放送番組審議会

第471回 6月開催・「やじうまプラス」「スーパーモーニング」について

今月の放送番組審議会の概要:
第471回 (6月開催・「やじうまプラス」「スーパーモーニング」について)
第471回 放送番組審議会報告 2006年6月23日(金) 開催

■出席者
桂  敬一  委員長
石坂  啓  副委員長
菅谷  実  委員
関川  夏央  委員
見城  徹  委員
大島  ミチル  委員
中井  貴惠  委員
堀田  力  委員
内館  牧子  委員
越村  佳代子  委員

■課題番組 「やじうまプラス」「スーパーモーニング」について

☆朝のワイドショーとして硬派路線。力のある構成だ。

☆朝から暗いニュースを深く掘り下げるのはいかがか。気が滅入ってしまう。

☆キャスターの表情によって番組の“伝えたいもの”がそこなわれることがあるのでは?

☆情報量が豊富であるし真面目に取り組んでいて好感が持てる。

< 各委員発言要旨 >

●事件や話題を深く掘り下げ、時間をかけて、力のある構成だが、きちんと作りすぎていて、忙しい時間帯の中で「ながら」では見られない、中座ができない。

●他局はMC(タレント)のトークの妙や個性で見せられてしまう。つまりキャスターに魅力がある。テレビ朝日の局アナウンサーも司会として良くやっているが、テレビ的受け方はフリーのMCが優る。家庭的な親近感やアットホームな雰囲気が薄い。

●「やじうまプラス」「スーパーモーニング」は、真面目にニュースを取り上げる姿勢が好印象。中身があり良質な番組だが視聴率はとりにくい。

●キャスターの表情が暗いという意見があるが、それは役割が無いからであり、もっと役割を与えるべき。自分の意見を自分の言葉で語らないといきいきしない。

●報道番組はある種の人間性が一番強く出るもの。朝は若手アナウンサーが多いが、もう少しキャリアのある「自分の言葉」で話せて人間性が出せる人の方がいい。

●殺人事件等、朝7時半の一番忙しい時間に重いニュースを深く掘り下げるのはいかがか。気が滅入ってしまう。明るい情報・話題・役に立つ情報・経済ニュースなどを盛り込んで欲しい。

●一番知りたいのはその日の天気と気温であり、何度でも繰り返し伝えて欲しい。

●朝からいきいきして明るく振舞う必要があるのか?「報道ステーション」の朝バージョンのように今、大事なニュースを朝からしっかり伝えて欲しい。深く掘り下げることによりオリジナリティーを出すという長所で戦えるのではないか?

●被害者のプライバシーや容疑者のプライバシーについてふれる場合、社会的に見て必要な情報かどうか、十分配慮をして欲しい。

●容疑者の人格形成は、本人の責任か社会の責任かを判断するために 必要な情報であればプライバシーより「公共性」の方が優先するであろう。

●キャスターの表情(無表情・平然・泣き 他)で、番組が伝えようとするなんらかのメッセージがそがれてしまうことがある。

●TVは映像が勝負。モザイクをかけることより基本は顔を出してきちんと話してもらうことを考えるべきだ。

●ごみ屋敷を朝食の時間帯に長々と取り上げるのはいかがか?

●繰り返し報道される残酷な殺人事件の詳細な報告は子供たちへの影響を考えると、節度を考えて欲しい。

●行き過ぎの取材の仕方は、世間がマスコミを見る判断材料になり、取材規制につながりかねないので、節度を守る必要がある。

●「このあとすぐ」といいながら、なかなかその情報が出てこない。朝の忙しい時なので、「このあと」と言ったらCM明けすぐに取り上げて欲しい。

●各番組が同じことをくり返すのではなく、大事なものがあったらそれを深くやるなど、そこからあえて離れる意識が必要ではないか。

●事件が起きると、犯人の動機を追求するがそれだけでよいのか。社会全体に問題はないのか。急いで仕立てて見せてしまうのではなく、相当じっくり、粘り強く追求することが必要。

< 局側見解 >

●視聴者の「見たいこと」「知りたいこと」、「なぜそれが起きたのか」ということに貪欲に答えているつもりが、結果的に過剰となり視聴者の感情とかけ離れてしまう危険性を秘めている。「事件や話題を深く掘り下げる事」と「節度や品格」は相反するものであってはならず、これらの危険性に陥らないよう常に検証する目を持ちながら番組づくりをしていかなくてはいけないと思う。

●今後、この編成でいけるよう見てもらうためのパワー・切り口の新鮮さなど、工夫を更に考えていきたい。

■その他

桂委員長から、6月8日開催された「第70回 系列番審委員代表者会議」についての報告があった。
以上