放送番組審議会

第497回 放送番組審議会報告 2月20日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
関川  夏央  委員 (作家、神戸女学院大学 客員教授)
見城  徹  委員 (幻冬舎社長)
駒野  剛  委員 (朝日新聞社論説委員)
田中  早苗  委員 (弁護士)

課題番組 毎週月~金曜日 午前8時00分~9時55分 「スーパーモーニング」について


ご意見のポイント


☆ 番組制作が視聴者目線で行われているか問われているのではないか?

☆ なぜこのニュースがトップ?と思うことが多い。トップニュースの選択は慎重に!

☆ 赤江さん、小木アナのMC二人はどんどんよくなっている。

☆ スウェーデンの企画は非常によかった。まとめて再放送を!

< 評価点 >

● 赤江さんが、司会者として番組の顔になってきている。小木アナも非常にはっきりとした物言いで、自信が出てきたと思う。

● 元時津風親方の裁判は、非常にわかりやすく、弁護側と裁判側の争点に関する違いを詳しく説明していて非常に見やすかった。

● 以前に比べてまとまりがよくなったし、信頼感は持続できている。

● このところ政治事件が多く、「スーパーモーニング」は本領発揮ができていると思う。

● 番組のターゲットを50~70代にしぼり、事件や政治などを中心にした面白い試みだと思う。

● スウェーデンの企画は、連日見るときめ細かく日本との差や比較が出ていたので、非常に良かった。まとめて放送したらよくわかってもらえていいと思う。

< 課題・提言 >

● ワイドショー的といわれるが、衝撃力とかしつこさとか、本当の意味での究極の国民目線になっているかどうかというところが今、「スーパーモーニング」は問われているもしれない。番組を器用にまとめすぎているのではないか。

● なぜこのニュースがトップにというのが多い。最初に引っ張る魅力を重要視したほうがいい。

● 番組のつくり方もセンスがなくて魅力に欠ける。テーマが多岐にわたっているのはいいが、一貫性がなく指揮系統が整っていないという弱さを感じる。

● 夜のニュースを見る層とは違って、ながら視聴している人が多いのではないか。そうすると、「あれがあるから見よう」というものが必要。それが確立して魅力ある番組になれば視聴率につながると思う。

● 他局と比べてザッピングしてみると、チャンネルのとまる回数が少ない。

● コメンテーターはもっとはっきり物を言う人を集めたらどうか。

● 鳥越さんや大谷さんに頼っている。テレビ朝日の渡辺宣嗣アナや吉澤一彦アナなど、テレビとして表現できる人がいる中で新聞的な人の力を使うというのは、本格的なワイドショーのセンスと離れてしまうのではないか。

● スウェーデン企画は、何と何を比べるのか全然掘り下げていないので、スウェーデンのどこが日本と比べていいのか理解できなかった。

< その他の番組 >

● 「スーパーJチャンネル」での中川大臣のもうろう会見は映像で全てを伝えていた。そこに今の日本の政治、国民に対する責任のなさなど、全て凝縮されていた。映像はテレビの力そのものだと感服し、おそろしいものだと改めて感じた。

● 「報道ステーション」で古舘さんが夕張に行きインタビューした83歳のご婦人から「自分でやらなければだめだ。自立と支え合いしかここにはない」という言葉を引き出した。日ごろスタジオで発言しているよりもはるかに重みがあった。

● 「サンデープロジェクト」の派遣業法の話の登録型派遣が諸悪の根源という問題の端緒であるという取り上げ方は非常に勉強になった。

< 局側見解 >

● 報道、情報は信頼が一番大事。発言した本人の意思と違ったものになるこわさ、事実を曲げていきかねないというおそれを自覚しながら番組づくりを進めていきたい。

● スタッフが日々修練しつつ、テロップや言い回しのミスをなくしていくよう今後も指導していく。

● トップニュースの考え方は悩んで試行錯誤している。慎重に番組構成を考えていきたい。

< その他 >

社長から次の報告があった。

● 2月1日からの「開局50周年記念 10DAYS」4冠達成。

● 慶応大学との共同研究「リサーチQ」の発表会について。
以上