社長定例会見

早河洋会長 記者会見(2月22日)要旨

2022-02-24
2022年2月22日 社長会見要旨


※亀山前社長の辞任について。
早河会長:この度は当社代表取締役の辞任という事態になり、視聴者、アドバタイザー、株主の皆様をはじめとする関係各位の信頼に反することとなり、社として大変申し訳なく心からお詫び申し上げる。放送事業という公益性の高いテレビ朝日の社長には、非常に高い倫理観が求められると思う。ましてや報道機関のトップなので、公正で清廉潔白な言動というのが必須条件だと思う。社長たるもの、役職員に模範を示すべき立場にある。にもかかわらず社長自らルールを逸脱し不適切な行為に及んだのはテレビ朝日の組織体の最高責任者として職責を果たしたとは言えず、職場環境、社内モラルに悪しき影響を与えた。行為の大きさや小ささ、重い軽いではなくて、社長という職責の重大さによって判断すべきではないか。本人はその責任の重大さを厳しく受け止めて辞意を表明し、取締役会がそれを受理した。今回の件をコーポレートガバナンス、企業統治上重大なものと受け止め、引き続き適正で的確なガバナンス体制の向上に努めていきたい。その為の緊急対応等があり私が暫定的に社長を兼任するが、6月の株主総会、取締役会までには新しい役員体制を構築すると共に、様々な形で社員とのコミュニケーションを図り、社員の人心の一新に努めていきたい。
※最新の視聴率について。
西取締役:まず年度視聴率の個人全体だが、全日が3.9%で2位、ゴールデンが5.8%で民放2位、プライムが5.8%で日本テレビと並ぶ1位タイ、プライム2が2.1%で2位となっている。年度視聴率の世帯は、全日が7.2%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが10.1%でこちらも日本テレビと並んで2位タイ、プライムは10.3%で1位、プライム2が4.1%で2位という状況だ。続いて1月のクール平均は、個人は全日が3.9%で2位、ゴールデンが5.9%で民放2位、プライムが5.9%でNHKと並ぶ2位タイ、プライム2が2.1%で2位、そして世帯は、全日が7.2%で2位、ゴールデンが10.1%で民放2位、プライムが10.2%で1位、プライム2が4.0%で2位となっている。今後の大型特番について、まず3月5日、広瀬すずさん主演の大型スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生~」を放送する。そして3月29日には、「2022FIFAワールドカップカタール アジア地区最終予選」最終戦となるベトナム戦を生中継でお伝えする。
※営業状況について。
早河会長: すでに2月10日の第3四半期決算においても発信しているが、東京地区のテレビ広告市況は回復基調が続いていることを背景に、当社でも特別番組やスポーツ中継などで売上を伸ばしている。「タモリステーション~二刀流 大谷翔平の軌跡」、「カタールW杯最終予選 日本vs中国・サウジアラビア・ベトナム」、「北京2022オリンピック」、スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生~」などだ。また、スポットのセールスでも着実に売上を伸ばしている。1月はタイム前年比103.6%、スポット107.6%、トータル105.6%で確定している。2月については、現状タイム前年比108%+α、スポットは北京オリンピックによるCM枠の減少により92%+α、トータルでは99%+αで推移している。3月は、タイムは前年比102%+α、スポットは90%+α、トータル94%+αで推移している。タイムは早々に完売し、前年を上回る水準に達している。一方、スポットは、新たな需要が出てくる一方で、オミクロン株感染拡大の影響によって一部のキャンペーンが4月以降に移行したり、一旦取り止めになったりするケースもあって、絶好調とは言えない状況だ。例年、このあたりの時期から期余り予算が出てくるので、今後の動きに期待しているところだ。
※放送外収入について。
武田副会長: 新型コロナウイルスによるイベントへの影響だが、去年11月の会見以降、新たに中止1件、延期1件となっている。続いて今後開催予定のイベントを紹介する。毎年恒例の「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」による年に一度のビッグイベント「超英雄祭」だ。2月25日と26日の2日間、日本武道館でキャパシティ50%、1公演5350人の収容で行われる。続いて、3月1日から東京国立博物館で公開される特別展「空也上人と六波羅蜜寺」だ。六波羅蜜寺秘蔵の仏像「空也上人立像」が東京でおよそ半世紀ぶりに公開される。今年は空也上人の没後1050年となる。5月8日までの開催だ。また、日本科学未来館で開催される特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」だ。この展示会は過去最大規模となる多彩なロボットが展示される。それを見たり触ったりしながら、人間とロボットの多様な未来について考えることができる展示内容で、3月18日から8月31日までの開催だ。最後に、今年設立50周年を迎える新日本プロレス。3月1日に日本武道館で開催される大会は「CSテレ朝チャンネルPresents旗揚げ記念日」と銘打ち、テレ朝チャンネル2で独占生放送する。また、翌日2日には春のビッグトーナメント「NEW JAPAN CUP 2022」が開幕し、以降全15大会を「新日本プロレスワールド」でLIVE配信する。
※TELASAについて。
篠塚常務:まず、TELASAだが、ドラマやバラエティなどの地上波コンテンツとの連動展開を中心とした様々な施策により会員数を順調に伸ばしている。昨年末には深夜帯で放送している「バラバラ大作戦」と連動して、「TELASA Presentsバラバラ大選挙」を実施してユーザーに投票を呼びかけ、最も票を集めたグランプリ作品をTELASA内で発表した。続いて、当社のリアルタイム配信について報告させていただく。前回のこの場で、TVerのシステム改修の遅れにより開始時期が遅れると申し上げたが、4月11日に開始する方向で準備を進めている。以前、申し上げたようにTVerでプライム帯を中心に配信する方向だ。
※リアルタイム配信だが、マネタイズや地方局との関係などの課題については。
早河会長:地方局については丁寧な説明を続けてきたので、基本的な了解はいただいていると受け止めている。日本テレビが先行しているが、爆発的にユーザーが増えたということではないようだ。ある種のマネタイズということで採算が取れるようになるのは、営業問題が解決されて、ユーザーが段階的に増えてきてからだと思う。少し時間がかかると私は見ている。費用先行になるのではと思う。
※ABEMAと出資映画について。
西取締役:開局5年9ヵ月で、7600万ダウンロードとなり、目標のWAU、1000万に関しても恒常的に達成している状況で、最近では1200万台で推移している。また有料の「プレミアム」会員も伸びて、会員数は100万人を突破し、堅調に推移している。出資映画の最新状況だ。昨年3月より延期となっていた「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」が、3月4日に全国公開となるので、是非ご期待いただきたい。
※総務省の放送制度在り方検討会で、テレビ朝日が系列の複数地域での同一放送を提案する場面があったがその意図は。
藤ノ木副社長:私たちが今回提案させていただいた意図は、私たちの系列でいうと常にギリギリの水準近くまでコストを削減している、そんな中で今後多くの局が送信設備など、大型の設備投資を控えている。この設備投資と減価償却費の負担が大きくなることが予想されている。そういった中で、広告市場が私たちの想定以上に縮小して、ある放送局が放送することが困難になった場合に、その地域で放送の継続のために、経営の選択肢を増やして欲しいと考えた。具体的にどういった形がいいか、今後考えていきたい。
※現在も視聴率好調の「相棒」で7シーズンにわたり相棒を務めてきた反町隆史さんが3月いっぱいで卒業する。次の相棒についても世間を騒がせているが。
早河会長:反町さんは7年間相棒として、これまでで最多出演だ。ご覧になっていてお分かりだと思うが、杉下右京とのコンビネーションが、画面上もそうだが、個人的にも大変な仲良しというか、信頼関係がある。それが2人のかけあいに、せりふ回しに如実に表れている。非常に良い世界で、さすがスターであるなと深く感謝している。今後もテレビ朝日のドラマに出ていただきたいと考えている。後任についてはなかなか難しい。いままで皆さん頑張っていただいて20年以上たつが世帯で16.0%という、とんでもない数字をたたき出しているんで、なかなか新しい相棒を探すというのは慎重かつ丁寧にやらなければいけないなと思う。水谷豊さんの貢献は比類のないものなので、水谷さんの意見も尊重していきたいし、もう少し時間をいただければと思う。