社長定例会見

篠塚浩社長 社長会見(3月26日)要旨

2024-03-26
※視聴率に関する社長所感。
篠塚社長: 2023年度の年度視聴率について、昨日までの段階で、個人全体では全日が日本テレビと並んで1位タイ、ゴールデンが2位、プライムが1位で、2冠という状況だ。世帯視聴率では3冠。今日含めて残りあと6日、最後まで全力を尽くしていきたいと思う。直近では、ソウルで行われた「MLBソウルシリーズ2024第2戦 ドジャース×パドレス」がレギュラー枠と枠内対応をした「報道ステーション」で、ともに個人全体で10%を超える高い視聴率を記録した。また、先週土曜日に放送した「タモリステーション」では、栗山英樹さん、古田敦也さん、松坂大輔さんという野球界の3人のレジェンドに、そのソウルシリーズや今シーズンのメジャーリーグの日本人選手について徹底的に検証していただいた。最後に、平日早朝の「グッド!モーニング」が大変好調であることについて触れさせていただく。昨年の7月クールで、7時台が個人全体の平均で番組史上初めて民放トップを獲得した。それ以降、現在のクールまで3クール、トップを維持している。この勢いを生かすため、4月クールからは土曜日の朝まで放送枠を拡大することにした。土曜日も多くの視聴者の皆様にご支持いただけることを願っている。
※最新の視聴率について。
西常務: 個人全体の年度視聴率は全日3.5%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが5.3%で2位、プライムが5.3%で1位、プライム2は1.8%で2位。続いて世帯の年度視聴率は、全日6.3%で1位、ゴールデンが8.9%で1位、プライムが9.0%で1位、プライム2が3.5%で2位となっている。1月クールは、個人全体では全日が3.7%で日本テレビと並び1位タイ、ゴールデンが5.7%で2位、プライムが5.6%で1位、プライム2が1.9%で2位。そしてクールの世帯では、全日が6.6%で1位、ゴールデンが9.4%で1位、プライムが9.4%で1位、プライム2は3.6%で2位という状況だ。
※営業状況について。
橋本取締役: 2月、3月の売上状況から報告する。まず2月の数字は、タイムが前年比で102.4%、スポットは98.2%で、トータル100.1%で確定した。一方3月は、現時点ではタイム、スポット合わせて前年比95%台の半ばといった状況だ。内訳はタイムが87%弱、スポットは103%となっている。3月のタイムについて、今年はWBCの編成がないためその分売上も下がるという構図になっているが、ポジティブな材料として「MLBソウルシリーズ2024」があった。編成決定と同時に多くのアドバタイザーから非常に強い引きをいただいた。3月のスポットは、食品会社や製薬会社を中心に需要が拡大した。東京地区は前年並みを想定しているが、当社は地区を上回って着地する見込みだ。シェアは伸びることになると思う。簡単に今年度を振り返ると、やはり個人消費の低迷が企業の宣伝意欲を減退させたのではないか、と感じている。ただ、そのような中でも当社は高い視聴率を維持したので、これを背景に柔軟にセールスに臨むことができた。おかげさまで、年度を通して東京地区のテレビ広告の売上シェアで過去最高を記録するのではないかと見ている。
続いて4月について、新年度の滑り出しはまずまずと言えると思う。現時点ではタイムは前年比で97%ほど、スポットも97%台で推移している。
※放送外収入について。
武田副会長: イベント・コンテンツビジネス関連のトピックスを報告する。まず初めに、今年も当社の夏祭りを実施することにした。タイトルは「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION 2024」。期間は7月20日から8月25日までの37日間だ。開催エリアや企画、アトラクションなどは現在検討中。詳細が確定し次第、公表したい。そのほかイベント関連を4件ほど紹介する。まず1件目は「おっさんずラブReturns展」。3月1日に放送を終了した「おっさんずラブ-リターンズ-」だが、この世界観を満喫できる放送後の展示会、いわゆる事後展だ。昨年末から今年の1月末まで全国で開催した展示会、放送直前の復習編という展示会に引き続く事後編となる。東京ではHMVミュージアム渋谷で4月20日から6月9日まで、大阪では心斎橋OPAで、6月15日から7月15日までの開催だ。2件目は「DINO SAFARI 2024」。今年で7回目となる。ゴールデンウィーク恒例の恐竜体験型ライブエンターテインメントだ。開催時期は4月26日から5月6日まで、会場は渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホールで開催する。3件目は「歌舞伎町 UP GATE↑↑2024」。歌舞伎町の新名所である東急歌舞伎町タワーを中心に、複数の周辺ライブハウスのステージを活用して展開するアイドルフェスだ。昨年の5月に初めて開催して、今回2回目の開催となる。最後は当社の開局65周年記念イベント、「反田恭平×A・オッテンザマー バーゼル室内管弦楽団 日本ツアー2024 supported by idemitsu」のコンサートだ。第18回ショパン国際コンクールで日本人として半世紀ぶりに第2位を獲得し、今やチケットが手に入らないピアニストとして有名な反田恭平氏と、世界的に高い評価を受けているスイスのバーゼル室内管弦楽団の初来日公演だ。ツアーは6月28日新潟から7月4日広島まで6公演開催するが、当社はそのすべてを主催する。そのうち、7月1日のサントリーホールと2日の東京オペラシティコンサートホールでの公演を当社の開局65周年記念イベントとして開催する。
※TELASAについて。
篠塚社長:TELASA関連の前に、ニュース配信についてお話をさせていただく。テレビ朝日が運営するYouTubeの公式アカウント「ANNnewsCH(ANNニュースチャンネル)」のチャンネル登録者数が一昨日400万人に達した。このニュースチャンネルは、2009年9月にスタートし、登録者数が100万人を超えたのが2020年3月、それからおよそ4年で4倍になった。ニュースだけを配信するチャンネルとして、ここまで多くの方に登録いただいたことは大変励みになると同時に、インターネット上に取材に基づいた確かな情報を提供していかなくてはいけないという情報インフラとしての責任も増したことになる。今後さらに内容の充実を図っていきたい。TELASAだが、先月に引き続き「おっさんずラブ-リターンズ-」関連が大変好評で、特にTELASAだけでしか見ることができないオリジナルのスピンオフドラマが多くの会員獲得につながっている。また「相棒season22」「恋する警護24時」「離婚しない男~サレ夫と悪嫁の騙し合い~」「グレイトギフト」「マルス~ゼロの革命~」など1月クールの各ドラマが最終回を迎え、TELASAでも多く視聴いただいている。
※ABEMAと出資映画について。
西常務: まずABEMAだが、WAUが平均で今1,900万前後と好調に推移をしている。ABEMA NEWS、アニメといった定番コンテンツに加え、サッカーのプレミアリーグ、大相撲、そしてMLBと多彩なラインナップをお届けしているので、引き続きご期待いただければと思う。出資映画関連だが、3月公開の「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)」が現時点で興行収入が24億9,000万円、動員が207万人と好調に推移をしている。そして、来月19日には「劇場版ブルーロック-EPISODE 凪-」が公開される。こちらもぜひご期待いただければと思う。
※4月改編について。
篠塚社長: これまでと同様、あらゆる世代の方にテレビを見ていただくオールターゲット戦略でタイムテーブルを構築している。半年前の10月クール改編で、ゴールデン・プライム帯については火水木の19時台を中心に大きな改編をしたので、4月クールは、それをよりブラッシュアップさせて定着を図っていきたい。ドラマ以外のところは、ゴールデン・プライムでは改編をしていない。ゴールデン・プライム以外では、好調な「グッド!モーニング」を土曜日にまで拡大した。
西常務:今回は大きな改編の後なので、それが定着するように、内容をしっかりと強化していきたいという方向性だ。
※今回、小幅な改編にとどまったのは現在の視聴率が好調なためか。
篠塚社長:半年前の改編が非常に大きかったので、その定着を図っていかなくてはいけない。そのためには改編した番組のクオリティを上げていくというのが一番だと思う。それが狙いだ。
※半年前の改編の手応えは。
篠塚社長:火水木の19時台を改編して手応えもあり、さらに上昇させなくてはいけないと思う。
※旧ジャニーズ関連の、補償を含めた進行状況を受けて、現在の受け止めは。
篠塚社長:補償に関して言えば、一歩一歩進んでいると認識している。引き続き、誠実に、可能な限り速やかに補償を進めていただくようにお願いをしたいと思っている。
西常務:新しい会社ではガバナンス、コンプライアンスを強化するというのはいつも通り申し入れている。このような人権侵害問題が決して起こらないようにとお願いするとともに、公正かつ透明性を持ったビジネスをお互いやっていこうということで関係性を保っている。
※4月改編のドラマでは旧ジャニーズ事務所、現STARTO ENTERTAINMENT所属の俳優が、主役級、準主役級でゴールデン・プライム3本、さらにもう少し遅い時間でもう1本ということで、他局と比べてもかなり多いという印象を受けた。そのあたり、狙いというか、どのように受け取ればいいのか。
篠塚社長:これまでも申し上げている通りタレントの皆さんに問題があるとは考えていないので、企画内容に応じて総合的に判断した結果、こういう形になったということだ。
※2月に弁護士や大学教授の市民グループが、株主提案権に必要な分の株を購入して提案をしていくとの会見を実施した。その件で、市民が声を上げる手段になると思う一方で、あまりにもこういう動きが大きくなり過ぎると、テレビ局や報道の自主性にも関わるのかなと思ったが、このような動きに関して所見を伺いたい。
篠塚社長:現時点で具体的な提案をいただいていないので、このタイミングではコメントを控えさせていただく。
※一般論としてもコメントは控えるということか。
篠塚社長:当然、そういう会見を行って、そういう動きがあるということは存じ上げている。もしそういうことがあった場合には、社として適切に対応していかなくてはいけない。このタイミングで何かを申し上げることは控えさせていただく。
※ドジャースの開幕第2戦を中継したが、視聴率に関する受け止めは。
篠塚社長:視聴率が個人全体で10%を超えた。試合も長かったので、「報道ステーション」も含めて10%超えていて、かなり高い数字をいただいたと思っている。
西常務:このような試合を中継させていただいて本当に感謝している。多くの方に見ていただいたのでありがたく思っている。
※「グッド!モーニング」の視聴率が好調で、4月から土曜にも拡大ということだが、好調の要因を、どう考えているか。
篠塚社長:一言ではなかなか言いにくいが、10年くらい前までは、私どもとしては非常に厳しい枠だった。他局に大変強力な番組がある中で、スタッフの地道な努力の結果だと思っている。見ていただければわかるように、非常に丁寧に作っている。ニュース、スポーツ、あるいはエンタメ系の情報も、メリハリが利いていて、非常に心地よく朝の時間帯に見られると思う。言ってみれば10年がかりでここまできたなという感じだ。この1、2年の話ではない。
※NHKのインターネット業務の必須業務化などを盛り込む放送法改正案が国会に提出され、いよいよ放送法の改正が見えてきたことに対する受け止めは。
篠塚社長:放送法改正の動きに合わせて競争評価のための準備会合をやっている。そこでNHK、民放、総務省、新聞協会のステークホルダーが集まって、どうやって健全な競争の環境を作るかということを議論している。しかし現時点ではNHKが番組関連情報に関して具体的な内容を示していないため、議論が前に進んでいないと個人的には感じている。できるだけ早いタイミングでNHKとしてネット上で出したいコンテンツについて提示いただきたい。
※番組関連情報を整理して、新しいサイトを立ち上げるということになっているが、実際にどういった内容になるのかよく分からないという状況か。
篠塚社長:どういった形でどのようなコンテンツを出してくるのかが見えていないため、できるだけ早いタイミングでNHKには出してもらいたい。
※ニュースサイトも運営している中で、どのようにNHKがネット業務を行うのかということは、テレビ朝日にも影響があるという認識か。
篠塚社長:個社ごとというよりも日本社会にとっての多元的メディアの在り方が一番重要になっていく。その中でもきちんとした競争がどう担保されるかというところを話していく必要がある。