社長定例会見
早河洋会長・CEO 亀山慶二社長・COO 会見(3月30日)要旨
2021-03-30
2021年3月30日 定例会見要旨
※2020年度を振り返っての会長所感。
早河会長: 2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大との闘いという感じの一年だった。コロナは経済への打撃が非常に大きく、テレビ広告、特に第1四半期はスポット収入が激減した。リーマンショックの比ではないレベルだった。コンサートや「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り」などイベントの中止による減収も非常に大きかった。7月ごろには、通期で大幅な営業赤字になる見通しだった。4月スタートのドラマの収録がままならず、6月になってなんとか放送にこぎつけた。バラエティもロケができず、リピートやリモートなどの異常な形の制作を余儀なくされた。こうした逆境に、2019年度のテレビ広告が低調だったことに対応するため準備していたビジネスソリューション本部の活動を4月から先行実施した。これは、編成、営業、事業、インターネットの4つの収益部門を一体的に運用する組織で、正式には7月にスタートした。要するにセクションの壁を取り払って、増収増益策に特化する戦略部隊で、非常事態の認識から私自身が本部長として指揮をとった。4局長、担当役員はテーマがなくても毎日顔を合わせ、マネタイズに集中してくれた。本部が引っ張る形で、全社的な一体感が醸成され、現時点の集計では恥ずかしくない業績になった。2020年代はデジタル化が加速するために従来のビジネスモデルでは立ち行かなくなる、つまり新しい時代を迎えるので、テレビ朝日も時代に即応して生まれ変わらなくては生き残れないと言い続けてきた。対応するための一つの方策として、メディアシティ戦略を打ち立てた。その一環として、昨年暮れ湾岸エリアの有明地区に3900坪、1万3000㎡の土地を購入した。エンターテインメントとテクノロジーが融合した一大拠点と位置づけ、最大5000人収容の多目的ホールとスタジオとエンタメフロアからなる複合ビルを建設することにしている。来年の春着工し2024年完成の予定で、メディアシティ戦略の最大の目玉と位置付けている。視聴率だが、個人全体では全日、プライム、プライム2が2位。ゴールデンが3位。全日は、歴代最高レベルの4.1%。プライムの世帯は7年ぶりのトップだった。個別では「羽鳥慎一モーニングショー」が個人全体5.5%で、初の時間帯トップ。「報道ステーション」が個人7.1%、世帯13.3%で、同じく時間帯トップの好成績だった。これは新型コロナ感染拡大のニュースに視聴者のアクセスが集中したのが要因で、特に最初の緊急事態宣言が出た4月クールがピークだった。最近の調査ではコロナ禍で視聴者はテレビの役割、生活に役立つ情報発信を評価しており、それが視聴率に反映したと受け止めている。このほかでは「ワイド!スクランブル」、土日の「サタデーステーション」「サンデーステーション」に視聴習慣がついたことが嬉しい出来事だった。ドラマでは2020年度のプライム帯の連続ドラマのベスト10に6作品が入った。「BG~身辺警護人~」「相棒season19」「七人の秘書」「特捜9season3」などだ。特に「相棒」は2クール平均で個人8.4%、世帯15.0%。また番組がスタートしてからここまで366話、その平均が世帯では16.0%という素晴らしい成績を残している。このほか、ABEMA、TELASAと3社連携で制作した2夜連続の「逃亡者」、「24JAPAN」が大きな話題を呼び、動画配信の会員増にも貢献した。「24JAPAN」は、コロナ禍の中で2クール、24話ということで、大変ハードな日程だったが、唐沢寿明さんの熱演、リーダーシップで濃密な日本版になったと思う。バラエティでは「帰れマンデー見っけ隊!!」「ザワつく!金曜日」が健闘した。最後にネット系の関連会社の状況だが、ABEMAはまもなく開局5年になるが、6200万ダウンロードを突破。WAUも1000万突破が常態化している。原動力は、災害報道やコロナ関連のABEMA NEWS、麻雀将棋チャンネル、恋愛リアリティショーと多彩なコンテンツが支持されていることだ。有料のABEMAプライムは会員数が92万人と、100万人が見えている。動画配信のTELASAだが、こちらも1周年だ。「相棒」「逃亡者」「24JAPAN」の配信スペシャル、ドラマの「書けないっ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」「にじいろカルテ」の見逃し配信、初めてのTELASA用のオリジナルドラマ「主夫メゾン」などに加え、仮面ライダーシリーズやバラエティが会員増に貢献し、順調なスタートを切った1年と言える。ただ、きょう新聞に出ていたが、アメリカのワーナーとU-NEXTが連携をしたように、アメリカ勢の大鑑巨砲というか、オリジナルドラマの大作をどんどん制作するという攻勢にどうやって対抗するのか、相当な知恵を絞らないとならないと思う。こんなところが、この1年の状況だ。
※最新の視聴率について。
西取締役: 締まったばかりの年度平均視聴率だが、個人全体が全日4.1%で2位、ゴールデン6.1%で3位、民放では2位だ。プライム6.2%で2位、プライム2が2.5%で2位で終了となった。続いて年度の世帯だが、全日8.0%で2位、ゴールデン10.8%で3位、民放では2位だ。プライム11.2%で1位、プライム2が5.0%で2位だ。世帯のプライム1位は2013年以来7年ぶりだ。1月クールの平均だが、個人では全日が4.0%で2位。ゴールデンが6.0%で3位、民放2位。プライムが6.0%で2位、プライム2が2.5%で2位だ。世帯だが、全日7.6%で2位、ゴールデン10.5%で3位、民放では2位。プライム10.6%で1位、プライム2が4.8%で2位だ。1月クールの状況だが、ゴールデン、プライム帯では「報道ステーション」「サタデーステーション」「サンデーステーション」と、プライム帯の報道ベルト番組が引き続き高い数字をキープしている。連続ドラマでは「相棒season19」が前シーズンを上回り、1月クール民放連続ドラマ2位という結果だった。バラエティでは金曜の「ザワつく!金曜日」、土曜の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」と、週末の番組が前年度から大きく数字を伸ばし、クール平均では自己最高を更新した。今後の主な放送予定だが、来週から4月クールの連続ドラマがスタートする。4月7日よる9時は、井ノ原快彦さん主演の「特捜9season4」、翌日8日よる8時が内藤剛志さん主演の「捜査一課長」。翌週15日よる9時が玉木宏さん主演の「桜の塔」、24日深夜には白濱亜嵐さん主演の「泣くな研修医」、関ジャニ∞の横山裕さん主演となる「コタローは一人暮らし」がそれぞれスタートとなる。30日23時には松坂桃李さん主演の「あのときキスしておけば」がスタートする。
※営業状況について。
亀山社長: 2月の営業売上は、タイムは前年比92.2%、スポットは104.2%、トータルでは98.5%で確定した。タイムだが、コロナ禍の固定費削減傾向で売上は前年水準に届かなかったが、ダイハツ提供の「バドミントンドリームマッチ」や、日産提供の「Change Your Life SP」といった単発番組を中心に売上確保に努めた。スポットについては、3月の期末に向けて需要が拡大し、東京地区は前年の102.8%で締まった。当社は前年の104.2%と地区を上回り、シェアを伸ばして着地することができた。3月の営業売上は、タイムは前年比98%前後、スポット104%前後、トータル102%前後で推移しており、この水準で締まる見込だ。タイムだが、期末単発のセールスが順調に進んだほか、3月20日放送のスペシャルドラマ「エアガール」などが増収に寄与した。スポットについては、期余り需要等で非常に活況となっており、東京地区全体で枠が逼迫した。各局とも条件調整をしながら収容に努める状況となり、東京地区も104%程度の見込みだ。 4月の営業売上は、タイムが前年比105%+α、スポットが111%+α、トータルでは108%+αで推移している。タイムだが、空枠のセールスは堅調に進んでいる。単発では「世界フィギュア国別対抗戦」の編成があるので、そのセールスに努めているところだ。スポットだが、昨年が緊急事態宣言の発出で大きなマイナスとなった月だったので、現時点で昨年水準は超えている。一昨年水準の売上を目指しセールスを行っている。
※放送外収入について。
武田副会長: 新型コロナウイルスによる今年度の影響だが、イベントに関しては中止が39件、延期が20件、期間の一部休止が4件という結果になった。チームラボとの協業で「チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」という新しい事業を3月22日(月)から開業している。サウナ愛好家の方々はもちろんのことチームラボアートのファンの皆様やメディテーション嗜好者の方まで、広い範囲で満足させる体験型のアトラクションになっている。是非一度ご利用いただき心と身体を整えリフレッシュしていただきたい。もちろん感染防止にはしっかりと対応している。事前の予約制で午前10時から午後11時まで営業している。現時点では8月末までの営業予定だ。次に新規ビジネスだが、当社のバンコクビジネスビューローを通して去年の11月に、現地の総合エンターテイメント企業であるGMMTVと業務提携をして番組購入契約を締結した。ご存じの方も多いと思うが、「2gether」というドラマがタイで大ヒットして、昨今日本国内でも人気が高まっている。このドラマとバラエティの作品を大量に購入し様々な放送、配信に寄与していく。すでにTELASAでは3月20日(土)からドラマの配信が始まっているし、BS朝日では5月6日(木)から別の作品を放送開始予定だ。このドラマのスタートに合わせ4月16日(金)から六本木のけやき坂ミュージアムで世界初となる「GMMTV EXHIBITION in JAPAN」と題する展示会を開催する。今実力人気共にトップクラスのタイの若手俳優8名にフィーチャーした展示会で、今後福岡、仙台、大阪、名古屋と巡回していく。
※TELASAについて。
篠塚常務:会員数など具体的な数値の公表は控えさせていただくが順調に成長していると考えている。1月クールにおける主なコンテンツ展開を簡単に紹介させていただく。まずドラマに関しては「24JAPAN」。地上波の放送に加え、オリジナルストーリーを収録した「配信スペシャル版」を配信している。「書けないッ!~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」「にじいろカルテ」でも地上波放送分に加えオリジナルコンテンツを配信している。バラエティに関しては10月に地上波でスタートした深夜枠「バラバラ大作戦」との連携や「テレビ千鳥」「あざとくて何が悪いの?」等のオリジナルコンテンツ配信など連動を深めている状況だ。今後も引き続き当社のコンテンツの提供や地上波との連携を通じてKDDIとも協力しながら、TELASAを日本有数のSVODプラットフォームに育て上げていきたいと考えている。
※ABEMAについて。
西取締役:ABEMAは開局から4年9カ月で6,200万ダウンロードを突破し、目標としているWAU1,000万突破に関しても恒常的に達成している。一方で有料会員も順調に伸びている。プレミアムコンテンツの充実を図っており現在92万1000人だが、今年度前半には100万人を突破したい。WAUが非常に伸びているのは、災害報道、緊急会見等24時間しっかりニュースをお伝えするABEMA NEWSが大きくけん引しているからだ。そして恋愛リアリティショー、アニメ、将棋チャンネル等々今後もチャンネルを充実させたい。
※4月改編の目玉について。
西取締役:ゴールデンは火曜日の縦の流れを再構築した。23時から昇格した「家事ヤロウ!!!」、20時は内容をリニューアルした「林修の今でしょ!講座」、21時が「芸能界常識チェック」と3番組リニューアルと新番組を投入してファミリー層をしっかり意識した抜本的な縦流れの改革を行った。ドラマではシリーズものと新作があるが、木曜ドラマはこれまでにない警察組織内部の権力闘争劇、警察版「白い巨塔」と言えるような作品「桜の塔」をお届けする。今最も旬なヒットメーカーの1人、武藤将吾さんの完全なオリジナル脚本で大いに期待している。平日の深夜は「バラバラ大作戦」の大規模な入れ替えを行った。週末は日曜日の夕方を強化、深夜にはVRを取り入れた新企画等を投入した。
※NHKの中期経営計画について。
藤ノ木専務:今回の計画は受信料の値下げを行う方針が示されたが、一時的な受信料の引き下げに留まらず、BSやラジオの削減と並行して、今後は視聴者のニーズに見合った業務や受信料体系のスリム化を早急に確立していただければと考えている。
※震災10年の報道について振り返って総括を聞かせてほしい。
篠塚常務:震災から10年ということで当日の特別番組、および「報道ステーション」を拡大して放送した。それ以外にも平日5つのベルト番組に加え、週末のレギュラー番組の中で、かなり多くの時間を割いて伝えさせていただいた。その中で、発災当時の当社としての伝え方の反省であったり、あるいは被災地の10年の復興の過程と課題、あるいは被災された方の10年間の営み、東電福島第一原発の現状と、かなり多角的な論点でかなりの枠を使って取材・報道させていただいた。ABEMA NEWSでも大きく展開した。それからインターネットで被災地の100地点以上を10年にわたって定点観測した映像で構成した「RECfrom311」というサイトを運営しているが、ここにも相当多くの方にアクセスしてもらい、この10年の復興ぶりをご覧いただいた。10年は節目ではあるが、一区切りということでは決してないと考えている。あくまで途中経過という認識で、今後も様々なテーマで様々な媒体を通じて継続的に取材報道をしていくつもりでいる。
※2020年度を振り返っての会長所感。
早河会長: 2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大との闘いという感じの一年だった。コロナは経済への打撃が非常に大きく、テレビ広告、特に第1四半期はスポット収入が激減した。リーマンショックの比ではないレベルだった。コンサートや「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り」などイベントの中止による減収も非常に大きかった。7月ごろには、通期で大幅な営業赤字になる見通しだった。4月スタートのドラマの収録がままならず、6月になってなんとか放送にこぎつけた。バラエティもロケができず、リピートやリモートなどの異常な形の制作を余儀なくされた。こうした逆境に、2019年度のテレビ広告が低調だったことに対応するため準備していたビジネスソリューション本部の活動を4月から先行実施した。これは、編成、営業、事業、インターネットの4つの収益部門を一体的に運用する組織で、正式には7月にスタートした。要するにセクションの壁を取り払って、増収増益策に特化する戦略部隊で、非常事態の認識から私自身が本部長として指揮をとった。4局長、担当役員はテーマがなくても毎日顔を合わせ、マネタイズに集中してくれた。本部が引っ張る形で、全社的な一体感が醸成され、現時点の集計では恥ずかしくない業績になった。2020年代はデジタル化が加速するために従来のビジネスモデルでは立ち行かなくなる、つまり新しい時代を迎えるので、テレビ朝日も時代に即応して生まれ変わらなくては生き残れないと言い続けてきた。対応するための一つの方策として、メディアシティ戦略を打ち立てた。その一環として、昨年暮れ湾岸エリアの有明地区に3900坪、1万3000㎡の土地を購入した。エンターテインメントとテクノロジーが融合した一大拠点と位置づけ、最大5000人収容の多目的ホールとスタジオとエンタメフロアからなる複合ビルを建設することにしている。来年の春着工し2024年完成の予定で、メディアシティ戦略の最大の目玉と位置付けている。視聴率だが、個人全体では全日、プライム、プライム2が2位。ゴールデンが3位。全日は、歴代最高レベルの4.1%。プライムの世帯は7年ぶりのトップだった。個別では「羽鳥慎一モーニングショー」が個人全体5.5%で、初の時間帯トップ。「報道ステーション」が個人7.1%、世帯13.3%で、同じく時間帯トップの好成績だった。これは新型コロナ感染拡大のニュースに視聴者のアクセスが集中したのが要因で、特に最初の緊急事態宣言が出た4月クールがピークだった。最近の調査ではコロナ禍で視聴者はテレビの役割、生活に役立つ情報発信を評価しており、それが視聴率に反映したと受け止めている。このほかでは「ワイド!スクランブル」、土日の「サタデーステーション」「サンデーステーション」に視聴習慣がついたことが嬉しい出来事だった。ドラマでは2020年度のプライム帯の連続ドラマのベスト10に6作品が入った。「BG~身辺警護人~」「相棒season19」「七人の秘書」「特捜9season3」などだ。特に「相棒」は2クール平均で個人8.4%、世帯15.0%。また番組がスタートしてからここまで366話、その平均が世帯では16.0%という素晴らしい成績を残している。このほか、ABEMA、TELASAと3社連携で制作した2夜連続の「逃亡者」、「24JAPAN」が大きな話題を呼び、動画配信の会員増にも貢献した。「24JAPAN」は、コロナ禍の中で2クール、24話ということで、大変ハードな日程だったが、唐沢寿明さんの熱演、リーダーシップで濃密な日本版になったと思う。バラエティでは「帰れマンデー見っけ隊!!」「ザワつく!金曜日」が健闘した。最後にネット系の関連会社の状況だが、ABEMAはまもなく開局5年になるが、6200万ダウンロードを突破。WAUも1000万突破が常態化している。原動力は、災害報道やコロナ関連のABEMA NEWS、麻雀将棋チャンネル、恋愛リアリティショーと多彩なコンテンツが支持されていることだ。有料のABEMAプライムは会員数が92万人と、100万人が見えている。動画配信のTELASAだが、こちらも1周年だ。「相棒」「逃亡者」「24JAPAN」の配信スペシャル、ドラマの「書けないっ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」「にじいろカルテ」の見逃し配信、初めてのTELASA用のオリジナルドラマ「主夫メゾン」などに加え、仮面ライダーシリーズやバラエティが会員増に貢献し、順調なスタートを切った1年と言える。ただ、きょう新聞に出ていたが、アメリカのワーナーとU-NEXTが連携をしたように、アメリカ勢の大鑑巨砲というか、オリジナルドラマの大作をどんどん制作するという攻勢にどうやって対抗するのか、相当な知恵を絞らないとならないと思う。こんなところが、この1年の状況だ。
※最新の視聴率について。
西取締役: 締まったばかりの年度平均視聴率だが、個人全体が全日4.1%で2位、ゴールデン6.1%で3位、民放では2位だ。プライム6.2%で2位、プライム2が2.5%で2位で終了となった。続いて年度の世帯だが、全日8.0%で2位、ゴールデン10.8%で3位、民放では2位だ。プライム11.2%で1位、プライム2が5.0%で2位だ。世帯のプライム1位は2013年以来7年ぶりだ。1月クールの平均だが、個人では全日が4.0%で2位。ゴールデンが6.0%で3位、民放2位。プライムが6.0%で2位、プライム2が2.5%で2位だ。世帯だが、全日7.6%で2位、ゴールデン10.5%で3位、民放では2位。プライム10.6%で1位、プライム2が4.8%で2位だ。1月クールの状況だが、ゴールデン、プライム帯では「報道ステーション」「サタデーステーション」「サンデーステーション」と、プライム帯の報道ベルト番組が引き続き高い数字をキープしている。連続ドラマでは「相棒season19」が前シーズンを上回り、1月クール民放連続ドラマ2位という結果だった。バラエティでは金曜の「ザワつく!金曜日」、土曜の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」と、週末の番組が前年度から大きく数字を伸ばし、クール平均では自己最高を更新した。今後の主な放送予定だが、来週から4月クールの連続ドラマがスタートする。4月7日よる9時は、井ノ原快彦さん主演の「特捜9season4」、翌日8日よる8時が内藤剛志さん主演の「捜査一課長」。翌週15日よる9時が玉木宏さん主演の「桜の塔」、24日深夜には白濱亜嵐さん主演の「泣くな研修医」、関ジャニ∞の横山裕さん主演となる「コタローは一人暮らし」がそれぞれスタートとなる。30日23時には松坂桃李さん主演の「あのときキスしておけば」がスタートする。
※営業状況について。
亀山社長: 2月の営業売上は、タイムは前年比92.2%、スポットは104.2%、トータルでは98.5%で確定した。タイムだが、コロナ禍の固定費削減傾向で売上は前年水準に届かなかったが、ダイハツ提供の「バドミントンドリームマッチ」や、日産提供の「Change Your Life SP」といった単発番組を中心に売上確保に努めた。スポットについては、3月の期末に向けて需要が拡大し、東京地区は前年の102.8%で締まった。当社は前年の104.2%と地区を上回り、シェアを伸ばして着地することができた。3月の営業売上は、タイムは前年比98%前後、スポット104%前後、トータル102%前後で推移しており、この水準で締まる見込だ。タイムだが、期末単発のセールスが順調に進んだほか、3月20日放送のスペシャルドラマ「エアガール」などが増収に寄与した。スポットについては、期余り需要等で非常に活況となっており、東京地区全体で枠が逼迫した。各局とも条件調整をしながら収容に努める状況となり、東京地区も104%程度の見込みだ。 4月の営業売上は、タイムが前年比105%+α、スポットが111%+α、トータルでは108%+αで推移している。タイムだが、空枠のセールスは堅調に進んでいる。単発では「世界フィギュア国別対抗戦」の編成があるので、そのセールスに努めているところだ。スポットだが、昨年が緊急事態宣言の発出で大きなマイナスとなった月だったので、現時点で昨年水準は超えている。一昨年水準の売上を目指しセールスを行っている。
※放送外収入について。
武田副会長: 新型コロナウイルスによる今年度の影響だが、イベントに関しては中止が39件、延期が20件、期間の一部休止が4件という結果になった。チームラボとの協業で「チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」という新しい事業を3月22日(月)から開業している。サウナ愛好家の方々はもちろんのことチームラボアートのファンの皆様やメディテーション嗜好者の方まで、広い範囲で満足させる体験型のアトラクションになっている。是非一度ご利用いただき心と身体を整えリフレッシュしていただきたい。もちろん感染防止にはしっかりと対応している。事前の予約制で午前10時から午後11時まで営業している。現時点では8月末までの営業予定だ。次に新規ビジネスだが、当社のバンコクビジネスビューローを通して去年の11月に、現地の総合エンターテイメント企業であるGMMTVと業務提携をして番組購入契約を締結した。ご存じの方も多いと思うが、「2gether」というドラマがタイで大ヒットして、昨今日本国内でも人気が高まっている。このドラマとバラエティの作品を大量に購入し様々な放送、配信に寄与していく。すでにTELASAでは3月20日(土)からドラマの配信が始まっているし、BS朝日では5月6日(木)から別の作品を放送開始予定だ。このドラマのスタートに合わせ4月16日(金)から六本木のけやき坂ミュージアムで世界初となる「GMMTV EXHIBITION in JAPAN」と題する展示会を開催する。今実力人気共にトップクラスのタイの若手俳優8名にフィーチャーした展示会で、今後福岡、仙台、大阪、名古屋と巡回していく。
※TELASAについて。
篠塚常務:会員数など具体的な数値の公表は控えさせていただくが順調に成長していると考えている。1月クールにおける主なコンテンツ展開を簡単に紹介させていただく。まずドラマに関しては「24JAPAN」。地上波の放送に加え、オリジナルストーリーを収録した「配信スペシャル版」を配信している。「書けないッ!~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」「にじいろカルテ」でも地上波放送分に加えオリジナルコンテンツを配信している。バラエティに関しては10月に地上波でスタートした深夜枠「バラバラ大作戦」との連携や「テレビ千鳥」「あざとくて何が悪いの?」等のオリジナルコンテンツ配信など連動を深めている状況だ。今後も引き続き当社のコンテンツの提供や地上波との連携を通じてKDDIとも協力しながら、TELASAを日本有数のSVODプラットフォームに育て上げていきたいと考えている。
※ABEMAについて。
西取締役:ABEMAは開局から4年9カ月で6,200万ダウンロードを突破し、目標としているWAU1,000万突破に関しても恒常的に達成している。一方で有料会員も順調に伸びている。プレミアムコンテンツの充実を図っており現在92万1000人だが、今年度前半には100万人を突破したい。WAUが非常に伸びているのは、災害報道、緊急会見等24時間しっかりニュースをお伝えするABEMA NEWSが大きくけん引しているからだ。そして恋愛リアリティショー、アニメ、将棋チャンネル等々今後もチャンネルを充実させたい。
※4月改編の目玉について。
西取締役:ゴールデンは火曜日の縦の流れを再構築した。23時から昇格した「家事ヤロウ!!!」、20時は内容をリニューアルした「林修の今でしょ!講座」、21時が「芸能界常識チェック」と3番組リニューアルと新番組を投入してファミリー層をしっかり意識した抜本的な縦流れの改革を行った。ドラマではシリーズものと新作があるが、木曜ドラマはこれまでにない警察組織内部の権力闘争劇、警察版「白い巨塔」と言えるような作品「桜の塔」をお届けする。今最も旬なヒットメーカーの1人、武藤将吾さんの完全なオリジナル脚本で大いに期待している。平日の深夜は「バラバラ大作戦」の大規模な入れ替えを行った。週末は日曜日の夕方を強化、深夜にはVRを取り入れた新企画等を投入した。
※NHKの中期経営計画について。
藤ノ木専務:今回の計画は受信料の値下げを行う方針が示されたが、一時的な受信料の引き下げに留まらず、BSやラジオの削減と並行して、今後は視聴者のニーズに見合った業務や受信料体系のスリム化を早急に確立していただければと考えている。
※震災10年の報道について振り返って総括を聞かせてほしい。
篠塚常務:震災から10年ということで当日の特別番組、および「報道ステーション」を拡大して放送した。それ以外にも平日5つのベルト番組に加え、週末のレギュラー番組の中で、かなり多くの時間を割いて伝えさせていただいた。その中で、発災当時の当社としての伝え方の反省であったり、あるいは被災地の10年の復興の過程と課題、あるいは被災された方の10年間の営み、東電福島第一原発の現状と、かなり多角的な論点でかなりの枠を使って取材・報道させていただいた。ABEMA NEWSでも大きく展開した。それからインターネットで被災地の100地点以上を10年にわたって定点観測した映像で構成した「RECfrom311」というサイトを運営しているが、ここにも相当多くの方にアクセスしてもらい、この10年の復興ぶりをご覧いただいた。10年は節目ではあるが、一区切りということでは決してないと考えている。あくまで途中経過という認識で、今後も様々なテーマで様々な媒体を通じて継続的に取材報道をしていくつもりでいる。