放送番組審議会

第484回 10月開催・毎週水曜日 19時00分~19時54分「愛のエプロン」について

今月の放送番組審議会の概要 : 第484回 (10月開催・「愛のエプロン」について)
第484回 放送番組審議会報告 2007年10月19日(金) 開催

■出席者
桂  敬一  委員長
石坂  啓  副委員長
内館  牧子  委員
大島  ミチル  委員
駒野  剛  委員
菅谷  実  委員
関川  夏央  委員
田中  早苗  委員

■課題番組 毎週水曜日 19時00分~19時54分「愛のエプロン」について

☆タレントの素が出る番組だ。

☆高級食材を求めてという方向には行かないで!

☆視聴者が制作側の意図を先読みして、反発しているのでは?

☆モッタイナイという時代風潮に逆行しているのでは。
●タレントが料理をしたり食事をしたりするのは、その人の素の部分がわかるという醍醐味があり、それは強みである。意外性があって、それで好きになったりポイントがあがったという人もたくさんいる。

●スペシャルの藤原紀香さんの豪華バージョンというのは、本来の方向性とちょっと違った方向にいってしまった。番宣の影響が大きいのだろうがメンバーが濃すぎて、くどく、普段のノリと違って逆に楽しみづらいものがあった。

●最近は各局とも3時間のスペシャル番組が多い。見ているほうはちょっと疲れるなという気がする。

●一番気をつけて欲しいのは、高級食材を求めてというものだ。そんなところで手間と予算をかけないでというような反発があったりしたので、そちらの方向へはいかないほうがいいのではないかと思う。

●視聴率は、最近はひところより少し落ちた。なぜかと考えると、裏番組の「クイズ!ヘキサゴンII」という番組は、内容・中身が進化していると思う。ルールがわかりやすくなり、参加しやすいのですごく面白い。こちらのほうがちょっと引力が強いのではないか。そこの対策を気にかけるといいのではないかなと思う。
●この番組は、非常に出演者が多いのだが、その中でやはり司会者が埋没しがちである。番組の特徴を出すために、もう少し司会者が番組全体を仕切るとか、司会者の個性で番組をつくるという形にして欲しい。司会者チームにもう少し特徴が出てくると、リピーターもふえてくるのかなと思う。

●司会者の話が出てきたが、ゲストがあれだけ濃いと、やはり司会者はああいう形のほうがゲストをうまく光らせるという気がする。だから、城島君も出過ぎずあのバランスがいいし、そのあたりを制作者も司会者もよくわかっているなという気がしている。

●時代の流れからすると、若干遅れてきているのではないか。世界を含めて「モッタイナイ」という時代の中、それから「格差社会」ということで、ああいうものを食べられないで死んでいく人もいる中、ふんだんに色々なものを作って、中には食べてもらえないというようなものがあるというのは、やはり、もういい加減にしたらどうかということを正直思ってしまう。

●1ヶ月ほど海外へ行って、日本に戻ってきたときに、日本のテレビ番組・テレビ局というのは、すごく努力をしていると思った。バラエティに富んだ緻密なプログラムというのはすごい。スタッフの努力をものすごく感じると同時に、バラエティ番組の幅広さと言うのは世界一ではないかと思う。

●海外から帰国してみて、印象としては、これがテレビ朝日の番組なのだというものが意外になかった。やはり「報道ステーション」などが、テレビ朝日だという印象があるのだが、ニュース番組以外の番組で、これがテレビ朝日なのだと思うものがすごく少なかった。これは、テレビ局としてのカラーがすごく薄れている時代なのかなと思った。

●日本のテレビ番組というかテレビ局というのは、本当に1週間にこれだけの番組を、毎回あたらしいものをつくっていく、その現場のすさまじさというものを想像しただけでも尊敬するところがあるが、逆に言うと、作り方、テレビの在り方等、今一番変わらないといけない時期なのではないかという気もする。
●例えば「ヒール軍団」と「ベビーフェース軍団」をプロレスのリングみたいにしっかり闘わせるという手も一つある。今の状態を見ていると、高級食材をふんだんに使って美女やハンサム俳優がたくさんでてくるというのは、視聴者はどうも腹が立つようである。逆に、一山幾らのナスと一山幾らの何とかでというふうに、安い食材でやるとか、石原軍団をキノコとタコにして愛エプ軍団は伊勢エビにしてみるとかではどうか。

●10月10日の3Hスペシャル(8.9%)が、うまくいかなかった理由というのは、進んできた今の視聴者たちが少しうがった見方をして、「これはヤラセじゃないか」とか「番組の宣伝のためだ」とか、「食材が双方であまりに差があり過ぎる」とか、制作者側の意図まで見てしまい、だんだん腹が立ってきたというのが大きいのかなという気がしている。ただ、これは面白い番組なので、ぜひ立ち直って頑張ってもらいたいと思う。

●演出のないバラエティは、ちょっと見るに堪えないので、ちゃんと十分に仕込んで演出してもらいたいと思う。そういうものと、俗に言われるヤラセというのは全然別なもので、準備のないバラエティを見せられる苦しみというものをわかってもらいたいと思う。そういう目で見るならば、このスタッフたちの努力というのは、非常に感銘深く、どうでもいいことにこれだけ情熱を注ぐということはやはりテレビの本質だと思う。

< 局側見解 >

●スペシャルだと、豪華な人に出ていただき、豪華なものでという意識でこれまでも作ってきたのだが、今回の数字を受けて、もっと身近に、視聴者に近い番組作りに戻していけるように頑張っていきたいと思う。

●我々も面白いと思って作っているものが、視聴者の方々に理解されず、数字が伸び悩んでいるという状況の中で、今いろいろと悩みながら改良して作っている途中である。今回は、「このままめげずに頑張れ」とか、具体的な案もたくさんいただき、とても参考になった。

< その他 >

【「亀田問題」について】

●一番大事なのは、ああいうものを増長育成してきたTBSにあるのであって、見方では、各局とも奥歯に挟まったように「一部マスコミが」というようなことを言うのだが、やはりあれは自戒というか他山の石として、ああいうふうなことを育ててきたことの裏には一体何があったのかということをもっと厳しく自分たちにも当てはめながら問いかけていただく時期にそろそろあるのではないか。

●亀田側の問題は、反社会的演技ではなくて、彼ら自身が反社会性そのものだったということ。これはTBSが計りがたかったところで、亀田家を取り上げた責任というよりも、そこまで読みきれずに非常にぬるくて深いコミットをしてしまったことに尽きるのではないかと思う。
●実況も酷かったということはあるが、TBSは「コメントすることは何もない」ということを言ったわけで、責任はすべて亀田と協栄に任せるということで逃げているのだけれども、誰がどう見ても「ZONE」という番組から仕掛けて育てていったことは事実なので、私は関係ありませんよという一方で、TBSのワイドショーなどでは処分が出る前は、かなりかばっている。そのへんの後処理のまずさというものをつくづく感じる。

●大向こうの意見をどこまで聞くかというのは、ボクシングであれ、相撲であれ、「愛のエプロン」の制作者であれ、どこまで聞くかというのは、がっちりと自分たちで、ぶれないラインを持っていないと、いくらでも有識者なる方々の意見とか、一般大衆の意見に流されてくると思う。

●テレビの恐ろしさを感じる。テレビは、自分が肥やしにするものをつくっていくのだが、みな食い尽くしてしまう。そして、カスになったら捨てればいいというような、そういうことを自覚してやっているのか無自覚でやっているのかはわからないが、やっているのではないかという気がしてならない。どうも最近、若い人たちのテレビ離れみたいなものを見ると、恐らくそういうことをずっとやっているとテレビは自分を食い尽くすのではないか。結局、「ヘビが自分のしっぽを飲み込んでいるうちに自分がなくなる」みたいな気がしてならない。テレビの危機が問われることになるような問題を感じている。

【「報道ステーション」について ~委員リポート~】

●10月10日の「報道ステーション」で放映された麻酔医の過労死に関する問題提起は、病院勤務医の過酷な勤務状況をよくあらわす、素晴らしい内容であった。救急病院における妊婦の受け入れ拒否の背景に、病院勤務医の不足があることを現場の映像によって説得力のある形で報道されており、制作者の着眼点の的確なこと、及び見識の高さに敬意を表します。まさに調査報道として質の高い内容でした。今後も医療現場の問題点を提起する報道を続けていただきたい。

■その他

●第13回「PROGRESS賞」内定の報告。
以上