社長定例会見

早河洋会長兼CEO 角南源五社長 会見(9月27日)要旨

2016-09-28
※半年ぶりに早河会長に出席頂いた。この半年、AbemaTVも始まり多角的な戦略をテレビ朝日は行っているが、そういうことを含めて所感を。
早河会長:上期の全体的な話を簡単にさせて頂く。9月もあとわずかになったが、連結ベースで上期の業績は堅調に推移している。タイム、スポット収入はなんとか予算レベルは確保出来る見込み。放送外収入も期首の予算は達成出来そうだ。インターネット事業は増収が見込めるし、「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」も昨年比で来場者が80万人増えて544万人となって増収増益だった。グループ会社の業績も全般的に好調である。下期スタートの10月11月はスポットも良いと聞いていて、10月編成も期待出来るので、後半戦の下期も頑張っていきたい。視聴率は、4月からの年度の上期がもうすぐ終わるが、全日、ゴールデン、プライムがいずれも民放2位ということ。この上期はNHKが3区分とも災害放送あるいはリオオリンピックなどで大幅上昇ということだ。上期最大の収穫の一つは報道ステーションのリニューアルが成功したこと。ここまで昨年上期と同じ平均11.4%と堅調に推移している。富川、小川両アナウンサー、後藤謙次さんのトリオの安定感、信頼感が貢献していると思う。また、スポーツ、天気のキャスター陣も評判が良い。先般開かれた放送番組審議会では「直球で勝負するのが今の時代に合っている」「最高の報道番組」と絶賛された。もう一つは、午前帯の好調ぶり。「グッド!モーニング」は7時台が4月から平均7.8%。日によっては8%も珍しくない。「羽鳥慎一モーニングショー」は9月3週7.7%、先週も8.0%で、2週連続民放トップを記録した。こうした結果から、月曜日から金曜日の午前帯、つまり6時から12時までで民放のトップ争いに加わっている状況だ。午前帯の情報系番組と「報道ステーション」、あるいは夕方のニュースなどが全日視聴率への貢献度が高くなっている。それから下期については、10月編成はこの午前帯の好調に加えて、実績のある「相棒」「ドクターX~外科医・大門未知子~」などのドラマ、フィギュアなどのスポーツ、「日曜もアメトーーク!」などのバラエティで、トップとの差を少しでも縮めていきたいと考えている。AbemaTVであるが、当社にとって上期の重要な経営マターであって、半年が経過した。10月中にも1000万ダウンロードを達成する見通しで、半年でこのペースの普及は非常に順調だ。7月から営業活動を本格的に始めたが、月毎にナショナルクライアントの出稿が増えている状況。今後もコンテンツの更なる充実、チャンネルの拡充を進めて、いつも見てくれるユーザー数を増やして、広告主にインターネットTVとして広告宣伝に利用活動してもらえるよう、営業活動にも努力をしてまいりたい。
※最新の視聴率状況を。
角南社長:私の方から7月クールの状況、9月の月間について報告する。まず、7月クールの状況だが、全日、ゴールデン、プライムが民放2位。プライム2が2位。全日帯では「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」、4月に放送時間を拡大した「スーパーJチャンネル(土)」が前年よりプラスで推移して、前年比+0.3ポイントで推移している。9月の月間については、全日、ゴールデンが民放2位。プライム、プライム2が2位。全日は2カ月連続、ゴールデンは2カ月ぶりの民放2位。プライムは2カ月ぶりの2位だ。平日の午前帯のベルト番組が引き続き好調で、全日は前年比+0.2ポイントで推移している。
亀山常務:昨日までの視聴率状況についてご報告する。年間平均は全日が7.3%、プライムが10.6%、プライム2が6.8%で2位。ゴールデンは10.2%で民放2位という状況だ。4月からの上期平均は全日が7.1%、ゴールデンはTBSと同率の9.8%、プライムが10.3%で民放2位。プライム2が6.5%で2位。残り6日間。7月クールは、全日は7.1%、ゴールデンが9.6%、プライムが10.1%で民放2位。プライム2が6.3%の2位という状況だ。4月から放送時間を拡大した「スーパーJチャンネル(土)」が前年同時間帯に対して2.8ポイント上回る、クール平均8.7%と非常に好調なのが特筆されるところだ。7月クールの番組を振り返ると、バラエティ番組では「池上彰のニュースそうだったのか!!」や「Qさま!!」が前クールを上回る形となっている。先日の「30周年記念特別番組 MUSIC STATION ウルトラFES」は2回目となるが、プライム帯で13.9%で同時間帯トップを獲得した。また、18年間にわたり当社の視聴率を支えた「いきなり!黄金伝説。」は先週(9/22)の放送で本年度最高の14.9%を獲得して最終回を迎えた。7月クールのドラマでは「刑事7人」が平均10.3%で、民放14作品中3位。木曜ドラマ「はじめまして、愛しています。」が4位。スポーツではいよいよ始まったサッカー「FIFAワールドカップ2018ロシア アジア最終予選」、9月1日のホームのUAE戦が17.2%、9月6日のタイ戦が20.3%という視聴率を獲得していて、残り8試合に期待をしているところ。続いて、今後の主な放送予定を報告する。いよいよ10月の新ドラマがスタート。「相棒season15」は10月12日。7月のSP番組で今年のプライム帯ドラマ最高視聴率22%を獲得した「ドクターX~外科医・大門未知子~」は翌13日の木曜日。木曜ミステリー「科捜研の女」は第16シーズンになるが、10月20日のスタート。そして金曜ナイトドラマは、TOKIOの松岡昌宏さんがテレ朝史上初の男性家政婦に扮する「家政夫のミタゾノ」は10月21日のスタートとなる。バラエティ番組では10月16日に「日曜もアメトーーク!」、10月13日に木曜19時に移動する「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」がスタートする。スポーツだが、「FIFAワールドカップ2018ロシア アジア最終予選」は10月6日にホームでイラク戦、10月11日にオーストラリア戦となる。いよいよ「フィギュアスケート グランプリシリーズ 世界一決定戦2016」も10月22日のアメリカ大会を皮切りにスタートする。
※10月からビデオリサーチ社から関東地区の調査でリアルタイム視聴とタイムシフト視聴の調査を一緒にする。新しい調査を営業活動、番組制作にどのように活かしていくのか。
亀山常務:もともと広告主の皆様からの「より精度の高い取引データを」という声を確認しているが、今回600から900にサンプル数が増えるということは当然精度が上がるということだし、それにタイムシフト視聴を一緒にして「総合視聴率」にするということ。もちろん、貴重な視聴率指標として今後コンテンツにも活かしていきたいと思っている。ただ、まだ全国的なデータになるには、来年が関西、名古屋と聞いているし、主要地区に行くのは再来年ということもあり、日報も放送日の9日後という形なので、まだまだこれから進化をしていくものと思っている。色々、番組作りにも活かしていきたいと思っている。
早河会長:タイムシフト視聴の視聴率データは我々も購入していて、それによると、よく再生されているのはドラマ、アニメ、それから当社でいうと「アメトーーク!」みたいなバラエティ。こういうものは評価されているが、タイムシフト視聴で受ける番組に力を入れていくというより、まずはリアルタイム視聴を視聴者に楽しんで頂く、見て頂くよう番組制作をやっていく方針だ。
※営業状況について
角南社長:8月のセールス実績から申し上げる。タイムは前年比107.3%、スポットは95.6%、トータルでは102.0%で確定した。タイムだが、リオ五輪の売上がけん引し、昨年から大幅に売上を伸ばすことができた。スポットは、タイムの反面、リオ五輪売上への宣伝予算シフトもあってか、市況は久しぶりの前年割れとなる東京地区前年比92.0%となった。こうした中、当社はプロモートに努め、売上を積み上げた結果、東京地区の伸び率より高い水準となっている。9月の営業状況だが、現状タイムは前年比104%+α、スポットは106%+α、トータルでは105%+αで推移している。タイムは、「サッカーロシアW杯最終予選」の2試合、「Mステ ウルトラFES」等のセールスにより、現時点ですでに前年以上の売上となっている。スポットは東京地区は低調だった8月から市況は上向いてきており、前年水準を超えてくる見込みだ。当社は地区水準を上回る売上を作れる見込みで推移している。10月の営業状況。現状、タイムは前年比94%+α、スポットは97%+α、トータルで95%+αで推移している。タイムだが「ロシアW杯最終予選」の2試合とフィギュアグランプリシリーズ(アメリカ大会・カナダ大会)などのスポーツ単発のセールスに注力して、前年以上の売上を目指していく。スポットだが、10月の市況は9月に続き活況の見込みだ。
※放送外収入について
角南社長:夏祭りについて説明申し上げる。「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION」が無事閉幕した。会場には昨年の463万人を超える、のべ544万人ものお客様に来場いただいた。お陰様で各種の売上も、昨年を上回る結果となった。大きな事故もなく大変好評であったと思っている。このイベントは当社が成長事業と位置付けている「メディアシティ」構想の柱として2014年から開催しているが、3年目の今年は、さらにエリアを拡大して臨んだ。特に六本木ヒルズイーストコートで開催した「ドラえもん 南極カチコチパーク」や、テレビ朝日本社屋上テラスの「ドラえもんミルクランド北海道」、「ロンハー×アメトーーク!屋上パーク」が家族連れに大人気となった。連日多くの皆様に楽しんでいただいた結果、来場者は昨年を80万人も上回る大盛況となった。コンテンツ連動・宣伝展開含めて、一定の成果を挙げられたと思う。
平城常務:続いてイベント・コンテンツビジネスについてご報告する。デジタル事業のAbemaTVの進捗状況から報告する。アプリのダウンロード数は、4月11日の本開局以降、3カ月で500万を突破。その後ちょうど5カ月となる9月11日に800万ダウンロードを突破して、昨日までに871万ダウンロード、来月には1000万ダウンロードも突破するのではないかという状況だ。直近の番組では夏祭りの最中に、1時間のライブステージなど全57番組を連動し六本木ヒルズアリーナから生放送し、総視聴数は320万視聴を越えた。また地上波連動として9月16日に、マツコ・デラックスさん、福山雅治さん出演の「夜に建物を探訪する」という番組を編成した。この番組では非常に高い視聴数を獲得し、この模様は明日の夜、地上波で放送する「夜の巷を徘徊する1時間特集」で紹介させていただく。さらに「ドクターX~外科医・大門未知子~」最新シリーズの10月編成に併せ、「ドラマチャンネル」で10月3日から2012年に放送したシリーズ第1作を放送する。また機能面も、目的の番組を検索することができる新機能「検索機能」を実装し、さらなる開発を行っている。続いてAbemaNewsについてご説明する。災害対応では、8月以降は台風上陸が相次いだため、系列局の協力の元、地上波の台風特番をサイマルするほか独自番組での緊急編成も行った。9月初めに台風12号が九州に上陸した際には、AbemaNewsスタッフによる独自取材にも着手し各地から独自の中継リポートを行った。引き続き“災害時に頼れるサービス”のあり方を模索していきたいと考えている。それ以外にまた、注目度の高い記者会見について、8月には高畑淳子さんの記者会見、9月にも福原愛さんの結婚会見、梅宮アンナさんの緊急会見などを放送し、いずれも高い視聴数を獲得している。今後も24時間ニュースならではの柔軟かつ大胆な編成によって、視聴者・ユーザーのニーズに応え、地上波と補完し合えるようなサービスを目指していく。続いてKDDI株式会社と昨年の8月に提携したビデオパスにおける協業についてご報告する。共同制作の第1弾「AKBホラーナイト アドレナリンの夜」で連続ドラマ主演の座を射止めた島崎遥香さん主演の連続ドラマを10月17日からスタートする。「警視庁 ナシゴレン課」は秋元康さん企画・原作のワンシチュエーションコメディの刑事ドラマだ。放送直後よりビデオパスにて見放題独占配信し、ビデオパスだけのオリジナルショートムービーも配信予定。また米倉涼子さん主演「ドクターX~外科医・大門未知子~」からシリーズ初のスピンオフドラマ「ドクターY~外科医・加地秀樹~」を9月29日からビデオパスにて見放題独占配信する。加えて「ドクターX」最新シリーズの放送に併せ、こちらもシリーズ第1作をビデオパスでも配信する。引き続き、コンテンツの充実を図り、ビデオパス会員増に向けた取組みを強化していきたいと考えている。続いてイベント事業。秋の3大グルメ祭りが絶賛開催中となっている。毎年この時期、新宿・大久保公園で約2カ月間開催している「秋の3大グルメ祭り」。今年で4年目となる「激辛グルメ祭り」は過去最長の24日間に過去最多の23店舗が出店して開催、14万人の方々にご来場いただき大盛況に終わった。現在は「ガーリックパラダイス」という企画で中国、韓国、タイ、スペイン、メキシコ、ハワイ料理の専門店など自慢のニンニク料理を振る舞うという趣向だ。3大グルメ祭りの最後を飾る8年目となる看板イベント「大つけ麺博」が来月6日に開幕、31日まで開催する。「大つけ麺博」であるが今年のテーマは「つけ麺VSラーメン 本当に美味いのはどっちだ決定戦」。会期を4期に分け、毎回ラーメン5店舗つけ麺5店舗が出店し、食べ比べをして投票していただき累計100万人以上にご来場いただいている大好評のイベントだ。是非会場に足を運んでいただき取材していただければ幸いだ。続
※AbemaTV、1000万ダウンロードも見えてきたが、テレビとの営業面でのすみわけをどう考えるか。
早河会長:元々テレビを見ない買わない若年層が増えている。内閣府の調査でも29歳以下の世帯主のテレビ保有率と言うのは84%位。15%はテレビを買っていない持っていないということだ。では何で代わりをしているかと言うと、それはスマートフォンやパソコンということになる。ターゲットを10代から30代に置いて、主にスマホで生活している若年層をターゲットにするということだから基本的にはコンテンツは全てそういう層が見てくれそうなものをチャンネルとして揃えた。パソコン向けだからとかタブレット向けだからという分け方はしていない。ザックリ言うと、ヤングジェネレーションに向けて、テレビをあまりリアルタイムで見なくなった層に届けようということだ。営業は7月から始めたが皆さんもお分かりになると思うが、広告主と言うのは自分たちの商品やサービスを買ってもらうためにやるわけで、1000万ダウンロードに近づいているといっても、まだメディア的な価値というか信頼度とか影響力とか、色々な総体として評価が定まっているという訳ではない。まだ2カ月くらいしか経っていない訳で、したがって、「これからは営業活動に取り組む、努力する」と言ったのはAbemaTVの良さをアピール力というかそういうものを広告主に認知してもらう。そうすることによって1000万が意味を持ってくると思っていて、そのダウンロード数そのものが最終目標ではないので、走り続けるという感じだろうか。さらに大きなユーザーを獲得して、それを見てこれが広告宣伝媒体としてかなり使えると、アドバタイザーが思って下さるように継続していくということだ。
※4K・8Kに関して、実用放送の認定申請など対応はどのようになっているのか。
藤ノ木専務:来月の締切なので、社内で検討している最中である。12月から始まる試験放送には参入するし、4Kのコンテンツは今後も作っていく。

以上