放送番組審議会

第494回 放送番組審議会報告 10月17日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
北城  恪太郎  委員 (日本アイ・ビー・エム最高顧問)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
見城  徹  委員 (幻冬舎社長)
駒野  剛  委員 (朝日新聞社論説委員)
菅谷  実  委員 (慶応大学メディアコミュニケーション研究所教授)
田中  早苗  委員 (弁護士)

課題番組 「スーパーJチャンネル」について


ご意見のポイント


☆ 硬いニュースが多く見応えがある。それが視聴率の高さに反映しているのではないか。

☆ ニュースの中に、現代の問題を洗い出すような特集を組み込んだ、大変面白い番組!

☆ 報道する側と視聴者の感覚にズレがある。
一般視聴者側の視点に立てば、ニュースの切り方も変わる。

☆ 間違いは許されない。ニュース番組である以上、正確さとリアリズムは生命線だ。

< 評価点 >

● 他局に比べ硬いニュースが多く、きちっとしているので見応えがある。それが視聴率の高さに反映しているのではないか。

● 視聴率も1~2位であれだけの長さの番組を毎日続けるのは大変なこと。よくまとまっていると思う。

● その時々のニュースを流しながら、現代の問題を洗い出すような特集をやっている大変面白い番組。

● この時間帯は各局ニュース番組をやっているので、キャスターで見る。小宮さんは非常に落ち着いていて安定感もあり、声のトーンが騒々しくなく、圧倒的に良い。

● 頑張る中高年を取り上げた企画が良かった。何かをやりたいと思っている人たちに勇気を与えた。これからも定期的に中高年が頑張る姿を紹介して欲しい!

● 18時30分頃からは集中しなくてもいい話題で、街の景色や人が生活する表情が映るとホッとできて嬉しい。あまり過剰な演出はいらない。

< 課題・提言 >

● ローカル枠で1都6県のニュースも更に積極的に流して欲しい。

● コメンテーターが良いからといって、同じ人が朝昼夕と同じニュースについて言い回しを変え、3回も出演するのはいかがなものか。

● 裁判員制度導入に伴い供述報道というのが一番注目される点だが、報道するにあたり、被疑者に直接取材していないということを肝に銘じて欲しい。

● 年金問題など、報道する側と視聴者の感覚に差があるような気がする。もう少し一般視聴者側の視点に立てば、ニュースの切り方も変わってくるのではないか。

● 固有名詞や数字の桁の間違えなど、間違えは許されない。ニュース番組である以上正確さとリアリズムは生命線だ。

< 局側見解 >

● いま番組の最大の課題はミスを無くすこと。「スーパーJチャンネル」だけでなく報道局全体でその対策を練っている。

● 裁判員制度について報道する側の姿勢や立場が問われてきている。ひとつの事実をめぐって様々な判断、弁護とは何かということを見せていくこと自体が、裁判員制度を考えていく上で大事なことだと思う。

● 事件が動いている中で放送するので、かみ砕いたり深いところまでなかなかできないが、ミスリードすることのないよう正確で信頼できる番組を作っていきたい。

< その他の番組について >

● 「小児救命」は非常にタイムリーだが、あまりに完璧な医師を演じているので物語的過ぎて、悩みがあまり伝わらないという違和感がある。しかし、大変良い番組なのでもっと上手くPRして多くの人に見て欲しい。

● 「サラリーマン金太郎」がすばらしい。胸がすく爽快さで、なおかつ涙も出て、生きる勇気が沸いてくる。劇画でありながらリアリティーがあり、低予算でよくあれだけのものを作っている!

● 「サンデースクランブル」で緒形拳さんが亡くなった時、斎場に『不惜身命』という文字があったことから緒形さんと親交のあった貴乃花とのエピソードを取り上げた。文字に広がりを持たせた秀逸なリポートだった。

● 「報道ステーション」でアメリカの経済危機に関して、今後は世界的な構造が分かるような取り上げ方をする必要がある。

● 「報道ステーション」は良い番組。汚染米の問題で、日本穀物検定協会の検査体制、農水省からの天下り問題などを含めて取り上げるなど、時々刻々起きる問題に対してその背景を含めて取材するのは良いと感心した。

● 「第14回PROGRESS賞」奨励賞内定の、秋田朝日放送制作「命の教室~8万匹の捨て犬を処分した男の出前授業~」は普通なら最初から敬遠してしまうような重いテーマを、とても上手くまとめていた。今後、特集やドキュメンタリー番組で、明るいものだけではなく深刻なものでも、多岐にわたって取り上げるテーマは存在すると思う。

< その他 >

社長から次の報告があった。

● 先週金曜日「スーパーJチャンネル」で、破綻した『大和(やまと)生命』を字幕で『大和証券』と表記してしまった。番組中と、「報道ステーション」でもお詫びをした。

● リーマン・ブラザーズ破綻の影響については、テレビ朝日でも関連債券を持っており上期に10億円の特別損失を計上した。現在、資金運用規定の見直しをすすめている。

局側から次の報告があった。

● 広報誌「PRIO」が23年の歴史に幕を閉じ、10月から「R25」「L25」というフリーペーパーに番組情報を掲載することになった。発行部数が50万部から100万部に増え、F-1層に加えM-1層までターゲットが広がった。
以上