放送番組審議会

第628回 放送番組審議会報告 4月21日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
内館  牧子  委員
小谷  実可子  委員
小松  成美  委員
丹羽  美之  委員
藤田  晋  委員
増田  ユリヤ  委員

■ 委員の互選により、2022年度の委員長に見城徹氏が、副委員長に田中早苗氏が就任。

課題番組

「報道番組全般」

【委員の主なご意見】

<報道番組全般について>
●SNSであらゆる現場からどんどん“いま”が流されている中で、テレビの報道がどうあるべきかすごく問われている。何をどう視聴者に伝えるか。一番大事なのは、どうまとめて解説をするかという解説機能。そこで、テレビ報道マンの真価が問われる。

●以前は、テレビで報道されていることは真実だという信憑性があったが、今後はいくらテレビが真実だと伝えても信じてもらえない時代が来る。テレビ朝日は「真実と信じているものしか報道しない」という姿勢が大切。視聴者との間にこの信頼関係を作ることこそが、これからの報道番組では重要。

●かつては「国際報道には視聴者は興味がない」とか、「そのテーマは画にならない」と言われていたが、今はノルウェーのEU加盟など時間をかけて報道し、円安などという全く画にならないテーマも取り上げている。本当に伝えたいことがあるなら、何でも伝えようはある。テレビには限界が無い。何でもできるということだ。

●ウクライナ侵攻は、軍事的物理的な戦争であると同時にメディアを巻き込んだ情報戦。SNSで戦場のリアルな現実が簡単に手に入る一方で色々な虚偽も入ってくる。必要なことは情報を一つずつファクトチェックして精査し、情報や映像がどういう背景のもとで作られたか確認してわかったことも伝えること。戦争を伝えるだけでなく情報戦の仕組み自体も伝えてほしい。
<番組MCについて>
●「グッド!モーニング」は安心して見られる番組。齋藤ちはるさんが加わり、より好感度が上がり、より各自の個性が光るようになった。

●「羽鳥慎一モーニングショー」のパネルコーナーでは、羽鳥さんは常に視聴者の側に立って進行している。視聴者が知らないことを自分が伝えるのだという姿勢ではなく、自分は知らないという立場でコメンテーターに質問を重ね、専門家に斬り込んでいる。その姿勢が素晴らしい。

●「大下容子ワイド!スクランブル」は大下さんを中心にぶれることなく、いつも変わらぬ姿勢を毎日保っているのが見事。

●「報道ステーション」大越さんのポーランド取材は良かったが、スタジオでもオリジナリティーある発言がもっと出ても良い。大越さんがものを言っている感じがもっと強く出せないかと思う。

<SDGs企画について>
●「報道ステーション」の企画で地熱エネルギーの話題があったが、「モーニングショー」など他の番組でも、地熱エネルギーを取り上げている。例えば、テレビ朝日では地熱エネルギーに注目しています、といったスタンスをとって、継続的に取り上げていくのも面白いのではないか。

●昨今、各局でSDGsについて触れているが、テレビ朝日ではSDGsを色々な番組で一斉に取り上げていて、やる気と品性を感じた。しかも、難しい話ではなく、誰でも無理なくできるようなことに意味と意義を見出して取材しているので、自分もできることをしようと勇気と力とアイディアをもらえた。
<その他>
●リアルタイム配信は始まったばかりで、インターネットユーザーにとっては番組のテンポが遅いなど様々な改善が必要。地上波では極めて完成度の高い報道番組を作っているテレビ朝日なので、その日本随一の能力を駆使し、本気のテレビ朝日の報道をインターネットユーザーという新しい視聴者向けにもっと強化していってほしい。報道の現場は日々のニュースに追われていると思うが、大局的に見て、日々変化するユーザーの視聴態度に対応していくことがこの先の答えになる。

●テレビ朝日に限ったことではないが、報道番組を見ていて、キャスターがあまりにも原稿に目を落とし過ぎたり、うなずき過ぎたりすることが気になる。この人はわかっていないのではないかという印象を受ける。

●海外支局長の話がとてもわかりやすい。現地の状況をきちんと伝えてくれて、視聴者としては納得できてありがたい。

●週末の夜に「サタデーステーション」「サンデーステーション」というニュース番組があることは、このご時世特に有用に感じる。テレビ朝日の編成には先見の明がある。

●お天気キャスターの見せ方がよく考えられている。各番組でそれぞれ独自の時間を作っていて、どれもうまくいっている。

【局側見解】

●ライブ性、わかりやすさ、ファクトを軸に、視聴者に信頼されるような報道を誠実に伝えていきたい。

●ウクライナ情報は現時点でわかっていることが真実かどうか、後にならないとわからないことも多いが、一つ一つ丁寧に扱っていきたい。

【早河会長・CEO 兼 社長・COOからの報告】

●視聴率報告
●テレビ朝日イノベーション2022企業風土刷新・成長戦略推進運動について
●スポーツ局組織変更

<2021年10月~2022年3月に放送した番組の「放送番組の種別ごとの放送時間」の報告>
以上