放送番組審議会

第496回 放送番組審議会報告 1月23日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
北城  恪太郎  委員 (日本アイ・ビー・エム最高顧問)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
見城  徹  委員 (幻冬舎社長)
駒野  剛  委員 (朝日新聞社論説委員)
菅谷  実  委員 (慶応大学メディアコミュニケーション研究所教授)
関川  夏央  委員 (作家、神戸女学院大学 客員教授)
田中  早苗  委員 (弁護士)

課題番組 「放送番組全般」について

< 番組関連 >

【報道・情報系番組】

● 「報道発 ドキュメンタリ宣言」は、勇気を与えたり優しい気持ちになったり寛容さ、そういったものを感じさせる。これから将来の不安を感じる人たちが多くなっていくと、そういった番組が求められるようになってくると思う。

● ドキュメンタリーは本来NHKやBSの仕事と思われており、民放は基本的に放映する媒体として信用されていない。そんな中で「ドキュメンタリ宣言」をやることは非常に辛い。視聴率も高かったり低かったりと何とも言えないが、非常に意義のあるチャレンジであり簡単にはやめないほうがよい。

● 景気も悪くなるし、世相も暗くなると思うが、事実をそのまま伝えると同時に、50年になるテレビ朝日にはやはり心を温めるような、ホッとするようなものも提供してほしい。特に「報道ステーション」などは、報道に特化するのはわかるのだが、文化とか芸術とか、もう少し息が抜けるところがあっても良いと思う。

● 派遣切りのことをテレビ各局がやたら叩くが、正規社員にならないことを謳歌しているとさんざん取りあげておいて、しかも規制緩和のときにテレビは何も言っていない。それで今度は派遣労働者を切るといったら正義の味方のように大問題だとここまで煽るというのはいかがなものか。

● 「プログレス賞」がせっかくいい時間に放送されていたが、ラテ欄で紹介する記事を見かけなかった。ドキュメンタリー番組を見る人たちは、新聞も読んでいる方が多いと思うので、できればラテ欄に対する広報活動をもう少しやるとか、コラム欄に書いてもらうとかの努力をする必要があると思う。
【ドラマ・バラエティー】

● 「相棒」のお正月スペシャルを見たが寺脇さんがいなかった。いかに大きなコメディ・リリーフであったか痛感した。卒業は非常にもったいないと思った。

● 「Qさま!!」や「スマステ」などバラエティーも面白い。ネーミングにインパクトがある。今度の「50時間テレビ」のネーミングも非常にインパクトが強く好評だ。
【その他】

● テレビ朝日全体、元気がよい印象。ドラマが好調だったり、スポーツにおける注目度が高い、大きな大会を放送しているという感じがする。

● 視聴率を取らない限り番組ではないと思ってやらないと明日はない。テレビ朝日は他局よりも世帯視聴率に対してちゃんと狙ったものを取っていくというのはできていると思う。

● 9・11やケネディ暗殺など、この世あらざるものが起きて映し出されると大衆は見たがる。すると視聴率は取れる。しかし、そのようなことはそんなに起こるわけではないから、番組制作者は、いろいろ考えなければならない。テレビはどうやってこの世あらざるものつくるか。一番はライブだと思う。ライブは何が起こるかわからないから、この世あらざるものになる。ライブはテレビの王道。この世あらざるものをしっかり見せて欲しい。

● 朝日新聞と今後どのような連携ができるのか、テレビ朝日の独自の判断もあろうが朝日新聞の取材している内容と連携して、視聴者にとって関心のあるものを流していただいてもいいと思う。

< 局側見解 >

● 不確実で不安な時代を生きている視聴者の皆さんに、我々テレビがどんなことができるのか、元気づけるようなことが放送できるのか、既成の概念、今までやってきたことにとらわれずに大胆な発想の転換をしながら、番組プログラムを考えなければならないと思っている。

● 「報道はライブ」だが、気をつけなければならないのは、先入観とか段取りとかに足を取られていくことがある。その都度その状況をあらためて自分の目で見ていくという姿勢をもたないといけない。

Q. 経営と報道の関係はどの程度の影響を与える構造になっているのか。

A. 経営と報道はお互いに相いれないものを内部に持っているだろうと自覚している。その場合でも、新聞とテレビはまた若干違って、新聞の場合は規制する法律がない。テレビの場合は放送法があり、必ず中立でなければならないという、様々な規定が入っているということで、わりあい経営と報道の関係が新聞ほどシリアスな関係にはならないだろうと思っている。

Q. 昭和天皇崩御の際の番組づくりについて、反省はあったのか。

A. 反省会と言うか、総括はした。当時のプロデューサーが第二次大戦にこだわったので、ある種の公平さを保ちながら、昭和天皇の死とはなんだろうと非常に真面目な長時間放送をした。

< その他 >

【会社側からの報告】

● 開局50周年記念「50時間テレビ 10DAYS」について。

● テレビ朝日はKDDI、朝日新聞とコラボレーションを組んで新ビジネスを始める。

● 「情報整理バラエティー ウソバスター!」のブログ問題についてお詫び放送をした。

● 昨年12月に業績予想の3度目の大幅修正。

● 裁判員裁判の取材における基本スタンス[骨子]の説明。
以上