放送番組審議会

第548回 放送番組審議会報告 3月14日(金) 開催

■出席者(敬称略)
堀田  力  委員長
見城  徹  副委員長
(五十音順)
市村  友一  委員
内館  牧子  委員
小倉  純二  委員
黒鉄  ヒロシ  委員
関川  夏央  委員
田中  早苗  委員
野際  陽子  委員
藤田  晋  委員

課題番組

「モーニングバード!」

<評価点>

●この番組は、色々な情報をもらえるし、毎週しっかりその背景を解説してくれるコメンテーターがいて、腑に落ちることが多い。社会面的な『じっくりサーチ』や『ニュースアップ!』の中のニュースも幅広くアイデアに満ちているので魅力的。

●生中継も多いので、他局に比べて非常にライブ感があり、また、作り込んでいるところには感銘する。

●鳥のポーズは、羽鳥さんと赤江さんの印象通りぎごちなさが誠実な印象で、報道内容も信頼できる。随所に工夫が積み上げられていて、完成度の高い素晴らしい番組。

●全体の印象として、羽鳥さんと赤江さんが、明るく上手く取り仕切っているので安心して見られる。コメンテーターも色々な性格の人が用意されていて面白い。

●『ニュースアップ!』の小松靖アナウンサーも育ってきている。安心感をもって見ていられ、それでいてエッジも立っている。

●『そもそも総研』の存在価値はとても大きく、非常に魅力的。やはりこの番組の柱である。この人に聞かなければ、という人選をして、玉川さんは厳しくその内容を追及し、正しく聞き込んでいる。きちんと伝えていく姿勢を今後とも維持してほしい。

<課題・提言>

●安定自動操縦に入ったという感じがあり、まとまり過ぎてスリルがない。

●コメンテーター陣が、番組の中で議論するという世界がない。

●羽鳥さんがコメンテーターに、丁々発止とやらせて、それを上手くまとめて仕切る、という形もあるのではないか。それが、羽鳥さん自身の持ち味を非常に生かした新しいキャスター像になるのではないだろうか。

●『バーズ・アイ』は見ていて非常に楽しい。羽鳥さんは、素人からうまく話を引き出して笑わせるのが非常に上手い。羽鳥さんの良さが出るものがもっと見られないだろうか。

●『そもそも総研』で“集団的自衛権”を取り上げた回ではもう少し突っ込んで、阪田さん(元内閣法制局長官)に、なぜ集団的自衛権を認めればどこの戦争にも参加することになるのか、そこの論理の展開、実情に即した説明がほしかった。玉川さんがここで分析すれば、“自衛戦争と言っている戦争が実は危ない”という問題提起になるのではないか。

●テレビの初期、何が映っていようと面白かった時代から今日まで、もっと面白く、もっと異様に、非日常にとやってここまで来た。進行やコメンテーターの予定調和というか、結局、意見がおためごかしになってしまった。違う角度からの提言、“毒”のようなものが一滴入れば、ますます朝の時間に締まるものが出てくる。

●『週刊人物大辞典』や『Gウーマン』など、今の民放のドキュメンタリーの手法はどうしてこんなにも一様なのか。音楽の使い方や、顔の撮り方など、違った形でやってみると、視聴者は目をとめ、じっくり見てくれるのではないか。

●ヘッドラインのようなものがほしい。インターネットで能動的に動くことに慣れている視聴者は、次に何があるのか分からないまま2時間進行するというストレスを感じているのではないだろうか。

●ゆったりした映像にも関わらず画面がテロップだらけになり、顔の半分が遮られたり、きれいな映像が遮られたりするのはいかがなものか。

<局側見解>

●春に4年目を迎え、コメンテーター陣を、徐々に、ニュースを語れる布陣に切り替えていき、闊達な議論を交わし、羽鳥さんはセンターにどんと構えて仕切る立場に回る、というように番組を進めていきたい。その中で、羽鳥さんの明るさ・やさしさ・あたたかさの部分を決して失うことなく、ニュースが好きな視聴者・テレビ朝日のファンに満足していただく、この2つの大きな課題をどうクリアできるか考えていく。

<社長からの報告>

●4月1日にスタートするテレビ朝日ホールディングスは、このほど電波管理審議会の承認を得、認定証交付の後スタートする。役員人事体制は、基本的に6月まで現在の布陣をスライド継続する形。
6月下旬の株主総会・取締役会を経て新たな本格体制となるが、ホールディングスとテレビ朝日の代表取締役会長兼CEOに私が、また、両社の代表取締役社長に、朝日新聞、元常務の吉田慎一氏が就任することが取締役会で内定した。
以上