放送番組審議会

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PROGRESS賞

■第21回 PROGRESS賞決定!

「第21回 PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が、10月23日にテレビ朝日で開催された「テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議」で正式決定し表彰式が行われました。

○最優秀賞

「この子のために ~命をつなぐ特別養子縁組~」(50分)

制 作 朝日放送(P. 藤田 貴久 D. 中田 陽子 カメラマン.小林 暢介 編集. 鎌田 明洋)

放送日 2014年11月25日

(番組内容)

養子を斡旋するNPOの寮に密着し日本の特別養子縁組の実情を明らかにしたうえで、大人になって養子と知らされた女性が実の母親を探す姿を通し、制度面の問題点を探った。さらに日本で養子縁組先が見つからずアメリカにわたる日本人の子どもも取材し、家族のあり方を考える材料を提示した。

○優秀賞

第29回 民教協スペシャル
「英雄の妻 敦子 ~激動の日中関係を生きた女の人生~」(55分)

制 作 名古屋テレビ放送(P. 城田 達康、神道 俊浩 D. 村瀬 史憲)

放送日 2015年2月11日

(番組内容)

建国間もない中国に夢と希望をもたらした荘則棟。彼の妻である「日本人」、佐々木敦子のこれまでの人生、70年を追った。
  旧満州生まれの敦子は終戦後も大陸に残った。中国、日本という二つの国の狭間で、人生を翻弄され、「居場所」を求め続けた敦子。彼女は名古屋で開催された世界卓球大会で世界王者、荘則棟と出会う。荘との出会いによって「自分らしい生き方」を見出した敦子は商社の駐在員となり、13年ぶりに北京で荘と再会する。惹かれあう二人の間を、再び「国家」が引き裂く。その後、結ばれる二人。穏やかな時間が流れるが、荘の死によって、再び「国家」の非情な仕打ちが敦子を苦しめる。苦悩する敦子を救ったのもまた「中国」だった。

○奨励賞

「壁よ、さようなら ~ハンセン病元患者と子どもたち~」(48分30秒)

制 作 熊本朝日放送(P. 矢島 誠 D. 土屋 孝博 撮影・編集. 川本 眞右)

放送日 2015年2月19日

(番組内容)

全国の療養所に先駆け、ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)に設置された民間保育所「かえでの森こども園」。病気への偏見から子どもを産むことを許されなかった入所者の要望に応える形で設置された。夢にまでみた子どもたちとの生活だったが、入所者は戸惑いを見せる。「自分たちが出ていくと嫌な気持ちになる人がいるのではないか」と見えない壁があった。子どもたちに触れることすら躊躇する入所者たち。壁を取り払うことはできるのか、入所者の心の変遷を追った。人生の晩年を迎えた入所者にとって、子どもと過ごす日々はかけがえのないものになっている。そこには、子ども達が照らしてくれた新しい未来に向かって歩む入所者の姿があった。

○奨励賞

「Dr.ぜんすけ ~人情医師が残してくれたもの~」(55分)

制 作 青森朝日放送(P. 帷子 聖修、原田 覚 D. 藤岡 勇貴)

放送日 2014年9月24日

(番組内容)

人口の約4割が高齢者と、超高齢化が進む青森県深浦町。11年前、町に1ヶ所しかなかった診療所で常勤医師が誰もいなくなってしまった。その危機を救ったのが、柳善佑医師。大阪・和泉市立病院外科部長という地位を捨て、地域医療に携わる夢を実現するため、深浦の関診療所にやってきた。来た当初は津軽弁がわからず、看護師が「通訳」しながらの診療だったが、それでも真正面から患者たちと向き合い続けた。
しかし、2011年柳医師の肺にがんが見つかり、手術は不可能。それでも大阪の病院で治療を終えては、青森に戻り診療を続けたが、3月末で診療所を退職。その後、最後まで治療に挑み、病気と闘うも2014年8月、72歳でこの世を去った。
高齢化が進む町で地域医療に身をささげた柳医師の生き様と、患者との会話をとおして「地域医療のあるべき姿」を描く。