放送番組審議会

第483回 9月開催・「スーパーモーニング」について

今月の放送番組審議会の概要 : 第483回 (9月開催・「スーパーモーニング」について)
第483回 放送番組審議会報告 2007年9月21日(金) 開催

■出席者
桂  敬一  委員長
石坂  啓  副委員長
内館  牧子  委員
北城  恪太郎  委員
黒鉄  ヒロシ  委員
見城  徹  委員
駒野  剛  委員
関川  夏央  委員
田中  早苗  委員
堀田  力  委員

■課題番組 「スーパーモーニング」について

☆このところのニュースの扱いに関しては、番組独自の取り上げ方があり評価する。

☆司会者・ナビゲーター・コメンテーターのすみ分けをはっきりして欲しい。

☆コメンテーターの人数と、ひな壇の並び方を一考しては!

☆国民の関心事、「知りたい・訴えたい・聞いて欲しい」に応える番組であって欲しい!


【コメンテーター・ナビゲーター】

●誰がニュースの発信者で、誰がナビゲーターか、コメンテーターか、わからない。

●ナビゲーターとコメンテーターの役割が、わからない。ナビゲーターとコメンテーターを一緒にして、人数を2~3人に絞り、できるだけ同じ人が、毎日出てきたほうがいいのではないか。人数が多く、入れ替わると印象が薄い。

●コメンテーターが多過ぎる。コメンテーターに頼り過ぎる。これではトーク番組になってしまう。

●コメンテーターの中に、ときどき先見の明のある勘のよいタレントがいる。そういう彩りのような、味付けをしてくれる人がいると、「スーパーモーニング」としての特色が出ると思う。

●ターゲットの視聴者層にふさわしいコメンテーターをそろえたほうがいい。

【スタジオセット】

●夏休みの特設スタジオは、外の風景もあり、緑も多く、雰囲気が違っていた。落ち着いていて、非常にいい感じでセットされていた。

●コメンテーターがひな壇の形で座っているのは、話がしづらいだろうと思う。

●コメンテーターたちの並びが三面式はよくない。

●カメラワークで人の後頭部がいっぱい映っているのは大変気になる。

【司会者関連】

●MCが二人いて、更にその隣にナビゲーターが立つとMCが3人いるように見えてしまう。MC二人が、本当に番組が伝えたいものを伝えていくほうがいいのではないか。

●MCは、二人ともいい個性なので、もっと二人の個性を生かすべく、すみ分けのようなことがあるといいのではないか。

●MCの赤江さんがとてもクリアで、時間が来た時の切り方も上手。なかなかの人材だと思う。

●小木アナウンサーのMCとしての位置づけをきちっとしたほうがよい。背広をいつも着たほうが良い。

●誰が見ても「この人はスーパーモーニングの人だ」と思われるくらいインパクトがあるように、MC、コメンテーターを育てて欲しい。

【全体的に(内容・構成他)】

●8~9月に視聴率が落ち着いてきているというが、選挙後のニュース関連で非常に関心が高かったからではないか、持続するかどうかまだ不安がある。

●前半のほうに力が入っているが、9時以降の印象感が薄い。

●構成もうまく、取材も一般の人たちが、気付かないところまで突っ込んでいていいなと思う。

●VTRを脱却して生の情報をきちんとスタジオで伝えるのは良い。

●独自取材が多いということで、他のワイドショーに比べて特色があるし、そこが素晴らしい。

●玉川リポーターの“納得できない!”や“恥さらしな日記”など、非常に力の入った企画があり、続いているということは世の中を動かしている部分があるのだと思う。

●玉川さんのような、新聞社の遊軍のような形で使われるポジションは、特筆すべきだ。継続的に経験を蓄積していくことができる。さらに人員を増やし長期間継続した取材のコーナーも入れて欲しいと思う。

●VTRの中身そのものは非常に丁寧に取材し、普段、気が付かないような情報を良く伝えているのはすごくいいと思うが、それに対するコメンテーターが、あまりインパクトのない話を長々されると受け手の印象が薄くなる。

●コメンテーターが、自身の著書をコメンテーター席で紹介し、内輪で褒め上げていたのはよくない。良いものであれば、きちっと特集すべきではないか。

●国民が聞きたいと思っている疑問はビシッと出してもらいたい。相手が答えられなければ答えられないでいいが、だらだらごまかされるような答えはよくない。ビシッとした質疑応答がいくつか入ると相手と視聴者が近くなれるのではないか。

●国民の関心事は、いろんなジャンルのことを知りたいというより、本当に逼迫し、切実に知りたい・訴えたい・聞いて欲しいというものがすごくあると思う。そこらへんを救える番組として「スーパーモーニング」を生かしてもらいたい。

●このところの、一連のニュース(北見市の水道工事の問題、橋下弁護士の懲戒請求呼びかけ問題、愛媛県警の巡査部長が県警を告発した事件など)で、「スーパーモーニング」の独自の取り上げ方があり、非常に評価する。

●ニュースショーは、硬派できちんとやっていくのと、作り方によっては、バラエティー化する危ないところがある。バラエティー調にしないで頑張って欲しい。そうすれば、世代がわりしても、あるコアターゲットだけはきちっと支持するだろうと思う。

< 質疑応答 >

Q.ひな壇、三面セットはやめたほうが良いのではないか。

A.スタジオでは、並びのセットだと、前にはカメラしかなく出演者が誰に向かって話したらいいのか分からない。コメンテーターとゲスト、あるいは出演者が、面と向かって対峙し話すようになり、ある程度スタジオは、活性化したと考える。ただ、視聴者からみて違和感があれば考えていきたいし、視聴者との距離感という部分で10月からは変えていく。

Q.今後とりあげていくニュースについて

A.9時以降何をやっても数字が取れなかったが、このところ前半を政局ニュースであげて、9時以降ニュース企画、生活情報、エンタメ編になっても数字を落とさなくなった。それが今の底上げの一番の要因だ。今後は、政治、経済、年金まできちっとやりつつ、生活情報もエンタメもできる、幅広いバランスのとれた番組を目指したい。

Q.番組に関わる制作会社のスタッフの研修や教育はどうしているのか。

A.現在、制作会社は使わず全員が常駐スタッフ。各曜日P、総合演出、総合デスクの3人体制で制作のハンドリングから危機管理まで責任を持ってやっている。毎週金曜日は勉強会を開き、若いスタッフも育てている。

< 局側見解 >

●VTRは、前日までのまとめになりがちだが、当日の朝に入ってくる新しい情報から入れていくことを目指している。このところ政局関連で数字が取れているが、これを生かし、10月以降ステップアップしていきたい。

●半年たち、日々試行錯誤、マイナーチェンジを重ねようやく方向性が見えてきたかなというところ。10月からは、MCにもどんどん外にでてもらう予定。発展途上番組なので温かく見守っていただきたい。

■その他

●「天国と地獄」(9月8日放送)は、大変良かった。事前に新聞の「試写室」の紹介で知り、見ることができた。特に力を入れた番組は、上手な広報で、多くの人に見てもらえるのではないか。

●「鶴瓶のニッポン武勇伝 言わずに死ねるかっ!! 我が家のスゴイ人GP」(9月18日放送)は、特攻隊とか玉音放送の内容など、今の若い人たちはほとんど知らないようなものを取り上げていた。非常にいい内容だった。
以上