放送番組審議会

第474回 10月開催・「ワイド!スクランブル」について

今月の放送番組審議会の概要:第474回(10月開催・「ワイド!スクランブル」について)
第474回 放送番組審議会報告 2006年10月27日(金) 開催

■出席者
桂  敬一  委員長
石坂  啓  副委員長
菅谷  実  委員
黒鉄  ヒロシ  委員
関川  夏央  委員
見城  徹  委員
大島  ミチル  委員
越村  佳代子  委員

■課題番組 「ワイド!スクランブル」について

☆司会の2人のバランスがとてもよい。

☆知りたいニュースをバランスよく提供し、よくまとまっている番組だ。

☆特集は一番大事であり、いかに目をひくか、あとで何が残ったかが重要。

☆コメンテーターの人選を上手にしてほしい。

< 各委員発言要旨 >

●知りたいニュースをバランスよく提供してくれ、よくまとまっている。これはなかなかできないことである。

●心地よく見ることができるが、それは特徴がないということでもある。

●とても心地よく進行していくいい番組であるが、そこを打ち破ってざらつきや極端さを出して欲しい。

●テンポがよく切り口がシャープなので、ダレないで見ることができる。

●番組は、視聴率や人目をひく過激さへ走りがちだが、むしろ人にとって刺激となり興味を持てるようなものが心地よさにつながるのではないか。

●事件性のあるもの、過激なインタビューなどにメディアの人間は麻痺してしまっているのではないか。

●何度も同じ映像を繰り返すのではなく、もう少し工夫があってもいいのではないかという不満が残った。

●この番組のよさの一つは、新聞記事にあまり頼っていないということである。

●CNNの日本語サイトなど、新しいニュースソースも開発して新鮮さを出したらよいのではないか。

●新聞を画面に映して読み上げるというコーナーは色々あるが、読み方の上手下手で引きつけ方が全然違う。「夕刊キャッチアップ」はとても上手で魅力のある時間になっている。

●テレビで正義の怒りをぶつけているのに顔を隠しているのはなぜか。最近ではそのような無署名の言論がわりあい平気で横行している傾向があるが、テレビもそれに加担せざるを得ないのだろうか。


●司会の2人のバランスがとてもよく、常識的な番組になっていてテレ朝の良心の一つの番組になっているが、司会の二人の代わりにコメンテーターがある程度際立たないとダメだと思う。

●自社の局員と元局員のコメンテーターをもっと見直してもいいのでは。自分の知識の上にどれだけ振り切ったコメントをするか、オリジナルの発言をするかということが分かっている人たちであると思う。

●コメンテーターになる人は各局大体同じで特徴が出てこない。

●コメンテーターにオリジナリティを出さないと、独自の番組は作れないのではないか。

●コメンテーターを誰にするかで、番組のカラーの90%が決まるのではないか。

●場の雰囲気・状況が読めて発言ができる、もしくは、楽しく明るい雰囲気が作れるコメンテーターが大事である。

●硬派な内容も軟派な内容もいい形で織り交ぜていてぬるい感じではあるが、川村さんや山本晋也さんなど、コメンテーターに非常に過激な方がいて、バランス感覚があってよい。

●コメンテーターは、こんな発言をする人がこんな業界にいたのかという発見ができて嬉しかった例がたくさんあるので、有効に上手に使ってほしい。

●コメンテーターの人選を上手にしてほしい。
●特集は一番大事なところであり、いかに目をひくか、あとで何が残ったかが重要。そこがまた一つの大きな特徴になるのではないか。

●「福岡のいじめ」の件に関して、先生がいじめたのかいじめないのか、その責任を認めるか認めないかではなく、教師がどうしてこんなに劣化したのかが問題であり、そこが深められないのは残念だった。

●「代理出産の問題」に関して、養子縁組や里子制度をきちっと社会に位置づけることが常識である。なぜ日本がこんなにおかしくなってきたのかということのほうが問題にされるべきである。

●この時間の視聴者層を考えると、特集のテーマとして「代理出産」を大事な問題として取り上げて欲しかった。

●つま恋の吉田拓郎の40年ぶりのフォークライブは、団塊の世代のノスタルジックで甘えの構造が残っている。ジジイ達がつま恋に集うのはおかしいとの観点から取り上げても面白かった。

●ディープインパクト論ではなくハルウララ論のほうが面白い訳で、そういう視点も大事では。新庄という素材も色々なことが出来る。是非色々な切り口を考えて欲しい。

●NHKが取り上げるニュースをNHKとは違う角度からやるということも必要。

●中越地震から2年が経過して、現在山古志村がどうなっているかとか、住民の思いをかなり詳しく取材して伝えてくれていたことは、非常によかったと思う。

●どこの局もなぜ同じ時間帯に同じような番組編成をするのか。これからはテレビ朝日ならではの番組作り、独自の編成があっていいのではないかと思う。

< 局側見解 >

●番組は、司会の大和田獏さんが10年目という中で、個性を出していけるかということもあり、一つの岐路に立っている。日々、いろいろ話をしながら進めている。

●打ち合わせの段階で、表現のしかた等を含めてもう少し明確にするべきとの反省もある。

●視聴者にはっきり伝わっていない表現が一番情けないところであるので、しっかり取り上げていきたい。

●番組のカラー・個性をいかに出していくかということでは、コメンテーターが大事であると思っている。

■その他

桂委員長から、10月12・13日、山口県で第71回系列番組審議会委員代表者会議が開かれ、第12回PROGRESS賞の決定・表彰式が行われたこと、また、番組全般にわたり活発な議論が交わされた旨報告があった。
以上