社長定例会見

吉田慎一社長 社長会見(10月27日)要旨

2015-10-28
※最新の視聴率状況について
吉田社長:実績・人気のあるドラマ「相棒season14」「科捜研の女」はご存じのように好発進した。先週からは新ドラマ「遺産争族」「サムライせんせい」も好スタートをして、今クールは期待できるなと思っている。「羽鳥慎一モーニングショー」をはじめベルト番組も上昇気流にあって、この調子で10月クール、そして1月クールに進んで欲しいと期待を持ちながら見ている。
平城常務:最新の視聴率状況、まず年間から。全日7.0%・ゴールデン10.8%・プライム11.1%、プライム2が6.9%と全区分2位という状況だ。年度平均は全日6.8%・ゴールデン10.4%・プライム10.7%・プライム2が6.7%とこちらも全区分で2位という状況となっている。続いて10月月間の最新状況は、こちらも全日7.1%・ゴールデン10.6%・プライム10.7%・プライム2が6.2%とこちらも全区分で2位となっているが、ドラマが好スタートを切っている。水曜21時の「相棒season14」は初回の2時間SPが2015年連続ドラマ初回1位の18.4%でスタート。木曜ミステリー「科捜研の女」も初回2時間SPが13.5%でこのシリーズ初回としては歴代6位。井上由美子さん脚本の木曜ドラマ「遺産争族」は、初回が同時間帯トップとなる14.2%で、10月クールドラマの初回としては第4位となっている。全日帯の報道情報ベルト番組も概ね前年平均よりプラスで推移している。具体的には「羽鳥慎一モーニングショー」が平均5.9%と前年平均を0.6ポイント上回って推移という状況。また「グッド!モーニング」の6時台7時台が、前年平均をそれぞれ0.5ポイント、0.9ポイントUPという状況で推移している。「ワイド!スクランブル」も第1部で前年平均0.5ポイント、第2部が前年平均で0.7ポイントUPと、情報番組は前年よりすべて良い状況となっている。続いて今後の主な放送予定について。ビッグスポーツイベントが続々とラインナップされている。10月31日と11月1日は「フィギュアスケートGPシリーズ2015 カナダ大会」を放送する。このカナダ大会には日本人史上初の3連覇の期待もかかる羽生選手が出場予定となっている。また11月6日7日の中国大会には2年ぶりの復帰となる浅田真央選手に注目が集まっている。それから野球の世界ランク上位12カ国による最高峰の戦い「WSBC 世界野球プレミア12」は11月8日の開幕で、当社は開幕戦他、決勝戦・3位決定戦の11月21日まで放送を予定している。また7月クールの金曜ナイトドラマ「民王」がオリコンの「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」で四冠を獲ることができた。作品賞、主演男優賞は遠藤憲一さんと菅田将暉さん、助演男優賞は高橋一生さん、脚本賞は西荻弓絵さんと四部門獲ることができた。またギャラクシー賞の9月月間賞も受賞している。
※新相棒に関してどんな感想を持ったか。
吉田社長:いきなり良い感じのコンビネーションでスタートしたなと思う。反町さんの時々くだけた感じを出しながら、一方で骨太なキャリア官僚という切れ味のある存在感をきっちり出していただいた。相棒が代わることによって新たなフェイズ(段階)に持ってきたシリーズだが、このまま進んで新しいページを開いてくれるのではないかと期待は大きい。今のところまだ「同居人」とドラマの中では言っているが、そのうち完全相棒フェイズに入ってくるのではないかと私も楽しみにしている。
※今後の年末年始の企画で何か決まっていることは。
平城常務:当社は年末年始、特に三が日は安定した視聴率を獲得しているので、基本的には恒例の編成となる。既に9月23日の「ミュージックステーション ウルトラFES」でも観覧券のプレゼントを発表したように、恒例の「ミュージックステーション スーパーライブ2015」の編成を予定している。「相棒スペシャル」「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」など視聴者の皆様のご期待に添えるような番組を検討している。
※営業状況について
吉田社長:9月の営業売り上げは、タイム前年比101.0%、スポット96.4%でトータル98.6%となった。タイムは「U18野球ワールドカップ2015」のセールスや「ミュージックステーション ウルトラFES」を含む期末単発のセールスで、前年水準を超えることができた。一方スポットは7月に一時的に回復したものの2月以降続く市況の低迷から脱し切れておらず前年水準に届かなかった。10月の営業売り上げは、タイムが前年比97%+α、スポット94%+α、トータル96%+αで推移している。タイムはレギュラー番組と10月後半の強化単発の空枠セールスや、10月31日の「フィギュアGPシリーズ・カナダ大会」そしてソフトバンクが日本シリーズに進出したので編成する可能性がある第6戦についても、セールスに注力し売上を積み上げている。スポットは10月段階では市況は伸び悩んでおり前年水準には届かない見通しとなっている。11月のセールス状況。11月の営業売り上げは、タイム前年比91%+α、スポット98%+α、トータルで95%+αで推移している。タイムはレギュラー番組の空枠セールスが順調に進んでいる。また11月はスポーツイベントが多くあるので「世界野球プレミア12」「フィギュアGPシリーズ」「全日本大学駅伝」等のセールスをしっかりやって、前年以上の売上を目指していく。スポットはこれまでの市況が好転し、年末商戦に向け需要は旺盛になってきた。東京地区は7月以来の前年水準越えが予想され当社としても少しでも売上が伸ばせるようにセールスに注力していこうと思う。
※放送外収入について
角南常務:まずはデジタル事業。8月20日に発表したKDDIとの「ビデオパス」における業務提携の進捗状況について説明する。10月クールでは「AKBホラーナイト アドレナリンの夜」のほか、「科捜研の女」「遺産争族」「聞きにくいことを聞く」の見放題独占配信を開始した。各ドラマ、各話いずれも、配信日のビデオパス国内ドラマ部門再生ランキングで上位を獲得している。特に「遺産争族」第1話の配信翌日である23日には、国内ドラマランキング上位5位をテレビ朝日が独占した。KDDIとの共通目標としてビデオパス会員数を掲げており、各種取り組みのデータを分析して、会員増につなげていきたいと考えている。次に「東映特撮ファンクラブ」について。10月1日に東映、バンダイナムコライツマーケティングとの3者共同事業「東映特撮ファンクラブ」、これについて共同記者会見を開いた。同日に配信開始した公式アプリ「東映特撮ファンクラブ」の主要サービスの一つである動画配信は、過去の膨大なアーカイブ作品の視聴、現行放送の見逃し視聴と、「東映特撮のすべてがここにある」というサービスになっている。ネット上でのプレゼンスを高めていくために重要なのは、魅力的なコンテンツと、それを創り上げていくパートナーとの連携で、東映、バンダイナムコグループとともに育ててきた仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズを、インターネット上で大きく展開できることになった。東映特撮ヒーローに24時間365日会えることをコンセプトとした公式アプリ「東映特撮ファンクラブ」。これまで、仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズをそれぞれの立場で育ててきた3社で協力して、スマホ上での接触機会をどんどん増やし、ますますファンを増やしていきたいと考えている。次にイベント事業。「大 関ヶ原展」148日間のべ37万人を動員して閉幕した。当社企画制作による大型展覧会「徳川家康没後400年記念 大 関ヶ原展」が、10月4日に東京、京都、福岡と合わせて3会場でのべ37万人を動員して148日間の会期を終えた。「天下分け目の戦い」として知られ、戦乱の世からその後260年続く江戸時代への流れを作る大きな節目となる「関ヶ原の戦い」を、東京、京都、福岡の3会場で国宝、重要文化財60点以上、合計300点以上という史上最大規模の「本物」の出陳品により本格的に回顧するという企画性が非常に高く評価された。歴史好きで知られる女優の杏さんによる音声ガイドも大好評を博した。3会場とも足を運んでいただいたお客様も多く、歴史・展覧会のファン層はもとより、春休み・夏休みのファミリー層、“レキジョ”、“刀剣女子”といわれる若年・女性層にいたるまで、幅広い年齢層の方に満足いただいた企画となった。各メディアでも多数取り上げていただき、感謝したい。最後に、「テレビ朝日ドリームフェス」3日間とも即日完売のお知らせ。音楽ファンにはすっかり人気が定着した当社の大型イベント、今年で5回目となる「テレビ朝日ドリームフェスティバル2015」を11月に開催する。チケットが10月18日に発売となり、おかげさまで計30,000枚を即日完売した。出演は5周年記念にふさわしく、B’z、X JAPAN、三代目J Soul Brothersなど豪華アーティストが勢揃いする。公演は11月21日(土)~23日(月・祝)に代々木第一体育館で開催する。
※昨日スタートした「TVer」など動画ビジネス・無料見逃し配信、今後の戦略について。
吉田社長:昨日スタートしたばかりで、具体的なまとまったデータは手元にないが、そういうものを見ながら、今後考えていくと思う。今回、他局とまとまった形で見逃し配信の共通窓口が出来たということにある。我々も今年初めから、色々な形でのキャッチアップサービスを、「テレ朝動画」その他のチャンネルでやっているが、そういうものと比べて共通窓口を作ったものがどのように違うのか。それから、新しい10番組にどういう反応があるのか、ある種のテストケースという意味も含めてやっている。結果を見てじっくり考えたいと思っている。ただ、「TVer」自体は5つの局で話し合いながらやっているので、我々の意見だけでどうなるものではないので、前向きに対応していくつもりだ。

以上