放送番組審議会

第636回 放送番組審議会報告 3月17日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
内館  牧子  委員
小松  成美  委員
丹羽  美之  委員
藤田  晋  委員
増田  ユリヤ  委員

■リポート
小谷  実可子  委員

課題番組

「キョコロヒー」
「ハマスカ放送部」

【委員の主なご意見】

<「キョコロヒー」について>
●齊藤京子さんとヒコロヒーさんの2人の掛け合いはお互いの良さを引き出し合っている。ゲスト、テーマ設定も深夜にリラックスして見られる作りになっている。

●気負わない、自分の価値基準を大切にしている女性が醸し出す雰囲気で、番組が華やかになっている。

●ヒコロヒーさんは、言葉のトーンや表情、ツッコミどころも自然体。多くの苦労や困難を乗り越えていて包容力もある。

●ヒコロヒーのSNSをフォローした大物芸能人を番組に呼んでしまうというノリの良さ、機動性がいい。収録番組でもこのような手法をとることでライブ感を出すことができる。

●“WBCが楽しみになるスペシャル”では、WBCがこれだけ盛り上がる中、興味がない人たちの気持ちが垣間見える、深夜番組らしい切り口が面白かった。ゴールデン・プライムではWBCに熱狂しつつ、深夜ではちょっと醒めた目線で扱うという多様性がとてもいい。

●MCがある種の女子会的な本音で語っているのが面白い。また、この2人にディレクターが「こういうことを聞いてもらっていいですか」とガチで言っているところを見せているのが、番組作りを一緒に見ているような感じを抱かせて効果的な演出だ。

●女性3人のトーク番組はこれまでもあったが、女性2人のトーク番組を作ろうという発想がすごい。思いがけない人たちを融合させて、
掛け合わせるとどうなるかという番組の走りになったのではないだろうか。

●“雑でない投げやり”というか、“真心のある投げやり”というか…。本当のことしか言わないということが如実に効果的に出ている。
<「ハマスカ放送部」について>
●ハマ・オカモトは自然体だが、大したトーク力。奥田民生さん出演のやりとりはたまらなかった。もっと、同じように面白いミュージシャンを出してほしい。

●ハマさんは硬さと軟らかさのバランスがいい。齋藤飛鳥さんは媚びた感じが全く見えないのがいい。ゲストに誰を呼ぶかは大きい。年上の大物歌手を呼ぶととてもいいのではないいか。この2人なら、いたずらにふざけたりすることなく上手に料理するだろう。

●学生時代の軽音楽部の部室のような雰囲気のゆるい音楽のトーク番組。その空気感が視聴者を巻き込み、部員の一人のような気持ちにさせてくれる。

●MCが楽器を演奏できるのは大きなポイント。(ベーシスト、ドラマーとしての)パフォーマンスに引き込まれた。奥田民生さんが加わって、番組のテーマ曲が出来ていく様子は見ていてとても楽しく、自分も部活動に参加しているような気分になった。

●しゃべりのプロでないベーシストとドラマーの雑談が非常に面白い。飛鳥さんがドラマーとして本気で、言葉以上に音楽で語り合っている感じが心地よい。

●飛鳥さんは「バラエティーはやりたくない」という意思表示もしている。ならば彼女が考える「バラエティーではない何か」をする番組を作ってはどうか。やりたいことをすることで、ポテンシャルがどんどん開けて、魅力的なエッセンスになっていくのではないか。
<2番組共通>
●スタジオで2人の若者がVTRについて語るという似た感じの30分番組が夜中に2つ続くのは勿体ないのではないか。

●2番組続けることに意味がある。わざとらしさが1つもない、媚びない2本がこれだけの世界観を作っている。

●緩やかなリズムと“素”であることがこの2つの番組の魅力。多様なテーマを扱うが、興味の範囲を決して押し付けない。その緩さゆえに視聴者に繋がりたいという気持ちも生まれるので、番組を離れたリアルイベントというコミュニティーも作り得る。

●2つの番組はある種マニアックで視聴者層は狭いが、刺さる人にはすごく刺さるので、イベントやグッズ販売、配信といったものに親和性がある。単にゴールデンに昇格させればよいというのではなく、番組にあった育て方、発展のさせ方が今後は必要。

●MC2人の名前をくっつけただけの番組タイトルが気になる。番組を長続きさせるためにもタイトルは非常に重要。

●アイドルや女優は同業者といると緊張した発言や表情になることが多いが、別の職種の人と会う時は、生き生きとした表情を見せる。
ミュージシャン同士は、ポジションが違うと同業者でも仲良く話す。この2番組はうまいキャスティングをしている。

●一定の人が熱狂するサブカルに注目して地上波で取り上げるということは意義のあること。地上波のブランド力、新しい人に知らしめる力を夜の枠でもっと発揮してほしい。

【局側見解】

●この2番組はキャスティングの組み合わせに非常にこだわったが、それが番組の新しさ、軽やかさにつながったと思う。
今後、イベントにファン以外の人もいかに巻き込むか、配信をどうやってさらに伸ばすか、ご意見を生かして考えていきたい。

【篠塚社長 報告】

●視聴率報告
●4月編成について
●内館牧子委員ご退任
以上