放送番組審議会

tv asahi「放送番組審議会」からのお知らせ

PROGRESS賞

■第11回 PROGRESS賞

10月27日「テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議」(於 山形テレビ)が開催され、「第11回PROGRESS賞」の最優秀賞、優秀賞、および奨励賞が決定しました!

○最優秀賞

「妖怪を見た男 ~近代建築界の巨人 伊東忠太の世界~」

制作 山形テレビ


山形テレビ 庄司 ディレクター

放送日 2005年2月26日

(番組内容)

神社建築の権威、日本建築の創始者として日本建築界の中心的存在だった伊東忠太。しかし戦後は「国策神社の建築家」というイメージが強く、しかも特異な造形の作品を手がけたことから異端児的な評価を受けつづけてきた。一方で、妖怪・化け物の世界をこよなく愛した忠太は、現実の建築作品にそれを表現した。番組では、様々な資料や写真を発掘すると同時に多くの建築作品を訪ね、伊東忠太の目指した表現とは何かを解き明かす!

(受賞理由)

伊東忠太という人間の人物史と近代建築を独創的視点から交叉させた興味深い作品。人間性あふれる建築家の生涯がダイナミックに再現され、映像によるユニークな日本建築史外伝ともなっている。特異な人物の実像に迫ろうと豊富な資料を駆使した佳作。

○優秀賞

「検証 動かぬ基地 ~沖国大 米軍ヘリ墜落事故から1ヵ月」

制作 琉球朝日放送


琉球朝日放送 賀数 報道部長

放送日 2004年9月13日

(番組内容)

2004年8月13日、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学構内にアメリカ海兵隊のヘリコプターが墜落炎上する事故が起きた。米軍は事故後直ちに現場を封鎖、また、事故を起こしたものと同型のヘリは墜落の原因さえも明かされない中でイラク戦争へと向かい、米軍の横暴さに県民の怒りをかった。一方、日本政府も沖縄県知事の要請に対し、小泉総理は夏休みを理由に面会に応じない姿勢を貫いた。事故後1ヵ月の動きをあらゆる角度から検証するとともに、「沖縄の基地問題は日本全体の問題」という常日頃の日本政府の発言と現実との『温度差』を明らかにする!

(受賞理由)

日本がぶつかっている一番大きな矛盾、問題点を直撃している。事故当時、米軍が非常に厳しく現場を封鎖する中で琉球朝日放送はカメラを入れ、さまざまな努力をして生の記録を持ち出して放送するという、大きな成果をあげた。報道としても秀逸で現在も記録的価値を失っていない。

○奨励賞

「地震で死なない 大切な人を失わないために~阪神から静岡へ~」

制作 静岡朝日テレビ


静岡朝日テレビ 浅羽 報道部員

放送日 2005年1月15日

(番組内容)

阪神・淡路大震災から10年。阪神では、亡くなった6433人の内、8割以上が倒壊物の下敷きになって圧死・窒息死したことがわかっている。番組では、想定される東海地震の震源域の上にある静岡県で今一番大事な地震対策は、建物、特に一般住宅の耐震化を進めることと捉えた。しかし現実には地震対策は地震後の避難生活への備えばかりで耐震化はなかなか進まない。阪神・淡路大震災の被害の事実をもとに自分の命、そして大切な人を守るということを考える。

(受賞理由)

この番組では災害後の対応ではなく、防災という観点を非常に強く打ち出し、人々が地域をあげて取り組む姿を紹介している。その状況の問題意識も的確に捉え、住民の意識をこの番組によって改革していくという大きな成果をあげている。

○奨励賞

「熊野古道をゆく~鄙(ひな)に生きる都(みやこ)~」

制作 朝日放送


朝日放送 牟田口 プロデューサー

放送日 2005年3月21日

(番組内容)

2004年、ユネスコの世界遺産に登録された紀伊山地の霊場と参詣道。かつて天皇・上皇が京からはるばる訪れた、紀伊半島の本宮大社・速玉大社・那智大社という熊野の三つの神社を訪ね、祭りと神宝、そして太古から息づく自然をハイビジョンならではの美しい映像で紹介する。熊野速玉大社に伝えられた1200点という膨大なご神宝をハイビジョンで紹介するのは地上デジタル放送では初めて。国宝の宝物の繊細な美しさを充分ご覧いただきたい。

(受賞理由)

時間をかけ熊野のすべての季節を追い、ハイビジョンを生かす。熊野の山の光景は圧巻。まさに“地元”を生かした作品。世界遺産の熊野古道にふさわしい風格のある記録だ。