放送番組審議会

第498回 放送番組審議会報告 3月13日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
川淵  三郎  委員 (日本サッカー協会名誉会長)
北城  恪太郎  委員 (日本アイ・ビー・エム最高顧問)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
菅谷  実  委員 (慶応大学メディアコミュニケーション研究所教授)
関川  夏央  委員 (作家、神戸女学院大学 客員教授)
駒野  剛  委員 (朝日新聞社論説委員)
田中  早苗  委員 (弁護士)

課題番組 毎週月曜日 午後7時00分~7時54分 「報道発 ドキュメンタリ宣言」について


ご意見のポイント


☆ テレビ朝日の良心ともいえる良い番組。「継続は力なり」で頑張ってほしい。

☆ 感動を与え続けていれば視聴率もついてくる。

☆ 時間帯を変える、再放送など、視聴者開拓の工夫を!

☆ 今が正念場。番組の姿勢が変にぶれないよう努力を!

< 評価点 >

● 本当に良い番組なので、感動を与え続けていれば視聴率も地道に上がっていくのかなと思う。

● MCの長野智子さんは取材豊富なキャスターで、語る言葉は非常に説得力があって良い。

● 国選専門弁護人の話は、今年から始まる裁判員制度を前にして、実際に弁護士がどんな活動をしているのかを見るのに非常にためになった。

● 夜7時という時間帯で、ドキュメンタリというのは冒険的だが、さらに頑張ってもらいたい。

● テレビ朝日の良心ともいえる本当に良い番組。ぜひ、“継続は力なり”で頑張ってほしい。

● すごく力を入れて、腹をくくってドキュメンタリを作っていこうという気概が伝わってきて、勝負していると思うので応援したい。

< 課題・提言 >

● この時間帯は、まじめなドキュメンタリを見る人は、NHKの「ニュース7」と「クローズアップ現代」を見る時間ではないか。当日何が起きたか関心のある人であれば、このドキュメンタリは見ないのではないかということ。せっかく良い番組なのに視聴率がとれないのはそのためでは。視聴者層が重なるので、7時を8時に変える、土曜日にするなど工夫してはどうか。

● MCの長野さんひとりでスタジオが寂しいので何か工夫を。

● 不況の中で新しい事業に取り組んでいるとか、町おこしに成功したという例もあるので、そういうほのぼのした明るいドキュメントも見られればと思う。

● 視聴率が低く今が正念場だが、大事なのは変にぶれないこと。いかに見てくれる人たちを開拓していくか、努力を重ねるしかない。

● 新聞のラテ欄の見出しがよくない。ふわっとしていて番組のエッセンスが入っていない。どうしたらこれを見てもらえるか見出しをもっと練り上げるべき。

● 10時から放送の「NHKスペシャル」でさえ6~7%と視聴率が低いのだからしようがない。いいものをつくっているのだから見てくれるはずというのではなく、他の番組の中で紹介するとか、再放送するなどの視聴者獲得の努力も必要。

< 局側見解 >

● よちよち歩きの番組で、視聴率も大変心配をかけているが、信頼感を積み重ねて、ぶれずに頑張りたいと思う。

● 視聴率を度外視しているわけではなく、番組の質と視聴率の二兎をあくまで追いかける。時間はかかるけれど、8~10%ぐらいとれる番組だと信じてつくっている。

● あまりにも社会的弱者に寄り添いすぎているのではないかと反省している。今後はネタの選択の幅を広げていきたい。

< その他の番組 >

● 「素敵な宇宙船 地球号」は時間帯が残念。せっかく大事なことを伝えているのだから、子ども達の世代にも見てもらいたい。

● 「旭山動物園日記2009」は、動物の実態に迫り、単なる動物園物で終わらずに、お笑いもあり、家族で体験できる非常に良い番組に仕上がっていた。

● スポーツWBCの放送では、ウルトラスーパースローをもう少し多く見せて欲しかった。

● 今、テレビショッピングは広告ではなく番組で放送しているが、番組となるともっと番組基準を厳しくしろという声が強まってくるのではないかと思う。テレビショッピングからいろいろな規制が始まっていく可能性があるので、注意していただきたい。

● 小沢一郎秘書の政治資金規正法の報道に関して。一番おかしいのは微罪である、形式犯である・・・。形式犯であるという大前提が市民感覚と相当違う。実質から言えば、相当悪質だ。それを単純に形式論でいくのはいかがなものかと思う。

< その他 >

社長から次の報告があった。

● 3月第1週は、WBCなどで開局以来初の4冠を達成した。

● CS放送の加入者が大変好調。250万件を突破した。

● 菅谷委員が今月をもって番組審議会委員を退任される。
以上