放送番組審議会

第634回 放送番組審議会報告 1月19日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
小谷  実可子  委員
小松  成美  委員
丹羽  美之  委員
藤田  晋  委員
増田  ユリヤ  委員

■欠席者
秋元  康  委員
内館  牧子  委員

課題番組

「放送番組全般」

【委員の主なご意見】

<報道・情報関連>
●「羽鳥慎一モーニングショー 新春特大SP」(2023年1月1日放送)恒例の“初日の出中継”は、高度な放送技術やヘリのフライト技術を駆使していて、その技術の素晴らしさと、番組の準備、日の出の美しさに本当に感動した。

●玉川徹さんが「羽鳥慎一モーニングショー」に出演したのを何回か見たが、きちんと取材していて、予断をもってものを言うこともなくなっていると感じた。事実の裏付けがあるか慎重にやらなければいけないが、玉川さんと羽鳥さんの掛け合いも面白いし、玉川さんの庶民を代表して素朴な疑問を呈する姿勢は他にないものでもあるので、コメンテーター復帰も考えてほしい。

●「未来をここからプロジェクト」の「南極ノート」に注目している。テレビ朝日の取材チームが昭和基地の方たちと一緒に、笑顔で温暖化等の調査に取り組んでいる様子が伝えられ、応援したくなった。記者の実体験、実際の調査に関わって取材して現地から伝えるのは説得力があるし、その結果を見て、環境についてまた考える材料が1つ出て来る。このような取材の積み重ねがテレビ朝日の財産にもなる。

●FIFAワールドカップが盛り上がる一方で、カタールの人権問題も早くから指摘されていた。スポーツはスポーツで盛り上げつつ、その外にある問題点も、報道でしっかり指摘することをいかに両立するか。放送局は普段からトレーニングを続ける必要がある。

<バラエティー・ドラマ関連>
●「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん新春3時間SP」(2023年1月3日放送)で古代エジプト博士ちゃんの12歳の少女がエジプトに行ったツアーを感激をもって観た。今回の旅が彼女の今後の人生を大きく変えていくだろうと、今の教育の目指すべきシチュエーションをこの番組が実現してくれた。こういった経験を沢山の子供たちにさせてあげたいと心から思う。

●「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」はリニューアルで、より学びの深い番組になると期待していて、世界の感動的な動画や笑える動画が沢山あって楽しめたが、“学ぶ”動画ニュースとするなら、面白い映像を流すだけではなく、現地にいる人の経験やその国の実態を情報としてもっと見せてもらえると、より楽しめる。

●寺脇康文さん演じる亀山薫が復帰した「相棒season21」は、寺脇さんの演技力、個性により、現実感があり経済的な弱者や精神的に孤独な人々の心情をきちんと描いた物語になっている。また、普段あまりテレビでは見ないゲストが非常にいい演技をしていて「相棒」は隠れた名優を発掘する場になっているが、こういった俳優が光るのは、優れた脚本があればこそ。優れた脚本家の登竜門でもあるという意味で、
本当に素晴らしいドラマだ。
<スポーツ関連>
●ワールドカップカタール大会では、テレビ朝日とABEMAの協力体制が遺憾なく発揮された。

●ワールドカップではテレビ朝日とABEMAの存在感が大きかった。ABEMAは新しいワールドカップの楽しみ方を提案し、メディアとして大きく飛躍した。また、テレビ朝日はマスメディアとして、地上波テレビに期待される社会的な関心事にしっかり応える役割を果たした。

●スポーツの国際大会にロシアの選手を参加させる動きが出てきている。スポーツ界でも色々な意見が出ているが、テレビ朝日でも、様々な観点から情報収集をして、ロシアの選手がいざ出てきた時に、競技とウクライナ侵攻の問題をどう表現するかということを考えておいてほしい。

<その他>
●テレビは、家族で偶然同じ番組を見て、それについてみんなで語り合える唯一のメディア。何より子どもが見るべきではない過激なコンテンツや、食事中にふさわしくない内容が流れたりしないという、安全・安心・信頼が大事で、番組を制作する時に、そこを追求していくことが、長い目で見てゆるぎないブランドになり、テレビの価値を守っていくことになる。

【局側見解】

●今、視聴者は細分化されているが、広いタイムテーブルを使って、老若男女問わず、見ていただけるようなソフトを多く作っていきたい。

●コロナ禍の3年間の行動制限で、フットワークがさび付いていないか、問題意識をしっかりもちながら、取材と制作に邁進していきたい。

●スポーツ中継をいかに作るかだけでなく、スポーツを取り巻く環境まで視野を広げて伝え方をしっかり考えていきたい。

【篠塚社長 報告】

●年頭挨拶
●視聴率等報告

【その他 報告】

●視聴者センター応答記録
●次回審議会課題番組および開催日程
以上