社長定例会見
篠塚浩社長 社長会見(10月29日)の要旨
2024-10-29
※社長所感。
篠塚社長: 2024年の年間視聴率は、個人全体・世帯ともに全日・プライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。始まったばかりの10月クールの視聴率は、個人全体・世帯ともに全日・ゴールデン・プライムがトップの3冠で、いいスタートが切れたと思っている。「相棒season23」「ザ・トラベルナース」「民王R」といった火曜から木曜の夜9時台のドラマが、民放連続ドラマの上位にランクインしている。金曜・土曜の「無能の鷹」「私たちが恋する理由」についても配信が好調だ。今月から改編した番組では、日曜夜の「有働Times」、日曜の朝に拡大した「グッド!モーニング」ともに、前クールの視聴率を上回る好調なスタートを切っている。特に「有働Times」は、おもてなしというコンセプトのもと、有働さんらしいソフトな語り口、それから出演者陣との軽妙なやりとりが新鮮で、今後様々なトライも重ね、日曜の夜にふさわしい看板番組に育てていきたいと思う。今後の放送予定だが、来月には「世界野球プレミア12」が開催される。テレビ朝日系列では開幕戦を皮切りに、東京ドームで行われる決勝戦まで日本戦最大5試合を中継する。侍ジャパンが再び世界一を目指す戦いに、ぜひ注目していただきたい。今月は悲しいニュースが相次いだ。17日に亡くなられた西田敏行さんは、劇場版が公開を控えている「ドクターX~外科医・大門未知子~」をはじめ、数多くの番組にご出演いただいた。報道局制作の「人生の楽園」ではお目にかかる機会もあり、その優しい人柄に触れさせていただいていた。本当に残念でならない。「ドクターX」、そして「人生の楽園」ともに追悼の番組を急遽編成し、大変多くの方にご覧いただいた。西田さんが視聴者の皆様にそれだけ愛されていたということだと思う。お悔やみと心より感謝を申し上げたい。
また、26年もの長い間「ドラえもん」の声優を務めていただいた大山のぶ代さんが、9月29日に逝去されたことも先日公表された。子供たちの心を動かし、夢と希望を届けてくださった。「ドラえもん」を国民的なアニメにまで育ててくださった恩人のお一人だった。謹んでお悔やみを申し上げる。
※最新の視聴率について。
西常務:個人の年間は、全日が3.5%で1位、ゴールデンが5.2%で2位、プライムが同じく5.2%で1位、プライム2は1.8%で2位となっている。世帯の年間は、全日が6.4%で1位、ゴールデンが8.9%で民放1位、プライムが9.0%で1位、プライム2が3.5%で2位という状況だ。続いて年度の個人は、全日が3.4%で1位、ゴールデンが5.1%で2位、プライムが5.1%で1位、プライム2が1.8%で2位。年度の世帯は、全日が6.3%で1位、ゴールデンが8.7%で民放1位、プライムが8.8%で1位、プライム2が3.5%で2位という状況になる。
※営業状況について。
橋本取締役:弊社は11月8日に上期の決算発表を予定しているため、9月の売上状況については報告を控えさせてもらう。本日は10月、11月の下期の冒頭部分の報告をさせてもらう。10月は前年比でタイムは105.9%、スポットは104.8%、トータルでは105.3%。11月は前年比でタイムは106.1%、スポットは105.6%、トータルでは105.8%という状況。タイムについては10月、11月それぞれの月で前年を上回る売上を見込んでいる。例年通り「ZOZO CHAMPIONSHIP」や「全日本大学駅伝」という中継イベントがあるが、これら以外にも今年は10月に「FIFAワールドカップ アジア最終予選」を放送、11月には「世界野球プレミア12」が最大で5試合あり、こういった大型スポーツの物件についてもセールスを進めているところだ。スポットについては幅広い業種からたくさんの出稿需要が来ており、足元の売上は堅調と言える。東京地区への広告予算の投下額が10月、11月ともに104%以上ということで、前年を超える水準だ。年末まではこの状態が維持されるのではないかと見ている。業種関連では特に「食品」「自動車関連」「情報・通信」といった主要業種からの出稿が増えており、エリア全体の出稿額を押し上げている。今後は出稿需要がCM在庫を上回る、いわゆる「需要過多」の状態が続くと見ているが、なるべくアドバタイザーの皆さんに迷惑が掛からないよう、ニーズを捉えながら工夫を重ねていく考えだ。
※放送外収入について。
藤本取締役:イベント関連の報告となる。まずは「徹子の部屋コンサート」。こちらは2006年に初開催されて、今回で18回目を迎える。来年2月から番組は50周年に入り、テレビ朝日開局65周年である今回は、11月29日に東京会場を日本武道館に移し、規模を拡大して実施する。皆さんに愛され続けるコンサートを目指していく。続いては「マユリカとおねだりフルーツジッパーLive」。4月から水曜深夜のバラバラ大作戦でスタートした「マユリカとおねだりフルーツジッパー」が、11月6日に豊洲PITにてリアルイベントを開催する。 昼、夜の2回公演。これまで学園祭をあまり経験してこなかったFRUITS ZIPPERのメンバーが、それぞれやりたいことを思い思いに表現していくイベントとなる。最後にサンドウィッチマンのライブの紹介。今年ともに50歳を迎えたサンドウィッチマンの2人が、1日限りのロサンゼルス単独ライブを現地時間11月29日に開催する。過去にイギリス、スペインでライブ公演しているが、今回はアメリカでの公演となる。テレビ朝日としては初めてライブ公演を一緒に行う。会場はロサンゼルスのジェームス・アール・アームストロング・シアターである。
※TELASA、ABEMAと出資映画について。
西常務:TELASAだが、バラエティでは先月放送した「内村プロデュース復活スペシャル」の制作現場の裏側を特別企画として配信しており、大変好評だ。ストーリー系では、現在10月クールの連続ドラマのスピンオフ作品を続々と配信しており、こちらも新規会員の獲得に大きく貢献している状況だ。ABEMAについては、WAUが2,500万前後と、引き続き高い水準を維持している。ABEMA NEWS、アニメ、大谷翔平選手のハイライト動画といった定番コンテンツに加え、新シーズンが始まった麻雀のMリーグ、現在熱戦が繰り広げられているMLBのワールドシリーズ、こちらが好調の要因だと考えている。そして出資映画だが、12月6日に「ドクターX」の集大成となる「劇場版ドクターX」が公開となる。大変スケール感のある作品となっているので、ぜひご期待いただきたい。
※ 10月クール新番組の所感について。
篠塚社長:大変良いスタートが切れたと思う。「相棒」はシーズンが23にもなり、「ザ・トラベルナース」は2シリーズ目、それぞれ大変重厚なドラマということで好評をいただいている。「民王」は本当に久しぶりだ。今日は「民王R」第2話が放送されるが、第1話も大変楽しんだ。いろいろな人と入れ替わっていくというのが、ますます楽しみであり、視聴率的にも頑張ってもらっている。この3本のドラマは大変好調で、視聴率では民放連続ドラマの上位にランクされている。「有働Times」は、日曜日の夜に視聴者の皆様をもてなすというコンセプトだが、ライブ感あふれるニュースからスポーツ、エンタメ、また初回放送した雄大な自然の映像美、それから話題にもなった片岡信和気象予報士の“弾き語り天気”など、テレビが持つ様々な要素を盛り込んでいる。これを有働さんが心地よく回していくというスタイルは、好感をもって受け止められているのではないかと思う。この後も、テレビの報道情報番組、ニュース情報番組の可能性を広げられるような様々なトライを行っていきたいと思っている。
※選挙報道をふりかえって。
篠塚社長:開票当日は「選挙ステーション2024」「有働Times」を2階建てで編成し、民放トップの視聴率をいただいた。大越健介さん、大下容子アナウンサー、そして有働由美子さんの大変安定したスタジオ展開と、与野党の幹部クラスに対する突っ込んだインタビュー、それに加えて、選挙区ごとの出口予測と開票速報、これを徹底して伝えたライブ感というのが、今回は非常によかったと思っている。
※7月のマスター障害の件について、前回の定例会見では詳細についてはメーカーと確認調査中ということであったが、進展等あるか。
篠塚社長:前回の会見以降も精査を続けているという段階で、今日は特に申し上げることはない。
※旧ジャニーズ関連について。テレビ東京とNHKがSTARTO ENTERTAINMENT社のタレントの新規起用を再開すると発表した。テレビ朝日としてもSTARTO社とSMILE-UP.社の経営分離というところを注視してきたと思うが、これまでの旧ジャニーズ事務所の対応について改めて聞きたい。
篠塚社長:他局の動向については何かコメントをするという立場ではないので控えるが、SMILE-UP.社の発表を見ても補償はかなり進んでいると思っている。引き続き、残された被害者の方々に寄り添って、誠実に対応していただければと思う。
※先週末、SMILE-UP.社の補償本部長が解任され、補償業務体制を新たにするという発表があった。今回の補償本部長の解任について、何か受け止めや見解は。
篠塚社長:見解が変わることはない。他社の人事についてコメントする立場にないが、SMILE-UP.社として、被害者の方々に向き合う中での1つの対応だと思っている。引き続き被害者の方々に寄り添い、誠実に対応していただきたい。
※警察密着番組関連。テレビ東京の問題が発覚して以降、TBSとフジテレビは、警察密着の特番を放送した。テレビ朝日ではまだそのような番組の放送は無いとこちらでは考えている。今後、警察密着番組の放送予定はあるか、また問題を受けて編成方針等何かあるか。
西常務:今後、放送する可能性はあると思うが、現在決まっていることはない。
※問題を受けて番組を止めているわけではなく、単純にないという理解でいいのか。
西常務:普通に通常の編成上のラインナップとしてまた出てくると思う。
※元ジャングルポケットの斉藤氏が強制性交と強制わいせつの疑いで書類送検されたという報道が10月の初旬にあった。これに関して、ロケ車内での性的暴行ではないかと報じられているが、これを受けて現状テレビ朝日では、出演者の安全対策や安全管理がどうなっているのか、また新しく対応をとったことがあれば教えてほしい。
西常務:まず、性加害は決して許される行為ではない。その上で、各番組の危機管理担当のプロデューサーと連携しながら、出演者だけでなくスタッフも含め、安全な環境で収録に臨めるように制作現場で徹底していきたい。
※斉藤氏は、吉本興業から契約解除された。テレビ朝日は人権デューデリジェンスにも着手しており、その観点から吉本興業とどのように対話をしているのか。
西常務:今回の事案に関して、吉本興業の方がお見えになりコンテンツ編成局の幹部と共に報告を受けた。当社は人権方針として、個人の尊厳や人格を傷つけるあらゆるハラスメント行為は認めない、と表明をしている。吉本興業側にはこのようなことが二度と起こらないように要請を出した。
※この事件の報道では、書類送検ということで敬称の表記が各局で分かれたと思う。テレビ朝日は斉藤慎二「氏」と表記していたと思うが、このような場合の表現のルールはどのように定められているか。
篠塚社長:ルール上、書類送検の場合は「氏」であったり、肩書であったりと、どちらにするか、はっきり決まっているわけではない。今回は総合的に判断し、「氏」ということにしたと聞いている。
※今月上旬、三上大樹アナウンサーが若くして亡くなったが、追悼の言葉があれば。
篠塚社長:三上アナウンサーがプロ野球やフィギュアスケート、プロレス等、当社のスポーツ中継のおなじみの声だったことは承知のことと思う。今夏のパリ五輪もジャパンコンソーシアムの一員として活躍し、9月の中旬までスポーツ実況を担当していた。あまりに突然のことで、残念で、大変悔しい心境だ。亡くなった報道が出た後、視聴者からたくさんのお悔やみのメッセージ等を頂戴した。お通夜や告別式には数多くのスポーツ関係の方々に列席いただいた。三上アナウンサーの実直で的確な仕事ぶりが、視聴者にも取材対象者やスポーツの関係者の方々にも大変愛されていたと実感した。改めて本当に残念でならないし、悔しい気持ちでいっぱいだ。
※営業状況について、下期、1月以降の見通しは。
橋本取締役:具体的に良い悪いという情報はないが、今までの流れからすると、ここ半年ほどの状況が既にいい。また1月以降の出稿プランを聞いていると、今マイナスに見る理由があまり見当たらないので、どちらかといえば現状のようなポジティブな流れだと考えている。
※主要産業からの出稿がかなり好調だという話があったが、好調の要因や背景は。
橋本取締役:「食品」は、ここ2年半ほど続いてきた値上げに対して、消費者も小売の店頭レベルでも慣れてきたことが一番大きいと思う。小売は基本的に値上げを非常にマイナスに捉えるため、消費者に商品を買ってくださいと言っているときにメーカー各社に広告を打たれると困るという事情がある。その状態が緩和されてきたことが出稿増の要因の一つだ。また、値上げによって、高額の新商品が出せる状態が生まれてきていて、「食品」がその状態を牽引していると思う。「自動車関連」は、サプライチェーン問題がほぼ解消し、入荷待ちになっていた車の納品ができるようになってきている。また、新車の受注が円滑に行われるようになってきている。今では、納車までの期間が1カ月、2カ月というケースも出てきていて、広告を打っても大丈夫という見立てが出てきているのではないか。
篠塚社長: 2024年の年間視聴率は、個人全体・世帯ともに全日・プライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。始まったばかりの10月クールの視聴率は、個人全体・世帯ともに全日・ゴールデン・プライムがトップの3冠で、いいスタートが切れたと思っている。「相棒season23」「ザ・トラベルナース」「民王R」といった火曜から木曜の夜9時台のドラマが、民放連続ドラマの上位にランクインしている。金曜・土曜の「無能の鷹」「私たちが恋する理由」についても配信が好調だ。今月から改編した番組では、日曜夜の「有働Times」、日曜の朝に拡大した「グッド!モーニング」ともに、前クールの視聴率を上回る好調なスタートを切っている。特に「有働Times」は、おもてなしというコンセプトのもと、有働さんらしいソフトな語り口、それから出演者陣との軽妙なやりとりが新鮮で、今後様々なトライも重ね、日曜の夜にふさわしい看板番組に育てていきたいと思う。今後の放送予定だが、来月には「世界野球プレミア12」が開催される。テレビ朝日系列では開幕戦を皮切りに、東京ドームで行われる決勝戦まで日本戦最大5試合を中継する。侍ジャパンが再び世界一を目指す戦いに、ぜひ注目していただきたい。今月は悲しいニュースが相次いだ。17日に亡くなられた西田敏行さんは、劇場版が公開を控えている「ドクターX~外科医・大門未知子~」をはじめ、数多くの番組にご出演いただいた。報道局制作の「人生の楽園」ではお目にかかる機会もあり、その優しい人柄に触れさせていただいていた。本当に残念でならない。「ドクターX」、そして「人生の楽園」ともに追悼の番組を急遽編成し、大変多くの方にご覧いただいた。西田さんが視聴者の皆様にそれだけ愛されていたということだと思う。お悔やみと心より感謝を申し上げたい。
また、26年もの長い間「ドラえもん」の声優を務めていただいた大山のぶ代さんが、9月29日に逝去されたことも先日公表された。子供たちの心を動かし、夢と希望を届けてくださった。「ドラえもん」を国民的なアニメにまで育ててくださった恩人のお一人だった。謹んでお悔やみを申し上げる。
※最新の視聴率について。
西常務:個人の年間は、全日が3.5%で1位、ゴールデンが5.2%で2位、プライムが同じく5.2%で1位、プライム2は1.8%で2位となっている。世帯の年間は、全日が6.4%で1位、ゴールデンが8.9%で民放1位、プライムが9.0%で1位、プライム2が3.5%で2位という状況だ。続いて年度の個人は、全日が3.4%で1位、ゴールデンが5.1%で2位、プライムが5.1%で1位、プライム2が1.8%で2位。年度の世帯は、全日が6.3%で1位、ゴールデンが8.7%で民放1位、プライムが8.8%で1位、プライム2が3.5%で2位という状況になる。
※営業状況について。
橋本取締役:弊社は11月8日に上期の決算発表を予定しているため、9月の売上状況については報告を控えさせてもらう。本日は10月、11月の下期の冒頭部分の報告をさせてもらう。10月は前年比でタイムは105.9%、スポットは104.8%、トータルでは105.3%。11月は前年比でタイムは106.1%、スポットは105.6%、トータルでは105.8%という状況。タイムについては10月、11月それぞれの月で前年を上回る売上を見込んでいる。例年通り「ZOZO CHAMPIONSHIP」や「全日本大学駅伝」という中継イベントがあるが、これら以外にも今年は10月に「FIFAワールドカップ アジア最終予選」を放送、11月には「世界野球プレミア12」が最大で5試合あり、こういった大型スポーツの物件についてもセールスを進めているところだ。スポットについては幅広い業種からたくさんの出稿需要が来ており、足元の売上は堅調と言える。東京地区への広告予算の投下額が10月、11月ともに104%以上ということで、前年を超える水準だ。年末まではこの状態が維持されるのではないかと見ている。業種関連では特に「食品」「自動車関連」「情報・通信」といった主要業種からの出稿が増えており、エリア全体の出稿額を押し上げている。今後は出稿需要がCM在庫を上回る、いわゆる「需要過多」の状態が続くと見ているが、なるべくアドバタイザーの皆さんに迷惑が掛からないよう、ニーズを捉えながら工夫を重ねていく考えだ。
※放送外収入について。
藤本取締役:イベント関連の報告となる。まずは「徹子の部屋コンサート」。こちらは2006年に初開催されて、今回で18回目を迎える。来年2月から番組は50周年に入り、テレビ朝日開局65周年である今回は、11月29日に東京会場を日本武道館に移し、規模を拡大して実施する。皆さんに愛され続けるコンサートを目指していく。続いては「マユリカとおねだりフルーツジッパーLive」。4月から水曜深夜のバラバラ大作戦でスタートした「マユリカとおねだりフルーツジッパー」が、11月6日に豊洲PITにてリアルイベントを開催する。 昼、夜の2回公演。これまで学園祭をあまり経験してこなかったFRUITS ZIPPERのメンバーが、それぞれやりたいことを思い思いに表現していくイベントとなる。最後にサンドウィッチマンのライブの紹介。今年ともに50歳を迎えたサンドウィッチマンの2人が、1日限りのロサンゼルス単独ライブを現地時間11月29日に開催する。過去にイギリス、スペインでライブ公演しているが、今回はアメリカでの公演となる。テレビ朝日としては初めてライブ公演を一緒に行う。会場はロサンゼルスのジェームス・アール・アームストロング・シアターである。
※TELASA、ABEMAと出資映画について。
西常務:TELASAだが、バラエティでは先月放送した「内村プロデュース復活スペシャル」の制作現場の裏側を特別企画として配信しており、大変好評だ。ストーリー系では、現在10月クールの連続ドラマのスピンオフ作品を続々と配信しており、こちらも新規会員の獲得に大きく貢献している状況だ。ABEMAについては、WAUが2,500万前後と、引き続き高い水準を維持している。ABEMA NEWS、アニメ、大谷翔平選手のハイライト動画といった定番コンテンツに加え、新シーズンが始まった麻雀のMリーグ、現在熱戦が繰り広げられているMLBのワールドシリーズ、こちらが好調の要因だと考えている。そして出資映画だが、12月6日に「ドクターX」の集大成となる「劇場版ドクターX」が公開となる。大変スケール感のある作品となっているので、ぜひご期待いただきたい。
※ 10月クール新番組の所感について。
篠塚社長:大変良いスタートが切れたと思う。「相棒」はシーズンが23にもなり、「ザ・トラベルナース」は2シリーズ目、それぞれ大変重厚なドラマということで好評をいただいている。「民王」は本当に久しぶりだ。今日は「民王R」第2話が放送されるが、第1話も大変楽しんだ。いろいろな人と入れ替わっていくというのが、ますます楽しみであり、視聴率的にも頑張ってもらっている。この3本のドラマは大変好調で、視聴率では民放連続ドラマの上位にランクされている。「有働Times」は、日曜日の夜に視聴者の皆様をもてなすというコンセプトだが、ライブ感あふれるニュースからスポーツ、エンタメ、また初回放送した雄大な自然の映像美、それから話題にもなった片岡信和気象予報士の“弾き語り天気”など、テレビが持つ様々な要素を盛り込んでいる。これを有働さんが心地よく回していくというスタイルは、好感をもって受け止められているのではないかと思う。この後も、テレビの報道情報番組、ニュース情報番組の可能性を広げられるような様々なトライを行っていきたいと思っている。
※選挙報道をふりかえって。
篠塚社長:開票当日は「選挙ステーション2024」「有働Times」を2階建てで編成し、民放トップの視聴率をいただいた。大越健介さん、大下容子アナウンサー、そして有働由美子さんの大変安定したスタジオ展開と、与野党の幹部クラスに対する突っ込んだインタビュー、それに加えて、選挙区ごとの出口予測と開票速報、これを徹底して伝えたライブ感というのが、今回は非常によかったと思っている。
※7月のマスター障害の件について、前回の定例会見では詳細についてはメーカーと確認調査中ということであったが、進展等あるか。
篠塚社長:前回の会見以降も精査を続けているという段階で、今日は特に申し上げることはない。
※旧ジャニーズ関連について。テレビ東京とNHKがSTARTO ENTERTAINMENT社のタレントの新規起用を再開すると発表した。テレビ朝日としてもSTARTO社とSMILE-UP.社の経営分離というところを注視してきたと思うが、これまでの旧ジャニーズ事務所の対応について改めて聞きたい。
篠塚社長:他局の動向については何かコメントをするという立場ではないので控えるが、SMILE-UP.社の発表を見ても補償はかなり進んでいると思っている。引き続き、残された被害者の方々に寄り添って、誠実に対応していただければと思う。
※先週末、SMILE-UP.社の補償本部長が解任され、補償業務体制を新たにするという発表があった。今回の補償本部長の解任について、何か受け止めや見解は。
篠塚社長:見解が変わることはない。他社の人事についてコメントする立場にないが、SMILE-UP.社として、被害者の方々に向き合う中での1つの対応だと思っている。引き続き被害者の方々に寄り添い、誠実に対応していただきたい。
※警察密着番組関連。テレビ東京の問題が発覚して以降、TBSとフジテレビは、警察密着の特番を放送した。テレビ朝日ではまだそのような番組の放送は無いとこちらでは考えている。今後、警察密着番組の放送予定はあるか、また問題を受けて編成方針等何かあるか。
西常務:今後、放送する可能性はあると思うが、現在決まっていることはない。
※問題を受けて番組を止めているわけではなく、単純にないという理解でいいのか。
西常務:普通に通常の編成上のラインナップとしてまた出てくると思う。
※元ジャングルポケットの斉藤氏が強制性交と強制わいせつの疑いで書類送検されたという報道が10月の初旬にあった。これに関して、ロケ車内での性的暴行ではないかと報じられているが、これを受けて現状テレビ朝日では、出演者の安全対策や安全管理がどうなっているのか、また新しく対応をとったことがあれば教えてほしい。
西常務:まず、性加害は決して許される行為ではない。その上で、各番組の危機管理担当のプロデューサーと連携しながら、出演者だけでなくスタッフも含め、安全な環境で収録に臨めるように制作現場で徹底していきたい。
※斉藤氏は、吉本興業から契約解除された。テレビ朝日は人権デューデリジェンスにも着手しており、その観点から吉本興業とどのように対話をしているのか。
西常務:今回の事案に関して、吉本興業の方がお見えになりコンテンツ編成局の幹部と共に報告を受けた。当社は人権方針として、個人の尊厳や人格を傷つけるあらゆるハラスメント行為は認めない、と表明をしている。吉本興業側にはこのようなことが二度と起こらないように要請を出した。
※この事件の報道では、書類送検ということで敬称の表記が各局で分かれたと思う。テレビ朝日は斉藤慎二「氏」と表記していたと思うが、このような場合の表現のルールはどのように定められているか。
篠塚社長:ルール上、書類送検の場合は「氏」であったり、肩書であったりと、どちらにするか、はっきり決まっているわけではない。今回は総合的に判断し、「氏」ということにしたと聞いている。
※今月上旬、三上大樹アナウンサーが若くして亡くなったが、追悼の言葉があれば。
篠塚社長:三上アナウンサーがプロ野球やフィギュアスケート、プロレス等、当社のスポーツ中継のおなじみの声だったことは承知のことと思う。今夏のパリ五輪もジャパンコンソーシアムの一員として活躍し、9月の中旬までスポーツ実況を担当していた。あまりに突然のことで、残念で、大変悔しい心境だ。亡くなった報道が出た後、視聴者からたくさんのお悔やみのメッセージ等を頂戴した。お通夜や告別式には数多くのスポーツ関係の方々に列席いただいた。三上アナウンサーの実直で的確な仕事ぶりが、視聴者にも取材対象者やスポーツの関係者の方々にも大変愛されていたと実感した。改めて本当に残念でならないし、悔しい気持ちでいっぱいだ。
※営業状況について、下期、1月以降の見通しは。
橋本取締役:具体的に良い悪いという情報はないが、今までの流れからすると、ここ半年ほどの状況が既にいい。また1月以降の出稿プランを聞いていると、今マイナスに見る理由があまり見当たらないので、どちらかといえば現状のようなポジティブな流れだと考えている。
※主要産業からの出稿がかなり好調だという話があったが、好調の要因や背景は。
橋本取締役:「食品」は、ここ2年半ほど続いてきた値上げに対して、消費者も小売の店頭レベルでも慣れてきたことが一番大きいと思う。小売は基本的に値上げを非常にマイナスに捉えるため、消費者に商品を買ってくださいと言っているときにメーカー各社に広告を打たれると困るという事情がある。その状態が緩和されてきたことが出稿増の要因の一つだ。また、値上げによって、高額の新商品が出せる状態が生まれてきていて、「食品」がその状態を牽引していると思う。「自動車関連」は、サプライチェーン問題がほぼ解消し、入荷待ちになっていた車の納品ができるようになってきている。また、新車の受注が円滑に行われるようになってきている。今では、納車までの期間が1カ月、2カ月というケースも出てきていて、広告を打っても大丈夫という見立てが出てきているのではないか。