放送番組審議会

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PROGRESS賞

■「第30回 PROGRESS賞」受賞作決定

テレビ朝日系列24社の番組審議会委員が選考する「第30回 PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が下記の通り決定し、10月24日、テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議で表彰式が行われました。

【最優秀賞】 東日本放送

ほっとネットとうほく
「わが子は誉れ ―老いてゆく男の子と家族の16年― 」

【優秀賞】 長崎文化放送

「軽傷ではない~飲酒事故被害者の10年~」

【奨励賞】 名古屋テレビ放送

メ~テレドキュメント
「いちがたっこ」

【奨励賞】 瀬戸内海放送

「解剖録は語る~ハンセン病と遺族~」

○最優秀賞

ほっとネットとうほく
「わが子は誉れ ―老いてゆく男の子と家族の16年― 」

制 作 東日本放送(P:藤井尚弘、 D:佐藤まゆみ)

放送日 2024年2月17日 本編 54分

(番組内容)

 仙台市の 須知誉君は、 幼くして老化が進む希少難病『コケイン症候群』を抱えています。 誉君が病名を告げられたのは4歳の時。この頃の体重は、9.1kgで1歳男児の平均体重にも満たない重さでした。それでも、歩行器を使いながら歩き、意思表示もできていました。しかし、10歳を超えた頃から、視力を失い、歩行器を使ってあるくこともできなくなってしまいました。主治医からの「いろいろなものを失っていく中で 、『思い出』は生きていく力になる」という言葉を励みに家族で思い出をつくろうと旅行の計画を立てます。しかし医師から告げられたのは余命1年。懸命に生きた誉君と家族の16年の記録です。

○優秀賞

「軽傷ではない~飲酒事故被害者の10年~」

制 作 長崎文化放送(P:関川 修一、D:志久弘樹、撮影:小川 豪)

放送日 2024年3月27日 本編 67分

(番組内容)

 前川希帆さん(28)は高校3年生だった2013年11月3日、プロのトランペット奏者を夢見て母親が運転する車の助手席に乗り、県外の大学音楽学部の推薦入試を受けるため駅に行く途中、酒気帯びと無免許運転の男(当時43)の車に正面衝突された。
 衝撃で気を失い、気付けば病院の処置室。顔は傷だらけで前歯4本が折れ、唇は三つに裂けた。吹奏楽部でトランペットを担当し、ソロで県代表に輝いた音色が出せなくなった。警察庁が定義する全治1カ月未満の「軽傷」事故。しかし夢は「致命傷」を負っていた。それでも諦めずに一つの道を歩み続ける。挫折と再起、悩み迷いながらも夢に挑み続ける日々を追った10年の記録。

○奨励賞

メ~テレドキュメント
「いちがたっこ」

制 作 メ~テレ(名古屋テレビ放送)(P:村瀬史憲、 D:小澄珠里、 撮影:鈴木崇義、音声:小島紫揮、編集:寺田啓二 河合孝昭)

放送日 2024年3月15日 本編 50分

(番組内容)

 名古屋市の生野真浩くん(9)は1型糖尿病の子ども、「いちがたっこ」です。1型糖尿病は中高年に多く発症する2型とは違い、子どもに多く発症。根治の方法は見つかっておらず、発症するとインスリン注射が欠かせなくなります。子ども園や学校での接種が大きな課題。医療的ケア児への支援が法律で自治体に課せられたが、対応できていないのが実情です。30年以上にわたって1型と付き合ってきた女性を追跡取材。1型糖尿病の患者が抱える課題と、患者が前向きに生きるためのヒントを探りました。

○奨励賞

「解剖録は語る〜ハンセン病と遺族〜」

制 作 瀬戸内海放送(P:山下洋平、 D:吉岡美保、 撮影:黒瀬照男、小野祐一、奥村祥貴、 EED:吉永順平、MA:寺坂昭正、石井正則:ナレーション:)

放送日 2023年11月4日 本編 24分

(番組内容)

 岡山県瀬戸内市のハンセン病療養所「長島愛生園」で2021年、入所者約1800人分の解剖記録が見つかった。愛媛県に住む三好真由美さんは、ハンセン病を患い、強制隔離された長島愛生園で自ら命を絶った曾祖母、政石コメさんの記録の開示を受けた。
 開示によって三好さんが知ったのは、コメさんが解剖されていたという事実。本人が同意した記録も見つかったが、亡くなる7日前のものだった。
 国の強制隔離政策のもとで、療養所での解剖は正当に行われていたのか―。
 これまでほとんど誰の目にも触れることがなかった記録=「生きた証し」は何を語るのか。明らかになった事実と向き合う遺族の思いや活動を伝えるとともに、「負の歴史」を後世へ残していく意義を考える。