放送番組審議会

第584回 放送番組審議会報告 10月5日(木) 開催

■出席者(敬称略)
見城  徹  委員長
田中  早苗  副委員長
(五十音順)
秋元  康  委員
内館  牧子  委員
小倉  純二  委員
黒鉄  ヒロシ  委員
小松  成美  委員
関川  夏央  委員
丹羽  美之  委員
藤田  晋  委員

■欠席者(敬称略)
田中  雄一郎  委員

課題番組

「サタデーステーション」「サンデーステーション」

【週末の報道番組として】

●「報道ステーション」という看板番組のブランドをうまく活用し、土日に番組を始めたのはとてもよい。テレビ朝日は月~日曜夜、ニュースをしっかりやるという意思表示が明確になった。

●土日に「ステーション」というタイトルをつけたニュース番組を立ち上げたことは果敢な挑戦。1週間のニュースをまとめる必要はない。あくまでも「報道ステーション」の土日版をやって、1年中「報道ステーション」のようなニュース番組を夜見られるということが大切。

●他局の井戸端会議的なニュースショーと差別化するためにも、週末だからとソフトにせず、平日の「報道ステーション」の流れを引き継いでいく方向に、舵をしっかり切った方がよい。ハードなネタでも、批評や風刺の精神を載せていけば、番組としての面白みとユーモアは出せる。

●すぐには難しいかもしれないが、「報道ステーション」という名前と、22時スタートという時間帯に揃えていく方が、いいのではないか。

●テレビで情報を知りたい視聴者は大変多い。北朝鮮問題、異常気象などは曜日を選ばない。
1週間を通じて、同じような時間帯にしっかりした報道番組があることは非常によい。

●土日の同じ時間に女性キャスターで放送している統一感があり、週末の切り替えが明確。

●こういう番組は淡々とやった方がいい。習慣にしなければいけない。まず5年間続けることが大事。特色はまだないが、継続していくうちに、特色のなさが心地よくなる可能性がある。

●端正で上品で完璧に近い。もう一押しするには、土曜日は子猫、日曜日は仔犬を飼って成長を見せ、継続性をつける。あるいは、戦国時代の大地震で埋まった帰雲城を掘るというような特集を毎週10分組む。番組にイボかキズができると、気になってチャンネルを合わせてくれる。

●スポーツは土日に一番色々な試合が行われているのに、これまでちゃんと報道する番組がなかった。「報道ステーション」と同じぐらいスポーツニュースを強化してほしい。

●スポーツコーナーはもっと楽しく大胆な遊びをしてニュースとのメリハリをつけていくべき。

●出演者が初めに全員並んで立っている画は落ち着かない。週末はもう少しゆっくり見たい。

●みんなが立っていると何となく落ち着かない気持ちになる。ゆったりと座ってもいいのでは。

【出演者について】

●高島彩さんは母になった雰囲気を湛えて、柔らかい雰囲気、穏やかな表情で伝える姿に週末の安堵を感じる。安定して広い視野を持っているという印象を受ける。

●長野智子さんは、今の日本の女性アンカーでは最も信頼でき、存在感がある。自らの言葉で意見を持ち、ニュースに斬りこんで行く。抑制された言葉の選び方がより信頼に繋がっている。

●キャスターの「なるほど」という相槌が大変多い。「なるほど」は便利な言葉で、ほとんど全てに通用する。キャスターは「なるほど」に逃げず、自分でニュースを咀嚼して話してほしい。

●ディーン・フジオカさんのリポートが素晴らしい。語学力、取材力があり、立ち居振る舞い、言葉に国際俳優としての片鱗を報道番組で見せている。

●ディーンさんの報道番組へのモチベーションが画面からは伝わってこない。神輿に乗っている感じ。番組に深く関わり、自身の切り口や言葉でニュースを伝えていければ、もっと生きる。

●ディーンさんは俳優なので、せっかくのリポートがドラマのワンシーンのように感じてしまう。

●ディーンさんの語学力には驚いた。台湾の介護のリポートは、もっと追いかけた方がよかった。

● “インフルエンサー”という肩書きに違和感。人が言うもので、自ら名乗るのはカッコ悪い。

●夜の依田司さんが新鮮。月~金の朝とは違う視点で天気を伝えているのは良い趣向。

●内藤編集長がナチュラルでいい。スタジオのリアクションも素敵。

●後藤謙次さんの解説は安定感がある。<もしもし後藤です>では、正確にいい話をしていて感心する。

●林美沙希アナウンサーの台風の中継は被害をよく伝えていた。可愛らしいがチャラチャラしておらず、きちんと説明しているひたむきな感じに好感をもった。

【番組内容 特集・コーナー】

●「サタデーステーション」2時間スペシャルは、北朝鮮報道も含め、丁寧でよくまとまっていた。内藤編集長のウラジオストク取材もわかりやすかった。

●「サタデーステーション」の<今週のニュースと言葉>は中途半端。<言葉>というコンセプトを生かしきれていない。1週間のニュースをどういう基準でまとめているのかブレを感じる。

●「サンデーステーション」の地面師の特集は、非常に踏み込んだ取材で実態を明確にしていた。

●「サンデーステーション」の東京改造の特集は、批判精神が見当たらず、区や都の広報番組のような感じを受けた。

●東京改造の特集の解説者が万人にわかるようにという忖度か、ありきたりで面白くなかった。

●特集が非常にきれいに編集され、魚のはらわたも骨も取った状態で出てくる。全部を削ぎ落として、見やすくしすぎてしまうと引っ掛かりがなくなる。編集で落とした部分をどこかで生かしてはどうか。

<局側見解>

●批判的精神を土曜日は真綿で、日曜日はハトロン紙でくるんでスタートし、今少しずつ剥いでいる。キャスターの個性と相まって、味が更に出ると思うので、もう少し見てほしい。

●毎夜テレビ朝日をつければ、きちんとしたニュースをやっていると認識されるようになりたい。取材の過程を出していくなど、工夫しながら多くの方に見てもらえる番組にしていきたい。

●まずは視聴習慣の定着を大事に、常に問題意識を抱えてやっていきたい。

<角南社長からの報告>

●上期視聴率は、全日が7.1%で2位、ゴールデンが9.1%で4位、プライムが9.4%で3位。報道情報ベルト番組は引き続き好調。帯ドラマ「やすらぎの郷」は平均5.8%。平日6時~19時では単独トップ。「刑事7人」「黒革の手帖」「遺留捜査」は民放ドラマベスト5に入る健闘。

●東山紀之さんがキャスターを務める「サンデーLIVE!!」は7時~8時半が5.1%と好発進。

●BPO放送倫理検証委員会は、フジテレビの番組におけるインターネット情報の裏取りのない引用について委員長談話を発表した。弊社では自主自律的にインターネット配信のガイドラインを策定し、改めて信頼性の確保について注意喚起を行った。

<「放送番組の種別ごとの放送時間」の報告>

2017年4月~2017年9月に放送した番組の「種別ごとの放送時間」について報告した。
以上