放送番組審議会

第632回 放送番組審議会報告 10月6日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
内館  牧子  委員
小谷  実可子  委員
小松  成美  委員
藤田  晋  委員
増田  ユリヤ  委員

■欠席者
丹羽  美之  委員

課題

「放送番組全般」

【委員の主なご意見】

<「羽鳥慎一モーニングショー」(9月28日放送)での玉川徹の発言について>
●玉川さんが取材せずに発言したのか、取材したが誤った情報を入手してこの発言になったのか、誰からか誤った情報を得たのか、想像だけで言ってしまったのか、そこまで事実がつまびらかにされるべき。玉川さんが体制に向かってきっぱり言う意見には視聴者が溜飲を下げることも度々あった。それが予断であったなら、これまで積み重ねたものすら泥を被ってしまうことが本当に残念。
玉川さんには今回の問題を深く見つめ、対峙し、乗り越えて、番組に戻ってほしい。

●国民の意見を二分するような国葬問題に、玉川さん自身が非常に関心があり、思いが強かったがために出てしまった発言か。
国葬がきちんと法整備されたものでないのであれば、その問題をどう考えるかという1歩先の議論に進められるとよかった。
玉川さんにはきちんと番組に出て、視聴者の代弁をし、自分の思いを語ってほしい。

●(国葬の入札を巡る問題について)玉川さんは本来知っていて然るべきなのに知らなかった。記者の基本動作ができていないということだと思う。あえて「出勤停止10日間」というかなり重いと思われる懲戒処分にしたのは、記者のイロハはきちんと守っていくべきだという、玉川さんに対する期待あっての処分だったのではないか。猛省して、今後の取材活動をしっかりやっていただきたい。

●玉川さんは一番攻めた発言をすると感じていて、テレビ朝日の社員だと知った時には驚いた。あのような個性があって、発言に影響力があって注目される人が社員であるということは、会社側と本人、双方にリスクがある。
●発言が取材に基づかないもので、多くの人を傷つけたということは、今までの玉川さんの発言自体を否定することになってしまう。
コメンテーターという形では、もう画面には出ない方がいいと思う。徹底した取材をしてニュースのVTRを作る、裏方に回る方が、説得力が出るのではないだろうか。

●一番大事なのは、どうやって番組に戻すかというテレビ朝日の対応。間違いは間違いと認めてきちんと謝罪し、その上でまた同じステージに立たせることが、テレビ朝日のフェアな姿勢だと思う。戻った時に、玉川さんがもう一度謝罪し、何がいけなかったのか、そして、今後は根拠をもって、正々堂々と批判すべきものは批判していきます、ときちんと言うことが大事。それに対し、番組もテレビ朝日も、根拠がきちんとあるなら好きなことを言って構わないと受けて立つところをどれだけ視聴者に見せられるかだ。

●ディレクターであれば、取材し根拠も大切にするはずで、勘違いでは済まない。
非常に自信をもって発言していたのが、すぐに謝罪して頭を下げて驚いた。 何を根拠にあれだけの問題を公器で言ったのだろうか。玉川さんには番組に再出演して、番組を活性化してくれることを望むが、再出演の初日に何を言うかが大きな問題。 自分があれだけのことを言ったことについて、視聴者が納得するように言う必要がある。

●反政府、反政権という立場でちゃんとものを言うということは、言論の自由ですごくいいと思うが、先にそれありきではない方がいい。
一つ一つ裏をとった事実に基づいて、これはこうだ、ああだと言うべき。玉川さんは前々から予断をもって何かを言うところがあったと思う。それが炎上することもあった。これまで番組も上司たちもかなり厳しく、玉川さんにその点は言ってきたと聞いている。庶民の気持ちを代弁した発言はいいと思うし、「モーニングショー」の世界観にも影響して番組を作ってきた一人ではあるが、今回の問題は起こるべくして起こったとも思う。事実ではないことを自分の意見を言うために援用することが一番よくないので、その再発防止をしていただきたいということに尽きる。
<その他の番組について>
●「電脳ワールドワイ動ショー」では、堤伸輔さんの要所要所での解説が以前より増え、VTRにプラスアルファの知識を出してくれるのがいい。10月から「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」というタイトルでリニューアルするそうだが、番組の趣旨がさらに色々な知識を得られる方向になると非常に楽しみにしている。

●「タモリステーション」は長きにわたり、テレビを支えてきたタモリさんと共に作る他にはない番組。今までの3回は全く違うテーマでわくわくする番組構成だった。次回の放送を心待ちにしている。

●統一教会関連については引き続き色々なアプローチでの取材を期待している。

●日中国交正常化50周年の特集で、在留中国邦人を取材したところ、たまたま、テレビ朝日にその方が帰国した時の映像が残っていて使うことができた。報道は取材を積み重ねて、その後に生かしていくことが大切。地道なことだが、続けていってほしい。

【局側見解】

●玉川の発言は、過去の情報のアップデート、最終的な事実関係の確認ができていなかったという完全なる事実誤認で、情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況であった。報道局を挙げてファクトチェックを強化している途上でこのような事態となり、痛恨である。玉川本人も報道局としても、事実の重みを強く自覚して、改めて全力を尽くしていきたい。

【篠塚社長 報告】

●上期視聴率報告
●10月クールスタート
●「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川徹の発言について
 9月28日の放送で、安倍元総理国葬を取り上げた際、玉川徹が国葬に「電通が入っている」などと事実に基づかない発言をした。この発言は、番組及び全社の信用を傷つけ、損害を与えたとして、10月4日付けで玉川徹は「謹慎」出勤停止10日間。また報道局情報番組センター長と「羽鳥慎一モーニングショー」担当のCPの2名については、その管理監督責任を問い、「譴責」とする処分を行った。事実に基づかない発言があったことは誠に遺憾。本人も深く反省しているが今後は再発防止に向けさらに指導を徹底していきたい。

「放送番組基準」変更について諮問(次回の番組審議会で答申をいただく予定)

■2022年4月~2022年9月に放送した番組の「放送番組の種別ごとの放送時間」の報告
以上