放送番組審議会
第606回 放送番組審議会報告 1月16日(木) 開催

■出席者
見城 徹 委員長
田中 早苗 副委員長
(五十音順)
秋元 康 委員
内館 牧子 委員
小陳 勇一 委員
小谷 実可子 委員
小松 成美 委員
丹羽 美之 委員
藤田 晋 委員
増田 ユリヤ 委員
田中 早苗 副委員長
(五十音順)
秋元 康 委員
内館 牧子 委員
小陳 勇一 委員
小谷 実可子 委員
小松 成美 委員
丹羽 美之 委員
藤田 晋 委員
増田 ユリヤ 委員
「放送番組全般」
<バラエティー番組>
●「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」はシンプルな設定だが、今までこういう番組はなかった。作り手の目のつけどころがよい。何かに熱中している人やマニアックな人を見ることは面白い体験だが、それを子供でやってみたところが新しい。親が時に戸惑いながらも子供のいいところを伸ばそうとしている場面も出てきて、土曜の19時台にふさわしく、子供も親も祖父母の世代も楽しめる。司会のサンドウィッチマンと芦田愛菜さんも子供たちへのリスペクトを持っている。いい“気”が流れている。
●「ザワつく!大晦日」は期待を裏切らなかった。長嶋一茂さん、石原良純さん、高嶋ちさ子さんは、毒舌で上から目線なコメントもあるが、行儀がよく、トークの中に思いやりを感じる。3人がお互いを尊敬し、信頼し合えているからこそ、自由なトークが生まれている。勢いのある3人が化学反応を起こした時に発するパワーをまざまざと感じた。
●「あいつ今何してる?」などのバラエティー番組で、報道番組の出演者の人柄を知ると、報道に興味をもったり、信頼性が高まったりすることもある。人あっての報道なので、キャスターがバラエティー番組に出演して、その一面が見えるのもよい。
●阪神・淡路大震災から25年だが、「すじがねファンです!」で、神戸市長田区で寅さんの映画を撮影した時に、渥美清さんがどんな気持ちでロケをしたか、地元の人とどう関わったかを丁寧に伝えていた。報道では伝えられない部分をバラエティー番組が補うこともある。
●テレビ朝日のバラエティーが元気を取り戻している。定番の番組をブラッシュアップしながら、神田松之丞さんのような新しい力をどんどん発掘して新しい番組も作っている。
●「ザワつく!大晦日」は期待を裏切らなかった。長嶋一茂さん、石原良純さん、高嶋ちさ子さんは、毒舌で上から目線なコメントもあるが、行儀がよく、トークの中に思いやりを感じる。3人がお互いを尊敬し、信頼し合えているからこそ、自由なトークが生まれている。勢いのある3人が化学反応を起こした時に発するパワーをまざまざと感じた。
●「あいつ今何してる?」などのバラエティー番組で、報道番組の出演者の人柄を知ると、報道に興味をもったり、信頼性が高まったりすることもある。人あっての報道なので、キャスターがバラエティー番組に出演して、その一面が見えるのもよい。
●阪神・淡路大震災から25年だが、「すじがねファンです!」で、神戸市長田区で寅さんの映画を撮影した時に、渥美清さんがどんな気持ちでロケをしたか、地元の人とどう関わったかを丁寧に伝えていた。報道では伝えられない部分をバラエティー番組が補うこともある。
●テレビ朝日のバラエティーが元気を取り戻している。定番の番組をブラッシュアップしながら、神田松之丞さんのような新しい力をどんどん発掘して新しい番組も作っている。

<報道・スポーツ>
●自国開催のオリンピック・パラリンピックを放送する機会は何十年に一度。スポーツに人生を懸けた選手たちの活躍を伝える大切な機会。放送局は、日本ならではの伝え方で伝えるという大きな役割を担っている。成績や記録やメダルの色だけでなく、様々な選手のストーリーを伝えてほしい。
●オリンピックで中継する競技が決まると、各局とも自局が中継する競技を主に発信していくことになるだろうが、今まで現場で培ってきた種目を切り捨てることなく、中継する競技の報道を加えてほしい。
●災害報道は国民の命を守る最前線。気象情報のテクノロジーと力を携えて、自然災害から国民の命を守るための報道に尽力してほしい。訪日外国人のために日本語以外の情報も必要になる。1行のインフォメーションやURLがあれば、スマホなどで情報を入手できる。
●災害や事件事故の被害者の実名を開示するかどうかは、プライバシーの問題も考え、議論を重ねてほしい。個人の尊厳に寄り添うことが大事だと思う。
●「羽鳥慎一モーニングショー」の斎藤ちはるアナウンサーは、以前は控えめな印象だったのが、自信をつけたようで水を得た魚のようにキラキラしている。出演者やスタッフが上手に育てていることが感じられた。番組を通して成長する女性を見ることは非常に心地よい。
●オリンピックで中継する競技が決まると、各局とも自局が中継する競技を主に発信していくことになるだろうが、今まで現場で培ってきた種目を切り捨てることなく、中継する競技の報道を加えてほしい。
●災害報道は国民の命を守る最前線。気象情報のテクノロジーと力を携えて、自然災害から国民の命を守るための報道に尽力してほしい。訪日外国人のために日本語以外の情報も必要になる。1行のインフォメーションやURLがあれば、スマホなどで情報を入手できる。
●災害や事件事故の被害者の実名を開示するかどうかは、プライバシーの問題も考え、議論を重ねてほしい。個人の尊厳に寄り添うことが大事だと思う。
●「羽鳥慎一モーニングショー」の斎藤ちはるアナウンサーは、以前は控えめな印象だったのが、自信をつけたようで水を得た魚のようにキラキラしている。出演者やスタッフが上手に育てていることが感じられた。番組を通して成長する女性を見ることは非常に心地よい。
<番組全般・編成>
●あらゆる番組には“そぐわしさ”というものがある。あえて番組にそぐわない人を起用したり、そぐわない構成にして、ビビッドな効果を生むこともあるが、“そぐわしさ”を外すのは非常に難しく、やりすぎると勘違いになってしまう。
●ラグビーは、“にわか”という言葉をうまく使って盛り上がった。テレビにも言える。「やすらぎの郷」をたまたま見た若い人が「すごく面白い」と固定ファンになって見るようになる。“にわか”の固定化が非常に大事。
●ラグビーのワールドカップのような “この世あらざるもの”を映し出していれば、視聴率は獲れる。なければ、それを作り出さなければいけないのがテレビマン。オリンピックではどの競技を中継するかという運不運はあるが、どうやって“この世あらざるシーン”を作るか実力が試される。
●テレビ朝日は安定的に質の高い番組を提供している。長く愛されている番組も多く、ブラッシュアップしている。一方編成表を見ると、2015年以前から続いている番組が非常に多い。新規の番組が入れる枠が少ない。人は限られた余暇に、何を見ようか天秤にかける。片方の皿にはどんなものか大体わかっているテレビ番組、もう一つの皿には他のメディアのコンテンツやネットを載せて比べる。今の高齢者は一つの皿にテレビしか載せられないが、今後もう一つの皿にいくらでも載せるものがある人が高齢者になる中、このような編成でよいのだろうか。BSやAbemaTVといったグループ全体で、編成を大きな枠で考えてはどうか。
●ラグビーは、“にわか”という言葉をうまく使って盛り上がった。テレビにも言える。「やすらぎの郷」をたまたま見た若い人が「すごく面白い」と固定ファンになって見るようになる。“にわか”の固定化が非常に大事。
●ラグビーのワールドカップのような “この世あらざるもの”を映し出していれば、視聴率は獲れる。なければ、それを作り出さなければいけないのがテレビマン。オリンピックではどの競技を中継するかという運不運はあるが、どうやって“この世あらざるシーン”を作るか実力が試される。
●テレビ朝日は安定的に質の高い番組を提供している。長く愛されている番組も多く、ブラッシュアップしている。一方編成表を見ると、2015年以前から続いている番組が非常に多い。新規の番組が入れる枠が少ない。人は限られた余暇に、何を見ようか天秤にかける。片方の皿にはどんなものか大体わかっているテレビ番組、もう一つの皿には他のメディアのコンテンツやネットを載せて比べる。今の高齢者は一つの皿にテレビしか載せられないが、今後もう一つの皿にいくらでも載せるものがある人が高齢者になる中、このような編成でよいのだろうか。BSやAbemaTVといったグループ全体で、編成を大きな枠で考えてはどうか。

<その他>
●テレビは家にいる時はずっとついているものだったが、今は意思が働いた時につけるものに変わった。AbemaTV、Netflix、Amazonプライムなどすごい量のコンテンツがある。見たいものが色々ある中、見てもらうには“きっかけ”が必要。今年はきっかけ作りを全面的にしてはどうか。自社媒体やテレビ情報誌ではなく、どうしたらトリガーになるか。本当に面白い番組しかリコメンドしない、オフィシャルな“テレビソムリエ”を設定するのもいい。
●テレビを巡る環境が非常に変わってきている中、視聴者にテレビについて考えてもらうことが必要。視聴者に改めて考えてもらえる素材をテレビ側から提供してはどうか。テレビの現場にいる人がどんな思いをもって番組を作っているのかがわかる番組を作ってほしい。どのように番組が作られ、報じられているのかといった部分も視聴者に知ってもらうとよい。
●コンテンツを作る根幹は“人”。面白い人材やクリエーターが集まる会社であることが、良い番組を作り続ける肝である。人材が集まり、そして辞めない人事制度・雇用形態が番組作りにも重要で、これらが後手に回ると時代の変化に取り残された印象を与える。柔軟な雇用形態やユニークな制度を打ち出すことが大事。採用や人事制度に余裕があることが、面白いコンテンツを今後も作って行く上で重要だと感じる。
●やらせだけは本当に注意してほしい。情報・報道番組は人手不足の問題もあって大変だと思うが、管理体制をしっかりして、つまらないミスは犯してほしくない。
●テレビを巡る環境が非常に変わってきている中、視聴者にテレビについて考えてもらうことが必要。視聴者に改めて考えてもらえる素材をテレビ側から提供してはどうか。テレビの現場にいる人がどんな思いをもって番組を作っているのかがわかる番組を作ってほしい。どのように番組が作られ、報じられているのかといった部分も視聴者に知ってもらうとよい。
●コンテンツを作る根幹は“人”。面白い人材やクリエーターが集まる会社であることが、良い番組を作り続ける肝である。人材が集まり、そして辞めない人事制度・雇用形態が番組作りにも重要で、これらが後手に回ると時代の変化に取り残された印象を与える。柔軟な雇用形態やユニークな制度を打ち出すことが大事。採用や人事制度に余裕があることが、面白いコンテンツを今後も作って行く上で重要だと感じる。
●やらせだけは本当に注意してほしい。情報・報道番組は人手不足の問題もあって大変だと思うが、管理体制をしっかりして、つまらないミスは犯してほしくない。


<局側見解>
●東京オリンピックを放送するという責任をしっかり胸に刻んで準備していきたい。
●テレビをつけてもらい、更に見てもらう仕組みづくりを意識していきたい。
●昨年の台風報道で積みあがった反省と課題を改善して、今後の災害に対応していきたい。
●視聴者の期待を裏切らない真摯な番組を作っていきたい。
●テレビをつけてもらい、更に見てもらう仕組みづくりを意識していきたい。
●昨年の台風報道で積みあがった反省と課題を改善して、今後の災害に対応していきたい。
●視聴者の期待を裏切らない真摯な番組を作っていきたい。
<亀山社長・COOからの報告>
●2019年の年間視聴率は、全日7.6%、ゴールデン10.8%、プライム10.9%で全区分2位。
●10月クールは、プライムが6年ぶりに単独トップ。
●12月月間視聴率は全日・ゴールデン・プライムの3冠獲得。
●正月三が日は、ゴールデンは6年連続、プライムは12年連続のトップ。
●2019年度第3四半期の営業売上が確定。スポットは市況の低迷を受け、前年に届かず。
●昨年2番組で誤解を与える表現などがあり、番組内でお詫びをした。
・「朝まで生テレビ!」(11月29日放送)で大学入試改革について議論をした際に田原総一朗さんが「下村博文元文部科学大臣はベネッセから二千数百万円の献金を受けている」と発言したが、これは間違いであった。12月6日の「スーパーJチャンネル」内で訂正し、ベネッセ、下村議員、関係者、視聴者の皆様にお詫びした。また、12月31日の「朝まで生テレビ!」では田原さんのお詫びのVTRを放送した。
・「報道ステーション」(12月10日放送)で、「桜を見る会」の問題を取り上げた際、自民党の世耕参議院幹事長が「良いお年を」などと発言した様子を伝えたが、これは定例会見が終わった後、今後の会見予定について述べた発言であった。「桜を見る会」とは直接関係がなく、放送ではその説明が丁寧ではなかった。誤解を招く表現だったことについて、翌日の番組の中で富川悠太キャスターが世耕氏並びに視聴者の皆様にお詫びをした。
●12月24日民放連のWebサイトに番組審議会のポータルサイトが開設された。視聴者が各放送局の番組審議会のホームページに容易にアクセスできるようにし、番組審議会の取り組みの“見える化”に寄与する。
●10月クールは、プライムが6年ぶりに単独トップ。
●12月月間視聴率は全日・ゴールデン・プライムの3冠獲得。
●正月三が日は、ゴールデンは6年連続、プライムは12年連続のトップ。
●2019年度第3四半期の営業売上が確定。スポットは市況の低迷を受け、前年に届かず。
●昨年2番組で誤解を与える表現などがあり、番組内でお詫びをした。
・「朝まで生テレビ!」(11月29日放送)で大学入試改革について議論をした際に田原総一朗さんが「下村博文元文部科学大臣はベネッセから二千数百万円の献金を受けている」と発言したが、これは間違いであった。12月6日の「スーパーJチャンネル」内で訂正し、ベネッセ、下村議員、関係者、視聴者の皆様にお詫びした。また、12月31日の「朝まで生テレビ!」では田原さんのお詫びのVTRを放送した。
・「報道ステーション」(12月10日放送)で、「桜を見る会」の問題を取り上げた際、自民党の世耕参議院幹事長が「良いお年を」などと発言した様子を伝えたが、これは定例会見が終わった後、今後の会見予定について述べた発言であった。「桜を見る会」とは直接関係がなく、放送ではその説明が丁寧ではなかった。誤解を招く表現だったことについて、翌日の番組の中で富川悠太キャスターが世耕氏並びに視聴者の皆様にお詫びをした。
●12月24日民放連のWebサイトに番組審議会のポータルサイトが開設された。視聴者が各放送局の番組審議会のホームページに容易にアクセスできるようにし、番組審議会の取り組みの“見える化”に寄与する。
以上