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番組制作発注に関する自主基準

番組制作発注に関するテレビ朝日の「自主基準」について

現在、テレビ番組の多くは、制作会社の協力を得て作られています。当社では、制作会社はテレビ局にとって番組を共に作っていくうえで大切なパートナーであり、友好関係をさらに深めると共に、その関係は常に“公正・透明なもの”であるべきだと考えています。そして、そうした健全な関係の維持は、結果として、テレビ番組の流通(二次利用)を促進するものと確信しています。
そこで、当社では、社団法人日本民間放送連盟の「番組制作委託取引に関する指針」に基づき、制作会社に番組の制作業務を発注する際の遵守事項、留意事項を盛り込んだ「番組制作発注に関する自主基準」(以下、単に「自主基準」といいます)を設け、2004年3月30日付けで全社員に通達しました。以下は、その骨子です。

1.制作業務発注に関するテレビ朝日の基本的な考え方

自主基準では、制作業務の発注に関する当社の基本的な二つの方針を中心に据えています。

(1)制作会社は、良質な番組を共に創造していく大切なパートナーであり、私たちと対等な立場にあること。
(2)発注にあたっては、「独占禁止法」「下請法」等の関係法令およびこれらの運用基準等を遵守すること。

この二項目を貫いているのは、「発注者としてのテレビ局は優越的地位にあるが、局職員はその地位を決して濫用してはならない。」という考えです。この基本方針は、局制作番組における個別業務の発注、完全パッケージ番組の発注にかかわらず適用しています。

「完全パッケージ番組(完パケ番組)」とは、番組制作のすべてを制作会社に委託し(お任せし)、完成品を納品させることをいいます。放送できる状態にまとめられているので、“パッケージ”の名称で呼ばれています。もっとも、制作会社にお任せしているからといって、テレビ局が制作活動に一切関与しないわけではなく、企画、キャスティング、脚本家の選考、編集等々、様々な過程で、様々な作業に関与するケースがあり、その度合いは番組ごとに異なります。

2.制作業務発注に関する具体的な取り扱い

次に、制作業務発注に際して遵守すべき具体的な内容を提示します。これらの内容は、社団法人日本民間放送連盟(民放連)が2003年3月に公表した「番組制作委託取引に関する指針」、ならびに当社の「制作業務発注に関する基本的な考え方」を踏まえて設定しました。

(1)制作形態の明確化
発注に先立ち、その番組が「局制作番組」なのか、「外部発注番組(完パケ番組)」なのか、あるいは「共同制作番組」なのかを明確にすること。

(2)説明と承諾
発注に際しては、事前に下記事項を制作会社側に詳しく説明し、承諾を得ること。

  1. 番組の企画意図、編成意図。
  2. 発注する業務の種類と範囲。
  3. 当社側が行う業務の種類と範囲。
  4. 発注話数、時間枠、納入物件の規格等、番組の仕様に係わる事項。
  5. 放送予定日、納入期日、納入場所。
  6. 当社が行う検査項目(技術規準、考査基準等に適合するかのチェック)と検査に要する日数。
  7. 当社が取得する権利(地上波放送権のみか、衛星放送権や有線放送権も含むのか、二次利用権は・・・、等々)。
  8. 対価、支払い期日、支払い方法。
    なお、対価については金額のみならず、対価の内容(制作費の他、取得権利料が含まれることや権利処理の範囲等)を説明すること。
  9. 制作業務遂行に際しての遵守事項。

以上が発注に際して、制作会社側に詳しく説明し、承諾を得るべき事項です。なお、契約書に盛り込むべき内容については、総務省の「ブロードバンド時代における放送番組制作に関する検討会」が2004年3月26日に「放送番組の制作委託に係る契約見本(契約書の必要事項)について」を公表していますので、その内容も参考にしています。

(3)協議と交渉
当社が提案した発注条件に関して承諾が得られなかった場合は、十分協議・交渉し、双方が納得できる条件を見い出すこと。

(4)文書化の必要性
制作業務の受発注内容を明確にするため、完パケ番組であろうと、局制作番組における個別業務の発注であろうと、内容を明記した文書を取り交わすこと。

(5)完全パッケージ番組(完パケ番組)発注の契約書
当社では、制作会社への完パケ番組発注には、定型化した「テレビ放送番組製作契約書」(A3サイズ、表ウラ仕様)を用意しています。この契約書を用いる場合は、予め「タイトル」「発注話数」「金額」「放送の範囲」等の必要事項を記入した契約書(案)を相手方制作会社に呈示し、承諾を得たうえで本契約を締結すること。
なお、完パケ番組用の契約書に関して、相手方の承諾が得られず、諸条件に変更が生じた場合は、表面「特約事項」に変更内容を明記すること。

(6)二次的利用
BS・CS、ブロードバンド、DVD等々、様々なメディアが出現した今日、テレビ番組の幅広い流通(マルチ展開)が期待されています。制作会社にとって、番組の二次的利用は大きな関心事であり、制作業務発注の際には、放送外の利用(二次的利用)についても話し合っておくこと。

(7)中止の措置
番組は、編成プランを立てた以上、予定の話数を予定の日時に放送するのが理想です。しかし、諸事情により、放送できなかったりやむを得ず番組を打ち切るケースもありえます。このような番組の制作中止については、制作会社に対して誠意をもって対応を行わなくてはなりません。
特に、以下の2項目について配慮すること。

  1. 制作中止にいたった経緯、原因についての十分な説明。
  2. 制作会社が既に制作にとりかかり、出費している場合はその費用負担。

(8)制作クレジット表示
制作業務の発注にあたっては、契約内容と共に、制作クレジットの表示方法を相手方制作会社へ申し入れ、承諾を得ること。承諾が得られない場合は、制作クレジットの内容について、あらためて協議しなくてはなりません。
なお、テレビ朝日が用いる制作クレジットは、社内に設けられた「制作表示検討会議」(所管:編成部、事務局:ライツ推進部)で、毎年その内容、あり方について検討することになっており、現行の主な規定は以下の通りです。

  1. 局制作番組      「制作著作 テレビ朝日 制作協力 ○○会社」
  2. 完全パッケージ番組  「制作 テレビ朝日 ○○会社」
  3. 共同制作番組     「制作 テレビ朝日 ○○会社」

(9)不当なやり直しの禁止
質の高い、より良い番組を制作し放送するためには、企画を何度もねり直し、編集をくりかえし、ナレーションの文言に推敲を重ね、背景音楽が映像イメージにあうように何度も差し替えたりします。制作過程での、こうしたやり直し作業は当然のことであり、許されることです。しかし、完成し一旦納品したにもかかわらず、再度あるいは再々度やり直しをさせたり、事前に企画意図や編集意図を十分に説明していなかったために全面的に作り直しをさせたり、あるいは必要もないのにやり直しを強要したりする行為は、優越的地位の濫用であり、「独占禁止法」や「下請法」に反する行為として違法性が問われます。
完成・納品後のやり直しは、予め要請した内容と納入したものとが明らかに異なる場合や技術的、考査的(差別用語等)問題の発生に限られ、それ以外のやり直し要請については、やり直しに要した費用を負担しない限り許されません。

自主基準に盛り込まれた「番組の制作業務発注に際して遵守しなくてはならない具体的な内容」は以上の通りです。なお、「下請法」の改正にともない、これまで口頭で行っていた制作業務の発注に対しても、2004年4月以降、一定の条件にあてはまる場合は、「発注書」や「契約書」等の書面を交付・発行し、関係書類を保存する義務が発生することになりました。そこで、自主基準では、改正下請法についてもその概要を説明し、遵守するよう指示しています。

自主基準では、この他、民放連の「番組制作委託取引に関する指針」、当社の放送番組に用いる制作クレジットの規定、独占禁止法による役務の委託取引における“優越的地位の濫用”に関する指針(ガイドライン)等も掲示しています。
冒頭述べた通り、テレビ局にとって、制作会社は良質な番組を制作していくための大切なパートナーであり、この自主基準をきっかけに、さらに良好な関係を維持していくことを期待しています。

(文責:編成制作局ライツ推進部)

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