社長定例会見

早河洋会長・CEO 亀山慶二社長・COO 会見(9月29日)要旨

2020-09-30
※上期の総括と10月改編の意気込みについて。
早河会長: 上期は4月の冒頭に「報道ステーション」のスタッフ、出演者が新型コロナに感染するという衝撃的な出来事で始まった。緊急対応策として、スタッフ全員の自宅待機と報道OBの緊急招集、臨時の制作ルームの設置、全館消毒、テレワークの実施による出社制限など全社的にあらゆる措置をとった。なんとか乗り切れたという思いだ。現在も事務管理系は50%の出社率だ。そのほか苦労したのはドラマの制作だ。およそ2カ月はリピートで対応した。木村拓哉さん主演の「BG~身辺警護人~」など全て6月から収録を開始して、放送期間も7月以降にずれ込み、通常より2、3話少ない結果となった。バラエティもリピートものにリモート出演を付加したり、ディスタンスをとったり、様々な工夫をして感染防止に努めながら放送にこぎ着けた。テレビ視聴率は、3月下旬から連休明けが、HUT総世帯視聴率のピークで、特に「羽鳥慎一モーニングショー」と「報道ステーション」は非常に高い視聴率だった。視聴者にとって新型コロナウイルス感染が身に迫って、少しでも関連情報を知りたかったということだと思う。初体験の深刻な疫病の感染という意味で、テレビ朝日だけでなく、テレビも他のメディアもライフライン的な情報伝達の役割を果たせたのではないかと受け止めている。上期の視聴率は個人全体では全日とプライムが2位、ゴールデンが3位。世帯は全日が2位、ゴールデンが3位、プライムが1位タイ。個人も世帯も全区分、前年比プラスとなっていて、コロナという環境を考えれば健闘したと言えると思う。しかしながら広告収入がスポット中心に激減し、広告以外の事業もイベントやコンサートツアーの中止などの影響で、大幅な減収と業績全体に深刻な影響を与えた。特にスポットは第1四半期が、前年比60%台のなかば、上期全体では70%前後で、リーマンショックを超える開局以来の最悪の落ち込みだった。イベントは「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭りSUMMER STATION」や音楽イベント、コンサートツアーなど高収益を期待していた事業が軒並み中止となり、本体だけではなく関連会社をも直撃した。今年度のGDPはマイナス5%前後、来年度はプラスに転じるという見方が多いが、昨年の消費税アップ以前の状態に実体経済が戻るのは3年とも5年とも言われている。一般企業、つまり我々にとっての広告主の多くはコロナの影響を大きく受けており、費用の削減策のひとつとして、広告宣伝費を見直している。このため業績回復の道筋は極めて厳しいと認識している。こうした状況に組織改革を断行し、収益部門を一体運用するビジネスソリューション本部を設置し、全社一体となっていま増収増益に取り組んでおり、その成果が出始めているところだ。上期の情勢が確定するのは来月下旬になるが、反転攻勢のための最低限の足場というか、ベースはなんとか築けそうで、ここから通期の業績をひとつひとつ一歩一歩積みあげていきたい。次に10月改編への意気込みだが、ドラマでは20周年を迎える「相棒season19」が進化して戻ってくる。初回はデジタル時代の要素を取り入れたストーリーで新たなキャラクターも登場、非常に楽しみにしている。開局60周年記念の締めくくりは、「24JAPAN」を金曜23時台に2クールの編成で、渡辺謙さん主演の「逃亡者」も年度内に登場する予定だ。世界的大ヒットの2作品の日本バージョンに非常に期待している。「24JAPAN」はABEMA、TELASA向けにオリジナルストーリーを織り込んだ配信スペシャル版を制作、配信する。木曜ドラマ新作の「七人の秘書」は、中園ミホさんの脚本と内山聖子プロデューサーの「ドクターX~外科医・大門未知子~」のコンビがどう再び融合するか楽しみにしている。10月編成はバラエティ強化にも取り組む。土日22時台には4作品、いずれも深夜などで実績を残した「あざとくて何が悪いの?」「テレビ千鳥」、また平日の26時台に「バラバラ大作戦」という括りで20分枠14本を編成する。若手のプロデューサー、ディレクターの育成とネット配信などを視野に入れている。報道系では「サンデーステーション」を21時からに移動、小木逸平アナ、森川夕貴アナのコンビが担当する。これで月曜から日曜までプライムタイムに「ステーション」と名付けた枠が揃うことになり、視聴者ニーズに応えていきたい。また「大下容子ワイド!スクランブル」が定着したのに伴い、これに貢献した小松靖アナウンサーを、「スーパーJチャンネル」のメインに抜擢した。渡辺宜嗣アナはコメンテーター兼スペシャルレポーターに仕事が変わる。
※最新の視聴率について。
西取締役: 最初に個人視聴率の年間平均だが、全日が4.3%で2位、ゴールデンが6.2%で3位、プライムが6.4%で2位、そしてプライム2も2.7%で2位だ。世帯視聴率の年間平均だが、全日が8.2%で2位、ゴールデンが11.0%で3位、プライムが11.6%で1位、そしてプライム2が5.3%で2位だ。個人の年度視聴率は、全日が4.3%で2位、ゴールデンが6.1%で3位、プライムが6.4%で2位、そしてプライム2も2.6%で2位だ。続いて、世帯の年度視聴率は全日が8.3%で2位、ゴールデンが11.0%で3位、プライムは11.6%で1位、そしてプライム2が5.3%で2位という状況だ。各区分とも前年を上回る数字で推移している。7月クール平均は、個人は全日が4.0%で2位、ゴールデンが5.8%で3位、プライムが6.0%で2位、そしてプライム2も2.4%で2位だ。世帯は、全日が7.9%で2位、ゴールデンが10.5%で3位、プライムが11.0%で2位、そしてプライム2が4.9%で2位だ。7月クールのトピックスとしては、7月下旬から8月初旬にかけて「テレビで笑おう夏祭り」と題して、多くのバラエティ特番を編成し、期間中のプライム帯ではトップを獲得するなど各区分とも数字を伸ばすことができた。また報道情報系も引続き朝帯のグッドモーニングから全体的に良い1日のタテ流れが出来ており、中でも「報道ステーション」「サタデーステーション」そして「羽鳥慎一モーニングショー」などは、コロナ報道に加えて台風10号関連や菅新政権の誕生など大きなニュースがあり、かなり数字を伸ばしている。7月クールのプライム帯の連続ドラマについては、「警視庁・捜査一課長」「未解決の女 警視庁文書捜査官」そして明日最終回となる「刑事7人」、以上3作品ともベースアップしながら堅調に推移している。今後の主な放送予定だが、来週から10月改編の新番組がスタートする。10月5日より深夜では「バラバラ大作戦」という枠組みで新しいバラエティが14企画スタートする。10月10日より土日の22時に30分尺のバラエティ4企画が新しく始まる。そして連続ドラマでは、「相棒season19」は、10月14日に初回スペシャル。開局60周年企画となる「24JAPAN」が10月9日に金曜23時台でスタートする。そしてシーズン20となる木曜ミステリー「科捜研の女」、木曜ドラマ「七人の秘書」がそれぞれ10月22日からスタートする。
※営業状況について。
亀山社長: 8月の営業売上は、タイムは前年比91.0%、スポットは70.5%、トータルでは81.2%で確定した。タイムだが、例年ある「熱闘甲子園」「CATレディース」の編成がなかったが、「第43回全英女子オープンゴルフ」については無事開催され、売上に寄与した。スポットについては、東京地区は73.3%と、4月以来4カ月ぶりに70%を超えた。当社は70.5%と地区には届かず着地した。9月の営業売上は、タイムは前年比98%前後、スポット83%前後、トータル90%前後で推移しており、この水準で締まる見込みだ。タイムだが、引き続き空枠セールスに苦戦をしたものの、「第120回全米オープンゴルフ」が当初の6月から延期となって開催されたこともあり、前年水準に近いところまで積み上がった。スポットについては、昨年が88.7%と増税の影響で低調だった反動もあるが、8月に70%を超え、9月は80%超えと、市況は徐々に上向いてきている。10月の営業売上は、タイムが前年比80%+α、スポットが67%+α、トータルでは73%+αで推移している。タイムだが、コロナ禍の改編セールスで苦戦をし、空枠が多くなったが、10月は期首単発の編成が多くあるので、そのセールスに注力している。スポットだが、確度の緩い見込みで85%を超えてきている。9月同様、昨年度が増税直後で低調だった反動もあるが、回復基調であることは間違いないので、積極的なセールス活動に努めていく。
※放送外収入について。
武田副会長:まず 新型コロナウイルスの影響を受けたイベントや事業だが、今年4月から12月で中止35件、延期が18件、期間の一部休止が4件となっている。5月30日から再開した横浜で開催中の「バンクシー展 天才か反逆者か」だが、バンクシー自身がこの間コロナ関連の作品をいくつか残すなど、話題性もあり極めて好調に推移している。当初予定から会期を1週間延長し10月4日まで開催とした。その後、10月9日からは大阪で開催する。有料配信イベント関連だが、コロナの影響でイベントの中止や客入れの制限が生じている中、ライブ動画配信の需要が非常に高まっている。テレ朝動画では7月から9月にかけて、EXシアターを使った音楽ライブ「LIVE EX」や「六本木アイドルフェスティバル」「超人女子戦士ガリベンガーV」などの6イベントを配信。10月もジミー桜井さんの音楽ライブや第7世代の人気芸人による番組「東京BABY BOYS9」発のコントライブ、さらには「仮面ライダーゼロワン」のステージとトークショーなど配信予定だ。テレビ朝日とKDDIの合弁会社TELASAだが、今年4月7日から本格サービスをスタートした。当初は新型コロナの感染拡大の影響でコンテンツの供給が思うように進められなかった。しかし、7月クールでは、金曜ナイトドラマ「真夏の少年」、土曜ナイトドラマ「妖怪シェアハウス」でTELASAオリジナルのスピンオフコンテンツを配信し、木曜ドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官」では4K版の配信などを実施するなど、ようやくコンテンツ供給が軌道に乗ってきた。当社のコンテンツ力を駆使してKDDIと協力しながら、新たな会員獲得に全力を挙げていきたい。最後に新日本プロレス関連だが、現在も観客の収容率50%で開催を余儀なくされているが、レギュラー放送の「ワールドプロレスリング」の放送時間を10月から土曜日の25時に早める。また10月改編で新しくスタートする深夜のバラエティゾーン「バラバラ大作戦」と称しているが、毎週金曜日の深夜2時20分から「新日ちゃん。」という新日本プロレスの選手も出演する番組が新しくスタートする。この番組をTELASAやTVerでも配信することでプロレスファン層の拡大を図るとともに、新日本プロレスワールドの会員増につなげていきたいと考える。
※ABEMAと出資映画について。
西取締役:ABEMAは、開局から4年3ヶ月で5600万ダウンロードを突破し、目標としているWAUの1000万突破に関しても、3月以降は恒常的に達成している状況だ。一方で、有料の「ABEMAプレミアム」の会員も順調に伸びており、限定コンテンツを拡充させることによって、会員数は前年から約1.8倍となる72.9万人に到達しており、年内には会員100万人突破を目指して進めている。続いて、出資映画だが、8月7日公開の「映画ドラえもん のび太の新恐竜」は昨日までで動員259万2726人、興行収入31億2361万円。そして9月11日公開の「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」は昨日までで動員70万7547人、興行収入8億6439万円という状況だ。
※NHKがインターネット配信業務の費用について、受信料収入の2.5%という上限を自ら撤廃すると発表した。NHKの前田会長もインターネット業務を本来業務として良いのではという考えを示したが。
早河会長:受信料の2.5%という上限は、NHKが自ら設定したものだ。撤廃するというのであれば、やはり相応の理由付けが必要だ。新たな数値目標も明確に示す必要があると思う。放送を前提とした受信料制度なので、放送以外に使うには一定の制約があり、抑制的に行うべきというのが我々民放の主張だ。ネットの活用が放送の補完ではなく、本来業務という位置づけの方が実態に合っているという発言だが、これはやはり唐突な感じがする。なぜ本来業務なのか、やはり行政当局や民放など関係各方面に丁寧で詳細な説明を求められるのではと思う。NHKが既に同時配信をやっていて、その成果や途中経過について情報を共有しましょうとNHKと民放で合意しているはずなので、その辺も首をかしげるところだ。
※NHKの経営計画案についてご意見は。
藤ノ木専務:我々はNHKから衛星放送の整理はするという話は聞いていたが、その時期などが明確になっていない。いつまで、どういう形でするか、私たちは注視しているところだ。予算の規模は、2021年度6900億円程度に縮小する計画ということだが、どういった業務内容になるかまだ私たちも知りえる立場にないので、しっかりと明確にしていただきたい。