放送番組審議会

第493回 放送番組審議会報告 9月19日(金) 開催

■出席者
堀田  力  委員長 (弁護士、さわやか福祉財団 理事長)
石坂  啓  副委員長 (漫画家)
川淵  三郎  委員 (日本サッカー協会名誉会長)
黒鉄  ヒロシ  委員 (漫画家、イラストレーター、エッセイスト)
見城  徹  委員 (幻冬舎社長)
駒野  剛  委員 (朝日新聞社論説委員)
菅谷  実  委員 (慶応大学メディアコミュニケーション研究所教授)
田中  早苗  委員 (弁護士)

課題番組 「ビートたけしのTVタックル」について


ご意見のポイント


☆ 高視聴率を続けることはすごいが、この完成型をあえて壊してみたい!

☆ 阿川佐和子さんの発言が秀逸!三宅久之氏、大竹まこと氏の発言も効果的!

☆ 見終わったあと、何を議論し、何をやっていたのか、頭の中に残らない

☆ 不測の事態の時にテレビ局の力量、決意、見切りが出る。思い切った決断を!

< 評価点 >

●政治の課題をタイムリーに取り上げ、話題を提供した上で議論するので、対立点も明確になり、話が盛り上がっている。

●以前も良かったが、さらに進化し完成型に近い独特のリズムとテンポになっている。

●阿川佐和子さんの意表外の発言が秀逸であり、三宅久之氏、大竹まこと氏の発言も効果的である。

●阿川さんが上手に、しかもきちんと視聴者の視点に立って番組の流れを整理しているところに感心した。

●出演している政治家も、よく集めてきていると思う。その回によって、キャスティングが実にうまくできている。

●VTRも非常に効果的に編集され、教養番組としても大変よくできている。その上で、バラエティの面白さがここまでできているのは大変なことだと思う。

●こういう番組をもっと増やして欲しい。

●非常にライブ感・臨場感がある。また、旬のネタで、視聴者の言いたい事を代弁してくれているようなところが上手い。

< 課題・提言 >

●ここまで高視聴率を続けるということはすごいことだが、ここまで完成型ができてしまったら、あえて壊したいと思う。

●できれば若手の有力な政治家の参加が増えればさらに面白くなるのではないか。

●番組を見終わったあとに、何を議論していたのか、何をやっていたのか、頭の中に残らない。バラエティ色が非常に強く、それはそれでいいのかとも思う。

●たけしさんが面白いことを言っているとき、さらに分かりやすく下に文字を出すなど工夫して欲しい。

●今のメンバーで選挙速報をやったら、どこの局にも勝つと思う。

●総理辞任など、不測の事態が起こった時に、テレビ局の力量、決意、見切りが出ると思う。思い切ったことをやったほうがいい。

< 局側見解 >

●政治問題を扱うバラエティに様変わりして約8年、責任を持って話を聞いてくれる政治家が出たら面白いのではないかということで、今のような形になった。番組もある意味、マンネリ的に言われているが、汚染米や社保庁など霞ヶ関がひどい。今、どこにどううまくいってほしいかという部分をこの番組で拾っていくことが、この番組の生命線だと思っている。安定した数字の中で、どう変えていくか慎重にならざるを得ない。来年20年を迎えるが、末永くやっていきたい。

< その他の番組について >

●オリンピックで、松岡修造さんが非常にいいリポートをしていた。シンクロの井村雅代コーチの取材で、人間ドラマが垣間見えて余韻があり、すばらしいリポートだった。

●「スーパーモーニング」は非常になじんできたが、逆に言うとややマンネリではないか。アメリカ経済の大混乱はおそらく世界史的な局面だと思うが、非常に印象が薄いと思う。番組のゲストの中に経済のプロが何人かいるのに、よく使いこなせていない。もっと現場とかインタビューを多用して欲しい。テレビ朝日のベテランアナをもっと起用することも考えて欲しい。

●オリンピックやサッカーも、試合後のインタビューの質問がみな同じで工夫が足りない。試合の中身を入れながら、選手のいいリアクション、いいコメントを引き出すために、どう質問したらいいのかもっと考えて欲しい。

●8月2日放送の開局50周年特別番組「原爆」は非常に感動した。新鮮な手法で、テレビ朝日らしい、よい番組だった。

< その他 >

社長から次の報告があった。

●フジテレビが10月1日から認定持株会社フジ・メディア・ホールディングスという名前でスタートさせ、放送免許自体はその下のフジテレビジョンが持つことになった。TBSも来年4月に認定持株会社への移行を発表した。テレビ朝日でも、現在認定持株会社について研究している。

局側から次の報告があった。

●7月22日夜に八王子市で起きた通り魔殺人事件の報道で、「スーパーJチャンネル」などの複数の番組の中で被害者の顔写真を別の人と取り違えて放送するという事態が起きた。7月26日土曜日の「ANNスーパーJチャンネル」の中で、訂正放送を行った。

この日は、新人研修の一環として、新入社員11人(前回出席できなかった)が傍聴した。
以上