放送番組審議会

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PROGRESS賞

■「第29回 PROGRESS賞」受賞作決定

テレビ朝日系列24社の番組審議会委員が選考する「第29回 PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が下記の通り決定し、10月26日、テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議で表彰式が行われました。

【最優秀賞】 九州朝日放送

「たたかうJK映画監督 ~日本一を目指した“負け犬”と仲間たち~」

【優秀賞】 朝日放送テレビ

「こどもホスピス ~いのち輝く"第2のおうち"~」

【奨励賞】 東日本放送

テレメンタリー2022
「日記の中の父 ~餓死の島 2年の記録~」

【奨励賞】 名古屋テレビ放送

メ~テレ60周年
「藤前干潟のキセキ ~“楽園”とごみの未来~」

○最優秀賞

「たたかうJK映画監督~日本一を目指した“負け犬”と仲間たち~」

制 作 九州朝日放送(P:前田 輔 D:東 大貴)

放送日 2022年5月29日 本編 51分

(番組内容)

 2020年の夏、福岡の女子高校生たちが、1本の映画制作を始めた。 映画の名前は「今日も明日も負け犬。」。 監督を務めた、福岡県内に住む高校生の西山夏実さんは、「朝起きられない」などの症状が出る“起立性調節障害”という病気を抱えている。 病気の症状から「怠けている」などの誤解を受けやすいため、病気の理解を広めようと、実体験をもとにした本を販売。さらにSNSなどを通じて映画制作チームを結成した。
 学校も学年も違う「高校生制作チーム」が目指したのは、“映画館での劇場公開”と“高校生の映画コンクールでの日本一”。 病気への理解を広めるため、自分たちの力で2つの目標を成し遂げようとする高校生たちの青春を追った。

○優秀賞

「こどもホスピス ~いのち輝く"第2のおうち"~」

制 作 朝日放送テレビ(P:西 一樹 D:長谷川 健)

放送日 2022年11月11日 本編 63分

(番組内容)

 小児がんや心臓の病気など、“命を脅かす重い病気”と闘っている子どもたちは、国内に2万人以上いるとされる。治療の間、子どもたちはそれまでの日常から切り離され、いつ終えるともわからぬ入院生活の毎日が続く。苦しくても治療の結果、快復できればいい。でも、そうでなかったら・・・。
 大阪市鶴見区の「TSURUMIこどもホスピス」。国内初の民間小児ホスピスとして2016年春にオープン。看護師や保育士といった資格を持つスタッフが、病気の子本人と、そのきょうだい、親のケアにあたる。 「いち人間としてその子の友達になれるか。そのご家族の友人のように寄り添えるか。そのような関係を日々作り出しています」(TSURUMIこどもホスピス・水谷綾さん)。人の温もりに包まれながら、“深く、懸命に生きる”子どもと家族の姿を追った。

○奨励賞

テレメンタリー2022
「日記の中の父 ~餓死の島 2年の記録~」

制 作 東日本放送(P:藤井 尚弘 D:髙橋 直希 撮影:佐藤 健二)

放送日 2022年8月14日 本編 28分

(番組内容)

 宮城県亘理町に住む佐藤勉さん81歳。2歳の時に、父・冨五郎さん(当時39歳)を太平洋戦争で亡くし、父の記憶は残っていない。戦後、勉さんのもとに2冊の日記が届いた。その日記は、マーシャル諸島で戦死した父が、戦場で刻んだ2年にわたる記録であった。どういう父だったのか…。勉さんは、日記から手掛かりを探そうとした。しかし、日記は紙が劣化し、鉛筆の文字が薄くなり、簡単に読むことはできなかった。大学の教授との出会いや赤外線解析により、日記の文字が浮かび上がってきた。そこには戦地での餓死の実態や家族への思いが…。

○奨励賞

メ~テレ60周年
「藤前干潟のキセキ ~“楽園”とごみの未来~」

制 作 名古屋テレビ放送(P:村瀬 史憲 D:前田 怜実 撮影:筧 明憲 編集:大久保 詩織)

放送日 2023年3月21日 本編 70分

(番組内容)

 名古屋港に“渡り鳥の楽園”藤前干潟がある。広さは最大で200ha。干潟には無数の生物が生息し年間で2万羽以上の野鳥が飛来する。1990年代、名古屋市はごみ最終処分場を作るため藤前干潟の埋め立てを計画。しかし干潟保全の声が高まり、事業は中止に追い込まれた。名古屋市は約2割のごみの削減を実現した。干潟の保全運動は、豊かな生態系を維持しただけでなく、市民が生活のスタイルを変え、循環型の社会を実現するきっかけとなった。そして今、藤前干潟には、大量のマイクロプラスチックという新たなごみ問題が拡がっていた。