社長定例会見
亀山慶二社長 社長会見(7月2日)要旨
2019-07-02
2019年7月2日(火)
2019年7月2日 社長会見要旨
※新しく就任した亀山社長から抱負を。
亀山社長:先週6月27日の株主総会と、その後の取締役会を経て、この度テレビ朝日の代表取締役社長・COOに選出された。幸い、角南前社長から視聴率、広告売上ともに、民放第2位という状態でバトンを受けた形だ。一方で、社会のデジタル化という大きな変革期に広告媒体としてのテレビの可能性について、業界の内外で様々な問いかけをいただくタイミングでもある。その中で、基本に考えるべきことは、まず我々は国民共通の財産である電波を使用させていただいている事業者なので、引き続きコンテンツを最重視していく。最重視というのは、社として人材と資金を最大限投入して、視聴者の皆様の喜怒哀楽に資する、多様な番組をお届けするということであり、また正確で迅速なニュース取材、報道に努めていくということだと思っている。同時に、視聴者の皆様に安心して見ていただけるコンテンツを送り続けるために、やはり収益基盤を強固にしなければならない。この部分は、広告主の皆様、そして広告会社の皆様に長年に渡り支えていただいているところだ。ご承知の通り、デジタル時代の到来はテレビの広告市場を縮小させているのではないかという見方があるが、私個人としては、その結論はまだ早いのではないかと感じている。テレビには、まだまだ努力次第でできること、やっていないことがたくさんあるのではないかと思っている。私どもテレビ朝日がメディアとして「テレビ朝日360°」戦略を掲げているのも、AbemaTVなどのコンテンツ配信を推進しているのも、まさにそのような考えがあってのことだ。せっかく与えていただいたチャンスなので、社長として様々なトライアルを促していきたいと思っている。
※視聴率について社長所感を。
亀山社長:年間視聴率は全区分2位という形で推移している。4月クールは、全日がトップタイ、ゴールデン、プライム、プライム2は2位で終了した。4月クールの民放連続ドラマは、「緊急取調室」「特捜9」「科捜研の女」が平均視聴率でトップ3となった。バラエティでは4月クールから月曜ゴールデンに移動した「10万円でできるかな」、引き続き日曜日の「ナニコレ珍百景」と「ポツンと一軒家」が大変好調に推移している。ニュース情報系でも、「グッド!モーニング」や「羽鳥慎一モーニングショー」をはじめとするベルト番組が引き続きトップレベルで推移している。このような状況を受けて、4月クールの視聴率では全日帯が2クールぶりの1位となった。来週土曜日の13日から、今年で6回目となる「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION」がいよいよ始まる。この大型イベントとも連動しながら、7月クールも視聴率アップをさらに目指していきたいと思っている。
※最新の視聴率について。
西取締役:4月クールの平均視聴率だが、全日7.5%でトップタイ、ゴールデンは10.5%、プライムが10.6%、プライム2が5.3%だ。前年比では、ゴールデンが+0.5ポイント、プライムが+0.4ポイントだ。それから、ゴールデン、プライム帯では、「緊急取調室」が平均13.2%で今クールの民放連続ドラマのトップ。「特捜9」が平均13.0%で2位、「科捜研の女」が平均12.5%で3位だ。それから「10万円でできるかな」が平均11.7%で、プライム帯のバラエティ新番組では民放11番組中で現在トップだ。日曜日のゴールデン帯だが、「ナニコレ珍百景」「ポツンと一軒家」が引き続き非常に好調に推移している。報道情報系では「グッド!モーニング」7時台が自己最高の平均10.1%を記録していて、初めて同時間帯民放トップタイを獲得している。それからプライム帯では4月以降「報道ステーション」も平均10.9%で堅調に推移している。年間平均は、全日が7.7%、ゴールデンが10.7%、プライムが10.8%、プライム2が5.5%で全区分2位という状況だ。前年とほぼ同水準での推移となっている。今後の放送予定だが、プロ野球「マイナビオールスターゲーム2019」を放送する。18日から「第148回全英オープンゴルフ」、8月1日から「第43回全英女子オープンゴルフ」と中継が続く。21日からは「世界水泳2019 韓国・光州」の競泳をゴールデン帯で8日間にわたって中継する予定だ。7月クールの連続ドラマだが、10日に5シーズン目となる「刑事7人」、11日には木曜ドラマ「サイン~法医学者 柚木貴志の事件~」、26日に金曜ナイトドラマ「セミオトコ」、27日に土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」がそれぞれスタートする。
※営業状況について。
亀山社長:5月の営業売上は、タイムは前年比102.0%、スポットは94.5%、トータルでは98.1%で確定した。タイムだが、4月改編でのレギュラーベースダウンがあったものの、5夜連続ドラマ「白い巨塔」などが牽引し、前年水準を超える形となった。スポットについては、引き続きセールスに苦戦している。市況も低調で、東京地区は前年の95.1%で締まった。6月の営業売上は、タイムは前年比83%±α、スポット91%±α、トータル87%±αで推移しており、この水準で締まる見込みだ。タイムだが、映画「君の名は。」2回目の放送などで売り上げが拡大したが、4月改編のベースダウンに加え、昨年のロシアW杯の反動減が大きくマイナスとなった。スポットだが、東京地区は5月に続き低調で94%程度の見込みだ。当社も最後まで積極的なプロモートに努めたが、地区には届かず着地する見込みとなっている。7月の営業売上は、タイムが前年比95%+α、スポットが77%+α、トータルでは86%+αで推移している。タイムだが、6月に続いてロシアW杯の反動減はあるが、「世界水泳2019 韓国・光州」、バドミントン「ダイハツヨネックスジャパンオープン」、ゴルフ「資生堂アネッサレディスオープン」といった昨年同期になかった単発のセールスで、前年水準の売上を目指しセールスしていく。スポットだが、東京地区は緩い見込みで90%程と見ている。低調な市況からセールスラップが遅い状況が続いているが、需要の掘り起こしに努め売上を積み上げていきたい。
※放送外収入について。
武田副会長:まずプロレス関連で、きょう7月2日は、50年前「ワールドプロレスリング」がスタートした日で50年の節目を迎えた。その記念として特製Tシャツを作成し、本日からテレ朝ショップECサイトで予約を開始した。発売は7月26日からだ。また、夏の一大イベントとして『G1 CLIMAX 29』が今年も始まる。開幕戦は、初めてアメリカ・テキサス州ダラスで開催される。この模様は、アメリカのケーブルテレビと衛星テレビネットワークであるAXS TVで全米生中継する。動画配信サービス「新日本プロレスワールド」では、その他の全世界に向けて、生配信を行う。続いて国際ビジネス関連だが、8月23日に公開予定の「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」について、海外から非常に強い関心を頂いている。テレビシリーズは、台湾、韓国、香港など計8つの国と地域で放送や配信されているが、この劇場版についても、現在、香港・マカオ、台湾等での上映が予定されている。また航空機内での上映も予定されている。昨年7月クールに放送された金曜ナイトドラマ「dele」について、韓国の制作会社CRAV社とリメイク権の販売で合意した。これまで東京を皮切りに、高岡市と名古屋市で開催してきた「THEドラえもん展」が、全国巡回の第3弾として、大阪市の天保山にある大阪文化館にて7月12日から9月23日まで74日間の開催ということになる。また開局60周年記念事業の第2弾となる「サマーソニック2019」は8月16日から18日の3日間の開催だ。おかげさまで土日は既に完売となり、残りの金曜日もおそらく今週中には完売するのではないか。
西取締役:AbemaTVは、開局から4年目を迎える平成最後のタイミングで4,000万ダウンロードを突破、6月第1週のWAU(ウィークリーアクティブユーザー)が目標であった1,000万を突破した。主な番組として、6月5日に「AbemaNewsチャンネル」にて “全編ノーカット”で配信した南海キャンディーズの山里亮太さんと女優・蒼井優さんによる結婚記者会見がDAU(デイリーアクティブユーザー)において、「AbemaTV」開局史上1位の記録を更新した。またAbemaTVではオンデマンド視聴ユーザーが増えており、有料の「Abemaプレミアム」の会員が40万人を超えた。続いて、映画関連だが、「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」が7月26日に公開となる。8月23日には、昨年ドラマで大変話題となった「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」がいよいよ公開となる。
※吉本興業所属の芸人が反社会的勢力と接点を持った点についての受け止めと吉本興業に求めていることについて。また、「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」の今後について。
亀山社長:まずは視聴者の方々や番組を応援して下さっている皆様には、大変ご心配をおかけすることになり、誠に申し訳なく思っている。当該出演者に関しては、今後の出演を見合わせることにした。また、収録済みの番組については、当該出演者の出演部分をカットするなど再編集して放送している。反社会的勢力との接触はあってはならないことであり、所属事務所には改めてコンプライアンス遵守の徹底を求めている。今後の番組については、現状で番組の打ち切り等は考えていない。今後の状況を見ながら慎重に判断していきたいと思っている。
※7月21日投開票の参議院選挙について、当日の特番体制は。
篠塚常務:7月21日投開票日の対応については既にリリースも出しているが、世界水泳の放送もあるので、水泳を挟んでの1部、2部構成ということになる。出演はお馴染みの報道ステーションのメンバーで、富川悠太アナ、徳永有美さん、小木逸平アナ、竹内由恵アナと後藤謙次さんという形で、通常の選挙投開票日と違って放送時間が世界水泳もあって短くなるので、基本的には選挙の王道である開票速報を中心に、早く正確な開票速報をしっかりお伝えする。さらに各党党首とスタジオとの中継の掛け合いを中心にお伝えしていこうと思っている。
※昨日からAbemaTVで「テレ朝キャッチアップ」が見られるようになった。その狙いは。各局でVODとTVerで見逃し配信ができるが、テレビ朝日ではそこにAbemaTVも加わる。その住み分けについてはどのように考えているか。
武田副会長:住み分けというよりも、見逃し配信を含め、一つの作品をより広く、色々な方々に見ていただきたい。そのきっかけの一つになっていくことを含め、このような試みを広げていく、その一環と思っていただきたい。