社長定例会見

角南源五社長 社長会見(10月30日)要旨

2018-10-31
※直近の視聴率について。
角南社長:年間・年度ともに、全日・ゴールデン・プライムいずれも2位という状況だ。朝の報道情報ベルト番組が引き続き、民放トップレベルの視聴率を獲得し、好調に推移している。また、連続ドラマでは、「相棒season17」、木曜ドラマ「リーガルⅤ~元弁護士・小鳥遊翔子~」、木曜ミステリー「科捜研の女」の当社3作品が上位にランクインし、10月改編した日曜のバラエティ「ナニコレ珍百景」「ポツンと一軒家」なども健闘している。このような状況を受け、10月月間の視聴率では、全日帯が5年4カ月ぶりの月間単独トップを獲得し、ゴールデン・プライムは2位と、トップ局との接戦に持ち込めたのではないかと思う。この良い流れを継続して、着実に実績をつくっていければと思う。
亀山専務:年間平均は全日が7.7%、ゴールデンが10.4%、プライムが10.5%、プライム2が5.4%で全区分2位という状況だ。年度平均も全区分2位ということで、全日が7.6%、ゴールデンが10.2%、プライムが10.4%、プライム2が5.4%で推移している。全日帯では、「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」などのベルト番組の好調が続いている。ゴールデン、プライム帯では、連続ドラマが堅調に推移しており、さらにバラエティも10月改編の日曜含め健闘している。10月の月間平均だが、全日が7.7%で1位、ゴールデンが11.1%、プライムが11.2%、プライム2が5.4%で2位という状況だ。全日は、平日の報道情報ベルト番組に加えて、「人生の楽園」などの好調が続いている。ゴールデン・プライム帯では、「相棒」が平均17.5%、「リーガルⅤ」が3回の平均で16.4%、「科捜研の女」も平均12.3%と好スタートを切っている。スポーツではサッカー「キリンチャレンジカップ」ウルグアイ戦が17.0%の高視聴率だった。今後の主な放送予定だが、昨日男子団体総合で銅メダルを獲得し東京オリンピックの出場が決定した「世界体操ドーハ2018」は土曜日まで連日放送する。木曜日には「プロ野球日本シリーズ2018」第5戦を、土日には羽生結弦選手の活躍が期待される「フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2018」フィンランド大会を放送する。11月7日に「野球・侍ジャパンシリーズ2018 日本×台湾」、10日には「2018日米野球 第2戦」の中継を予定している。
※10月の第3週に、久々の三冠王で日本テレビの進撃を止めたが、この好調の要因は。
角南社長:まだまだトップ局とは、ゴールデン、プライムともかなりの差があるので、引き続きこの良い流れを継続していきたい。全日帯で朝の良い流れがあるので、それを継続していければと思う。
※営業状況について。
角南社長:9月の営業売上は、タイムは前年比99.4%、スポットは93.4%、トータルでは96.2%で確定した。タイムだが、レギュラー番組のセールスには苦戦をしたものの、バドミントン「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」や「ミュージックステーションウルトラFES」などで増収を図った。スポットについては、東京地区は引き続き低調で、前年の94.6%で終了した。当社も地区には及ばなかったが、最後までプロモートに努めた結果、8月に引き続き23%超えのシェアとなった。10月の営業売上は、タイムは前年比98%+α、スポット94%+α、トータル95%+αで推移している。タイムだが、「フィギュアグランプリシリーズ」の開幕に加え、先週末の「日本シリーズ第1戦」、現在開催中の「世界体操」など、目白押しのスポーツ単発のセールスに注力している。スポットについては、東京地区が前年97%程と、引き続き厳しいセールス環境のなかで、積極的なプロモートに努めている。11月の営業売上は、タイムが前年比91%+α、スポットが94%+α、トータルでは93%+αで推移している。タイムだが、現在開催中の「世界体操」や「フィギュアスケートグランプリシリーズ」、木曜日の「日本シリーズ第5戦」に加え、「全日本大学駅伝」、「日米野球」など、10月以上に多くのスポーツ単発があるので、そのセールスに努めていく。スポットだが、久々に市況が上向いており、前年並みの需要が見込める状況となっている。当社は個人全体視聴率が上昇していることもあり、前年以上の収容力があるので、需要をしっかりと取り込み、売り上げを積み上げていく。
※放送外収入について。
角南社長:まずは、AbemaTVについて報告する。AbemaTVは10月7日に累計ダウンロード数が 3,400万を超え順調に推移している。地上波連動コンテンツとしては「フィギュアスケートグランプリシリーズ」初戦となるアメリカ大会を地上波と同時配信した。広島とソフトバンクの「日本シリーズ」に関しても10月27日の第1戦を独自の実況・解説で配信し、明後日第5戦もヤフオクドームから配信する。また、11月4日に第50回の記念大会を迎える「全日本大学駅伝」も地上波と同時に初めてAbemaTVでも配信する。そして、10月1日に開幕し、テレビ朝日も参戦している麻雀プロリーグ「Mリーグ」の熱戦については全試合配信を行っており、麻雀chのこれまでの番組と比べても好調だ。なお、テレビ朝日「EX風林火山」は昨日現在、7チーム中3位につけ、首位のサイバーエージェント「渋谷ABEMAS」を追っている。その他、AbemaNewsについては、10月から橋下徹さんMCの「NewsBAR橋下」、千原ジュニアさんMCの「Abema的ニュースショー」といった新番組をスタートさせた。視聴者の反応を敏感にとらえ、さらにニーズに合致したサービスをめざしていきたいと思う。また、今月15日からフランス・カンヌで行われていた国際コンテンツ見本市「MIPCOM2018」にて、テレビ朝日が代行販売を行ったAbemaTVの恋愛リアリティーショー「恋愛ドラマな恋がしたい」の中国版制作・配信が決まった。今後もAbemaTVコンテンツをマルチに展開していく。続いて、KDDIとのビデオパスにおける協業について報告する。10月クールドラマでは、「リーガルV」、「科捜研の女」の見放題独占配信を実施し、いずれも好評を博している。4月クールに放送し、いまだ人気が続いている土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」についても、ビデオパスにて大幅に期間を延長して配信している。その「おっさんずラブ」のコンテンツ展開について報告する。10月4日に発売の「シナリオブック」、10月5日に発売のDVD&Blu-rayはともに好調で、特にDVD&Blu-rayは10月22日付の「オリコン週間DVD&BDランキング」において、ドラマ作品としてはオリコン史上初めてとなる2週連続DVD&Blu-ray同時トップ10入りを達成した。更なる展開としては、明後日11月1日から「おっさんずラブ」のコミカライズ連載を人気女性マンガ誌「BE・LOVE」(講談社)にてスタートする。ストーリーはドラマ版の脚本に準拠し、「人を好きになるピュアさ」に焦点を当てて丁寧に漫画化される。また「おっさんずラブ」初となる公式展示会「おっさんずラブ展」については、東京・大阪会場とも完売にて終了した。そして先週金曜日からは名古屋のパルコギャラリーにて絶賛開催中だ。さらに東京会場は催事としては異例となる前売り即日完売となり、ファンの皆様から再度の開催希望が多数届いたことから、急遽11月16日から渋谷タワーレコードにて凱旋展示を行うことになった。期間も1か月間と大幅に延長したので、是非沢山の方にご覧頂ければと思う。続いて、国際ビジネス展開について報告する。弊社出資による新作アニメ「バランガイ143」が、フィリピン地上波大手GMA7にて10月21日午前10時から放送をスタートした。フィリピンのシナジー88社と国際共同製作を進めてきた本作は、フィリピンを舞台にした初めてのアニメ作品として、現地では放送前から大きな話題となっており、初回の視聴率も同時間帯で横並びトップと好調なスタートとなった。また、フィリピンでの放送に加え、世界展開を目指しており、今月中旬にフランス・カンヌで開催されたMIPCOMにて、テレビ朝日から各国へ積極的なセールスを行っている。最後にイベント関連だが、世界で最もよく知られる名画の一つ「叫び」を描いた西洋近代絵画の巨匠、エドヴァルド・ムンクの大回顧展が10月27日から東京都美術館で始まった。100%ムンク作品という本展示会の中で最注目は、複数描かれた「叫び」のうち、ムンク美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の「叫び」で、今回が待望の初来日となる。その「叫び」など約60点の油彩画に、版画などを加えた全100点で、約60年にわたるムンクの画業を振り返る。尚、展覧会スペシャルサポーターは黒柳徹子さんだ。
亀山専務:出資映画の公開を報告する。志尊淳さん主演の「走れ!T校バスケット部」が今週末の11月3日に公開となる。
※AbemaTVで、スポーツ配信をフィギュアや日本シリーズ、駅伝などやるというが、具体的にどういう形でテレビと同時に配信して、広告収入が得られるのか。
角南社長:AbemaTV独自の映像展開、実況解説となる。例えば全日本大学駅伝では、全ての大学のたすき渡しを見せることを、ひとつの目玉として取り組む。解説も別角度から解説する。地上波の補完的な役割となる。今回初めてになる。
※補完的ということは地上波を見ながらAbemaTVを楽しむということか。
角南社長:いろいろな形態が考えられる。地上波を補完するダブルスクリーン、または屋外などでAbemaTVで見る。年齢層も違うし、利用の仕方は個人それぞれだろうと思う。
※「おっさんずラブ」は社会現象にもなった。東京ドラマアウォード2018グランプリを受賞したことをどう分析し、また次の展開で何か考えていることがあれば教えて欲しい。
角南社長:「東京ドラマアウォード」の連続ドラマ部門でのグランプリ獲得は、テレビ朝日の番組としては初めてのこと。また個人賞も、主演男優賞並びに助演男優賞を当社の番組出演者が受賞するのは初めてだ。当社としても大変喜ばしいことだ。これはひとえに田中圭さん、吉田鋼太郎さん、脚本の徳尾浩司さんをはじめとするキャスト、スタッフが一丸となり、土曜ナイトドラマを大ヒットさせるという共通の思いが結実したものだと思っている。
※「報道ステーション」が10月にリニューアルされたが感想は。
角南社長:出演者、スタッフとも試行錯誤の最中だ。始まって間もないのでぎこちない面等々あるかもしれないが、徳永有美キャスター、竹内由恵アナウンサーが加わったことでスタジオが明るくなり親しみやすい雰囲気も出てきたのではないかと思う。いい結果、いい視聴率が続いていけばいいと思う。
※「ミュージックステーション」のサブキャスターが新人の並木万里菜アナウンサーに代わったが、感想、期待することは。
亀山専務:「ミュージックステーション」は定期的に、タイミングを見て新人アナウンサーを起用している。記者発表の時もそういった形を示させていただいた。また新しいアナウンサーが、タモリさんの下で活躍して、勉強してくれると良いと思っている。
※「ミュージックステーション」の初回を見ての手応えは。
亀山専務:緊張感はもちろんあったが、良い形でスタートを切ってくれたのではないかと思う。
※「リーガルⅤ」は2話目で視聴率が伸びたが、なぜこの番組が視聴者にうけていると思うか。
角南社長:米倉涼子さんが木曜日の夜に再び新鮮で、痛快な魅力あふれる主人公像を表現している。その魅力が視聴者の皆様に広く、そして好意的に受け入れていただいた結果だと思っている。