社長定例会見

篠塚浩社長 記者会見(7月5日)の要旨

2022-07-06
2022年7月5日 社長会見要旨

※新社長抱負。
篠塚社長:6月29日の株主総会と取締役会を経て、この度テレビ朝日ホールディングスおよびテレビ朝日の代表取締役社長に就任した。抱負を述べさせていただくと、まずは、一連の不祥事を受けての就任なので、最優先すべきは、視聴者、ステークホルダーの皆様の信頼回復だ。これに誠心誠意努めたい。情報があふれている現在のメディア環境では私どもの放送事業は公共的な役割を果たす使命がある。その根本には見ていただく方々の信頼が何より欠かせないのは言うまでもない。報道機関として正確な情報を迅速にお伝えするとともに、良質なエンターテインメントを提供して視聴者・利用者の皆様に楽しんでいただくこと、そして、アドバタイザーの皆様には安心安全な広告枠を提供させていただくことが、私たちのコア事業だ。おりしも、4月クールはPUT(総個人視聴率)の低下が著しく、さらには営業的な指標も先月以降は厳しくなっている。しかしながら、当社は視聴率も放送収入も2位以上をキープしている。信頼回復に合わせて、さらに高みを目指すべく、コンテンツの強化を図っていく。その際には、私はIoTv局の統括も務めているので、データの活用やデジタルトランスフォーメーションを強力に推し進めていきたい。一方、中期経営計画では「テレビ朝日360°」を掲げている。中でもインターネット事業、通販事業、メディアシティ事業を注力すべき成長事業と位置付けた。当社の持つコンテンツ制作力やブッキング力、企画力などを最大限活用して、力強い成長を図っていきたい。ABEMA事業はもとより、UltraImpressionの設立、TELASAへの出資、イッティの完全子会社化、有明の東京ドリームパーク、4月から開始したリアルタイム配信と、ここ数年当社はそのための準備をしてきた。これらに加えて、メタバースなどの先端コンテンツ分野で、新規事業の開拓に果敢に挑戦していきたい。視聴者、利用者の皆様の可処分時間をめぐる様々なプラットフォームの激しい競争が行われている中だが、少なくとも動画コンテンツへの需要そのものは今後も拡大していく。当社が引き続き主要プレーヤーとして大きな位置を占めていけるよう、業務に邁進したい。
※篠塚社長の強みは何か。
篠塚社長:強みというか特徴は、入社以来36年にわたって報道局で働いてきたことだ。やはり信頼という面でいうと、テレビ事業の公共性を支えるのは報道機関としての役割ということになるので、それに関しては30数年間の経験があると考えている。また近年はIoTvの担当としてインターネット部門の戦略部門を担当してきた。特に技術的に何か強いというか、技術エンジニアというわけではないが、この先テレビ局の事業の中では大変重要なことだと思う。そこにも知見があるのではないかと考えている。
※最新の視聴率について。
西常務: まず個人全体の年間視聴率だ。全日が3.7%で2位、ゴールデンが5.5%で民放2位、プライムが5.6%で日本テレビと並び1位タイ、プライム2は2.1%で2位となっている。続いて、世帯の年間視聴率だ。全日が6.8%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが9.5%で民放2位、プライムは9.7%で1位、プライム2は3.9%で2位だ。続いて、個人全体の年度視聴率。全日が3.5%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが5.2%で民放2位、プライムが5.2%で2位、そしてプライム2は2.0%で2位となっている。続いて、世帯の年度は、全日が6.5%で1位、ゴールデンが9.0%で民放2位、プライムは9.2%で1位、そしてプライム2が3.8%で2位という状況だ。続いて、今後の主な特番だが、7月10日の参院選投開票日は、「選挙ステーション2022」を4時間半に渡って生放送する。前回に続いて、大越健介キャスター・大下容子アナウンサーのコンビだ。スポーツは、14日から「第150回全英オープンゴルフ」、26日・27日に「マイナビ オールスターゲーム2022」を予定している。
※営業状況について。
橋本取締役: 新年度に入って3ヶ月が過ぎた。まずテレビ広告全般については、5月下旬から市況は急激に悪化したと言い切れる。ウクライナの紛争が2月24日に始まったが、それからタイムラグがあり、取引に影響を及ぼしている。4月、5月はまだウクライナの影響がなく、新年度を迎えて新しい生活を始めるということで、金融機関の口座開設キャンペーンや、ビール会社の季節商品のキャンペーン合戦が牽引した。しかし、ウクライナ情勢で6月から、それが一転したという状況だ。業種別では、やはり化粧品・トイレタリーといった、石油価格が非常に影響を及ぼす分野や、飲料・食品などが出稿を控えている状況だ。そんな悪い状況下でも、ゲーム会社や不動産業は好調だ。また交通レジャーはコロナの規制緩和の影響で上向き、ヘルスサービス全般も好調と見ている。5月のセールスは、タイムが前年比95.6%、スポットが97.7%、トータル96.7%で確定している。東京地区は96%台のスポットの結果という状況だ。6月については、タイムが前年比96%±α、スポット84%±α、トータル89%台という状況だ。7月については、タイムが前年比77%台、スポット104%+α、トータル88%+αという状況だ。スポーツイベントが、これから夏場にあるので、これらのセールスに努めていく。「全英オープンゴルフ」や「マイナビ オールスターゲーム2022」、「世界バドミントン東京2022」なども大きなセールス物件だ。厳しい市況下だが、どこかで回復するだろうという前提のもとに、アンテナを立てて、セールスに取り組む。
※放送外収入について。
武田副会長:今年の夏はいろいろなイベントが目白押しだ。まずは3年ぶりに「テレビ朝日・六本木ヒルズSUMMER STATION」が7月23日から8月28日までの37日間開催される。「‘たのしい’がミライをつくる」というキャッチフレーズで、家族ぐるみで楽しめる様々なアトラクションを準備している。公式応援サポーターは3回連続となるHiHi Jetsと美 少年の皆さんだ。メタバース六本木でのバーチャルイベントに加え、人気番組や企業とコラボした配信イベントなども準備している。7月29日から31日までの3日間、お馴染みの「FUJI ROCK FESTIVAL’22」を新潟県の苗場スキー場を会場に開催する。これに引き続いて、8月19日から21日までの3日間、「SUMMER SONIC 2022」を千葉のZOZOマリンスタジアムと幕張メッセを会場に開催する。フジロックもサマーソニックも、今回は海外アーティストを招聘することができた。本来の迫力のある音楽イベントが戻ってくることになる。さらに、8月20日にはこれも3年ぶりに開催されることになった「神宮外苑花火大会」に、当社として初めて出資参加する。8月27日から28日、この2日間は当社が業務提携をしているタイのGMMTV社の協力で、今回タイドラマで大人気の出演者たちが来日し、横浜のぴあアリーナMMでトークと音楽ライブのショー「GMMTV FAN FEST 2022 LIVE IN JAPAN」を開催する。夏の終わり、9月23日24日には東京国際フォーラムで、これも4年ぶり4回目の開催となる「相棒コンサート 響」を開催する。このように、今年の夏は、コロナやインフルエンザの感染予防を徹底しながら、当社としては明るく元気にイベントを開催していくことで、猛暑を吹き飛ばして可能な範囲で徐々に日常を取り戻していきたい。
※TELASAについて。
篠塚社長:6月の会員数も順調に推移した。特にオシドラサタデーで放送した「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」や、そのスピンオフ「僕の可愛いはまだまだ発展途上!?」が新規会員獲得を牽引した。また「未来への10カウント」も多くの視聴があった。今後とも、地上波との連動を強めていき、会員を増やしていきたい。
※ABEMAについて。
西常務:ABEMAのWAUは、目標1000万に対して 1300万台で順調に推移している。大谷翔平選手の活躍を中心に「メジャーリーグベースボール」をお届けしているほか、11月開幕のサッカーW杯カタール大会、全64試合の無料・生中継に向けて関連番組をテレビ朝日と共同制作し、放送・配信を行っている。
※出資映画について。
西常務:公開中の「映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝」は、動員167万人・興行収入約20億円 となり、たくさんのお客様にご覧頂いていることを感謝申し上げる。また今月22日には、夏休みに向けて、恒例の2大ヒーローによる2本立て、「仮面ライダーリバイス」と「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の劇場版の公開となるので、ご期待頂ければと思う。
※「木曜ミステリー」がなくなるということだが、この狙いは?
西常務:木曜ミステリーは長きに渡り、本当にたくさんの作品を生み出してきた。1999年の開始から23年という歴史がある。名作シリーズも生まれ、当社のドラマにおいても大きな財産になってきた。今回タイムテーブル全体の状況を見て、総合的に判断しての終了ということだ。引き続き時間帯や枠など、諸条件を整えてサスペンスに関しては、継続していきたい。