放送番組審議会

第624回 放送番組審議会報告 11月18日(木) 開催

■出席者
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
内館  牧子  委員
小陳  勇一  委員
小谷  実可子  委員
小松  成美  委員
丹羽  美之  委員
藤田  晋  委員
増田  ユリヤ  委員

「大下容子ワイド!スクランブル」の不適切な演出について

見城委員長より「番組審議会として看過できない重要な事柄」とのご指摘を受けて審議

●トラブルがあったときにそれを共有して、打開策を考えるような雰囲気や仕組みが必要。
心理的安全性の高いチームだったのかどうか。制作会社の問題ではなく、まさにテレビ朝日の問題。

●質問ありきで、それ以外の方法を考える余地はなかったか。柔軟な思考が欠けている。

●予め仕込んでおく、保険を掛けておくといった制作文化そのものに限界が来ている。計画通りに進めなければいけないという呪縛が、テレビの制作現場を覆っているのではないか。

●スタッフが互いにそれぞれやっていることに関心を持ち、声をかけ合う風通しの良い組織 文化が欠けていたのでは。(2019年に「スーパーJチャンネル」で不適切演出があり)短期間に同じような不適切な演出が続いてしまったことを重く受け止めるべき。

●再発防止策は「管理強化」だけで終わらせるのではなく、本質的な問題にきちんと踏み込んで議論してほしい。ガチガチの仕組み作りになると現場の自由な雰囲気がなくなっていく。

●救いは、テレビ朝日が自らこの問題を公表し、BPOにも報告をしたこと。

●半年にわたり、偽の質問を100問余りも作っていたことは由々しき問題。他の番組もしっかり局側でチェックすべき。同じことが次にまた起きたらもう取返しがつかない。

課題番組

「スーパーJチャンネル」

【委員の主なご意見】

<番組全般について>
●夕方のこの時間帯には各局ニュース番組が並ぶが、偏向報道と指摘されないように中立で公平にと作っていると、似たような総花的な番組になってしまう。もっと多くの人に見てもらうために、色々な角度から独自の特徴あるニュース番組を作ってほしい。

●報道番組をもっと柔らかくすれば、もっと視聴率が取れるのではないかという考えはやめてほしい。自信をもって今のスタンスで進めてほしい。

●生活情報から芸能、生活、政治のニュースなどバランスよく配合して非常にウェルメイドに作られている。
<ニュースの出し方・選定などについて>
●コロナの感染者数を東京都の発表と同時にボードに書いて視聴者に伝えるのは、緊張感もあり、“今”を伝える報道番組という感じがあってよい。

●夕方の時間帯にふさわしい企画、身近な映画の話題など、文化にも触れられると、視聴者の満足感につながる。

●インターネットではその情報がどれだけ人々の関心を集めるかが価値になるという考え方があるが、テレビがニュースを伝える時にはその方向性を後追いするのではなく、今日はこれが大事なニュースであるとニュースバリューを再構築することが大事な役割。ニュース項目の並べ方や編成のしかたで番組としてどうメッセージを出していくか、是非考えてほしい。

●「スーパーJチャンネル」は、面白いニュースは面白く、つまらないニュースはつまらなく、というところがすごくいい。専門家が当たり前のことを言った時に、もっと面白いコメントを求めるのではなく、つまらないコメントをちゃんと受け入れるテレビであってほしい。テレビの宿命として、面白そうなもの、派手なもの、興味をもつものにカメラを向けてしまうが、それがどこまで許されるのかということを検証すべき時。2021年にその検証を始めたと言えるような意識改革を今、テレビ朝日が中心になってするべきではないか。

●大谷翔平選手の帰国記者会見(11月15日放送)では、スポーツ目線を大事にして、大谷選手の活躍を掘り下げて紹介したり、会見での柔らかな表情の間にプレー中の厳しい表情を出して表情の濃淡を見せたりして、大変見応えのあるコーナーになっていた。

●最近番組で火災や事故のニュースを多く見るが、テレビは映像自体よりも、その奥を取材で伝えることが重要。映像の衝撃度の力をあまり信じない方が良い。
<出演者について>
●松尾由美子アナウンサー、森川夕貴アナウンサーが加入して番組に安定感と同時に活気も与えて本当に良くなった。

●MCとコメンテーターが両輪としてすごくうまく回っている。MC 3人の中で、小松靖アナウンサーはもうちょっと前に出てもいいのではないか。眼光鋭くはっきり忖度なく話すので、言うことが信じられる。

●3人のコンビネーションがすごく良い。

●渡辺宜嗣さんの出番はもう少し多くてもよいのでは。渡辺さんの一言で番組に奥行きが出る。

【局側見解】

●夕方帯の選ばれる番組として、特徴を出せるところをしっかり考えていきたい。

●10月にリニューアルを行ったMCの新体制と6時台の特集については概ね高い評価をいただけたので、この方向性で頑張っていきたい。

●ご指摘のあったテレビ報道の抱えている課題を解消していけるよう頑張っていきたい。

【亀山社長・COOからの報告】

●視聴率について

●テレビ朝日ホールディングス 上期決算について

●「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」収録における出演者の負傷について

●「大下容子ワイド!スクランブル」の不適切な演出 BPO審議入りについて
以上