放送番組審議会

第523回 放送番組審議会報告 9月16日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長
見城  徹  副委員長
川淵  三郎  委員
黒鉄  ヒロシ  委員
内館  牧子  委員
田中  早苗  委員
津山  昭英  委員
中谷  巌  委員
野際  陽子  委員

■欠席者
関川  夏央  委員

課題番組

「報道ステーション」について
(月曜日~金曜日 21時54分~23時10分)

<評価点>

●テレ朝のプライムの視聴率の安定に一番貢献しているのが「報道ステーション」だ。

●古舘さんの発言もぶれがなく、それから思いつきでもなく、勧善懲悪でもなく、自身の前の発言ときちっと有機的にかみ合っていて、非常に納得ができる。古舘さんぐらい明晰な言葉で、言いたいことが何かということがわかるように言ってもらえるのは、すごくありがたい。

●古舘さんはすごく勉強して広範囲に下調べをして、一番いい切り方をチョイスしているのではないかという気がする。見ている側の考え方が、賛成であっても反対であってもある説得力を持って聞くことができる。

●天気予報はニュースショーの天気予報として出色だと思う。必ずポイントをつくってやっているし、面白い天気予報になっている。台風の時の伝え方が非常にわかりやすかった。素人の知りたい部分というのをもっと取り上げてもらえるとうれしい。

●"原発 わたしはこう思う"というのは大変よい企画。これだけの視聴率を取る「報道ステーション」がこれをやるというのは大変意義があることだ。

●スポーツは、11時を挟んでいる。あれは非常にうまい。11時はチャンネルを替えられない。そういう意味では見事にスポーツ報道のところが成功しているのではないか。

●セットがすごく素敵になった。重厚感があり、ほんとにしゃれている。タイトルもとてもしゃれていてほんとに素敵な番組になった。

<課題・提言>

●「報道ステーション」というものはテレ朝にとって屋台骨にあたるような非常に重要な番組。「報道ステーション」では大局観とか世界観みたいなものが随所に反映されて一貫性のある報道番組になっているということが非常に重要である。

●ゲストを呼ぶときには、深く考えたスタンスの上で、「報道ステーション」独特の視座と切り口で見せてほしい。

●週に1度でもいいから、"今週の福島原発"みたいなものを期待している。比較的順調に進んでいるとか、安心感も出てくるかもしれないし、反対に問題点を感じるかもしれない。

●人権的配慮なのか、匿名と実名の扱いが、最近非常に抑制的になり過ぎて、違和感がある。

●レギュラーコメンテーターの2人だが、2人とも新聞記者なので、なるべく現場を踏ませてほしいという感じを持つ。古舘さんも現場を踏んでほしい。

●東日本大震災について、少なくとも一年後には何かが見えて前向きになれていたらいいと思う。可能なら、報道がそういう道筋をつける役目も担ってほしい。

<局側見解>

●原発について、それから震災そのものの復興報道も継続的にやっていきたいと思う。報道としてはパワーを全部結集して、「報道ステーション」を含め、きっちりとやっていきたい。

●古舘さん自身も、弱い立場、なかなか声を大にして言えないような人の側に立って意見するという気持ちを持っていて、われわれも大事にしたいと考えている。ただ、強い側に対してものを言うときも、相手のことも考えながら報道していかなければいけない。そのへんのこともきっちり踏まえて真摯に報道していきたい。

●報道全体、マスメディア全体の問題だと思うが、今回の大震災、特に福島原発の事故の報道のあり方が本当に正しかったのか。多くの人たちがネットのほうに信用性を見いだしていた現状を考えると、信頼を取り戻すのは大変だが、そういう努力をさらにやっていかないとおそらく生き残れないだろう。

<その他>

社長からの報告

●業績は、第1四半期については減収だが、増益という結果だった。第2四半期も間もなく終わるが、順調で、スポットは前年を上回るペースとなっている。

●東海テレビの情報番組の、不適切なテロップの放送についての報告。他山の石として当社の番組でも注意するように現場に指示をだした。

●東日本大震災の被災者の支援のためのドラえもん募金についての報告。9月30日に終了する。
以上