放送番組審議会
第479回 4月開催・毎週日曜日23時放送「素敵な宇宙船地球号」について
今月の放送番組審議会の概要 : 第479回 (4月開催・毎週日曜日23時放送「素敵な宇宙船地球号」について)
第479回 放送番組審議会報告 2007年4月20日(金) 開催

■出席者
桂 敬一 委員長
石坂 啓 副委員長
内館 牧子 委員
大島 ミチル 委員
見城 徹 委員
駒野 剛 委員
菅谷 実 委員
田中 早苗 委員
堀田 力 委員
北城 恪太郎 委員(リポート)
石坂 啓 副委員長
内館 牧子 委員
大島 ミチル 委員
見城 徹 委員
駒野 剛 委員
菅谷 実 委員
田中 早苗 委員
堀田 力 委員
北城 恪太郎 委員(リポート)
■課題番組 毎週日曜日23時放送「素敵な宇宙船地球号」について
☆ドキュメンタリーの原点だ!
☆トラブルを起こしやすい環境問題と上手に取り組んでいる。
☆内容も良く、立派な番組だと感心したが、なにか面白みがない。
☆本当の面白みが出るよう壁を打ち破って!!
☆トラブルを起こしやすい環境問題と上手に取り組んでいる。
☆内容も良く、立派な番組だと感心したが、なにか面白みがない。
☆本当の面白みが出るよう壁を打ち破って!!
< 各委員発言要旨 >

●美しい自然環境を美しい映像で映し出して視聴者を引きつけるとともに、環境維持と改善の必要性について視聴者が自らに問いかけられる番組であって欲しい。
●民放として番組制作に時間がかかる環境問題を意欲的に取り上げたことを高く評価する。今後、地球温暖化に関係するようなテーマも取り上げて欲しい。
●チエテ川がいかに綺麗になったかという話は、10年前に取材したのと今回の検証ということで、長寿番組ならではの検証ができて非常に面白かった。
●環境問題を取り上げるということになると、対立するのが産業との関係であり、ある意味、トラブルを起こしやすいが、よくこういう難しいことに取り組んでいる。見えないところで努力しているのではないか。
●環境を悪化させているのはわれわれ個人それぞれの生活だという、その正しいメッセージを伝えることが環境破壊を防いでいく、という素朴な訴えが非常に胸を打ち、響くものがあって、番組の骨格を感じさせた。
●教育テレビとバラエティ仕立ての中間で、視聴者ターゲットが不明。面白いような面白くないような不思議な番組である。
●内容もよく、立派な番組だと感心したが、なにか面白みがない。
●面白いか面白くないかということはとても難しく、私たちの感性が麻痺していて過激な番組に慣れているので、すごく面白いとは思えないのかもしれないが、ある種、ドキュメントとして一番正しい姿ではないか。
●全体的には大変いい番組で、これだけ硬いものが、これだけの数字をとっているのは悪くないこと。もっといい時間帯に上げてくれば、さらに多くの人に見てもらえるようになるし、作り手のコンセプトももう少し明確になってくるのではないか。
●ドキュメントというのは、今起こっていることをいかにきちんと伝えるかである。この番組がこれだけの視聴率を今もとり続け、他局より視聴率がよいということは、つくり込まれたもの(仕込み・演出)より、本当に素直に伝えるというドキュメントとしてある種一番根本的なところを守っているからではないか。
●10年間、番組のスタイルを守り続けて視聴率がとれるということは、素晴らしいことだ。
●視聴者の感想で「ちょっと説教くさい」とあった。つまり、環境問題の問題提起はしているのだが、うちは考えていますよというのがちょっと透けて見える。そうなると、見せてもらって素直にありがたいという気にはなれない。
●この番組のメッセージは、ある種の企業の社会に対する利益還元と言うような仕組みなのかなという感じがする。優良企業が社会に利益還元しますよというところの範囲しかメッセージが出ていないのではないか。そういうところの壁が打ち破れないと面白くないのではないか。本当の「宇宙船地球号」にならないのではないか。
●この番組を作るとき、制作者の批判性とか独自性がどこまで出ているか。それがあまりないのではないか。だからとがったもの、エッジがたたず、通り一遍になっている気がする。
【Q&A】
Q.制作著作がテレビ朝日ということだが、実際にどういう形で番組制作をやっているのか?チェック体制はどうか?
A.企画決定から取材、ロケ、最後の編集、仕上げに至るまで、テレビ朝日のプロデューサーが全面に入り込む形で関わっており、チェック体制は堅持している。制作著作 テレビ朝日、制作協力でいろいろな制作会社に入ってもらっている。
Q.いくらいい番組でも、長年やっているとどうしても取材先が限られてきて、新しい環境問題のエピソードを見つけるのも大変ではないか?
A.テーマに関しては、例えばエネルギー問題、ゴミ問題、地球温暖化、いろいろな切り口で切り取っていけるということで、これからさらにバイオ燃料の話だとか、考えなければならない問題があり、尽きた感じというのは無い。
●民放として番組制作に時間がかかる環境問題を意欲的に取り上げたことを高く評価する。今後、地球温暖化に関係するようなテーマも取り上げて欲しい。
●チエテ川がいかに綺麗になったかという話は、10年前に取材したのと今回の検証ということで、長寿番組ならではの検証ができて非常に面白かった。
●環境問題を取り上げるということになると、対立するのが産業との関係であり、ある意味、トラブルを起こしやすいが、よくこういう難しいことに取り組んでいる。見えないところで努力しているのではないか。
●環境を悪化させているのはわれわれ個人それぞれの生活だという、その正しいメッセージを伝えることが環境破壊を防いでいく、という素朴な訴えが非常に胸を打ち、響くものがあって、番組の骨格を感じさせた。
●教育テレビとバラエティ仕立ての中間で、視聴者ターゲットが不明。面白いような面白くないような不思議な番組である。
●内容もよく、立派な番組だと感心したが、なにか面白みがない。
●面白いか面白くないかということはとても難しく、私たちの感性が麻痺していて過激な番組に慣れているので、すごく面白いとは思えないのかもしれないが、ある種、ドキュメントとして一番正しい姿ではないか。
●全体的には大変いい番組で、これだけ硬いものが、これだけの数字をとっているのは悪くないこと。もっといい時間帯に上げてくれば、さらに多くの人に見てもらえるようになるし、作り手のコンセプトももう少し明確になってくるのではないか。
●ドキュメントというのは、今起こっていることをいかにきちんと伝えるかである。この番組がこれだけの視聴率を今もとり続け、他局より視聴率がよいということは、つくり込まれたもの(仕込み・演出)より、本当に素直に伝えるというドキュメントとしてある種一番根本的なところを守っているからではないか。
●10年間、番組のスタイルを守り続けて視聴率がとれるということは、素晴らしいことだ。
●視聴者の感想で「ちょっと説教くさい」とあった。つまり、環境問題の問題提起はしているのだが、うちは考えていますよというのがちょっと透けて見える。そうなると、見せてもらって素直にありがたいという気にはなれない。
●この番組のメッセージは、ある種の企業の社会に対する利益還元と言うような仕組みなのかなという感じがする。優良企業が社会に利益還元しますよというところの範囲しかメッセージが出ていないのではないか。そういうところの壁が打ち破れないと面白くないのではないか。本当の「宇宙船地球号」にならないのではないか。
●この番組を作るとき、制作者の批判性とか独自性がどこまで出ているか。それがあまりないのではないか。だからとがったもの、エッジがたたず、通り一遍になっている気がする。
【Q&A】
Q.制作著作がテレビ朝日ということだが、実際にどういう形で番組制作をやっているのか?チェック体制はどうか?
A.企画決定から取材、ロケ、最後の編集、仕上げに至るまで、テレビ朝日のプロデューサーが全面に入り込む形で関わっており、チェック体制は堅持している。制作著作 テレビ朝日、制作協力でいろいろな制作会社に入ってもらっている。
Q.いくらいい番組でも、長年やっているとどうしても取材先が限られてきて、新しい環境問題のエピソードを見つけるのも大変ではないか?
A.テーマに関しては、例えばエネルギー問題、ゴミ問題、地球温暖化、いろいろな切り口で切り取っていけるということで、これからさらにバイオ燃料の話だとか、考えなければならない問題があり、尽きた感じというのは無い。
< 局側見解 >

●特に気をつけているところは、環境問題は偽善的であったり、教条的であったり、お説教くさかったりするので、なるたけそういう部分を薄めて、極力身近なところからみんなに環境問題を考えてもらいたいという趣旨でやっている。
●あまりにも優等生過ぎるのではないかという部分もあるので、これからは、よりジャーナリズム性の強い、よりとがったほうがいいのではないかという意見も加味して、よりよい番組に仕上げていこうと考えている。
●あまりにも優等生過ぎるのではないかという部分もあるので、これからは、よりジャーナリズム性の強い、よりとがったほうがいいのではないかという意見も加味して、よりよい番組に仕上げていこうと考えている。
■「発掘!あるある大辞典Ⅱ」捏造問題 ・関西テレビ「検証番組」についての意見交換
問題の深刻さについて、また放送法改正(改悪)への懸念、番組審議会のありかたまで幅広く真剣なご意見がだされた。
・演出とやらせの境目は非常に微妙だが、制作者の良心が問われる。
・制作会社の制作予算・環境の改善の必要性がある。
・制作会社と局制作者のとのコミュニケーションを蜜に。
・検証番組に関しては、原因の究明が甘く、対応策との結びつきがない。
・納豆ダイエットに関し、最初のプラン・スタートのところから無理があり、その中で放送したフジテレビの判断がおかしかったのではないか。
・放送責任が明確になっていない。
・番組審議会が今後このような問題にどう関わっていくのか真剣に議論しなくてはいけない。
・放送法の改正については、諸外国の独立行政委員会を例に、放送に行政の介入を許さない仕組みの構築が必要。
・BPOの機能強化に期待。
・最近の総務省、政治家の番組への介入に対する危惧。
・演出とやらせの境目は非常に微妙だが、制作者の良心が問われる。
・制作会社の制作予算・環境の改善の必要性がある。
・制作会社と局制作者のとのコミュニケーションを蜜に。
・検証番組に関しては、原因の究明が甘く、対応策との結びつきがない。
・納豆ダイエットに関し、最初のプラン・スタートのところから無理があり、その中で放送したフジテレビの判断がおかしかったのではないか。
・放送責任が明確になっていない。
・番組審議会が今後このような問題にどう関わっていくのか真剣に議論しなくてはいけない。
・放送法の改正については、諸外国の独立行政委員会を例に、放送に行政の介入を許さない仕組みの構築が必要。
・BPOの機能強化に期待。
・最近の総務省、政治家の番組への介入に対する危惧。

■その他
君和田社長から、「ワイド!スクランブル」の企画内容の一部が、MBS(毎日放送)の企画内容に大変よく似ている部分があったことから、社内で検討した結果、撮影やインタビュー取材、編集等は独自に行い、違う観点からの取材も加えていたが、制作者としてのモラルを逸脱する行為があったとしてMBSに謝罪したとの報告があった。
以上