放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

PROGRESS賞

■第19回 PROGRESS賞決定!

10月24日(木)、「テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議」が東京(テレビ朝日本社 於)で開催されました。そこで、「第19回PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が正式決定しました!

○最優秀賞

QAB報道特別番組
「標的の村 ~国に訴えられた東村・高江の住民たち~」(53分)

制 作 琉球朝日放送(P. 謝花 尚 D. 三上 智恵 編集. 寺田 俊樹)

放送日 2012年12月1日

(番組内容)

アメリカ軍のヘリパッド(着陸帯)が自宅のすぐ近くに建設されると聞き、反対の声を上げた東村高江の住民たち。6人の子をもつ安次嶺現達さん(53)は「住民の会」を作って予定地に座りこんだところ、国に「通行妨害」で訴えられてしまった。国が国策に反対する住民を民事で訴えるという、前代未聞の裁判だ。
戦後、県民の人権が蹂躙され続けた米軍統治下の沖縄で、沖縄の住民運動が最後の抵抗手段にしてきたのが「座りこみ」だった。それを「通行妨害」に矮小化して、国が住民を裁判にかける手法が成立するなら、国にとって都合が悪い沖縄の声はますます封殺されてしまう。
建設が予定されているヘリパッドは、高江区を囲むように6カ所に造られる。そこにはあの「オスプレイ」が来ることも明らかになった。そして、ついにオスプレイが沖縄の空に姿を見せた。

○優秀賞

ザ・スクープスペシャル
「真相 ~DNA、一致せず~」(69分)

制 作 テレビ朝日(演出・CP. 原 一郎 P. 堀内 雄一郎 D. 西尾 雅志)

放送日 2012年11月4日

(番組内容)

11年に渡って「無実」を叫び続ける男がいる。
ナイジェリア国籍のジャクソンさん(仮名)36歳。2001年6月、姫路市内の郵便局に目出し帽を被って押し入り、現金約2200万円を奪った強盗事件で逮捕された。借りていた倉庫に現金が隠されていたなどの状況証拠だけで逮捕され、犯人と結びつく科学鑑定などの直接証拠は一切なかった。ジャクソンさんは一貫して無実を訴えて最高裁まで争ったが、懲役6年の実刑判決が確定。2009年2月、刑期を終えて神戸刑務所を出所したジャクソンさんは、約8年ぶりに日本人の妻と子供の元へ帰った。
今、ジャクソンさんは妻と子供を守るため、再審請求という新たな戦いに挑もうとしている。独自取材を始めて7年、再審への扉は開かれるのであろうか?それは「第2の東電OL事件」、そして「第2の証拠改竄事件」となるのであろうか?

○奨励賞

「復興の狭間で ~神戸 まちづくりの教訓~」(46分)

制 作 朝日放送(P. 矢島 大介  D. 西村 美智子)

放送日 2012年5月26日

(番組内容)

1995年1月17日の阪神淡路大震災。
神戸市長田区のJR新長田駅周辺は、震災後に発生した火災で焼き尽くされ、駅前の商店街は壊滅状態となった。1ヶ月後、神戸市は、この地区を再開発地区に指定。
40棟の高層ビルを建てると発表。住民は反対した。高層ビルの街は、被災者にとって金銭的な負担が重すぎると。しかし、市は、住民と話し合う場をもたないまま、再開発事業を決めてしまった。その決定から、17年。災害に強いビルの街が造られたが、建物の中は、シャッターが閉まりっぱなし。
去年6月、津波の被害を受けた宮城県気仙沼市の商店主らが、再開発地区を視察した。「長田の失敗を繰り返したくはない。立派すぎる街はいらない」気仙沼の商店主らは、被災者の思いをまちづくりに反映させるため立ち上がった。しかし、彼らも『行政』という壁に直面してしまう。
復興のまちづくり。確かに、震災に強い街並みを整えることも重要だ。しかし、被災者が元の街に戻り、生き生きとした暮らしを取り戻すことができなければ、復興したとは言えない。番組では、神戸と気仙沼、2つの被災地に生きる商店主の姿を通して、復興のまちづくりのあり方を静かに問いかける。

○奨励賞

テレメンタリー2013
「助けて ~山形大生死亡119番訴訟~」(25分)

制 作 山形テレビ(P. 安部 和広 D. 杉沼 勤 D. 小嶋 大介)

放送日 2013年2月10日

(番組内容)

体調不良を訴え119番通報してきた大学生が自宅アパートで、遺体で発見された。山形市消防本部はなぜ救急車を出動させなかったのか。その理由を探ると今の救急業務の問題点が見えてきた。全国で統一されていない救急車の出動基準。各地の消防署は独自に基準を策定したり、職員の判断に任せたりして対応している。
しかし、急激に進む高齢化で事態はより深刻化していた。
「助かる命が本当に助かるかと言ったら難しい」と話す消防職員。今の体制ではこれからの社会に対応できないという懸念はすでに現実のものとなりつつある。
全国から注目される『119番訴訟』を通して救急医療の課題を浮き彫りにするとともに、新たな体制づくりに奮闘する和歌山などの救急現場を追った。