放送番組審議会

第646回 放送番組審議会報告 3月14日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
増田  ユリヤ  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
小谷  実可子  委員
小松  成美  委員
丹羽  美之  委員
野口  聡一  委員
藤田  晋  委員
LiLiCo  委員

課題番組

「出川一茂ホラン☆フシギの会」

【委員の主なご意見】

<出演者について>
●この3人のコラボレーションの妙は他の番組の追随を許さない。3人の会話によって生み出される空気に引き込まれる。この会話を大切にすることが、この番組の原点、本分。

●予定調和がなく(制作側の)“3人が思ったことをそのまま話してください”という意図が分かり、顛末を導かない。
そのハラハラ感が、この番組を力のあるものにしている。

●ロケVTRが多い番組と違い、出演者の3人がたくさん画面に映り、たくさんしゃべる。実力があり、好感度が高い3人だからずっと見ていられる。出演者それぞれの良さを引き出すので3人はこの番組でもう一段人気者になり、スーパースターになっていくのではないだろうか。

●ホラン千秋さんは生き生きとして能力を出し切っているし、出川哲朗さんは(もともと)巧いがここでは際立っているし、長嶋一茂さんも良いところが全開している。3人それぞれの“素”が出ているのがとてもよい。

●3人が遠慮なく本音で言葉をぶつけ合っているが、その裏に思いやりが見えるため安心してそのツッコミや鋭い発言を見ていられる。

●(水中脱出を試みるマジシャンのことを)3人が心配して言葉をかけているのがすごく温かくていいなと思う。この番組は3人の“愛”がテーマなのだろう。

●(紹介される)ネタ自体は新鮮味がなくても、あの3人が扱うととても新鮮に感じられる。

<構成・内容などについて>
●とても面白く、テレビ朝日のバラエティーの力を感じた。ネタの並べ方、出し方に惹きつけられた。今後は「ザワつく!金曜日」とどう差別化するか、進化させていくのかがテーマになると思う。

●ハイスピードで色々なネタを流し、1つ1つ掘り下げないでさらっと終わらせるところがすごく良い。1つ1つのネタが3人のトークを引き出すために使われているのが小気味良い。

●超高速のイリュージョンから、くだらない発明品、AIを使ったベタ褒めシャワールームまで、これだけ雑多なものを詰め込んだら、
通常は破綻しそうなものだが、“フシギ”というコンセプトでパッケージ化することに見事に成功している。これは作り手の企画の勝利だ。

●今後の方向性は、不思議なものをどんどん見せて、その内容で勝負していくのと、不思議なものをフックとして、3人の関係性やトークを面白く見せていくのとどちらでいくのだろうか。

●なんとなく序盤から徐々にハマり、最終的には夢中になるというのは、1本の映画を見たような感覚。構成自体が映画みたいになっている。

●質の高い〈ノンストップイリュージョン〉の後の〈ギリギリ役に立つ発明品〉はちょっと落ち着ける笑いどころだった。イリュージョンのようなテンションの高さが続くとドキドキして疲れてしまうが、ゼーゼーしてきた呼吸を落ち着けるいい箸休めになっていた。

●突っ込んでわざわざ説明せず、でも、ちょっとした教養が得られ、それらをテンポよく見せてくれていて、非常にうまくできている。
構成が素晴らしい。

●“フシギの会”なので、超能力とかオカルトやスピリチュアルのようなものが入ってくる余地があると思う。民放連の放送基準には催眠術や心霊術の取り扱いには注意するようにとあるので、今後、超能力や超常現象などを取り上げていくことがあるとすれば、扱い方には注意した方がよい。

<放送時間・その他>
●夜7時台は主婦にとっては一番落ち着いて見られない時間帯なので、もったいないし、ちょっと悔しいところもある。毎回録画予約をして楽しみたい。

●今回(3月5日放送を)見て、面白かったから来週も録画して見ようと思ったが、(その時間は)全然別の番組だった。テレビ朝日は面白い番組だと思っても、翌週放送がないことが多い気がする。テレビは人の生活のサイクルを作る。1時間でいいので、毎週放送してほしい。

●番組本編はとても面白いのに、予告編を見た時に、よくある感じの印象しか得られなかったのが残念。番組を見た時の面白さやテンポ感、トーク力が伝わってこなかった。

【局側見解】

●元々3人のキャラクター、関係性の面白さを追求することを大事にしてきたが、19時台に上がり、企画の情報性と3人の面白さの追求の間でどの辺に軸足を置くか悩みながら作っているところ。ご意見を参考に軸足を定めていきたい。

●3人はカメラが回っていないところでもずっとあの感じでしゃべっている。その仲のよさを伝えられたのかなと安心した。“フシギ”という呼び水で、3人のトークやリアクションをうまく表現できるよう、色々と試していきたい。

●今後も色々な“フシギ”なものをネタとして探しつつ、3人のトークの魅力や絡みをより引き出せるよう、ロケなど新しいこともやっていきたい。

【篠塚社長 報告】

●視聴率報告
●放送予定番組の紹介
●4月改編について
以上