放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

PROGRESS賞

文化庁 芸術祭賞 優秀賞受賞!!
『指揮者 岩城宏之 最後のタクト』(北陸朝日放送 制作)の放送日が決定いたしました!
12月27日(木)10時30分~11時25分 是非ご覧ください!!

■第13回 PROGRESS賞

10月25日「テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議」(於 大分朝日放送)が開催され、「第13回PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が決定しました!

○最優秀賞

「指揮者 岩城宏之 最後のタクト」(54分)

制作 北陸朝日放送


(手前から)
北陸朝日放送 北村真美ディレクター、
村上俊明プロデューサー

放送日 2006年12月31日

(番組内容)

2006年7月16日、石川県立音楽堂で岩城宏之さんの追悼演奏会が行われ、大勢の関係者とファンが集まり、故人を偲び、感謝した。オーケストラ・アンサンブル金沢の産みの親であり育ての親だった岩城さんは、海外にも積極的に演奏旅行をし、その名を世界的に高めた。難病に見舞われ、何回ものガンを克服し、その都度不死鳥のように演奏会に復帰した、岩城さんの18年に迫ったドキュメンタリー番組です。

(受賞理由)

この局でなければやり得ぬ素材。岩城氏の信頼を得、時間をかけて長期間しっかりと取材している。その信頼関係が、岩城氏の死後も長期取材を可能にし、ドキュメンタリーに不可欠な臨場感をもたらした。作品の映像描写・構成も素晴らしい。「指揮者 岩城宏之」の凄絶な音楽家としての人生を丁寧な取材で捉えている秀作。

○優秀賞

「夢は大人になるまで生きること~沖縄とモンゴルを結ぶ3000キロの絆~」(54分)

制作 琉球朝日放送


琉球朝日放送 喜久里逸子ディレクター

放送日 2006年7月31日

(番組内容)

アジアの貧しい地域の子ども達を支援しているNGO沖縄チャイルドサポートの代表、池間哲郎さんが、活動を支援するきかっけとなったのは、貧困の地域で出会った少女が「大人になるまで生きること」といった言葉だった。池間さんの講演会が開かれた沖縄県浦添市の中学校。同じ年頃のアジアの子ども達の一生懸命な姿が中学生の心を揺さぶった。自分の生き方を見つめながら、他者へ心を寄り添わせていく子ども達と池間さんの活動を追った。

(受賞理由)

現代の子どもたちに「生きることの意味」を深いところで教えている。NGO代表の活動を丁寧にじっくりと追っていて、好感の持てる力作、労作だ。全国の人、とりわけ若い人たちに見てもらいたい。

○奨励賞

テレメンタリー2007「もう一度会いたい・・・~犯罪被害者の親が歩んだ1533日~」(30分)

制作 東日本放送


東日本放送 藤井尚弘ディレクター

放送日 2007年3月19日

(番組内容)

「ある日突然、事件で最愛の家族を失ってしまう」もし自分が当事者だったら…。2000年、宮城県柴田町の曵地正美さんの長女の里美さん(当時20歳)が男女8人から6日間に渡り暴行を受け死亡した。番組では、「なぜ、娘は殺されたのか」真実を求めて、加害者と向き合うというつらくて困難な道を選んだ犯罪被害者遺族、曵地さんと妻の豊子さんの4年あまりに及ぶ活動を取り上げた。

(受賞理由)

貴重な社会ドキュメントである。犯罪被害者遺族を約6年という長期にわたり密着取材した。これは日本の司法裁判に新しい道をつけた事象を克明に取り上げた秀作である。司法の壁に挑む夫婦を中心に、刑事裁判が転換期を迎えたことの取材、着眼点がよい。

○奨励賞

メ~テレドキュメント「切り捨てられた被爆~原爆症認定訴訟の行方~」(55分)

制作 名古屋テレビ放送


(手前から)
名古屋テレビ放送 安藤則子ディレクター、
五十嵐信裕プロデューサー

放送日 2007年3月28日

(番組内容)

2007年1月31日、名古屋地方裁判所は、原爆症認定訴訟の原告4人のうち、2人だけの訴えを認めた。原爆症認定集団訴訟は全国の「被爆者」が「世界で唯一の被爆国日本」を訴えた裁判だ。番組では、原爆症認定訴訟の原告第1号である甲斐昭さんの生き様と闘いを中心に、原爆被害のむごさ、訴訟によって初めて明るみに出た核の本当の姿を、科学的な検証を含めて描く。また、高齢の被爆者らが命がけで訴訟を続ける理由、「核廃絶への祈り」を描く。

(受賞理由)

戦後62年、今も後遺症に悩む原爆症患者なの生き方の取材を通じて、戦争とは何かを問いかける内容は素晴らしい。核廃絶への祈りも良く伝わってきた。原爆症認定裁判の問題点が良く整理されていて、あまり深く関わったことのない私たちにもわかりやすく説明されていた。原爆のむごさや非人道性を現在進行形で描いた力作。