばした。10月クールに関しても地上波の連動及びTELASAオリジナルコンテンツを精力的に投入し、更に会員獲得数を増やしていきたい。
※ABEMAと出資映画について。
西常務:ABEMAのWAUについて、目標1000万に対し現在1500万台と順調に推移している。また、先月は歴代1位になる1896万UUを獲得した。トピックスとしては、大谷翔平選手を中心にメジャーリーグベースボールをお届けしている他、来月開幕のサッカーワールドカップカタール大会、全64試合を無料生配信する意向である。引き続き魅力的なコンテンツをしっかりお届けしたい。9月9日に公開した「百花」だが、動員が39万5000人を超えており、興行収入は4億9650万円という状況だ。先日、監督の川村元気さんがスペインの歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭で日本人初の最優秀監督賞を受賞した作品だ。ぜひ劇場で楽しんでいただければと思う。10月7日には2020年の秋に大きな話題となった当社ドラマ「七人の秘書」の劇場版が公開となる。ぜひご期待いただければと思う。
※AMEBAのWAUが歴代1位になった理由について。
西常務:一つはABEMANEWSだ。国葬や、格闘技の試合、メジャーリーグの中継の数字等が合わさった数字だ。
※スポーツが強く牽引している要因だとみているか。
西常務:地上波で収まり切らない長い試合もネットでは対応できるし、様々な角度で見せることもできるので、スポーツは非常に大きな魅力だと思っている。
※アントニオ猪木さんの訃報を受けて。
早河会長:アントニオ猪木さんは時代を駆け抜けたスーパースターと言ってもいいと思う。当社とのかかわりは深く、1970年代から80年代にかけて金曜日の夜8時「ワールドプロレスリング」でゴールデンタイムに高視聴率をもたらしていただいた。また、モハメド・アリ戦を始めとする異種格闘技戦でも一世を風靡され、引退後も当社の関連会社である新日本プロレスリングのオーナーとして経営に尽力され、現在の確固たるビジネスパートナーとしての礎を築いていただいた。亡くなられた当日の「サタデーステーション」はこの日2時間バージョンだったが、その中で追悼の意味を込めて、また感謝の思いを込めて、長時間特集をした。心より御礼を申し上げる気持ちと、ご逝去を悼んでご冥福をお祈りしたいという心境だ。
※弘中綾香アナの結婚について。
早河会長:先ほど本人から挨拶があった。結婚後も弘中アナウンサー独特のオリジナルな表現力を生かしてなお一層の活躍を期待する気持ちだ。素晴らしいパートナーのようであり、結婚を心から祝福したいと思う。温かく見守ってほしいと本人がコメントしていたので、温かく見守っていきたい。
                                   以上