放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

PROGRESS賞

■「第26回 PROGRESS賞」受賞作決定

10月23日(金)テレビ朝日系列24社の番組審議会委員が選考する「第26回 PROGRESS賞」の表彰式が行われました。
例年は、テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議で正式決定され、その場で表彰式が行われますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で会議が書面開催となったため、表彰式のみ行われました。受賞4局の代表にテレビ朝日番組審議会の見城委員長、田中副委員長から賞状、トロフィー、副賞が手渡されました。

【最優秀賞】 名古屋テレビ放送株式会社

メ~テレドキュメント
「面会報告~入管と人権~」

【優秀賞】 朝日放送テレビ株式会社

「笑顔の村」

【奨励賞】 青森朝日放送株式会社

テレメンタリー2020
「還暦で歩む医師の道」

【奨励賞】 琉球朝日放送株式会社

「くとぅばどぅ宝 ~消滅危機言語を守る人~

○最優秀賞

メ~テレドキュメント「面会報告~入管と人権~」

制 作 名古屋テレビ放送(P:村瀬 史憲 D:小島 佑樹、前田 怜実 カメラ:高田 竜也 音声:鈴木 健斗 編集:鈴木 建晴、世古 和弘 制作統括:井上 準 ナレーション:倉橋 友和アナウンサー)

放送日 2020年3月30日 本編 55分

(番組内容)

 名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)に収容されている非正規滞在外国人と面会する西山誠子さんの活動を綴った。
 長期収容されているトルコ国籍の男性には、病を抱える幼い子供がいる。また、中国国籍の女性は父親の大学院退学により在留資格を失ったが「仮放免」が認められ、公立小中学校、高校に通い、大学に推薦合格した。しかしその矢先、一家は中国へ強制送還された。
 「入管は権力だが収容者は個人。誰かが監視しなければ人権侵害は起こり得る。」西山さんが面会を続ける理由である。外国人労働力受け入れへ政府が舵を切る中で、「入管の裁量」という不明確な基準で人生を左右される人々がいる。西山さんが記録してきた「面会報告」をもとに日本の入管行政の実態と課題を伝える。

○優秀賞

「笑顔の村」

制 作 朝日放送テレビ(P:藤田 貴久 撮影・演出:西 一樹、田村 信大)

放送日 2019年11月15日 本編 58分

(番組内容)

 和歌山県那智勝浦町の山間に、その村・色川はあった。9割が森林で、山の上から下まで棚田が広がる。大阪から車で4時間以上かかる“陸の孤島”で、人口は300人余。多くの住民が電気・ガスをほぼ使わず、薪で火をおこし、川の水を引いて生活する。特筆すべきは、移住者が住民の半数を超えた村だということだ。
 実に40年以上に及ぶ移住者受け入れの歴史を持っている。「有機農業・自給自足をしたい」と十数人の若者がやってきたことが発端だった。一部の反対意見を押し切り、受け入れを決めたが、住民と移住者の喧嘩、移住者の転出など危機もあった。それを乗り越えたのは、双方に芽生えた“地区を維持したい”という強い思いだった。そしてある仕組みを生みだした。それは高額な補助金でも特典でもない。住民が互いに心を通わせるための方策だった。これにより移住者が絶えない笑顔の村が生まれたのだった。

○奨励賞

テレメンタリー2020「還暦で歩む医師の道」

制 作 青森朝日放送(P:帷子 聖修、高橋 芳樹 D:中嶌 修平 撮影・編集:荒 幸一 音声:上坂 ひろみ)

放送日 2020年1月27日 本編 25分

(番組内容)

 青森県十和田市立中央病院で総合内科医として働く水野隆史医師(64)。還暦で医師免許を取得し、十和田市にやって来た。農林水産省でキャリア官僚として働いてきたが、宮城県に住む62歳の女性が研修医として働いている記事を見たことをきっかけに、50歳で医学部受験を決意。仕事を続けながら、5年間で延べ50もの大学を受験し、金沢大学医学部に合格した。高齢化が進む医療過疎地で「訪問診療」にこだわり、奮闘しながら成長する異色のドクターの挑戦を描く。

○奨励賞

「くとぅばどぅ宝 ~消滅危機言語を守る人~

制 作 琉球朝日放送(P:草柳 悟堂 構成:島袋 夏子 D:金城 美優 撮影:川野 健治、諸見川 樹)

放送日 2020年3月29日 本編 43分

(番組内容)

 世界には6,000から7,000の言語ある。しかしこの半数が、この100年のうちに消滅してしまう可能性があるといわれている。ユネスコの発表によると、日本国内では8つの地域の言語が消滅の危機にある。しかもその半数以上が、琉球列島で使われている言葉である。
 「方言とはどんな存在なのか?」「どうすれば未来に受け継ぐことができるのか?」与那国島、竹富島、東京、沖永良部島を巡り、考えていく。

テレビ朝日番組審議会 見城委員長

 ドキュメンタリーというのは取材対象を映し出すことによっておのずと作品から主義主張、思想、信条、イデオロギーがにじみ出てくるものだと思っています。
 今回はすごく“豊作”で、最優秀賞と優秀賞の2作に関して本当にどちらにしようか迷いました。あとの2作も大変素晴らしい。
 今回の選考にあたり、まだまだテレビドキュメンタリーに先があるなと思いました。おめでとうございました。