社長定例会見
西新社長 社長会見(2月24日)の要旨
2026-02-24
※社長所感。
西社長:残り1か月余りとなった年度の視聴率だが、個人、世帯ともに全日・ゴールデン・プライムいずれも1位で推移している。また1月クールだが、個人は全日・ゴールデン・プライムで1位、世帯では全日とプライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。ジャンル別では、「報道ステーション」「サタデーステーション」「有働Times」といったテレビ朝日独自のプライム帯ニュースベルト番組を中心に、朝・昼・夕方を含む全ての番組が引き続き堅調に推移しており、タイムテーブル全体を牽引してくれている。また、ミラノ・コルティナ五輪が閉幕したが、過去最多24個のメダル獲得と、選手の皆様には日本に感動と元気を数多く届けていただいた。この連日のメダルラッシュを視聴者の皆様と分かち合えたことを心から嬉しく思っている。次に、先日公表した新経営計画だが、「START UPテレ朝!!」という新しいスローガンのもと、放送の強みを軸にしながら、放送外も含め新しい成長に挑戦していく方針を掲げている。その「START UPテレ朝!!」を象徴する取り組みの一つが、来月27日に開業する東京ドリームパークだ。次の成長の柱として、新たなイノベーションを起こす事業拠点となる。放送外収入を育てると同時に、開局から約70年培ってきたエンタテインメントの経験やノウハウを活かし、視聴者との新たな接点を構築したいと考えているので、ぜひご支援いただければと思う。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:最新の年度視聴率を報告する。個人全体で全日が3.4%、ゴールデンが5.1%、プライムが5.2%で、3区分とも1位。プライム2が1.7%で3位。世帯は全日が6.3%、ゴールデンが8.7%、プライムは8.8%で、こちらも3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位というのが現状だ。今後の予定だが、3月21日にテレビ朝日ドラマプレミアム「森英恵 Butterfly beyond」として、世界を魅了したファッションデザイナー森英恵さんの生誕100周年を記念した物語を放送させていただく。若手実力派俳優の八木莉可子さんが主演を務める。また、3月1日には「『有働Times』特別編 侍ジャパン世界一の歴史 秘蔵映像一挙公開!」と題して、スペシャルゲストに栗山英樹さんをお招きし、有働由美子さんと共に2006年の第1回大会から23年大会までのWBC名場面を余すところなく振り返った番組を放送する。また今週28日と来月3日には、「侍ジャパン強化試合」も生中継させていただく。
※営業状況について。
橋本取締役:1月は会見がなかったので、まず1月の数字報告になるが、前年比でタイムが105.2%、スポットが102.5%、トータルで103.7%となっている。タイムは、年始三が日の大型特番をはじめ、レギュラー番組が順調にセールスできたため、これが数字に反映された格好となっている。スポットについても概ね順調に推移した。フジテレビ問題の影響が一巡したこの1月だったが、宣伝費の配分が正常化するという前提のもとに、当社では年末年始番組とのパッケージセールス企画などを組んで対応し、取引価格のベースアップも確保できるような結果だった。売上高は12月に続いて、1月としての最高記録を確保できており、5局シェアは24.2%だった。続いて、現在進行中の2月・3月だが、タイムが2月は前年比で111.3%、スポットが94.0%で、トータルでは101.5%。3月については、タイムが前年比で98.7%、スポットが77.0%で、トータル85.6%という現状だ。タイムについて、2月はオリンピックがあったことによって大きく増収となった。3月については、年度末にかけて、先ほど話があったテレビ朝日ドラマプレミアム以外にも特番を考えており、それらのセールスに注力している状況だ。またスポットの方は、オリンピックやWBCがあるということで、先行してそちらのセールスに予算がいったようだが、その結果、例年に比べるとスポットの動きが遅いというのが印象だ。この週末でオリンピックも終わり、2月も最終週に入ったので、これから年度末特有の需要を注視しながら、適切に対応していこうと考えている。
※放送外収入について。
板橋専務:来月27日に開業する予定となっている東京ドリームパークについて報告する。今月13日に無事竣工式を終えたところだ。建物が完成したので、現在は開業に向けて各施設の最後の仕上げを行っており、皆様のご来場をお待ちする準備を整えているところだ。また、開業時にはここ六本木での夏祭りのノウハウを活かした春祭りも現地で予定している。詳細については、後日また追って発表する。ご期待いただければと思う。続いてイベントについての報告だ。まずは内館牧子さんの小説「終わった人」を原作に、朗読と演技を融合したリーディングドラマとして、2023年に初上演された舞台だ。昨年、残念ながらお亡くなりになられた内館牧子さんは、テレビ朝日の数多くのドラマの脚本をご担当いただき、また放送番組審議会の委員としても大変お世話になった。ご冥福をお祈りするとともに、この「終わった人」という作品をしっかりとお届けしたいと思っている。続いて、今年デビュー20周年を迎えるいきものがかりが、これまでの活動や作品を通してご縁のあったアーティストをゲストに迎え、20周年を記念したフェス「いきものがかりFES」を初開催する。最後に、火曜深夜放送のトークバラエティー「永野&くるまのひっかかりニーチェ」初の番組イベントを開催する。観客参加型の番組の魅力をリアルに楽しめる企画としてお届けしたいと思っている。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:まずTELASA関連。会員数は230万人を超え、順調に推移している。1月クールドラマ「再会〜Silent Truth〜」「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」など地上波ドラマのスピンオフ、「ニカゲーム」「ファンタスティックPARK」といった人気バラエティのオリジナルコンテンツが好評を得ている。引き続き、こうした地上波との連動コンテンツに加え、ライブイベントの生配信も続々と実施していければと思っている。会員の皆様の満足度を上げるべく、新しいコンテンツにトライしていく。続いてABEMA関連。ABEMAのWAUは現在平均2,200万前後で推移している。オリジナル番組が好調で、若年層の絶大なる支持を受けている「今日、好きになりました。」や「秘密のママ園」といったバラエティ、また人気アニメが高い視聴UUを獲得している。最後に出資映画について。今月13日に公開した劇場版「僕の心のヤバイやつ」は、公開4日間で興行収入1億円を超えるスタートとなった。ご覧いただいた皆様に心から感謝申し上げる。さらに今週27日には映画45作品目となる「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」が公開となる。これは1983年に公開された作品でありながら、現代にもつながる様々なテーマが展開される、世代を超えて愛されてきた名作が色鮮やかな映像で生まれ変わった作品だ。シリーズ初となる4DXでの展開も決定しているので、ぜひ多くの皆様にご覧いただければと思う。
※今年最初の定例会見なので、改めて2025年の振り返りと今年の抱負について。
西社長:去年は、放送業界全体に信頼や説明責任、ガバナンスのあり方が問われた1年だったと思っている。これからも、民放連が決定した強化策に沿って、人権の尊重やガバナンスの強化に着実に取り組んで、公共的存在であるテレビの使命や社会的責任をしっかり果たしていかなければならないと考えている。そして今年の抱負だが、公表した新経営計画の「START UP」という精神で、放送でも放送外でも様々な挑戦を試みたいと考えている。特に放送外収入の新しい柱となる東京ドリームパークの成功に向けて、全力で取り組みたいと思う。
※来月27日に開業する東京ドリームパークについて、改めて開業の狙いと意気込みについて伺いたい。
西社長:重複するが、新経営計画「START UP テレ朝!!」を実現するための新たなイノベーションを起こす事業拠点ということで、この東京ドリームパークを建設した。番組には、アニメなども含めたさまざまなIPがあるが、それらをリアル体験、イベントとして展開することで、放送外収入を育てると同時に、開局から70年近く養ってきたエンタテインメントの経験やノウハウから、視聴者の皆様と新しい接点をぜひ構築したいということで、この東京ドリームパークの成功に向けて全力で取り組みたいと思っている。
※東京ドリームパークの狙いとしてはIP戦略の強化と、有明のまちづくりという社会的な責任も担っていると思うが、放送局がまちづくりに参加する意義について、改めてお伺いしたい。
板橋専務:まさに有明・湾岸エリアのまちづくりにも資する施設になるのではないかと考えている。東京ドリームパークは、ホールやシアターを有する前例のない規模の日本初の複合型エンタテインメント施設になると考えている。現在ホームページで開業以降の様々なエンタテインメントのコンテンツを発表しているが、それらが年間を通して展開できる体制になっている。そのような施設としての役割と、もう一つはエリアの連携も同時に考えている。2025年の秋には、橋を渡った隣にTOYOTA ARENA TOKYOが開業し、バスケットボールを中心としたスポーツ施設でもあるが、エンタテインメントの施設としても稼働するため、そちらと協調しながら一緒にイベントをやっていく。TOYOTA ARENA TOKYO以外にも有明地区にはたくさんのエンタテインメント施設ができているため、街を挙げて共同で盛り上げていく、賑わいを作っていくということもしていきたいと思う。そのベースにあるのが、東京都の湾岸エリアに対しての将来性、期待値ということで、常々東京都が描いているビジョンとしてエリアの成長があり、そちらにも乗った形で、2030年代、あるいは2040年代に向けての賑わいを作っていきたい。そういう役割は我々テレビ朝日がメディアとして果たせるのではないか、ということも期待している。
※ミラノ・コルティナ五輪が閉幕した。改めて総括をいただきたい。
西社長:冬のオリンピックとしては、歴代最高となる金メダル5個、銀メダル7個、銅メダル12個の合計24個のメダルを獲得という素晴らしい成績に連日日本中が沸き立ち、その喜びを視聴者の皆様と分かち合えたことは、心から嬉しく思っている。テレビ朝日では、大会序盤からフィギュアスケートの団体戦、それからカーリング、またスノーボード女子ビッグエアなど歴史的な瞬間の数々を中継させていただいた。また、大会全体を振り返っても、“りくりゅう”ペアの驚異的な挽回劇での金メダルをはじめ、最後まで諦めないアスリートたちの姿、これが日本中に大きな勇気を与えてくれたと思う。深夜から早朝まで、まさに日本が一つになって画面越しに熱い声援を送った大会で、改めてこの五輪中継が生み出す巨大な熱量や、テレビとの相性の良さを強く実感した次第だ。現地の日本チームの帰国が今始まっているが、日本に感動と元気を届けていただいたことに改めて感謝をお伝えしたいし、長期間大変お疲れさまでした、ということもお伝えしたいと思っている。
※やや日が空いてしまったが、今月8日に投開票になった衆院選についても、振り返りや所感があれば伺いたい。
西社長:今回の選挙報道では、前回の参院選と同様に、有権者の皆様が判断するための材料をできるだけ分かりやすく伝えることを軸にして進めてきた。公平・公正の原則を踏まえ、選挙期間中にどんな情報をどのくらい、どのように伝えるべきかを日々考えながら、各番組での工夫を重ねたと思っている。また、SNSなどで広がる真偽不明の情報についても、事実を確認した上でお伝えすることを意識していた。選挙に関する期間は短かったが、有権者の判断に役立つ情報を地上波それからネット、そしてBS放送と多角的に展開できたものと考えている。
※今回、前回の衆院選などに比べれば各局とも事前の報道に力を入れていたところがあると思う。テレビ朝日の場合は、具体的にどういったところを心がけてやってきたか。
内藤取締役:選挙報道に関しては、昨年の参院選の前に「選挙の手引き」とは別に系列全体で新たに指針を立てた。選挙期間中もしっかり有権者に資する情報を出し続ける、それから確認できていない不明情報も含めて、ファクトチェックをしっかりして出し続けていくなど、とにかく量も相当増やして対応していくということでやってきた。今回も、これは去年の参院選もそうだが「確かめて、選ぶ」という番組横断のキャッチフレーズをつくり、各番組で展開してきた。地上波、BS、それからデジタル、ABEMA NEWSも含めて、全てのプラットフォームで多角的に展開する努力を行ってきた。
※結果として各局予想を上回るような自民党の大勝ということになったわけだが、テレビ朝日の報道がその結果にどんな風に影響があったと分析しているか。
内藤取締役:選挙結果への影響という文脈というより、とにかく選挙に関する期間が短かったが、各党の動きや政策、情報をくまなく出していくということに専心した。選挙結果にこれがどう影響したかということに関しては何とも言えないが、ファクトをしっかり出していくということでやってきた。この選挙結果を踏まえて、また国内・国外の情勢も踏まえて、しっかり伝えるべきことを伝えていこうというのが現状の考えだ。
※そういうテレビ朝日の努力によって、情報空間全体としての健全性というのは従来よりも高まった、良くなったという風に感じているか。
内藤取締役:「誤った情報が出ています」というアナウンスメント効果を期待して、我々も取り組んでいる。これからも様々な分析を踏まえて、今後ブラッシュアップしていきたいと考えている。
※今年1月にドラマ「科捜研の女」シリーズが26年の歴史に終わりを迎えたが、改めて受け止めや終了の理由を伺いたい。
西社長:「科捜研の女」シリーズは、1999年の開始から26年、通算300回ということで、日本のテレビドラマ史に残る作品となったと思う。まずは四半世紀にわたって、この作品を見守り、支えてくださった視聴者の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思う。それから主演の沢口靖子さんには、実に26年間、常に撮影現場の先頭に立って、年々複雑になる科学捜査の進化に真摯に向き合っていただいて「榊マリコ」という人物を成長させ、唯一無二の主人公を作っていただいた。その凛とした佇まいと情熱が、稀に見る長期間愛され続けるドラマを生み出した原動力であったことは間違いないと思っている。今回、最終回を迎え、作品が一つの完成形としてその役割を全うしたと思うが、改めて視聴者の皆様、そして全ての出演者ならびに制作スタッフに感謝を申し上げたいと思う。
※今年1月に久米宏さんの訃報があった。「ニュースステーション」で長らく活躍されたが、その受け止めや、久米さんが残した功績を伺いたい。
西社長:久米宏さんは、1985年の「ニュースステーション」の開始以来、18年以上にわたってメインキャスターとしてご出演いただいた。民放では前例のないプライム帯での大型報道番組としてスタートし、「中学生にもわかるニュース」というコンセプトのもと、ニュースの伝え方そのものを大きく変えていただいたものと思う。この番組の初代プロデューサーは現早河会長だったが、その早河会長をはじめ、当時の気鋭のスタッフたちの企画力と、久米さんの表現力の掛け算が原動力だったと思う。政治や社会の出来事だけではなく、スポーツや文化、それから世界の風景も含め、視聴者目線を第一に、18年間続いたこの番組は、報道のテレビ朝日という評価を社内外に確立してくれたし、その精神は現在の「報道ステーション」にも受け継がれていると思う。改めて、その功績に深く感謝するとともに、久米さんをはじめ諸先輩方が築かれたこの姿勢をこれからの報道にもしっかり生かしていきたいと考えている。
※今回WBCの放映権が取れなかったことで、営業への影響はあるか。
橋本取締役:当然あったと思う。通常であれば地上波の中だけでシェアされる広告費が今回は他のプラットフォームに入っているからだ。どのくらい影響があったのかは分からない。もともとあったお金がどれだけ流れたかは、事後になっても分からないと思う。
※WBCの中継制作委託を日本テレビが請け負うことになったが、テレビ朝日にも同様のオファーはあったのか。
西社長:打診はあったが、交渉には至っていない。
※(中継制作を)やりたかったか。
西社長:打診はあったが、交渉に至らなかったということだ。各局それぞれ個別の判断がある。
※日本テレビがWBCの「プロモーションパートナー」になったが、それによる番組制作への影響はあるか。
西社長:他局の考え方について言及する立場ではないが、国民の関心が非常に高いので、我々は報道・情報番組でも最大限、大会の熱狂を伝え、また過去の歴史を振り返る特番も放送できればと考えている。
※Netflixは先日、WBCの開催に合わせて月額500円を切る価格で利用できるキャンペーンを発表した。野球中継の見せ方もドローンを使うなど、今まで見たことのない演出を考えているそうだ。これらNetflixのパッケージ料金体系や野球中継のあり方をどう受け止めているのか。
西社長:他社の放送内容に関してコメントは控えたい。先ほど話したように、国民的な行事であり、当社は第1回大会から前回大会までずっと地上波中継に携わってきたので、率直な気持ちとしては残念だ。その上で、侍ジャパンを応援する気持ちは何も変わっていないので、現状で出来ることを最大限伝えていきたい。
※今回の新経営計画では、アニメ海外番販のほか、IPを軸としたビジネスへのシフトというのがより鮮明に打ち出されたと思う。WBCやワールドカップのようなスポーツ中継とは違い、IPの成長というのは永続的な収入源にもなると思うが、こういった方向に舵を切った狙いや理由、放送事業を取り巻く環境の変化について教えてほしい。
西社長:放送業界全体が激変しており、現段階では、今後地上波の広告収入が大きく成長を見込める状況ではないと思う。そのような背景がある中、IPにおける我々の考え方というのは、長期的にどれだけ多くの収益を生んでいくかというものだが、自社のコンテンツをしっかり育てて、世界にも問えるIPを数多く生み出し、それを提供していくという考え方が、一つの柱になっていくだろう。そういった背景で、今後IPをしっかり成長させたいと考えて、新経営計画に盛り込んでいる。
※人材の割り振りや仕事内容についても、今回の経営計画に沿って変わっていくものなのか。
西社長:経営計画をしっかり立てて、それを遂行して目標を達成するというのが我々の使命であるため、それに沿って人事計画は当然変えていくべきだと考えている。
※新経営計画には「IP開発を通じて視聴率トップを取り続け、全てのジャンルで強いコンテンツ・IPを大量創出」という項目があり、ドラマ枠のところで2029年目標として「ヒット映画に繋がるシリーズドラマの開発」という記載がある。このシリーズというのは、これまでの「相棒」や「緊急取調室」といったテレビ朝日が得意としているジャンルでのドラマ開発を目指しているのか、あるいは全く別のドラマというものも念頭に置いているのか、教えてほしい。
西社長:いま指摘があったように、「相棒」は我々の理想的な展開の一つだと思う。結局、強いIPというのは、皆様にご支持頂き、視聴率も良く、その他の様々な事業展開も長期間に渡って収益を上げるということなので、「相棒」のような我々の得意とするドラマを中心に展開したいとは思うが、長年、様々なジャンルのドラマにテレビ朝日はチャレンジしてきたので、そのノウハウを活かして、得意分野だけではなくて、新しいジャンルや新しいスケールのある時代劇などにも、挑戦していきたい。
※それに関連して「東映との連携強化でドラマから映画へ」という記載もあるが、これは現在放送している「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」の映画化といったものも念頭に置いて進めているものなのか。
西社長:「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」も世界展開や映画展開などもあると思うが、我々がこちらに書いているのは、いま水曜21時枠で、東映とのステアリングコミッティによる共同開発した作品を映画に持っていきたいということで書いている。
※新経営計画では、海外拠点の開設の検討や、アニメ制作の体制強化についても記載があるが、この部分についてもう少し具体的に教えてほしい。
西社長:我々としてはグローバル展開をどんどん進めていきたいと考えている。現在「ドラえもん」は約70の国と地域で、「クレヨンしんちゃん」は約50の国と地域で提供しているが、いま深夜で増枠しているアニメでも同様に海外で展開し、さらにストーリー系に関してもグローバルに展開できればと思う。海外の拠点に関しては、既にバンコクにソフトをセールスするような拠点もあり、アメリカにもテレビ朝日アメリカがあるため、そういったところを中心にどんどん世界に我々のコンテンツを展開できればと考えている。
※新設する拠点の数は、具体的にどのように考えているのか。
西社長:それに関しての詳細は、この場では控える。また改めて時が来たときに発表できればと思う。
※来月、東日本大震災から15年を迎えるが、力を入れて準備しているものは。
内藤取締役:当日、発災時間にはANN特別番組を鋭意準備中だ。そのほか、各時間帯の番組でもそれぞれのMCが被災3県の各ポイントで連日中継を展開し、特集を放送する方向で準備を進めている。
※15年を迎える今年ならではの準備しているものがあるか。
内藤取締役:被災各県の中で企画を各番組で立てている。15年ということで、いわゆる震災後の復興という目線はもちろん維持しながら、災害と災害の間、「災間」の中で被災後の知恵がどう生かされているかという視点での特集企画も今取材中だ。
※4K放送について、以前採算を取るのはかなり厳しいとのことだったが、その後の状況は。
西社長:2018年12月の開始以来、ビジネスとしては厳しい環境にあるのは事実だと思う。総務省の検討会でも、配信を含めた展開が必要だとの提言が出ており、そうした方向性も踏まえながら検討を進めたいと思っている。
※つまり4K放送は、やめるという方向で今検討を進めているという理解でよいか?
西社長:あらゆる方向性を確認した上で検討を進めているという状況だ。
※一方で配信にシフトしていく話も出ていると思うが、現状の考えは?
西社長:総務省の検討会では、配信を含めた展開が必要だという提言をいただいているため、そうした方向も踏まえて検討したいと思う。
※総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」で、同一の地域で民放テレビ1局が二つの波を持って良いのでは、との論点整理になったことへの受け止めと見解は。
西社長:一般論として、経営の選択肢を広げる規制緩和は望ましいと思う。その一方で、地域情報の多様性が損なわれる懸念もあると思うため、具体的な影響を十分に見極めながら、しっかりと検討していくことが大事ではないか。
※昨年12月に転落事案があった。その後も警察の捜査などがあったと思うが、翌日以降、多分発表がないと思う。現在の状況や発表できることを伺いたい。
西社長:亡くなられたスタッフの方にはご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様には心よりお悔やみを申し上げたいと思う。弊社としては、残されたご家族のお気持ちに寄り添って、丁寧に対応を進めてまいりたいと思うが、事案の詳細に関しては、プライバシー保護の観点もあるので、回答は控えさせていただきたいと思う。
西社長:残り1か月余りとなった年度の視聴率だが、個人、世帯ともに全日・ゴールデン・プライムいずれも1位で推移している。また1月クールだが、個人は全日・ゴールデン・プライムで1位、世帯では全日とプライムが1位、ゴールデンが2位で推移している。ジャンル別では、「報道ステーション」「サタデーステーション」「有働Times」といったテレビ朝日独自のプライム帯ニュースベルト番組を中心に、朝・昼・夕方を含む全ての番組が引き続き堅調に推移しており、タイムテーブル全体を牽引してくれている。また、ミラノ・コルティナ五輪が閉幕したが、過去最多24個のメダル獲得と、選手の皆様には日本に感動と元気を数多く届けていただいた。この連日のメダルラッシュを視聴者の皆様と分かち合えたことを心から嬉しく思っている。次に、先日公表した新経営計画だが、「START UPテレ朝!!」という新しいスローガンのもと、放送の強みを軸にしながら、放送外も含め新しい成長に挑戦していく方針を掲げている。その「START UPテレ朝!!」を象徴する取り組みの一つが、来月27日に開業する東京ドリームパークだ。次の成長の柱として、新たなイノベーションを起こす事業拠点となる。放送外収入を育てると同時に、開局から約70年培ってきたエンタテインメントの経験やノウハウを活かし、視聴者との新たな接点を構築したいと考えているので、ぜひご支援いただければと思う。
※最新の視聴率について。
藤本取締役:最新の年度視聴率を報告する。個人全体で全日が3.4%、ゴールデンが5.1%、プライムが5.2%で、3区分とも1位。プライム2が1.7%で3位。世帯は全日が6.3%、ゴールデンが8.7%、プライムは8.8%で、こちらも3区分とも1位。プライム2が3.2%で3位というのが現状だ。今後の予定だが、3月21日にテレビ朝日ドラマプレミアム「森英恵 Butterfly beyond」として、世界を魅了したファッションデザイナー森英恵さんの生誕100周年を記念した物語を放送させていただく。若手実力派俳優の八木莉可子さんが主演を務める。また、3月1日には「『有働Times』特別編 侍ジャパン世界一の歴史 秘蔵映像一挙公開!」と題して、スペシャルゲストに栗山英樹さんをお招きし、有働由美子さんと共に2006年の第1回大会から23年大会までのWBC名場面を余すところなく振り返った番組を放送する。また今週28日と来月3日には、「侍ジャパン強化試合」も生中継させていただく。
※営業状況について。
橋本取締役:1月は会見がなかったので、まず1月の数字報告になるが、前年比でタイムが105.2%、スポットが102.5%、トータルで103.7%となっている。タイムは、年始三が日の大型特番をはじめ、レギュラー番組が順調にセールスできたため、これが数字に反映された格好となっている。スポットについても概ね順調に推移した。フジテレビ問題の影響が一巡したこの1月だったが、宣伝費の配分が正常化するという前提のもとに、当社では年末年始番組とのパッケージセールス企画などを組んで対応し、取引価格のベースアップも確保できるような結果だった。売上高は12月に続いて、1月としての最高記録を確保できており、5局シェアは24.2%だった。続いて、現在進行中の2月・3月だが、タイムが2月は前年比で111.3%、スポットが94.0%で、トータルでは101.5%。3月については、タイムが前年比で98.7%、スポットが77.0%で、トータル85.6%という現状だ。タイムについて、2月はオリンピックがあったことによって大きく増収となった。3月については、年度末にかけて、先ほど話があったテレビ朝日ドラマプレミアム以外にも特番を考えており、それらのセールスに注力している状況だ。またスポットの方は、オリンピックやWBCがあるということで、先行してそちらのセールスに予算がいったようだが、その結果、例年に比べるとスポットの動きが遅いというのが印象だ。この週末でオリンピックも終わり、2月も最終週に入ったので、これから年度末特有の需要を注視しながら、適切に対応していこうと考えている。
※放送外収入について。
板橋専務:来月27日に開業する予定となっている東京ドリームパークについて報告する。今月13日に無事竣工式を終えたところだ。建物が完成したので、現在は開業に向けて各施設の最後の仕上げを行っており、皆様のご来場をお待ちする準備を整えているところだ。また、開業時にはここ六本木での夏祭りのノウハウを活かした春祭りも現地で予定している。詳細については、後日また追って発表する。ご期待いただければと思う。続いてイベントについての報告だ。まずは内館牧子さんの小説「終わった人」を原作に、朗読と演技を融合したリーディングドラマとして、2023年に初上演された舞台だ。昨年、残念ながらお亡くなりになられた内館牧子さんは、テレビ朝日の数多くのドラマの脚本をご担当いただき、また放送番組審議会の委員としても大変お世話になった。ご冥福をお祈りするとともに、この「終わった人」という作品をしっかりとお届けしたいと思っている。続いて、今年デビュー20周年を迎えるいきものがかりが、これまでの活動や作品を通してご縁のあったアーティストをゲストに迎え、20周年を記念したフェス「いきものがかりFES」を初開催する。最後に、火曜深夜放送のトークバラエティー「永野&くるまのひっかかりニーチェ」初の番組イベントを開催する。観客参加型の番組の魅力をリアルに楽しめる企画としてお届けしたいと思っている。
※TELASA、ABEMA、出資映画について。
藤本取締役:まずTELASA関連。会員数は230万人を超え、順調に推移している。1月クールドラマ「再会〜Silent Truth〜」「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」など地上波ドラマのスピンオフ、「ニカゲーム」「ファンタスティックPARK」といった人気バラエティのオリジナルコンテンツが好評を得ている。引き続き、こうした地上波との連動コンテンツに加え、ライブイベントの生配信も続々と実施していければと思っている。会員の皆様の満足度を上げるべく、新しいコンテンツにトライしていく。続いてABEMA関連。ABEMAのWAUは現在平均2,200万前後で推移している。オリジナル番組が好調で、若年層の絶大なる支持を受けている「今日、好きになりました。」や「秘密のママ園」といったバラエティ、また人気アニメが高い視聴UUを獲得している。最後に出資映画について。今月13日に公開した劇場版「僕の心のヤバイやつ」は、公開4日間で興行収入1億円を超えるスタートとなった。ご覧いただいた皆様に心から感謝申し上げる。さらに今週27日には映画45作品目となる「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」が公開となる。これは1983年に公開された作品でありながら、現代にもつながる様々なテーマが展開される、世代を超えて愛されてきた名作が色鮮やかな映像で生まれ変わった作品だ。シリーズ初となる4DXでの展開も決定しているので、ぜひ多くの皆様にご覧いただければと思う。
※今年最初の定例会見なので、改めて2025年の振り返りと今年の抱負について。
西社長:去年は、放送業界全体に信頼や説明責任、ガバナンスのあり方が問われた1年だったと思っている。これからも、民放連が決定した強化策に沿って、人権の尊重やガバナンスの強化に着実に取り組んで、公共的存在であるテレビの使命や社会的責任をしっかり果たしていかなければならないと考えている。そして今年の抱負だが、公表した新経営計画の「START UP」という精神で、放送でも放送外でも様々な挑戦を試みたいと考えている。特に放送外収入の新しい柱となる東京ドリームパークの成功に向けて、全力で取り組みたいと思う。
※来月27日に開業する東京ドリームパークについて、改めて開業の狙いと意気込みについて伺いたい。
西社長:重複するが、新経営計画「START UP テレ朝!!」を実現するための新たなイノベーションを起こす事業拠点ということで、この東京ドリームパークを建設した。番組には、アニメなども含めたさまざまなIPがあるが、それらをリアル体験、イベントとして展開することで、放送外収入を育てると同時に、開局から70年近く養ってきたエンタテインメントの経験やノウハウから、視聴者の皆様と新しい接点をぜひ構築したいということで、この東京ドリームパークの成功に向けて全力で取り組みたいと思っている。
※東京ドリームパークの狙いとしてはIP戦略の強化と、有明のまちづくりという社会的な責任も担っていると思うが、放送局がまちづくりに参加する意義について、改めてお伺いしたい。
板橋専務:まさに有明・湾岸エリアのまちづくりにも資する施設になるのではないかと考えている。東京ドリームパークは、ホールやシアターを有する前例のない規模の日本初の複合型エンタテインメント施設になると考えている。現在ホームページで開業以降の様々なエンタテインメントのコンテンツを発表しているが、それらが年間を通して展開できる体制になっている。そのような施設としての役割と、もう一つはエリアの連携も同時に考えている。2025年の秋には、橋を渡った隣にTOYOTA ARENA TOKYOが開業し、バスケットボールを中心としたスポーツ施設でもあるが、エンタテインメントの施設としても稼働するため、そちらと協調しながら一緒にイベントをやっていく。TOYOTA ARENA TOKYO以外にも有明地区にはたくさんのエンタテインメント施設ができているため、街を挙げて共同で盛り上げていく、賑わいを作っていくということもしていきたいと思う。そのベースにあるのが、東京都の湾岸エリアに対しての将来性、期待値ということで、常々東京都が描いているビジョンとしてエリアの成長があり、そちらにも乗った形で、2030年代、あるいは2040年代に向けての賑わいを作っていきたい。そういう役割は我々テレビ朝日がメディアとして果たせるのではないか、ということも期待している。
※ミラノ・コルティナ五輪が閉幕した。改めて総括をいただきたい。
西社長:冬のオリンピックとしては、歴代最高となる金メダル5個、銀メダル7個、銅メダル12個の合計24個のメダルを獲得という素晴らしい成績に連日日本中が沸き立ち、その喜びを視聴者の皆様と分かち合えたことは、心から嬉しく思っている。テレビ朝日では、大会序盤からフィギュアスケートの団体戦、それからカーリング、またスノーボード女子ビッグエアなど歴史的な瞬間の数々を中継させていただいた。また、大会全体を振り返っても、“りくりゅう”ペアの驚異的な挽回劇での金メダルをはじめ、最後まで諦めないアスリートたちの姿、これが日本中に大きな勇気を与えてくれたと思う。深夜から早朝まで、まさに日本が一つになって画面越しに熱い声援を送った大会で、改めてこの五輪中継が生み出す巨大な熱量や、テレビとの相性の良さを強く実感した次第だ。現地の日本チームの帰国が今始まっているが、日本に感動と元気を届けていただいたことに改めて感謝をお伝えしたいし、長期間大変お疲れさまでした、ということもお伝えしたいと思っている。
※やや日が空いてしまったが、今月8日に投開票になった衆院選についても、振り返りや所感があれば伺いたい。
西社長:今回の選挙報道では、前回の参院選と同様に、有権者の皆様が判断するための材料をできるだけ分かりやすく伝えることを軸にして進めてきた。公平・公正の原則を踏まえ、選挙期間中にどんな情報をどのくらい、どのように伝えるべきかを日々考えながら、各番組での工夫を重ねたと思っている。また、SNSなどで広がる真偽不明の情報についても、事実を確認した上でお伝えすることを意識していた。選挙に関する期間は短かったが、有権者の判断に役立つ情報を地上波それからネット、そしてBS放送と多角的に展開できたものと考えている。
※今回、前回の衆院選などに比べれば各局とも事前の報道に力を入れていたところがあると思う。テレビ朝日の場合は、具体的にどういったところを心がけてやってきたか。
内藤取締役:選挙報道に関しては、昨年の参院選の前に「選挙の手引き」とは別に系列全体で新たに指針を立てた。選挙期間中もしっかり有権者に資する情報を出し続ける、それから確認できていない不明情報も含めて、ファクトチェックをしっかりして出し続けていくなど、とにかく量も相当増やして対応していくということでやってきた。今回も、これは去年の参院選もそうだが「確かめて、選ぶ」という番組横断のキャッチフレーズをつくり、各番組で展開してきた。地上波、BS、それからデジタル、ABEMA NEWSも含めて、全てのプラットフォームで多角的に展開する努力を行ってきた。
※結果として各局予想を上回るような自民党の大勝ということになったわけだが、テレビ朝日の報道がその結果にどんな風に影響があったと分析しているか。
内藤取締役:選挙結果への影響という文脈というより、とにかく選挙に関する期間が短かったが、各党の動きや政策、情報をくまなく出していくということに専心した。選挙結果にこれがどう影響したかということに関しては何とも言えないが、ファクトをしっかり出していくということでやってきた。この選挙結果を踏まえて、また国内・国外の情勢も踏まえて、しっかり伝えるべきことを伝えていこうというのが現状の考えだ。
※そういうテレビ朝日の努力によって、情報空間全体としての健全性というのは従来よりも高まった、良くなったという風に感じているか。
内藤取締役:「誤った情報が出ています」というアナウンスメント効果を期待して、我々も取り組んでいる。これからも様々な分析を踏まえて、今後ブラッシュアップしていきたいと考えている。
※今年1月にドラマ「科捜研の女」シリーズが26年の歴史に終わりを迎えたが、改めて受け止めや終了の理由を伺いたい。
西社長:「科捜研の女」シリーズは、1999年の開始から26年、通算300回ということで、日本のテレビドラマ史に残る作品となったと思う。まずは四半世紀にわたって、この作品を見守り、支えてくださった視聴者の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思う。それから主演の沢口靖子さんには、実に26年間、常に撮影現場の先頭に立って、年々複雑になる科学捜査の進化に真摯に向き合っていただいて「榊マリコ」という人物を成長させ、唯一無二の主人公を作っていただいた。その凛とした佇まいと情熱が、稀に見る長期間愛され続けるドラマを生み出した原動力であったことは間違いないと思っている。今回、最終回を迎え、作品が一つの完成形としてその役割を全うしたと思うが、改めて視聴者の皆様、そして全ての出演者ならびに制作スタッフに感謝を申し上げたいと思う。
※今年1月に久米宏さんの訃報があった。「ニュースステーション」で長らく活躍されたが、その受け止めや、久米さんが残した功績を伺いたい。
西社長:久米宏さんは、1985年の「ニュースステーション」の開始以来、18年以上にわたってメインキャスターとしてご出演いただいた。民放では前例のないプライム帯での大型報道番組としてスタートし、「中学生にもわかるニュース」というコンセプトのもと、ニュースの伝え方そのものを大きく変えていただいたものと思う。この番組の初代プロデューサーは現早河会長だったが、その早河会長をはじめ、当時の気鋭のスタッフたちの企画力と、久米さんの表現力の掛け算が原動力だったと思う。政治や社会の出来事だけではなく、スポーツや文化、それから世界の風景も含め、視聴者目線を第一に、18年間続いたこの番組は、報道のテレビ朝日という評価を社内外に確立してくれたし、その精神は現在の「報道ステーション」にも受け継がれていると思う。改めて、その功績に深く感謝するとともに、久米さんをはじめ諸先輩方が築かれたこの姿勢をこれからの報道にもしっかり生かしていきたいと考えている。
※今回WBCの放映権が取れなかったことで、営業への影響はあるか。
橋本取締役:当然あったと思う。通常であれば地上波の中だけでシェアされる広告費が今回は他のプラットフォームに入っているからだ。どのくらい影響があったのかは分からない。もともとあったお金がどれだけ流れたかは、事後になっても分からないと思う。
※WBCの中継制作委託を日本テレビが請け負うことになったが、テレビ朝日にも同様のオファーはあったのか。
西社長:打診はあったが、交渉には至っていない。
※(中継制作を)やりたかったか。
西社長:打診はあったが、交渉に至らなかったということだ。各局それぞれ個別の判断がある。
※日本テレビがWBCの「プロモーションパートナー」になったが、それによる番組制作への影響はあるか。
西社長:他局の考え方について言及する立場ではないが、国民の関心が非常に高いので、我々は報道・情報番組でも最大限、大会の熱狂を伝え、また過去の歴史を振り返る特番も放送できればと考えている。
※Netflixは先日、WBCの開催に合わせて月額500円を切る価格で利用できるキャンペーンを発表した。野球中継の見せ方もドローンを使うなど、今まで見たことのない演出を考えているそうだ。これらNetflixのパッケージ料金体系や野球中継のあり方をどう受け止めているのか。
西社長:他社の放送内容に関してコメントは控えたい。先ほど話したように、国民的な行事であり、当社は第1回大会から前回大会までずっと地上波中継に携わってきたので、率直な気持ちとしては残念だ。その上で、侍ジャパンを応援する気持ちは何も変わっていないので、現状で出来ることを最大限伝えていきたい。
※今回の新経営計画では、アニメ海外番販のほか、IPを軸としたビジネスへのシフトというのがより鮮明に打ち出されたと思う。WBCやワールドカップのようなスポーツ中継とは違い、IPの成長というのは永続的な収入源にもなると思うが、こういった方向に舵を切った狙いや理由、放送事業を取り巻く環境の変化について教えてほしい。
西社長:放送業界全体が激変しており、現段階では、今後地上波の広告収入が大きく成長を見込める状況ではないと思う。そのような背景がある中、IPにおける我々の考え方というのは、長期的にどれだけ多くの収益を生んでいくかというものだが、自社のコンテンツをしっかり育てて、世界にも問えるIPを数多く生み出し、それを提供していくという考え方が、一つの柱になっていくだろう。そういった背景で、今後IPをしっかり成長させたいと考えて、新経営計画に盛り込んでいる。
※人材の割り振りや仕事内容についても、今回の経営計画に沿って変わっていくものなのか。
西社長:経営計画をしっかり立てて、それを遂行して目標を達成するというのが我々の使命であるため、それに沿って人事計画は当然変えていくべきだと考えている。
※新経営計画には「IP開発を通じて視聴率トップを取り続け、全てのジャンルで強いコンテンツ・IPを大量創出」という項目があり、ドラマ枠のところで2029年目標として「ヒット映画に繋がるシリーズドラマの開発」という記載がある。このシリーズというのは、これまでの「相棒」や「緊急取調室」といったテレビ朝日が得意としているジャンルでのドラマ開発を目指しているのか、あるいは全く別のドラマというものも念頭に置いているのか、教えてほしい。
西社長:いま指摘があったように、「相棒」は我々の理想的な展開の一つだと思う。結局、強いIPというのは、皆様にご支持頂き、視聴率も良く、その他の様々な事業展開も長期間に渡って収益を上げるということなので、「相棒」のような我々の得意とするドラマを中心に展開したいとは思うが、長年、様々なジャンルのドラマにテレビ朝日はチャレンジしてきたので、そのノウハウを活かして、得意分野だけではなくて、新しいジャンルや新しいスケールのある時代劇などにも、挑戦していきたい。
※それに関連して「東映との連携強化でドラマから映画へ」という記載もあるが、これは現在放送している「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」の映画化といったものも念頭に置いて進めているものなのか。
西社長:「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」も世界展開や映画展開などもあると思うが、我々がこちらに書いているのは、いま水曜21時枠で、東映とのステアリングコミッティによる共同開発した作品を映画に持っていきたいということで書いている。
※新経営計画では、海外拠点の開設の検討や、アニメ制作の体制強化についても記載があるが、この部分についてもう少し具体的に教えてほしい。
西社長:我々としてはグローバル展開をどんどん進めていきたいと考えている。現在「ドラえもん」は約70の国と地域で、「クレヨンしんちゃん」は約50の国と地域で提供しているが、いま深夜で増枠しているアニメでも同様に海外で展開し、さらにストーリー系に関してもグローバルに展開できればと思う。海外の拠点に関しては、既にバンコクにソフトをセールスするような拠点もあり、アメリカにもテレビ朝日アメリカがあるため、そういったところを中心にどんどん世界に我々のコンテンツを展開できればと考えている。
※新設する拠点の数は、具体的にどのように考えているのか。
西社長:それに関しての詳細は、この場では控える。また改めて時が来たときに発表できればと思う。
※来月、東日本大震災から15年を迎えるが、力を入れて準備しているものは。
内藤取締役:当日、発災時間にはANN特別番組を鋭意準備中だ。そのほか、各時間帯の番組でもそれぞれのMCが被災3県の各ポイントで連日中継を展開し、特集を放送する方向で準備を進めている。
※15年を迎える今年ならではの準備しているものがあるか。
内藤取締役:被災各県の中で企画を各番組で立てている。15年ということで、いわゆる震災後の復興という目線はもちろん維持しながら、災害と災害の間、「災間」の中で被災後の知恵がどう生かされているかという視点での特集企画も今取材中だ。
※4K放送について、以前採算を取るのはかなり厳しいとのことだったが、その後の状況は。
西社長:2018年12月の開始以来、ビジネスとしては厳しい環境にあるのは事実だと思う。総務省の検討会でも、配信を含めた展開が必要だとの提言が出ており、そうした方向性も踏まえながら検討を進めたいと思っている。
※つまり4K放送は、やめるという方向で今検討を進めているという理解でよいか?
西社長:あらゆる方向性を確認した上で検討を進めているという状況だ。
※一方で配信にシフトしていく話も出ていると思うが、現状の考えは?
西社長:総務省の検討会では、配信を含めた展開が必要だという提言をいただいているため、そうした方向も踏まえて検討したいと思う。
※総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」で、同一の地域で民放テレビ1局が二つの波を持って良いのでは、との論点整理になったことへの受け止めと見解は。
西社長:一般論として、経営の選択肢を広げる規制緩和は望ましいと思う。その一方で、地域情報の多様性が損なわれる懸念もあると思うため、具体的な影響を十分に見極めながら、しっかりと検討していくことが大事ではないか。
※昨年12月に転落事案があった。その後も警察の捜査などがあったと思うが、翌日以降、多分発表がないと思う。現在の状況や発表できることを伺いたい。
西社長:亡くなられたスタッフの方にはご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様には心よりお悔やみを申し上げたいと思う。弊社としては、残されたご家族のお気持ちに寄り添って、丁寧に対応を進めてまいりたいと思うが、事案の詳細に関しては、プライバシー保護の観点もあるので、回答は控えさせていただきたいと思う。
