放送番組審議会

第512回 放送番組審議会報告 7月23日(金) 開催

■出席者

堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
川淵  三郎  委員 (日本サッカー協会名誉会長・キャプテン)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
内館  牧子  委員 (脚本家)
田中  早苗  委員 (弁護士)
勝俣  恒久  委員 (東京電力(株)取締役会長)
津山  昭英  委員 (朝日新聞社 記者規範幹事)
■欠席者

関川  夏央  委員 (作家、神戸女学院大学 客員教授)
見城  徹  委員 (幻冬舎社長)<リポート>
中谷  巌  委員 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)理事長)<リポート>

課題番組


「やじうまプラス」
毎週月~金曜日 午前5時25分~8時00分

「スーパーモーニング」
毎週月~金曜日 午前8時00分~9時55分

<評価点>

「やじうまプラス」

●他の民放に比べて、軽すぎず重すぎず出勤前に見るにはバランス感覚の良い内容になっている。

●複数の新聞紙面から様々な記事を紹介し、コメンテーターを入れてニュースを多面的にという形式はテンポもよく、朝の番組として非常に良い。

「スーパーモーニング」

●赤江さんも小木さんも爽やかで清潔感があっていい。ただ、番組の主役が誰なのかよくわからない。

●「ちょっと待った総研」の日本の財政をどうするか、財政の基本事項の解説、各党の意見の取材、突っ込みなど大変わかりやすい。
<課題・提言>

「やじうまプラス」

●核となるキャスターが欲しい。その人が何を言うか、そのハラハラ、ドキドキ感が足りない。

●コーナーのBGMが気になる。もう少し選曲を考えたほうがいい。

●コメンテーターのコメントが長い。また、通り一編のコメントに終始しがちで、コメントの入れ方をもう少し検討したほうがいい。

「スーパーモーニング」

●気になるのは水曜日。3人の出演者で小沢(一郎)擁護、検察批判のオンパレード。もとより、報道に中立などあるとは思っていないが、あまりにも理解不可能な思い込みとしかとれない。

●番組の売りは「教えて!ニュース」だと思う。これを中心につくっているのは分かるが、これだけではもたない。核となるコメンテーターを中心に据えるような、つくり方をすると、そのコメンテーターの発言や、番組に対して関心を持てる。

●リポーターの取材等々、時のニュース、芸能ニュース、バラエティーに富んで感心したが、焦点はどこにあるのだろうか。

●昔はもう少しクールだった。画面に変化をもたらすために、いろいろとコーナーが変わったり、フリップを使ってみたり、一生懸命な感じが逆にチープさを醸し出していて、身近にニュースを紹介しているようには映っていない。

<共通の課題・提言>

●コメンテーターが何のためにいるのか考えさせられる。専門家の解説もあれば、素人の意見もあったり、何にでも意見をもとめることに抵抗がある。コメンテーターが売りなのだろうか。もしそうであるならば、もう少し司会者とうまくやりとりをしてほしい。

●コメンテーターが、どの局もどの番組も同じ。一人のコメンテーターがいろいろな局の番組に出ている。専門外のこともコメンテーターが必ずコメントしなければいけない状況は避けたほうがいい。

●テレビ朝日は新人発掘に長けた局だと思う。テレビ朝日らしい新人発掘、そういう人を登用するなり、もう少し冒険してほしい。あまりにも常識的なコメンテーターが多いので、ぜひ新しいコメンテーターの発掘などに挑戦してもらいたい。

●「やじうまプラス」と「スーパーモーニング」がどこで切り替わるのかよく分からない。マスコットがあるとか、スタジオのセットをガラリと変えるとか、差異化が図れるのではないだろうか。

<局側見解>

●一番多かったご指摘がコメンテーターの問題。できるだけ視聴者の方々に分かりやすくということで多面的なご意見をみなさんからいただくが、中には熟成しきっていないご意見もあり、それをどのようにハンドリングしつつ、分かりやすくニュースをご覧いただけるようにしていくかを考えていきたい。

●多角的な意見を担保するために、できるだけ新しいコメンテーターを発掘していく努力を引き続きやっていきたいと思う。

●新聞報道に乗ることの危うさは非常に危惧している。新聞が報じることでも、放送責任は当然、放送局にある。これが事実として捉えられてしまうことは重々承知しており、必ず両論を併記するようにしている。また、完全に裏が取れない、刑事事件に発展するような、1紙抜きのスクープのようなものは、極力取り扱わないようにしている。

●BGMは、朝の爽やかなテンポ感を出そうという目的で、あえて若干派手なBGMを流しているのだが、もう一度考えてみようかと思う。
<その他>

社長からの報告

●視聴率は、4月-6月のクールはゴールデン・プライムが2位レベルで健闘。水曜日は、15週連続ゴールデン・プライムがトップ。その要因はサッカーワールドカップの日本対オランダ戦の視聴率43%をはじめ、スペシャル編成が成功したこと、レギュラーのドラマ、バラエティーも安定した視聴率を獲得。
以上